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第4章 26 教会で
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ゴーン
ゴーン
ゴーン
町の郊外にある、カウベリーで1番立派な教会の鐘の音が鳴り響いている。
今にも雪が降りそうなどんよりとした雲の下で、今まさにルドルフの葬儀が執り行われようとしていた。
暖炉で温められた教会の一番先頭の席にはショックのあまり、呆然自失となっているルドルフの両親が座っていた。そしてまた教会の一番後ろの席には喪服を着たクロード警部補が項垂れた様子で座っていた。彼の腕の傷は深く、撃たれた左腕は三角巾でつられている。
ヒルダを連れて教会へ到着したハリス達はすぐにクロード警部補に気付き、ハリスは声を掛けた。
「刑事さん」
その声にクロード警部補は顔を上げた。
「フィールズ伯爵…この度は本当に申し訳ございませんでした」
立ち上がると頭を下げた。そこでハリスは背後に立っているヒルダに声を掛けた。
「ヒルダ、この方がルドルフ君の最後まで付き添っていた刑事さんだよ」
「刑事さん…?ルドルフがよく話してくれていた…?」
ヒルダは顔を上げてクロード警部補を見た。
「貴女が…ルドルフ君が話してくれていたヒルダさんですか?」
クロード警部補はヒルダを見た。ヒルダは帽子に付けた黒いヴェールのせいであまり表情が見えなかったが、それでもとても美しい少女だとクロード警部補は思った。
(これならルドルフ君が彼女に恋する気持ちも良く分かる…)
ヒルダはクロード警部補の言葉に反応した。
「え…?ルドルフが私の事を話していたのですか…?」
「はい、彼は言っていました。僕には愛する女性がいますと。とても美しくて、心の優しい素敵な女性だと会うたびに私に話してくれていました」
「ルドルフが…そんな事を…」
再びヒルダの大きな目から涙が溢れてきた。思わずうつむいて嗚咽すると、エドガーが黙ってヒルダの肩を抱き寄せる。
「本当に、申し訳ありませんでした。全ては私の責任です。たった2人きりでグレースの母親に会いに行かなければ…彼女の凶行を止められたかもしれません。何ともお詫びの使用がありません」
クロード警部補は肩を震わせて謝罪した。
「い、いえ‥刑事さん。ルドルフは‥わ、私のせいで‥死んでしまったんです‥‥。ルドルフは占い師のおばあさんに死相が出てるって言われていて…引き留めていれば良かったんです‥そ、そうしたらルドルフは死なずにす、すんだのに。お守りを渡しておけば…安心だと思って…」
そしてすすり泣く。
「ヒルダ…」
エドガーはヒルダの震える小さな肩を抱きしめながら思った。
(ヒルダはルドルフの死のショックで大分精神が混乱しているのかもしれない。何て可愛そうなんだ…。式は長くつづく。ヒルダを休ませておいた方が良さそうだな)
「ヒルダ、式が始まるまで椅子に座って休んでいた方がいい。行こう」
ヒルダはすすり泣きながら黙って頷く。
「刑事さん、父上。ヒルダを休ませる為に連れて行きますね」
エドガーはハリスとクロード警部補に声を掛ける。
「ああ、分った」
「はい、分りました」
エドガーとクロード警部補は交互に行った。
「エドガー様。私もヒルダ様に付き添います」
それまで静かに控えていたカミラが言った。
「ああ、そうだな。カミラ、君もヒルダに付き添ってくれ。」
そしてエドガーはヒルダを連れて教会の一番後ろの右側の席に連れて行くと座らせた。
「ヒルダ。辛かったら…いつでも退席していいからな?」
エドガーはヒルダに声を掛ける。
「お兄様…。で、でも私は…さ、最後までルドルフの見送りをしたいんです…。だ、だってルドルフは私の恋人だったから…」
「恋人…」
正直な事を言えば、ヒルダの口からルドルフの事を恋人と聞かされることはエドガーにとっては辛い事だった。しかし、愛する人を失ってしまったヒルダの辛さに比べれば些細な事だとエドガーは思う事にした。
「そうか、分った。それじゃ、最後までルドルフを見送ろう。俺が…傍にいるから」
