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第46話 やってやろうじゃないの
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「さぁ、まずはすぐに反省文を書いて下さい」
自室に戻った私は何故か、ジョンの監視のもとで『魔法学』の課題をやらされることになってしまった。ライティングデスクに向かう私の背後ではまるで家庭教師であるがの如く、ジョンがピタリと張り付いてじっと私を見つめている。
「ね、ねぇ…そんな風に監視されていたら、非常にやりづらいのだけど…」
するとジョンが言った。
「いいえ、駄目です。こうやって見張っていなければユリアお嬢様はサボって課題をやりもしないでしょう?」
「え?以前の私ってそんな人間だったの?」
少しだけ驚き、ジョンを振り返った。
「ええ、そうですよ。勉強になると、何かしら言い訳をして一切手を付けようとせずに結局使用人たちにやらせていましたね?ですがこの私が同じ学園に通うようになったからにはそんな真似はさせません。勉強を頑張って貰いますからね。言っておきますがユリアお嬢様は落第寸前どころか、今となっては退学寸前の身になってしまったのですから」
「その退学寸前の身になってしまった原因は…ひょっとするとジョンが私の姿になって炎の玉をキャロライン先制にぶつけたからじゃないの?」
「…………そんな理由はどうでもいいのです。兎に角、今すぐ原稿用紙3枚分の反省文を書き上げて下さい」
少しの間を開けてジョンが言った。恐らく図星に違いない。しかし…。
「原稿用紙3枚分の反省文ね…それくらいなら何とか書き上げられそうな気がするわ」
「え?本気でそのようなことを言ってらっしゃっているのですか?」
ジョンが驚いたように目を見開く。
「何よ。そんなに驚くような事?」
「ええ…何しろユリアお嬢様は文章を書くのも読むのも大嫌いだったじゃないですか」
「そうだったの?でも何だか反省文なら書けそうな気がするのよね…それに文章を読むのも多分嫌いじゃないと思うし」
自分の事を言われているのに、まるで他人の話を聞かされているような気持ちになってくる。何故なら私の記憶にどこかに読書をする場面や、文章を書いている場面が一瞬脳裏をよぎったからだ。…一体この記憶は何なのだろう?
「そうですか?う~ん…記憶喪失になった弊害でしょうか?とりあえず反省文を書き始めて下さい」
「分かったわよ…」
渋々私はペンを握りしめ、原稿用紙に向かった―。
2時間後―
「出来たわ!」
原稿用紙に書き上げた反省文を両手で持って掲げ、笑みを浮かべた。
「ふ~ん…どれどれ。見せていただきましょうか?」
突如ジョンの腕が伸びてきて、原稿用紙を奪われてしまった。
「ちょ、ちょっと!何するのよっ!返してよっ!」
「それは出来かねますね。きちんと反省文が書けているか添削をしてみないと。いい加減な事を書いて退学処分にされたらたまったものではありませんからね。ほら、そんな事よりも次は魔法学のレポートまとめですよ。何とか頼み込んでユリアお嬢様でも出来るように一番初歩的内容の1ページ目から20ページまでのまとめということで手を打ってもらいましたから。その代わり提出期限は明日ですからね」
「えええっ?!あ、明日までですってっ!」
「ええ、そうですよ。先程、文章を読むのも嫌いじゃないし、反省文だって書き上げたのですよね?それ位出来るでしょう?」
ニヤリと笑いながらジョンが言う。な、何て人間なのだろう。元はと言えばジョンがあの様な真似をしなければ私は反省文を書かされることも、レポートをまとめさせられることも無かったというのに…。だけどこのままジョンに何も出来ない人間と馬鹿にされるのも腹立たしい。
「分かったわよ…。書くわよ、書いてやろうじゃないのっ!」
こうして私は夕食を挟み、0時を過ぎるまで必死になってレポートを書き上げたのだった―。
自室に戻った私は何故か、ジョンの監視のもとで『魔法学』の課題をやらされることになってしまった。ライティングデスクに向かう私の背後ではまるで家庭教師であるがの如く、ジョンがピタリと張り付いてじっと私を見つめている。
「ね、ねぇ…そんな風に監視されていたら、非常にやりづらいのだけど…」
するとジョンが言った。
「いいえ、駄目です。こうやって見張っていなければユリアお嬢様はサボって課題をやりもしないでしょう?」
「え?以前の私ってそんな人間だったの?」
少しだけ驚き、ジョンを振り返った。
「ええ、そうですよ。勉強になると、何かしら言い訳をして一切手を付けようとせずに結局使用人たちにやらせていましたね?ですがこの私が同じ学園に通うようになったからにはそんな真似はさせません。勉強を頑張って貰いますからね。言っておきますがユリアお嬢様は落第寸前どころか、今となっては退学寸前の身になってしまったのですから」
「その退学寸前の身になってしまった原因は…ひょっとするとジョンが私の姿になって炎の玉をキャロライン先制にぶつけたからじゃないの?」
「…………そんな理由はどうでもいいのです。兎に角、今すぐ原稿用紙3枚分の反省文を書き上げて下さい」
少しの間を開けてジョンが言った。恐らく図星に違いない。しかし…。
「原稿用紙3枚分の反省文ね…それくらいなら何とか書き上げられそうな気がするわ」
「え?本気でそのようなことを言ってらっしゃっているのですか?」
ジョンが驚いたように目を見開く。
「何よ。そんなに驚くような事?」
「ええ…何しろユリアお嬢様は文章を書くのも読むのも大嫌いだったじゃないですか」
「そうだったの?でも何だか反省文なら書けそうな気がするのよね…それに文章を読むのも多分嫌いじゃないと思うし」
自分の事を言われているのに、まるで他人の話を聞かされているような気持ちになってくる。何故なら私の記憶にどこかに読書をする場面や、文章を書いている場面が一瞬脳裏をよぎったからだ。…一体この記憶は何なのだろう?
「そうですか?う~ん…記憶喪失になった弊害でしょうか?とりあえず反省文を書き始めて下さい」
「分かったわよ…」
渋々私はペンを握りしめ、原稿用紙に向かった―。
2時間後―
「出来たわ!」
原稿用紙に書き上げた反省文を両手で持って掲げ、笑みを浮かべた。
「ふ~ん…どれどれ。見せていただきましょうか?」
突如ジョンの腕が伸びてきて、原稿用紙を奪われてしまった。
「ちょ、ちょっと!何するのよっ!返してよっ!」
「それは出来かねますね。きちんと反省文が書けているか添削をしてみないと。いい加減な事を書いて退学処分にされたらたまったものではありませんからね。ほら、そんな事よりも次は魔法学のレポートまとめですよ。何とか頼み込んでユリアお嬢様でも出来るように一番初歩的内容の1ページ目から20ページまでのまとめということで手を打ってもらいましたから。その代わり提出期限は明日ですからね」
「えええっ?!あ、明日までですってっ!」
「ええ、そうですよ。先程、文章を読むのも嫌いじゃないし、反省文だって書き上げたのですよね?それ位出来るでしょう?」
ニヤリと笑いながらジョンが言う。な、何て人間なのだろう。元はと言えばジョンがあの様な真似をしなければ私は反省文を書かされることも、レポートをまとめさせられることも無かったというのに…。だけどこのままジョンに何も出来ない人間と馬鹿にされるのも腹立たしい。
「分かったわよ…。書くわよ、書いてやろうじゃないのっ!」
こうして私は夕食を挟み、0時を過ぎるまで必死になってレポートを書き上げたのだった―。
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