107 / 129
第34日目 迷宮『マターファ』(モンスター討伐)その②
しおりを挟む
いつの間にか、私とベソ、ノッポの3人は強引にタリク王子の護衛の騎士達によって拉致され、城に連れて来られていた。そしてベソとノッポから引き離された私は今タリク王子の執務室に引き釣り込まれて来たのだった。
テーブルを挟み、ソファの向かい側にタリク王子が腕組みをしながらじっと私の事を鋭い視線で睨み付けている。
うう・・・その無言の圧が非常に嫌なんですけど・・。
「あの・・タリク王子?」
しかし私の言葉が聞こえてるのか、いないのか・・・タリク王子は無言で私を見つめている。
が・・・やがて口を開いた。
「俺は今、非常に困った事態に陥っている。」
「はい?」
突然、訳の分からないことを言い出すタリク王子。
「いくら王子でも国王の言葉は絶対だ。だから俺は何とか状況を打破しようと色々な手を考えていた。」
「はあ・・・。」
さっきから一体何を言っているのだろう?
「一時はこの国を逃げる事も考えた。しかし、この国の正当な王位継承者は俺以外は1人もいない。生真面目な父は側室を1人も持たなかったからな。」
「そうなんですか・・・。」
王位継承問題でも起きているのだろうか?しかし、そんな事は私には一切関係は無いし、今は一刻も早く『マターファ』に行ってモンスター討伐を果たし、魔鉱石を手に入れて一刻も早く学園に戻りたいのだけど・・・。
「王位継承者の俺がいなくなっては、ここぞとばかりに親戚の者達が権力を奪おうとクーデーターが起きるかもしれない。」
相変わらず腕組みをしながら難しい顔でタリク王子は語る。
「そうですか・・・大変な事情があるようですね。ところでいい加減私を解放してくれませんか?用事があるんですけど・・・。」
駄目だ、ついタリク王子が相手だとぞんざいな口の利き方をしてしまう。
しかし、私の声が耳に届いているのか不明だがタリク王子はまたもや独り言のように語り始める。
「俺は何とか父に頼んだ。政略結婚なんかごめんだと。結婚相手くらいは自由に選ばせて欲しいとな。」
「え・・?」」
何故か今度は結婚についての話になった。
「すると父は言ったのだ。そこまで言うなら『マターファ』に巣くうモンスターを討伐して来いと。それが出来るなら俺の意見を聞き入れて、今回の結婚話を無かったことにしてやると確約してくれたのだ。」
「な・・何ですって?」
思わず耳を疑うようなタリク王子の言葉。
「ひょっとすると・・タリク王子も『マターファ』のモンスター討伐に行く予定だったのですか?」
「ああ、そうだ。」
そこでようやくタリク王子は笑顔で頷き、私を見た。しかし、何たる偶然。きっとタリク王子がモンスター討伐に行くのなら護衛の騎士もたくさんついて来てくれる事だろう。何せ彼はここの王子なのだからっ!
「そうですか。タリク王子が来てくれるなら正に百人力ですよ。これで安心して私達も『マターファ』へ行く事が出来ます。」
「ああ、俺も嬉しいよ。何せ将来の花嫁がまた俺の元へ戻って来てくれたのだからな。それに正直な所、1人だけで『マターファ』へ行かなくてはならないから心細かったのだ。だが、エリス。お前が一緒ならこれ程心強い事は無い。共に戦い、無事に生還して来た暁には、結婚式を挙げよう!」
ガシッ!と両手を握りしめて来るタリク王子の足を素早く踏みつける。
ドスッ!ドスッ!
「うっ・・・!エ、エリス・・お、お、お、お前・・・王子である俺に・・一体何て事を・・・。」
目に涙を浮かべながらしゃがみ込んで両足の甲を押さえるタリク王子を眺めつつ私は言った。
「あら、失礼致しました。タリク王子。そんな所にタリク王子の足があるとは思えず・・・。」
ホホホと笑いながら胡麻化す私。何せ、タリク王子の私に対する好感度は500のマックス状態なのだ。今更どれだけ彼に酷い対応を取っても、惚れた弱み?でタリク王子は私に一切文句を言えないのは分かり切っている。いや・・それよりも肝心な事がある。
「ところでタリク王子・・・。先程気になる事を言っておられましたよね・・?」
「気になる事・・?」
未だに涙目のタリク王子は私をしゃがんだまま見上げた。
「ええ、そうですよ。『マターファ』には1人で行かなくてはならないとか何とか・・・。」
「ああ、その通りだ。」
「嘘ですよね?」
「いや、嘘ではない。本当に1人で行かされることになっているのだ。」
「ええっ?!だ、だってタリク王子はこの国の王子様ですよね?!その王子様を護衛の騎士の1人もつけないで、どんなモンスターがいるかも分からないような迷宮へ討伐に行かせるつもりなんですか?!この国はっ!」
気付けばタリク王子の襟首を掴み、私はガクガクとタリク王子を揺すぶっていた。
「そ、そうだっ!父上が決めた事だから仕方が無いんだっ!父の言葉は絶対なのだからっ!」
私に揺さぶられながら必死で喚くタリク王子。
くう・・・な、何てこと。これでは全く意味が無い。いや、失礼な話かもしれないが前回、ウィルス駆除で『アルハール』へやって来た時、アリジゴクを前にタリク王子は全く持って役立たずだった。彼の戦闘能力はスライムを倒す位のレベルしか無いのだろう。これでは完全にタリク王子は足手まといだ。
あ・・・何だか頭が痛くなってきた。
「あの・・・タリク王子。」
私は痛むこめかみを押さえながら言った。
「うん?何だ?エリス。」
私に呼びかけられて嬉しそうに返事をするタリク王子。きっと彼に尻尾がついてたら、嬉しそうにブンブン尻尾を振っているだろう。
「『マターファ』には私達だけで行きますから、タリク王子は迷宮の入口で待機していてください。」
「何故だっ?!俺では足手まといとでも言いたいのか?!」
「はい、その通りです。悪いですが・・タリク王子のレベルはスライムを倒すくらいしかありませんから。」
「ガーンッ!!」
タリク王子は相当ショックを受けたようだ。何せ自分でガーンッ!!なんていう位だから・・・。あんな台詞を実際に言う人間を私は生まれて初めて見てしまった。
「し、しかし俺だって何か役に立つかもしれないぞっ?!例えば荷物持ちとか・・。」
何やらタリク王子が情けない事を言い出した。
う~ん・・・ひょっとしてこの間のアリジゴクとの戦いで相当自信を失ってしまったのだろうか?
