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第81話 兄妹喧嘩?
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「え?!本当に…本っ当にお2人は兄妹なんですかっ?!」
2人の顔を何度も確認しながら尋ねた。
「ああ、そうだ」
「嘘なんかついてどうするんです?」
見れば2人とも腕を組み、足を組むという…全く同じ姿勢で此方を見ている。
うん…確かに…似ていると言われれば似ているかもしれない…。
「なら、何故言わなかったのですか?!兄妹の関係だって!」
「だって言う機会がなかったからな?」
「ええ、そうね」
2人は顔を見合わせながら言う。
に、似てる…。やはり2人は行動が似ている…。
「だ、だけど…マテオ達はあなた方が実の兄妹だって事知りませんよ?少なくとも…そう、マテオはっ!」
するとベルナルド王子の顔つきが険しくなる。
「…ユリア。マテオと妙に仲が良くないか…?」
「え?」
いきなり何を言い出すのだろう?
「あ、やっぱり?私もそう思ったわ。昼休み、マテオは慌ててユリアさんを追いかけて行ったもの」
「え?」
あまりにも突然の会話に言葉を失う。
「ユリア…ひょっとするとお前…マテオと特別な関係だったのか?」
「いやいや、そんなはず無いでしょう?」
「そうかしら…何だか怪しいわ…」
テレシアまで妙に疑いの目を向けてくる。
「そ、そんな事よりも、テレシアさんは半年前にこの学園にやってきたじゃないですか?それまでは他の学園にいたんですか?」
すると…。
「ゴホンッ!いや、実はテレシアは…」
「そう、私は妾の子なのよ。母は平民出身でずっと王宮暮らしを拒んでいたの。堅苦しい王宮生活は嫌だと言ってね。だから私も町で平民として母と暮らして、平民達が通う学園に通っていたわ。けれど、ベルナルド王子が私を城へ呼んだのよ」
「ああ、テレシアには正当な王族の血筋が流れているからな…やはりいつまでも平民の暮らしをさせるわけにはいかないと思って半年前に説得して城に連れてきたのだ」
「でも私は平民の暮らしが長かったし、いまさら王女のようにも振る舞えないから、なるべくは秘密にしたかったのよ」
「だから俺と同じ学園に通わせて、そばに置いてボロが出ないようにしていたんだ」
「ちょっと、ボロって何よ?ボロって」
「何だ?事実だろう?」
「そんな事無いわ、私は完璧に出来るもの」
「ふん、どうだかな」
「何だよ?」
「なによっ?」
睨み合う2人を私は呆然と見ていた。もはや2人は完全に馬車の中で兄妹喧嘩へと発展している。
「あ、あの~…」
「「何だ(よ)?!」」
「い、いえ…何でもありません」
2人に睨まれ、私は口を閉ざした。そして馬車の中で口論を続ける王子とテレシアは放っておいて馬車の中から窓の外を眺めていた。
けれど、今回の事で良く分かった。恐らく私の命を狙っているのはベルナルド王子でも無ければテレシアでも無い。
やはり私の命を狙っているのは…ノリーンなのだろうか…?だとしたら尚更彼女の誤解を解かなければ…。
「あ!そうだわっ!」
私は肝心な事を思い出した。
「ベルナルド王子!」
「な、何だ?」
「先程の話の続きをしたいのですが…私達、婚約解消していますよね?!」
「な、何をいきなり…!」
ベルナルド王子がうろたえた。
「え?何?その話!私は初耳よ?」
「え…テレシアさんがその話を知らないって事は…まさか国王に話していないのですかっ?!」
「あ、ああ…。色々忙しくて…報告できていないのだ」
「そ、そんな…早く伝えてくださいよっ!私、いつまでも命を狙われたくないですからっ!」
「命?誰に命を狙われているのかしら?」
「おい、やはりその人物に心当たりがあるんだな?言え!言うんだっ!」
「そ、それはまだ確定していないから言えませんっ!」
こうして馬車の中は再び大騒ぎとなった―。
2人の顔を何度も確認しながら尋ねた。
「ああ、そうだ」
「嘘なんかついてどうするんです?」
見れば2人とも腕を組み、足を組むという…全く同じ姿勢で此方を見ている。
うん…確かに…似ていると言われれば似ているかもしれない…。
「なら、何故言わなかったのですか?!兄妹の関係だって!」
「だって言う機会がなかったからな?」
「ええ、そうね」
2人は顔を見合わせながら言う。
に、似てる…。やはり2人は行動が似ている…。
「だ、だけど…マテオ達はあなた方が実の兄妹だって事知りませんよ?少なくとも…そう、マテオはっ!」
するとベルナルド王子の顔つきが険しくなる。
「…ユリア。マテオと妙に仲が良くないか…?」
「え?」
いきなり何を言い出すのだろう?
