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第11章 4 ヒルダの帰郷 4
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フィールズ家の屋敷の一番日当たりの良い2階の部屋。そこが今・・病に伏しているマーガレットの部屋だった。
エドガーがマーガレットの部屋を訪れると、扉の横に椅子に座って待機している3人のメイドの姿があった。
「まあ・・エドガー様。」
「ご挨拶申し上げます。」
「マーガレット様に御用でしょうか?」
3人のメイド達はエドガーに声を掛ける。
「ああ・・母に少し話があるんだ。内密の話だから・・俺が呼ぶまではこの一帯を人払いしてくれ。」
エドガーはドアノブに手を掛けながら言った。
「「「はい、かしこまりました。」」」
メイド達は声を揃えると、お辞儀をしてその場を去って行った。
「・・・・。」
エドガーはメイド達の姿が見えなくなると扉をがちゃりと開けた。ノックをしなかったのは、もうマーガレットが返答する力が出なくなっていたからである。
「母上・・・失礼致します。」
エドガーは後ろ手でドアを閉めるとマーガレットに声を掛け・・・ベッドへと近づいた。
「お加減は・・如何ですか?母上。」
エドガーはマーガレットのベッド脇に置かれた椅子に座ると尋ねた。
「まあ・・エドガーなのね・・・。そうね・・。あまり・・いつもと変わらないわ・・・。」
マーガレットは瞳を閉じたまま答える。目を開ける気力もあまりなかったのだ。
「母上・・・どうしても会って頂きたい人がいるのです。今・・ここに連れて来ているのです。」
するとマーガレットは目を開けると言った。
「私に会って貰いたい人・・・?でも私はこんな病人よ・・?今はもう誰かに会う気力も・・残されていないのに・・・?」
「ええ・・・それでもです・・お願いです。」
いつになく、懇願するエドガーの姿にマーガレットは折れた。
「ええ・・分かったわ・・・。」
「ありがとうございます・・・!」
エドガーは頭を下げると急ぎ足でヒルダ達が待つ応接室へと向かった。
ガチャリ
エドガーは応接室に戻って来た。
「あ、エドガー様。マーガレット様はいかがでしたか?」
アンナが声を掛けてきた。
「ああ・・・大丈夫。今なら母は起きているから会って話が出来る。」
そしてエドガーはヒルダを見た。
(お母様に・・・ついに・・ついに会えるのね・・・!)
「・・さあ、行こうか?ライラック。」
エドガーは優しい瞳でヒルダを見つめると言った―。
エドガーはアンナとコゼットには遠慮して貰い、ヒルダだけを伴いマーガレットの部屋へと向かってゆっくり歩いていた。
「「・・・・。」」
エドガーもヒルダも互いに口を利かずに歩いている。それは屋敷の至る処に使用人たちがいるからだ。
しかし、2階へ上がると、使用人たちの姿はグッと減っている。それはエドガーが命じた人払いのお陰であった。そこでエドガーは初めてヒルダに声を掛けた。
「足の具合は・・大丈夫か?」
エドガーはヒルダが夏に会った時よりも左足を引きずっている姿が気がかりだった。
「そうですね・・やはりここは寒い場所ですから・・冬場は足の痛みが増しますけど、それでも去年よりは良いと思います。・・心配して下さってありがとうございます。」
「いや・・俺には気に掛ける事位しか出来ないから・・。」
やがて、部屋の前に着くとエドガーは言った。
「俺がここで周りを見ているから・・ひとりで会ってくるといい。」
「!あ、ありがとう・・ございます・・・!」
ヒルダは頭を下げると、震える手でドアノブを掴み・・カチャリと扉を開けた―。
エドガーがマーガレットの部屋を訪れると、扉の横に椅子に座って待機している3人のメイドの姿があった。
「まあ・・エドガー様。」
「ご挨拶申し上げます。」
「マーガレット様に御用でしょうか?」
3人のメイド達はエドガーに声を掛ける。
「ああ・・母に少し話があるんだ。内密の話だから・・俺が呼ぶまではこの一帯を人払いしてくれ。」
エドガーはドアノブに手を掛けながら言った。
「「「はい、かしこまりました。」」」
メイド達は声を揃えると、お辞儀をしてその場を去って行った。
「・・・・。」
エドガーはメイド達の姿が見えなくなると扉をがちゃりと開けた。ノックをしなかったのは、もうマーガレットが返答する力が出なくなっていたからである。
「母上・・・失礼致します。」
エドガーは後ろ手でドアを閉めるとマーガレットに声を掛け・・・ベッドへと近づいた。
「お加減は・・如何ですか?母上。」
エドガーはマーガレットのベッド脇に置かれた椅子に座ると尋ねた。
「まあ・・エドガーなのね・・・。そうね・・。あまり・・いつもと変わらないわ・・・。」
マーガレットは瞳を閉じたまま答える。目を開ける気力もあまりなかったのだ。
「母上・・・どうしても会って頂きたい人がいるのです。今・・ここに連れて来ているのです。」
するとマーガレットは目を開けると言った。
「私に会って貰いたい人・・・?でも私はこんな病人よ・・?今はもう誰かに会う気力も・・残されていないのに・・・?」
「ええ・・・それでもです・・お願いです。」
いつになく、懇願するエドガーの姿にマーガレットは折れた。
「ええ・・分かったわ・・・。」
「ありがとうございます・・・!」
エドガーは頭を下げると急ぎ足でヒルダ達が待つ応接室へと向かった。
ガチャリ
エドガーは応接室に戻って来た。
「あ、エドガー様。マーガレット様はいかがでしたか?」
アンナが声を掛けてきた。
「ああ・・・大丈夫。今なら母は起きているから会って話が出来る。」
そしてエドガーはヒルダを見た。
(お母様に・・・ついに・・ついに会えるのね・・・!)
「・・さあ、行こうか?ライラック。」
エドガーは優しい瞳でヒルダを見つめると言った―。
エドガーはアンナとコゼットには遠慮して貰い、ヒルダだけを伴いマーガレットの部屋へと向かってゆっくり歩いていた。
「「・・・・。」」
エドガーもヒルダも互いに口を利かずに歩いている。それは屋敷の至る処に使用人たちがいるからだ。
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「いや・・俺には気に掛ける事位しか出来ないから・・。」
やがて、部屋の前に着くとエドガーは言った。
「俺がここで周りを見ているから・・ひとりで会ってくるといい。」
「!あ、ありがとう・・ございます・・・!」
ヒルダは頭を下げると、震える手でドアノブを掴み・・カチャリと扉を開けた―。
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