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第76話 ちゃんと聞けよ?
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「何だ、その辺の記憶は戻っていないのか…と言うか、ひょっとして知らないのか?」
フォークで器用にクルクルとパスタを巻き付けながらマテオが尋ねて来る。
「さ、さぁ…どうなのかしら?記憶が戻っていないからなのか、それとも私が知らないところでノリーンが…って、ちょっと待って。そもそも何故私にノリーンの事で警告しようと思ったの?」
尋ね終わるとサンドイッチをパクリと口にした。
「そうか…まずはそこからユリアに説明しないとならないのか…。面倒だな」
マテオは最後の台詞だけ何故か小声でボソリと言った。
「ちょっと…今、面倒だなって言ったわね?聞こえていたわよ?」
最後のサンドイッチを食べ終えると私はマテオを見た。
「あ…聞こえてたか。仕方ねぇな~…」
マテオはパスタをゴクンと飲み込むと言った。
「ちょっと、貴方本当に貴族なの?いくらなんでもガラが悪過ぎよ?」
「仕方ないだろ~…子供の頃から王子の側仕えなんてさせられていればガラだって悪くなるさ」
「成程。マテオの性格が歪んだのはベルナルド王子のせいなのね?了解したわ。それで?早くノリーンの話を教えてよ。あ、すいませんカフェラテ一つ下さい」
たまたま食器を下げに来た男性店員に注文をお願いした。
「おい、誰が歪んでいるって?あ、すみません。なら俺にはコーヒーを頼みます」
マテオは肘をつきながら注文した。
「かしこまりました」
男性店員が去ると、再び私はマテオに尋ねた。
「ねぇ、ノリーンの事で知っている事を教えてよ」
「ああ、いいぜ。初めて王子とノリーンが接触したのは1年近く前の出来事だったんじゃないかな…」
「え?そんな前からノリーンと王子は良い仲だったのね?」
思わず身を乗り出すとマテオが言った。
「おい、落ち着けって。別に良い仲ってわけじゃない。初めて会話を交わした日って意味で言ったんだよ。だいたい、ノリーンは今までユリアの見ている前で王子にベタベタしていたことがあったか?」
「だから、その辺りの記憶はまだ戻っていないんだってば」
するとそこへ…
「お待たせ致しました」
2人分の飲み物を持って店員が現れ、それぞれのテーブルの前に飲み物を置いていく。
「ごゆっくりどうぞ」
店員が頭を下げて去っていくと、早速私はカフェラテに手を伸ばし、一口飲んだ。
「う~ん…美味しい…」
「そうか、良かったな」
マテオもコーヒーを一口飲み、顔をしかめた。
「なんだ…苦すぎだな…」
「フッ。お子様舌ね」
小声で言ったのだが聞かれてしまったようだ。
「おい、今の台詞…聞こえたぞ?」
「あら、失礼」
「随分心のこもっていない台詞だなぁ…」
言いながらマテオはテーブルの上のシュガーポットから角砂糖を1つ取り出した。
ポチャン
角砂糖をコーヒーに入れて、スプーンでクルクル回してからマテオは一口飲むと満足そうに言った。
「うん、今度は丁度良くなった」
マテオは本当は甘党なのだろうか?
「いいか、ノリーンの事知りたいんだろう?」
コーヒーを飲んだマテオは私を見ると言った。
「ええ、そうよ」
「なら、話の腰を折らずに俺の話をちゃんと聞けよ?」
「ええ。分かったわ。極力途中で口を挟まないようにするわ」
私は頷いた。
「よし、いいだろう。あの日、俺とアーク、オーランドは放課後、王子よりも先に生徒会室に到着していたんだ…」
マテオはゆっくり話し始めた―。
フォークで器用にクルクルとパスタを巻き付けながらマテオが尋ねて来る。
「さ、さぁ…どうなのかしら?記憶が戻っていないからなのか、それとも私が知らないところでノリーンが…って、ちょっと待って。そもそも何故私にノリーンの事で警告しようと思ったの?」
尋ね終わるとサンドイッチをパクリと口にした。
「そうか…まずはそこからユリアに説明しないとならないのか…。面倒だな」
マテオは最後の台詞だけ何故か小声でボソリと言った。
「ちょっと…今、面倒だなって言ったわね?聞こえていたわよ?」
最後のサンドイッチを食べ終えると私はマテオを見た。
「あ…聞こえてたか。仕方ねぇな~…」
マテオはパスタをゴクンと飲み込むと言った。
「ちょっと、貴方本当に貴族なの?いくらなんでもガラが悪過ぎよ?」
「仕方ないだろ~…子供の頃から王子の側仕えなんてさせられていればガラだって悪くなるさ」
「成程。マテオの性格が歪んだのはベルナルド王子のせいなのね?了解したわ。それで?早くノリーンの話を教えてよ。あ、すいませんカフェラテ一つ下さい」
たまたま食器を下げに来た男性店員に注文をお願いした。
「おい、誰が歪んでいるって?あ、すみません。なら俺にはコーヒーを頼みます」
マテオは肘をつきながら注文した。
「かしこまりました」
男性店員が去ると、再び私はマテオに尋ねた。
「ねぇ、ノリーンの事で知っている事を教えてよ」
「ああ、いいぜ。初めて王子とノリーンが接触したのは1年近く前の出来事だったんじゃないかな…」
「え?そんな前からノリーンと王子は良い仲だったのね?」
思わず身を乗り出すとマテオが言った。
「おい、落ち着けって。別に良い仲ってわけじゃない。初めて会話を交わした日って意味で言ったんだよ。だいたい、ノリーンは今までユリアの見ている前で王子にベタベタしていたことがあったか?」
「だから、その辺りの記憶はまだ戻っていないんだってば」
するとそこへ…
「お待たせ致しました」
2人分の飲み物を持って店員が現れ、それぞれのテーブルの前に飲み物を置いていく。
「ごゆっくりどうぞ」
店員が頭を下げて去っていくと、早速私はカフェラテに手を伸ばし、一口飲んだ。
「う~ん…美味しい…」
「そうか、良かったな」
マテオもコーヒーを一口飲み、顔をしかめた。
「なんだ…苦すぎだな…」
「フッ。お子様舌ね」
小声で言ったのだが聞かれてしまったようだ。
「おい、今の台詞…聞こえたぞ?」
「あら、失礼」
「随分心のこもっていない台詞だなぁ…」
言いながらマテオはテーブルの上のシュガーポットから角砂糖を1つ取り出した。
ポチャン
角砂糖をコーヒーに入れて、スプーンでクルクル回してからマテオは一口飲むと満足そうに言った。
「うん、今度は丁度良くなった」
マテオは本当は甘党なのだろうか?
「いいか、ノリーンの事知りたいんだろう?」
コーヒーを飲んだマテオは私を見ると言った。
「ええ、そうよ」
「なら、話の腰を折らずに俺の話をちゃんと聞けよ?」
「ええ。分かったわ。極力途中で口を挟まないようにするわ」
私は頷いた。
「よし、いいだろう。あの日、俺とアーク、オーランドは放課後、王子よりも先に生徒会室に到着していたんだ…」
マテオはゆっくり話し始めた―。
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