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番外編 カウベリーの事件簿 ⑩
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吹雪が続いて4日が経過した。
朝9時―
「本当に・・・酷い天候ね・・・。お父さんはずっとフィールズ家に泊り込みだし・・。」
ルドルフの母が窓の外を眺めながらため息をつく。外はびゅうびゅう荒れ狂う風と雪のせいですぐそばに立つ木立すら姿をかき消している。
「この吹雪じゃ外に出たら遭難してしまうかもしれないからね。馬だって出せないよ。」
ルドルフは学校で出された宿題をしながら答えた。
「ええ・・そうね・・。」
母の顔は浮かない。
「どうしたの?母さん。何か心配事でもあるの?」
「いえ・・うちは蓄えがあるから大丈夫だけど・・ほかの人々は薪とか・・・食料の備蓄はあるのかと気になって・・。」
「言われてみればそうだね・・。でもこんなにふぶいてれば様子を見に行く事も出来ないし・・。それに・・・。」
ルドルフはそこで言葉を飲み込んだ。
「どうしたの?ルドルフ?」
母は訝し気に尋ねたが、ルドルフは首を振った。
「ううん、何でも無いよ。母さん。」
(警察の人と話が終わったらすぐにでも『ロータス』へ戻ろうと思っていたのに・・まさかこんな酷い吹雪になるなんて・・・。)
ルドルフは本当であればすぐにでも『ロータス』へ戻りたかった。そしてヒルダの元へ行き・・もう一度自分の気持ちを伝えて・・叶うなら初めからやり直したいと思っていたのだった―。
「え?何ですって?!」
『カウベリー』駅のすぐそばに立つ、ただ1軒だけのホテルのフロントでクロード警部補は電話口で大きな声で話していた。
「待って下さい。まだこの吹雪で足止めされているので、ろくに捜査出来ていないんですよ?それを吹雪がやんだらすぐに戻って来いなんて・・・!え?他の事件が入って来ている?人手が足りないですって?しかし・・!・・・はい・・・分かりました・・。」
チン・・・
受話器を置くと、クロード警部補は深い溜息をついた。
「クロード警部補。本庁は何と言って来たのですか?」
カール巡査が電話が終わったクロードの元へやって来ると尋ねてきた。
「それが・・・本庁で大きな事件を抱えているらしく・・人手が足りないので列車が復旧次第、すぐに帰ってくるようにとの事だったのだ。」
「え?そんな・・・まだグレースの家の捜索も終わっていないのに・・・?!」
「ああ・・・ルドルフ君や・・伯爵には申し訳ないが・・・後はここ『カウベリー』の警察官達だけに・・託すしかない。だがな・・・。」
クロード警部補は顔を上げてカール巡査を見た。
「我々がこの地を去って・・時が経過してもまだグレースの死の真相や・・教会の焼失事件が解決していなかった場合・・・私はここに戻って・・必ず真相を究明しようと思っているよ。」
「クロード警部補・・・。」
「未解決では・・絶対終わらせないさ・・。彼らの苦しみを取り除かなければ・・。それが警察官である私の使命だと思っている。」
「私も・・その時はお手伝いさせてください・・。」
カール巡査が言う。
「ああ、その時は・・宜しく頼むな。」
クロードは笑みを浮かべてカール巡査を見た。
その後、部屋に戻ったクロード警部補はルドルフとハリスに向けて手紙を書いた。事件がまだ未解決なのに本庁に戻らなければならなくなった謝罪と必ず事件の真相の究明を約束した内容をしたためて・・。
そして翌朝吹雪はやみ・・・
クロード警部補とカール巡査は汽車に乗って、カウベリーの地を去って行った。
その胸に後悔を残して―。
朝9時―
「本当に・・・酷い天候ね・・・。お父さんはずっとフィールズ家に泊り込みだし・・。」
ルドルフの母が窓の外を眺めながらため息をつく。外はびゅうびゅう荒れ狂う風と雪のせいですぐそばに立つ木立すら姿をかき消している。
「この吹雪じゃ外に出たら遭難してしまうかもしれないからね。馬だって出せないよ。」
ルドルフは学校で出された宿題をしながら答えた。
「ええ・・そうね・・。」
母の顔は浮かない。
「どうしたの?母さん。何か心配事でもあるの?」
「いえ・・うちは蓄えがあるから大丈夫だけど・・ほかの人々は薪とか・・・食料の備蓄はあるのかと気になって・・。」
「言われてみればそうだね・・。でもこんなにふぶいてれば様子を見に行く事も出来ないし・・。それに・・・。」
ルドルフはそこで言葉を飲み込んだ。
「どうしたの?ルドルフ?」
母は訝し気に尋ねたが、ルドルフは首を振った。
「ううん、何でも無いよ。母さん。」
(警察の人と話が終わったらすぐにでも『ロータス』へ戻ろうと思っていたのに・・まさかこんな酷い吹雪になるなんて・・・。)
ルドルフは本当であればすぐにでも『ロータス』へ戻りたかった。そしてヒルダの元へ行き・・もう一度自分の気持ちを伝えて・・叶うなら初めからやり直したいと思っていたのだった―。
「え?何ですって?!」
『カウベリー』駅のすぐそばに立つ、ただ1軒だけのホテルのフロントでクロード警部補は電話口で大きな声で話していた。
「待って下さい。まだこの吹雪で足止めされているので、ろくに捜査出来ていないんですよ?それを吹雪がやんだらすぐに戻って来いなんて・・・!え?他の事件が入って来ている?人手が足りないですって?しかし・・!・・・はい・・・分かりました・・。」
チン・・・
受話器を置くと、クロード警部補は深い溜息をついた。
「クロード警部補。本庁は何と言って来たのですか?」
カール巡査が電話が終わったクロードの元へやって来ると尋ねてきた。
「それが・・・本庁で大きな事件を抱えているらしく・・人手が足りないので列車が復旧次第、すぐに帰ってくるようにとの事だったのだ。」
「え?そんな・・・まだグレースの家の捜索も終わっていないのに・・・?!」
「ああ・・・ルドルフ君や・・伯爵には申し訳ないが・・・後はここ『カウベリー』の警察官達だけに・・託すしかない。だがな・・・。」
クロード警部補は顔を上げてカール巡査を見た。
「我々がこの地を去って・・時が経過してもまだグレースの死の真相や・・教会の焼失事件が解決していなかった場合・・・私はここに戻って・・必ず真相を究明しようと思っているよ。」
「クロード警部補・・・。」
「未解決では・・絶対終わらせないさ・・。彼らの苦しみを取り除かなければ・・。それが警察官である私の使命だと思っている。」
「私も・・その時はお手伝いさせてください・・。」
カール巡査が言う。
「ああ、その時は・・宜しく頼むな。」
クロードは笑みを浮かべてカール巡査を見た。
その後、部屋に戻ったクロード警部補はルドルフとハリスに向けて手紙を書いた。事件がまだ未解決なのに本庁に戻らなければならなくなった謝罪と必ず事件の真相の究明を約束した内容をしたためて・・。
そして翌朝吹雪はやみ・・・
クロード警部補とカール巡査は汽車に乗って、カウベリーの地を去って行った。
その胸に後悔を残して―。
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