エドガーは涙にくれるヒルダに語り掛けるのだった―。
ゴーン
ゴーン
町の郊外にある、カウベリーで1番立派な教会の鐘の音が鳴り響いている。
今にも雪が降りそうなどんよりとした雲の下で、今まさにルドルフの葬儀が執り行われようとしていた。
暖炉で温められた教会の一番先頭の席にはショックのあまり、呆然自失となっているルドルフの両親が座っていた。そしてまた教会の一番後ろの席には喪服を着たクロード警部補が項垂れた様子で座っていた。彼の腕の傷は深く、撃たれた左腕は三角巾でつられている。
ヒルダを連れて教会へ到着したハリス達はすぐにクロード警部補に気付き、ハリスは声を掛けた。
「刑事さん」
その声にクロード警部補は顔を上げた。
「フィールズ伯爵…この度は本当に申し訳ございませんでした」
立ち上がると頭を下げた。そこでハリスは背後に立っているヒルダに声を掛けた。
「ヒルダ、この方がルドルフ君の最後まで付き添っていた刑事さんだよ」
「刑事さん…?ルドルフがよく話してくれていた…?」
ヒルダは顔を上げてクロード警部補を見た。
「貴女が…ルドルフ君が話してくれていたヒルダさんですか?」
クロード警部補はヒルダを見た。ヒルダは帽子に付けた黒いヴェールのせいであまり表情が見えなかったが、それでもとても美しい少女だとクロード警部補は思った。
(これならルドルフ君が彼女に恋する気持ちも良く分かる…)
ヒルダはクロード警部補の言葉に反応した。
「え…?ルドルフが私の事を話していたのですか…?」
「はい、彼は言っていました。僕には愛する女性がいますと。とても美しくて、心の優しい素敵な女性だと会うたびに私に話してくれていました」
「ルドルフが…そんな事を…」
再びヒルダの大きな目から涙が溢れてきた。思わずうつむいて嗚咽すると、エドガーが黙ってヒルダの肩を抱き寄せる。
「本当に、申し訳ありませんでした。全ては私の責任です。たった2人きりでグレースの母親に会いに行かなければ…彼女の凶行を止められたかもしれません。何ともお詫びの使用がありません」
クロード警部補は肩を震わせて謝罪した。
「い、いえ‥刑事さん。ルドルフは‥わ、私のせいで‥死んでしまったんです‥‥。ルドルフは占い師のおばあさんに死相が出てるって言われていて…引き留めていれば良かったんです‥そ、そうしたらルドルフは死なずにす、すんだのに。お守りを渡しておけば…安心だと思って…」
そしてすすり泣く。
「ヒルダ…」
エドガーはヒルダの震える小さな肩を抱きしめながら思った。
(ヒルダはルドルフの死のショックで大分精神が混乱しているのかもしれない。何て可愛そうなんだ…。式は長くつづく。ヒルダを休ませておいた方が良さそうだな)
「ヒルダ、式が始まるまで椅子に座って休んでいた方がいい。行こう」
ヒルダはすすり泣きながら黙って頷く。
「刑事さん、父上。ヒルダを休ませる為に連れて行きますね」
エドガーはハリスとクロード警部補に声を掛ける。
「ああ、分った」
「はい、分りました」
エドガーとクロード警部補は交互に行った。
「エドガー様。私もヒルダ様に付き添います」
それまで静かに控えていたカミラが言った。
「ああ、そうだな。カミラ、君もヒルダに付き添ってくれ。」
そしてエドガーはヒルダを連れて教会の一番後ろの右側の席に連れて行くと座らせた。
「ヒルダ。辛かったら…いつでも退席していいからな?」
エドガーはヒルダに声を掛ける。
「お兄様…。で、でも私は…さ、最後までルドルフの見送りをしたいんです…。だ、だってルドルフは私の恋人だったから…」
「恋人…」
正直な事を言えば、ヒルダの口からルドルフの事を恋人と聞かされることはエドガーにとっては辛い事だった。しかし、愛する人を失ってしまったヒルダの辛さに比べれば些細な事だとエドガーは思う事にした。
「そうか、分った。それじゃ、最後までルドルフを見送ろう。俺が…傍にいるから」
エドガーは涙にくれるヒルダに語り掛けるのだった―。
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