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レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに…再会?! 1)
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青い空の下、ザザザザと波をかき分けて進む大きな帆船。
「わぁ~…気持ちの良い空ね…。やっぱり海の旅は最高だわ~…」
甲板の手すりにつかまり、私は潮風をおもいきり胸に吸い込んだ。
私達旅の一行はナージャさんの占いと、ミラージュの力自慢。そして私の動物との対話?の大道芸によって大金を稼ぎ、初めて貸し切った船なのだ。
船長は勿論、船員たちも揃っている。
「ううぅうう…。ふ、船を借りるよりも…私がドラゴンになって…皆さんを運んだ方が余程早いのに…」
船酔いで甲板の上に倒れているミラージュは苦し気に訴えている。
「まさにその通りだと思うよ…うっうっ‥船酔いが…こ、こんなにもきついとは…」
その横では船酔いしていてもイケメンオーラを放つセネカさんが苦し気に喘いでいた。う~ん…やはりセクシーだ。
「レ、レベッカ…君…今、変なことを考えては…いないだろうね…?」
セネカさんの隣で同じく船酔いで倒れているサミュエル王子が恨めしそうな目で私を見た。
「い、いえ?何もおかしなことなど考えてはいませんよ?」
慌てて首を振る私。
「船酔いもやはり慣れですよね~。でも流石はレベッカ様。船酔いすら起こさないなんて凄すぎます」
「はぁ‥ありがとうございます」
「それにしてもドラゴンは空を飛びなれているので、船酔いなどしないと思っていたのですが、実際はそうではないのですね?」
ナージャさんが耳打ちしてきた。
「ええ。そうよね。高速で飛べるし、空中旋回も出来るのだから乗り物酔いなんか平気だと思っていたけど…」
う~ん。
でも確かにミラージュは馬車にすら酔っていたっけ…。ひょっとしてドラゴンは乗り物とは相性が悪いのだろうか…?
私は何故か甲板の上で倒れている3人をチラリと見た。3人はもはや話をする気力も無いようだ。
「ところで船酔いをおこしているのだったら、どうして船の中に入らないのかしら?あんなところで倒れていたら、太陽の日差しに照り付けられて暑いし、まぶしいのじゃないかしら?」
思っていた疑問を素直に口にした。
「ええ。それなんですけどね…まだ風に当たっていたほうが船酔いが和らぐからここにいたいと3人とも仰っていたのですよ」
「成程…」
「でもセネカさんて本当にドラゴンかどうか疑わしかったですが…まさかレベッカ様のお母様の居場所が私が占った場所と一致したのですからね。やはり本物のドラゴンに間違いないのでしょうね」
ナージャさんが耳打ちしてきた。
「ええ、そうね。やっとお母様に会えるのね…」
しかし、意外な再会も待ち受けているとはこのときの私は思ってもいなかった―。
「わぁ~…気持ちの良い空ね…。やっぱり海の旅は最高だわ~…」
甲板の手すりにつかまり、私は潮風をおもいきり胸に吸い込んだ。
私達旅の一行はナージャさんの占いと、ミラージュの力自慢。そして私の動物との対話?の大道芸によって大金を稼ぎ、初めて貸し切った船なのだ。
船長は勿論、船員たちも揃っている。
「ううぅうう…。ふ、船を借りるよりも…私がドラゴンになって…皆さんを運んだ方が余程早いのに…」
船酔いで甲板の上に倒れているミラージュは苦し気に訴えている。
「まさにその通りだと思うよ…うっうっ‥船酔いが…こ、こんなにもきついとは…」
その横では船酔いしていてもイケメンオーラを放つセネカさんが苦し気に喘いでいた。う~ん…やはりセクシーだ。
「レ、レベッカ…君…今、変なことを考えては…いないだろうね…?」
セネカさんの隣で同じく船酔いで倒れているサミュエル王子が恨めしそうな目で私を見た。
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慌てて首を振る私。
「船酔いもやはり慣れですよね~。でも流石はレベッカ様。船酔いすら起こさないなんて凄すぎます」
「はぁ‥ありがとうございます」
「それにしてもドラゴンは空を飛びなれているので、船酔いなどしないと思っていたのですが、実際はそうではないのですね?」
ナージャさんが耳打ちしてきた。
「ええ。そうよね。高速で飛べるし、空中旋回も出来るのだから乗り物酔いなんか平気だと思っていたけど…」
う~ん。
でも確かにミラージュは馬車にすら酔っていたっけ…。ひょっとしてドラゴンは乗り物とは相性が悪いのだろうか…?
私は何故か甲板の上で倒れている3人をチラリと見た。3人はもはや話をする気力も無いようだ。
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「成程…」
「でもセネカさんて本当にドラゴンかどうか疑わしかったですが…まさかレベッカ様のお母様の居場所が私が占った場所と一致したのですからね。やはり本物のドラゴンに間違いないのでしょうね」
ナージャさんが耳打ちしてきた。
「ええ、そうね。やっとお母様に会えるのね…」
しかし、意外な再会も待ち受けているとはこのときの私は思ってもいなかった―。
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