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第9章 3 ルドルフの帰郷 3
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「ごちそうさまでした。」
遅めの朝食を母親に用意して貰ったルドルフはミルクティーを飲み終えると席を立った。
そして窓の傍に歩み寄り、外の景色を眺めた。空は灰色に曇り、チラチラと小雪が舞っている。すっかり枯れ果てた木々は荒涼とした大地に見え、より一層寒々しい雰囲気を醸し出している。
「母さん、フィールズ家に行ってくるよ。」
ルドルフはダイニングルームへ入ってきた母を見ると言った。
「まあ。ルドルフ・・・外は雪が舞っているのに・・大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。せいぜい2k程しか離れていないし。厩舎に馬は残っているよね?」
「ええ、今2頭飼育してるからいるわよ。」
「それじゃ・・・行ってくるよ。」
ルドルフは防寒着にマフラー、手袋をはめ、ブーツを履くと厩舎へと向かった。
厩舎にはルドルフが『カウベリー』にいた頃から飼っていた茶色の雌馬が残されていた。
「やあ、ポリー。僕を覚えているかい?」
ルドルフは優しく雌馬に話しかけると、ポリーと呼ばれた馬は鼻面をルドルフに押し付けてきた。
「ハハハハ・・・そうか、僕を覚えていてくれたんだね。これから出かけるから乗せてもらうよ。」
ルドルフは優しく鬣を撫でながら言った―。
その頃、エドガーの書斎では少女の声が聞こえていた。
「それでね、エドガー様。私お勉強一杯頑張ったので、今回はA判定の科目が3つ増えたんですよ?エドガー様が私にお勉強を教えてくれたおかげです。」
エドガーの婚約者であるアンナが黒い瞳をキラキラさせながら書斎に置かれたソファに座り、紅茶を飲んでいる。
「そうかい、それは良かったね。」
エドガーは書類にサインしながら、アンナの話に相槌を打つ。
「もう、エドガー様。折角婚約者が遊びに来ているのですからお仕事はお休みしていただけませんか?」
アンナは頬を膨れさせると、カチャリとサイドテーブルにティーカップを置いた。
「ああ、ごめんよ。アンナ。この書類・・・・午前中までに目を通してサインをしなければならないんだ。もう少しだけ待っていてくれるかい?そうだ・・メイドに何か美味しいクッキーでも持ってきてもらうようにお願いしようか?」
エドガーは苦笑いしながら言う。
「子供扱いしないでくださいっ!私はもう14歳なんですよ?後2年もすれば結婚だってできますっ!」
そしてプイとそっぽを向く。
「そうかい、それは悪かったね・・。謝るよ、アンナ。」
言いながらエドガーは心の中で溜息をついた。
(参ったな・・・。今日中に書類にサインをしなければならないものが山ほど残っているのに・・まさか冬期休暇に入ってすぐにアンナがやってくるとは思わなかった。)
本当は今日の処は帰って欲しいところだが、アンナの家も伯爵家。彼女の家の領地は広大な農園を所有している。貿易業を営むフィールズ家としてはどうしても手を結んでおきたい家柄なのだ。その為にエドガーとアンナは婚約することに至った。最もアンナの方が美しい容姿のエドガーに一目惚れしてしまったのが一番の理由ではあるのだが。
アンナは黒髪に黒い瞳のどこかエキゾチックな容姿を持つ、なかなかの美少女だった。裕福な伯爵家の一人娘として生まれて、大切に育てられたので多少我がままなところもあるが、それはそれで可愛らしいところがあるとエドガーは思っている。しかし、そこに一切の恋愛感情は無い。エドガーにとってはアンナは妹のようにしか見ることが出来なかった。何故ならエドガーが愛するのは血の繋がらない妹、ヒルダなのだから。
(ヒルダはどうしているのだろうか・・・。)
書類にペンを走らせながら執務をこなしていると、ドアがノックされて外から声を掛けられた。
「エドガー様。少し宜しいでしょうか?」
それはエドガー付きの執事の声だった。
「ああ、入ってくれ。」
「失礼致します。」
ドアがカチャリと開かれ、執事が姿を合わすと言った。
「ルドルフ様がお見えになられましたが・・いかがされますか?」