「あ、やっぱり?私もそう思ったわ。昼休み、マテオは慌ててユリアさんを追いかけて行ったもの」
「え?」
あまりにも突然の会話に言葉を失う。
「ユリア…ひょっとするとお前…マテオと特別な関係だったのか?」
「いやいや、そんなはず無いでしょう?」
「そうかしら…何だか怪しいわ…」
テレシアまで妙に疑いの目を向けてくる。
「そ、そんな事よりも、テレシアさんは半年前にこの学園にやってきたじゃないですか?それまでは他の学園にいたんですか?」
すると…。
「ゴホンッ!いや、実はテレシアは…」
「そう、私は妾の子なのよ。母は平民出身でずっと王宮暮らしを拒んでいたの。堅苦しい王宮生活は嫌だと言ってね。だから私も町で平民として母と暮らして、平民達が通う学園に通っていたわ。けれど、ベルナルド王子が私を城へ呼んだのよ」
「ああ、テレシアには正当な王族の血筋が流れているからな…やはりいつまでも平民の暮らしをさせるわけにはいかないと思って半年前に説得して城に連れてきたのだ」
「でも私は平民の暮らしが長かったし、いまさら王女のようにも振る舞えないから、なるべくは秘密にしたかったのよ」
「だから俺と同じ学園に通わせて、そばに置いてボロが出ないようにしていたんだ」
「ちょっと、ボロって何よ?ボロって」
「何だ?事実だろう?」
「そんな事無いわ、私は完璧に出来るもの」
「ふん、どうだかな」
「何だよ?」
「なによっ?」
睨み合う2人を私は呆然と見ていた。もはや2人は完全に馬車の中で兄妹喧嘩へと発展している。
「あ、あの~…」
「「何だ(よ)?!」」
「い、いえ…何でもありません」
2人に睨まれ、私は口を閉ざした。そして馬車の中で口論を続ける王子とテレシアは放っておいて馬車の中から窓の外を眺めていた。
けれど、今回の事で良く分かった。恐らく私の命を狙っているのはベルナルド王子でも無ければテレシアでも無い。
やはり私の命を狙っているのは…ノリーンなのだろうか…?だとしたら尚更彼女の誤解を解かなければ…。
「あ!そうだわっ!」
私は肝心な事を思い出した。
「ベルナルド王子!」
「な、何だ?」
「先程の話の続きをしたいのですが…私達、婚約解消していますよね?!」
「な、何をいきなり…!」
ベルナルド王子がうろたえた。
「え?何?その話!私は初耳よ?」
「え…テレシアさんがその話を知らないって事は…まさか国王に話していないのですかっ?!」
「あ、ああ…。色々忙しくて…報告できていないのだ」
「そ、そんな…早く伝えてくださいよっ!私、いつまでも命を狙われたくないですからっ!」
「命?誰に命を狙われているのかしら?」
「おい、やはりその人物に心当たりがあるんだな?言え!言うんだっ!」
「そ、それはまだ確定していないから言えませんっ!」
こうして馬車の中は再び大騒ぎとなった―。
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