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第13話 責められても何の事だか分りません
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今の声は先程の学生の声なのだろうか?一体誰が彼をそんなに苛つかせているのだろう?しかし、触らぬ神に祟りなし…。私はそのまま教室目指して歩いていると、今度は先程よりも強い口調で呼び止められた。
「おいっ!聞こえているのかっ!ユリア・アルフォンスッ!」
名前をハッキリ呼ばれてしまった。え?嘘!まさか呼び止められていたのが私の事だったとは…。恐る恐る振り向くと、先程の5人組が私を険しい目で睨みつけている。
ただ1人、銀の髪の女性を除いては…。
「あ、あの…何か御用でしょうか…?」
何故?何故この人達はこんなにも私を睨みつけているのだろう?心当たりも何も記憶がなければどうしようもない。おまけに私は彼等の名前すら知らないのだ。
「何?何か御用だと…?」
金の髪の青年が美しい眉をしかめた。うん…確かに彼はハンサムかも知れないが、今の私の中ではジョンの方がハンサムだと思う。
「お前…昨日はテレシアに嫌がらせのつもりで学校を休んだのだろう?!」
いきなりその人物は私を指差すと、訳の分からない事を言ってきた。え?テレシアって…一体誰の事だろう?その時、私の目に銀の髪の女生徒が目に入った。彼女は金の髪の青年にしがみつくような格好をしている。
「あの…もしかして、その方がテレシアさん…?」
「な、何っ?!」
「えっ?!」
私の発した言葉に何故か驚く青年と女生徒。おまけに背後にいる青年3人もギョッとした顔で私を見る。
「な、何だ?お前…その言葉使いは…」
声を震わせる青年に私は言った。
「あ、申し訳ございません。言葉遣いが悪かったでしょうか?」
慌てて謝罪する。この人達に学生たちは通路を譲っていたから、もしかすると私よりも高貴な身分なのかも知れない。私は公爵家の者だから、王族なのかもしれない。
「お前…ひょっとするとふざけているのか…?昨日お前が学園を休み、俺がお前の様子を見に行かなかったことに対するあてつけのつもりでそんな態度を取るのか?どうせ昨日の休みも命を狙われていると思い込んでいる妄想癖と、テレシアに対する嫌がらせで休んだのだろう?」
青年は今にも血管が切れそうなくらい顔を赤くさせている。え?私はこの人物にも命を狙われていると相談していたのだろうか?
「ベルナルド様…」
テレシアはベルナルドと呼んだ青年に擦り寄ると言った。
「うん?どうした。テレシア」
途端に先程までの強面とはガラリと表情を変えてベルナルドはテレシアを見た。
「私の事はもう大丈夫ですから、どうかもうそこまでにしてあげて下さい」
言いながらチラリと私を見るテレシア。しおらしい姿でベルナルドと見つめるが…しかし、私は見てしまった。彼女の口元に一瞬笑みが浮かんでいたのを。
一体その笑みは何を意味しているのだろうか…?
「テレシア…お前は本当に優しいな。あんな悪女に情けなど掛けてやる必要は無いのだが…」
「え?悪女?」
実感は全く無かったけれども、やっぱり私は悪女だったのだ…っ!だから学生達は皆私を避けるようにしていたのだ。きっと目の前の彼等にとって、私が悪女ならさながらきっとテレシアは善女なのだろうな…と。
ベルナルドはジロリと私を睨みつけると言った。
「…お前を見ていると気分が悪くなってくる。早く俺の視界から消え失せろ」
ムカッ!