「何?ルドルフが?」
エドガーは椅子から立ち上った―。
遅めの朝食を母親に用意して貰ったルドルフはミルクティーを飲み終えると席を立った。
そして窓の傍に歩み寄り、外の景色を眺めた。空は灰色に曇り、チラチラと小雪が舞っている。すっかり枯れ果てた木々は荒涼とした大地に見え、より一層寒々しい雰囲気を醸し出している。
「母さん、フィールズ家に行ってくるよ。」
ルドルフはダイニングルームへ入ってきた母を見ると言った。
「まあ。ルドルフ・・・外は雪が舞っているのに・・大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。せいぜい2k程しか離れていないし。厩舎に馬は残っているよね?」
「ええ、今2頭飼育してるからいるわよ。」
「それじゃ・・・行ってくるよ。」
ルドルフは防寒着にマフラー、手袋をはめ、ブーツを履くと厩舎へと向かった。
厩舎にはルドルフが『カウベリー』にいた頃から飼っていた茶色の雌馬が残されていた。
「やあ、ポリー。僕を覚えているかい?」
ルドルフは優しく雌馬に話しかけると、ポリーと呼ばれた馬は鼻面をルドルフに押し付けてきた。
「ハハハハ・・・そうか、僕を覚えていてくれたんだね。これから出かけるから乗せてもらうよ。」
ルドルフは優しく鬣を撫でながら言った―。
その頃、エドガーの書斎では少女の声が聞こえていた。
「それでね、エドガー様。私お勉強一杯頑張ったので、今回はA判定の科目が3つ増えたんですよ?エドガー様が私にお勉強を教えてくれたおかげです。」
エドガーの婚約者であるアンナが黒い瞳をキラキラさせながら書斎に置かれたソファに座り、紅茶を飲んでいる。
「そうかい、それは良かったね。」
エドガーは書類にサインしながら、アンナの話に相槌を打つ。
「もう、エドガー様。折角婚約者が遊びに来ているのですからお仕事はお休みしていただけませんか?」
アンナは頬を膨れさせると、カチャリとサイドテーブルにティーカップを置いた。
「ああ、ごめんよ。アンナ。この書類・・・・午前中までに目を通してサインをしなければならないんだ。もう少しだけ待っていてくれるかい?そうだ・・メイドに何か美味しいクッキーでも持ってきてもらうようにお願いしようか?」
エドガーは苦笑いしながら言う。
「子供扱いしないでくださいっ!私はもう14歳なんですよ?後2年もすれば結婚だってできますっ!」
そしてプイとそっぽを向く。
「そうかい、それは悪かったね・・。謝るよ、アンナ。」
言いながらエドガーは心の中で溜息をついた。
(参ったな・・・。今日中に書類にサインをしなければならないものが山ほど残っているのに・・まさか冬期休暇に入ってすぐにアンナがやってくるとは思わなかった。)
本当は今日の処は帰って欲しいところだが、アンナの家も伯爵家。彼女の家の領地は広大な農園を所有している。貿易業を営むフィールズ家としてはどうしても手を結んでおきたい家柄なのだ。その為にエドガーとアンナは婚約することに至った。最もアンナの方が美しい容姿のエドガーに一目惚れしてしまったのが一番の理由ではあるのだが。
アンナは黒髪に黒い瞳のどこかエキゾチックな容姿を持つ、なかなかの美少女だった。裕福な伯爵家の一人娘として生まれて、大切に育てられたので多少我がままなところもあるが、それはそれで可愛らしいところがあるとエドガーは思っている。しかし、そこに一切の恋愛感情は無い。エドガーにとってはアンナは妹のようにしか見ることが出来なかった。何故ならエドガーが愛するのは血の繋がらない妹、ヒルダなのだから。
(ヒルダはどうしているのだろうか・・・。)
書類にペンを走らせながら執務をこなしていると、ドアがノックされて外から声を掛けられた。
「エドガー様。少し宜しいでしょうか?」
それはエドガー付きの執事の声だった。
「ああ、入ってくれ。」
「失礼致します。」
ドアがカチャリと開かれ、執事が姿を合わすと言った。
「ルドルフ様がお見えになられましたが・・いかがされますか?」
「何?ルドルフが?」
エドガーは椅子から立ち上った―。
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