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第4章 35 母と兄と
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ダイニングルームへ行くとヒルダは驚いた。何とそこには車椅子に座った母の姿があったからだ。
「母上、お待たせいたしました。ヒルダを連れてきました」
エドガーはニコリと笑うとヒルダを見た。
「おはよう、ヒルダ。少しは眠れたのかしら?」
マーガレットはまだ弱々しいながらも笑みを浮かべてヒルダを見る。
「お母様…ベッドから起き上がって大丈夫だったのですか?」
ヒルダは母に近付くと、そっと手に触れた。
「ええ、大丈夫よ。やっぱりヒルダと一緒に食事がしたかったから。でもまだ大したものは食べられないのだけどね」
マーガレットの座るテーブルの前には、湯気の立つオートミールのミルク粥と
ポタージュが置かれている。ヒルダの視線に気づいたのか、マーガレットは言った。
「フフ…ヒルダ。驚いているのね?でも、これでも大分食べられるようになったのよ?以前はスープしか飲めなかったのだから。後は点滴で栄養を繋いでいたのよ」
「そう…だったのですか?」
ヒルダはマーガレットの現況を知り、驚いていた。
「だからヒルダ。貴女には…きちんと食事をとって欲しいのよ。貴女が今、どれ程辛くて食事も喉を通らない位、打ちひしがれているのは理解出来るわ。何故なら私だって一時的にとはいえ、愛する娘を失ってしまったのだから」
「お母様…!」
ヒルダは母の言いたい事が理解出来た。そして俯いてしまった。するとそんなヒルダにエドガーが声を掛けてきた。
「ヒルダ、母上の為にも…ここは無理してでも食べてくれないか?皆本当にお前の事を心配しているんだ…」
「お兄様…分りました。頂きます…」
ヒルダはマーガレットの向かい側に座った。そしてエドガーはヒルダの右側の席に着いた。それを見計らったかのように、部屋に控えていた給仕たちが動き出した。
料理を運んでくる者、飲み物を用意する者…。全ての用意が終わると給仕たちは頭を下げると退室した。
「では、食事を頂きましょう。子供達」
マーガレットはヒルダとエドガーを見ると言った。
「「はい」」
ヒルダとエドガーは返事をし‥朝食が開始された。
ヒルダは自分好きなドライフルーツを食べた。これならどんなに食欲が無くても食べられたからだ。その他にスコーンを1つ、そしてポタージュを飲んだ。
(良かった…ヒルダ。自主的にほんの少しでも食事を取ってくれて…)
エドガーはヒルダの様子を伺いながら思うのだった―。
****
食後のカウベリーティーを3人で飲んでいる時に、ヒルダが尋ねてきた。
「あの…お父様は今朝はいらっしゃらないのですか?」
ヒルダは父、ハリスが不在なので誰に言うともなしに、口に出した。すると母が答えた。
「お父様は…ルドルフの屋敷に行ってるのよ。弔問の為にね」
「え…?ルドルフの…?」
途端にヒルダの顔が真っ青になる。エドガーはヒルダに言った。
「マルコは…最初は執事を辞めてしまうのではないかと思っていたんだ。だが、この屋敷で引き続き働かせて欲しいと願い出て来て…父が1週間休みを与えたんだ」
「そう…だったのですか…」
ヒルダは激しく自分を責めていた。ルドルフが死んでしまった原因を作ってしまったのは自分ではないかと思っていたのだ。
「お母様、お兄様、私‥‥ルドルフの御両親に顔向けできません…。だってルドルフが死んでしまった原因を作ったのは私かもしれないのだから…」
ヒルダの目に涙が浮かぶ。
「何を言うの?そんな事あるはずないでしょう?」
マーガレットは弱々しいながらもはっきり言い切った。
「ああ、そうだ。絶対にそんなはずはない」
