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第9章 7 不機嫌な理由
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「新作スイーツ?ひょっとしてフランシスが作ったの?」
ヒルダは目を丸くした。
「あ、ああ。そうなんだ。実は今料理学校へ通いながら家の手伝いをしているんだけど、学校の課題でオリジナルスイーツを作って発表しなくてはならなくて…もしよければヒルダに協力してもらえれば…と思ってね」
フランシスは何処か恥ずかしそうだった。
「でも…私なんかでいいの?もっと適任な人がいるじゃないの。マドレーヌはどう?」
「マドレーヌ?ああ、駄目駄目。俺のライバルみたいな相手に手の内を明かすわけにはいかないだろう?第一恋人がいる相手を誘えるはず無いじゃないか」
「そうなの…?分かったわ。明日は大学の講義は丁度お休みだし…12時にこのお店にくればいいのね?」
「来てくれるのか?ありがとう!そうだ、スイーツだけじゃない。昼も用意しておくよ。こうみえて俺、今はこのレストランの賄料理担当しているんだ」
「本当?凄いわね。それじゃ明日、楽しみにしているわ」
「た、楽しみ…?それは嬉しい言葉だな」
ヒルダはスイーツと料理を楽しみにしていると言う意味で言ったのだが、フランシスは違う意味で取っていた。てっきり自分に誘われたことを楽しみにしているのかと思い込んでいたのだ。
「また明日ね」
「あ、ああ。また明日」
ヒルダが手を振って店を出るのをフランシスは頬を赤らめて見守っていた―。
****
「すみません、お待たせ致しました」
扉を開けて外へ出ると海を眺めて立っているノワールが振り返った。
「ああ、用事は済んだのか?」
「はい、終わりました」
「そうか、なら帰ろうか?」
「はい」
バス停へ向かいながらノワールはヒルダに話しかけてきた。
「ヒルダ、明日は大学の講義が休みだろう?もし何も用事がなければまたあの古本屋へ行かないか?」
ノワールの言葉にヒルダは謝罪した。
「申し訳ございません…明日は用事が出来てしまったのです」
「用事?」
ノワールは眉を潜めた。
「はい、実は先程のウェイターの彼…フランシスに新作スイーツを作ってみたから私に食べてもらいたいと誘われたのです。ついでにお昼も誘われました」
「…そうなのか…」
その言葉を聞いたノワールは再び不機嫌そうに呟くと黙り込んでしまった。
(ノワール様…まただわ…。私、また何かノワール様の機嫌を損ねるような事を言ってしまったのかしら…)
ヒルダは全く気付いていなかった。ノワールが自分を愛していることを。
そしてフランシスに嫉妬してるということを。
そして、2人は気まずい雰囲気のまま停留所に到着すると無言でバスを待っていた。
「…」
バスを待ちながらヒルダはそっと隣に立っている背の高いノワールを見上げた。
街灯に照らされたノワールの髪が金色に輝いてる。
「ヒルダ」
ノワールはヒルダの方を見ずに声を掛けてきた。
「はい」
「あの男と付き合っていたことでもあるのか?」
「え?」
「い、いえ。まさか…単なる高校生の時の同級生です。それに卒業してから会うのも初めてですから」
「そうか…だが、彼の方は…」
そこでノワールは言葉を切った。
「あの、ノワール様…?」
「いや、何でも無い」
そこまで話をした時、丁度バスがやってくると停留所に停車した。
「よし…乗ろう」
「はい」
そして2人はバスに乗り込むとすぐに扉はしまり、エンジン音と共に走り出した。
「…」
隣同士の座席に座ったものの、やはりノワールは無言でバスに乗っている。仕方がないのでヒルダは窓から外の景色を眺めていた。
そんなヒルダを横目でチラリと見ながらノワールは思った。
やはり、自分は口下手な男だ―と。
ヒルダは目を丸くした。
「あ、ああ。そうなんだ。実は今料理学校へ通いながら家の手伝いをしているんだけど、学校の課題でオリジナルスイーツを作って発表しなくてはならなくて…もしよければヒルダに協力してもらえれば…と思ってね」
フランシスは何処か恥ずかしそうだった。
「でも…私なんかでいいの?もっと適任な人がいるじゃないの。マドレーヌはどう?」
「マドレーヌ?ああ、駄目駄目。俺のライバルみたいな相手に手の内を明かすわけにはいかないだろう?第一恋人がいる相手を誘えるはず無いじゃないか」
「そうなの…?分かったわ。明日は大学の講義は丁度お休みだし…12時にこのお店にくればいいのね?」
「来てくれるのか?ありがとう!そうだ、スイーツだけじゃない。昼も用意しておくよ。こうみえて俺、今はこのレストランの賄料理担当しているんだ」
「本当?凄いわね。それじゃ明日、楽しみにしているわ」
「た、楽しみ…?それは嬉しい言葉だな」
ヒルダはスイーツと料理を楽しみにしていると言う意味で言ったのだが、フランシスは違う意味で取っていた。てっきり自分に誘われたことを楽しみにしているのかと思い込んでいたのだ。
「また明日ね」
「あ、ああ。また明日」
ヒルダが手を振って店を出るのをフランシスは頬を赤らめて見守っていた―。
****
「すみません、お待たせ致しました」
扉を開けて外へ出ると海を眺めて立っているノワールが振り返った。
「ああ、用事は済んだのか?」
「はい、終わりました」
「そうか、なら帰ろうか?」
「はい」
バス停へ向かいながらノワールはヒルダに話しかけてきた。
「ヒルダ、明日は大学の講義が休みだろう?もし何も用事がなければまたあの古本屋へ行かないか?」
ノワールの言葉にヒルダは謝罪した。
「申し訳ございません…明日は用事が出来てしまったのです」
「用事?」
ノワールは眉を潜めた。
「はい、実は先程のウェイターの彼…フランシスに新作スイーツを作ってみたから私に食べてもらいたいと誘われたのです。ついでにお昼も誘われました」
「…そうなのか…」
その言葉を聞いたノワールは再び不機嫌そうに呟くと黙り込んでしまった。
(ノワール様…まただわ…。私、また何かノワール様の機嫌を損ねるような事を言ってしまったのかしら…)
ヒルダは全く気付いていなかった。ノワールが自分を愛していることを。
そしてフランシスに嫉妬してるということを。
そして、2人は気まずい雰囲気のまま停留所に到着すると無言でバスを待っていた。
「…」
バスを待ちながらヒルダはそっと隣に立っている背の高いノワールを見上げた。
街灯に照らされたノワールの髪が金色に輝いてる。
「ヒルダ」
ノワールはヒルダの方を見ずに声を掛けてきた。
「はい」
「あの男と付き合っていたことでもあるのか?」
「え?」
「い、いえ。まさか…単なる高校生の時の同級生です。それに卒業してから会うのも初めてですから」
「そうか…だが、彼の方は…」
そこでノワールは言葉を切った。
「あの、ノワール様…?」
「いや、何でも無い」
そこまで話をした時、丁度バスがやってくると停留所に停車した。
「よし…乗ろう」
「はい」
そして2人はバスに乗り込むとすぐに扉はしまり、エンジン音と共に走り出した。
「…」
隣同士の座席に座ったものの、やはりノワールは無言でバスに乗っている。仕方がないのでヒルダは窓から外の景色を眺めていた。
そんなヒルダを横目でチラリと見ながらノワールは思った。
やはり、自分は口下手な男だ―と。
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