流石にその物言いに多少なりともイラっと来た。大体自分の方から呼び止めておいて、何と言う物の言い方なのだろう。けれども私自身、一刻も早くこの場を逃げたかったので、ある意味好都合だった。
「はい。お見苦しい姿をお見せてしまい、大変申し訳ございませんでした。それでは失礼致します」
こういう輩には余計な事は一切言わず、不本意だが頭を下げておくに限る。
「な、何だって?」
その声に顔を上げてみるとベルナルドは戸惑いの表情を顔に浮かべていた。
そして今にも私に声を掛けそうな雰囲気を醸し出していたが…。
気付かないふりをして再び彼らに背を向けると急ぎ足で自分の教室へと向かった―。
「おいっ!聞こえているのかっ!ユリア・アルフォンスッ!」
名前をハッキリ呼ばれてしまった。え?嘘!まさか呼び止められていたのが私の事だったとは…。恐る恐る振り向くと、先程の5人組が私を険しい目で睨みつけている。
ただ1人、銀の髪の女性を除いては…。
「あ、あの…何か御用でしょうか…?」
何故?何故この人達はこんなにも私を睨みつけているのだろう?心当たりも何も記憶がなければどうしようもない。おまけに私は彼等の名前すら知らないのだ。
「何?何か御用だと…?」
金の髪の青年が美しい眉をしかめた。うん…確かに彼はハンサムかも知れないが、今の私の中ではジョンの方がハンサムだと思う。
「お前…昨日はテレシアに嫌がらせのつもりで学校を休んだのだろう?!」
いきなりその人物は私を指差すと、訳の分からない事を言ってきた。え?テレシアって…一体誰の事だろう?その時、私の目に銀の髪の女生徒が目に入った。彼女は金の髪の青年にしがみつくような格好をしている。
「あの…もしかして、その方がテレシアさん…?」
「な、何っ?!」
「えっ?!」
私の発した言葉に何故か驚く青年と女生徒。おまけに背後にいる青年3人もギョッとした顔で私を見る。
「な、何だ?お前…その言葉使いは…」
声を震わせる青年に私は言った。
「あ、申し訳ございません。言葉遣いが悪かったでしょうか?」
慌てて謝罪する。この人達に学生たちは通路を譲っていたから、もしかすると私よりも高貴な身分なのかも知れない。私は公爵家の者だから、王族なのかもしれない。
「お前…ひょっとするとふざけているのか…?昨日お前が学園を休み、俺がお前の様子を見に行かなかったことに対するあてつけのつもりでそんな態度を取るのか?どうせ昨日の休みも命を狙われていると思い込んでいる妄想癖と、テレシアに対する嫌がらせで休んだのだろう?」
青年は今にも血管が切れそうなくらい顔を赤くさせている。え?私はこの人物にも命を狙われていると相談していたのだろうか?
「ベルナルド様…」
テレシアはベルナルドと呼んだ青年に擦り寄ると言った。
「うん?どうした。テレシア」
途端に先程までの強面とはガラリと表情を変えてベルナルドはテレシアを見た。
「私の事はもう大丈夫ですから、どうかもうそこまでにしてあげて下さい」
言いながらチラリと私を見るテレシア。しおらしい姿でベルナルドと見つめるが…しかし、私は見てしまった。彼女の口元に一瞬笑みが浮かんでいたのを。
一体その笑みは何を意味しているのだろうか…?
「テレシア…お前は本当に優しいな。あんな悪女に情けなど掛けてやる必要は無いのだが…」
「え?悪女?」
実感は全く無かったけれども、やっぱり私は悪女だったのだ…っ!だから学生達は皆私を避けるようにしていたのだ。きっと目の前の彼等にとって、私が悪女ならさながらきっとテレシアは善女なのだろうな…と。
ベルナルドはジロリと私を睨みつけると言った。
「…お前を見ていると気分が悪くなってくる。早く俺の視界から消え失せろ」
ムカッ!
流石にその物言いに多少なりともイラっと来た。大体自分の方から呼び止めておいて、何と言う物の言い方なのだろう。けれども私自身、一刻も早くこの場を逃げたかったので、ある意味好都合だった。
「はい。お見苦しい姿をお見せてしまい、大変申し訳ございませんでした。それでは失礼致します」
こういう輩には余計な事は一切言わず、不本意だが頭を下げておくに限る。
「な、何だって?」
その声に顔を上げてみるとベルナルドは戸惑いの表情を顔に浮かべていた。
そして今にも私に声を掛けそうな雰囲気を醸し出していたが…。
気付かないふりをして再び彼らに背を向けると急ぎ足で自分の教室へと向かった―。
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