エドガーは思った。
むしろ、ルドルフは死ぬ前にヒルダと恋人同士になれて幸せだったのではないだろうか‥と―。
「母上、お待たせいたしました。ヒルダを連れてきました」
エドガーはニコリと笑うとヒルダを見た。
「おはよう、ヒルダ。少しは眠れたのかしら?」
マーガレットはまだ弱々しいながらも笑みを浮かべてヒルダを見る。
「お母様…ベッドから起き上がって大丈夫だったのですか?」
ヒルダは母に近付くと、そっと手に触れた。
「ええ、大丈夫よ。やっぱりヒルダと一緒に食事がしたかったから。でもまだ大したものは食べられないのだけどね」
マーガレットの座るテーブルの前には、湯気の立つオートミールのミルク粥と
ポタージュが置かれている。ヒルダの視線に気づいたのか、マーガレットは言った。
「フフ…ヒルダ。驚いているのね?でも、これでも大分食べられるようになったのよ?以前はスープしか飲めなかったのだから。後は点滴で栄養を繋いでいたのよ」
「そう…だったのですか?」
ヒルダはマーガレットの現況を知り、驚いていた。
「だからヒルダ。貴女には…きちんと食事をとって欲しいのよ。貴女が今、どれ程辛くて食事も喉を通らない位、打ちひしがれているのは理解出来るわ。何故なら私だって一時的にとはいえ、愛する娘を失ってしまったのだから」
「お母様…!」
ヒルダは母の言いたい事が理解出来た。そして俯いてしまった。するとそんなヒルダにエドガーが声を掛けてきた。
「ヒルダ、母上の為にも…ここは無理してでも食べてくれないか?皆本当にお前の事を心配しているんだ…」
「お兄様…分りました。頂きます…」
ヒルダはマーガレットの向かい側に座った。そしてエドガーはヒルダの右側の席に着いた。それを見計らったかのように、部屋に控えていた給仕たちが動き出した。
料理を運んでくる者、飲み物を用意する者…。全ての用意が終わると給仕たちは頭を下げると退室した。
「では、食事を頂きましょう。子供達」
マーガレットはヒルダとエドガーを見ると言った。
「「はい」」
ヒルダとエドガーは返事をし‥朝食が開始された。
ヒルダは自分好きなドライフルーツを食べた。これならどんなに食欲が無くても食べられたからだ。その他にスコーンを1つ、そしてポタージュを飲んだ。
(良かった…ヒルダ。自主的にほんの少しでも食事を取ってくれて…)
エドガーはヒルダの様子を伺いながら思うのだった―。
****
食後のカウベリーティーを3人で飲んでいる時に、ヒルダが尋ねてきた。
「あの…お父様は今朝はいらっしゃらないのですか?」
ヒルダは父、ハリスが不在なので誰に言うともなしに、口に出した。すると母が答えた。
「お父様は…ルドルフの屋敷に行ってるのよ。弔問の為にね」
「え…?ルドルフの…?」
途端にヒルダの顔が真っ青になる。エドガーはヒルダに言った。
「マルコは…最初は執事を辞めてしまうのではないかと思っていたんだ。だが、この屋敷で引き続き働かせて欲しいと願い出て来て…父が1週間休みを与えたんだ」
「そう…だったのですか…」
ヒルダは激しく自分を責めていた。ルドルフが死んでしまった原因を作ってしまったのは自分ではないかと思っていたのだ。
「お母様、お兄様、私‥‥ルドルフの御両親に顔向けできません…。だってルドルフが死んでしまった原因を作ったのは私かもしれないのだから…」
ヒルダの目に涙が浮かぶ。
「何を言うの?そんな事あるはずないでしょう?」
マーガレットは弱々しいながらもはっきり言い切った。
「ああ、そうだ。絶対にそんなはずはない」
エドガーは思った。
むしろ、ルドルフは死ぬ前にヒルダと恋人同士になれて幸せだったのではないだろうか‥と―。
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