「タリク王子には迷宮『マターファ』に入って貰う事は遠慮しますが・・・その代わり別の事で協力して頂けますか?」
するとタリク王子は笑顔で言った。
「ああ。外ならぬエリスの頼みだ。何だって言ってくれ。」
「それなら私にお金を下さい。」
「え?何だって?」
「どうしてもお金がいるんですよ・・・・。それが無いと本当に困るんです。ねえ、タリク王子。人助けと思ってお金を出して下さいよ。」
傍から見れば、王子にお金をねだるとんでも無い悪女に見えているのかもしれないが、今は緊急事態なのだ。なりふり構っていられない。
「い、一体何に金を使うというのだ・・・?」
タリク王子も何やら勘違いしているのだろうか?若干引いた状態で質問して来た。
「何にお金を使うか?そんなのは決まってるじゃないですか。軍資金ですよ。何せこれから私たちはモンスター討伐へ行かなくてはならないのです。その為には戦闘準備をしていかなくてはならないじゃないですか。その為にはまずはお金です。取りあえず人数分の火炎放射器が欲しいのです・・・ここ『アルハール』では売っていますか?」
「あ、ああ・・・。多分売ってるとは思うが・・?」
なら決定だっ!
タリク王子というスポンサーがバックについたのだ。お金に糸目をつけずに強そうな武器や防具をこれで買う事が出来る。
私は心の中でほくそ笑んだ―。
テーブルを挟み、ソファの向かい側にタリク王子が腕組みをしながらじっと私の事を鋭い視線で睨み付けている。
うう・・・その無言の圧が非常に嫌なんですけど・・。
「あの・・タリク王子?」
しかし私の言葉が聞こえてるのか、いないのか・・・タリク王子は無言で私を見つめている。
が・・・やがて口を開いた。
「俺は今、非常に困った事態に陥っている。」
「はい?」
突然、訳の分からないことを言い出すタリク王子。
「いくら王子でも国王の言葉は絶対だ。だから俺は何とか状況を打破しようと色々な手を考えていた。」
「はあ・・・。」
さっきから一体何を言っているのだろう?
「一時はこの国を逃げる事も考えた。しかし、この国の正当な王位継承者は俺以外は1人もいない。生真面目な父は側室を1人も持たなかったからな。」
「そうなんですか・・・。」
王位継承問題でも起きているのだろうか?しかし、そんな事は私には一切関係は無いし、今は一刻も早く『マターファ』に行ってモンスター討伐を果たし、魔鉱石を手に入れて一刻も早く学園に戻りたいのだけど・・・。
「王位継承者の俺がいなくなっては、ここぞとばかりに親戚の者達が権力を奪おうとクーデーターが起きるかもしれない。」
相変わらず腕組みをしながら難しい顔でタリク王子は語る。
「そうですか・・・大変な事情があるようですね。ところでいい加減私を解放してくれませんか?用事があるんですけど・・・。」
駄目だ、ついタリク王子が相手だとぞんざいな口の利き方をしてしまう。
しかし、私の声が耳に届いているのか不明だがタリク王子はまたもや独り言のように語り始める。
「俺は何とか父に頼んだ。政略結婚なんかごめんだと。結婚相手くらいは自由に選ばせて欲しいとな。」
「え・・?」」
何故か今度は結婚についての話になった。
「すると父は言ったのだ。そこまで言うなら『マターファ』に巣くうモンスターを討伐して来いと。それが出来るなら俺の意見を聞き入れて、今回の結婚話を無かったことにしてやると確約してくれたのだ。」
「な・・何ですって?」
思わず耳を疑うようなタリク王子の言葉。
「ひょっとすると・・タリク王子も『マターファ』のモンスター討伐に行く予定だったのですか?」
「ああ、そうだ。」
そこでようやくタリク王子は笑顔で頷き、私を見た。しかし、何たる偶然。きっとタリク王子がモンスター討伐に行くのなら護衛の騎士もたくさんついて来てくれる事だろう。何せ彼はここの王子なのだからっ!
「そうですか。タリク王子が来てくれるなら正に百人力ですよ。これで安心して私達も『マターファ』へ行く事が出来ます。」
「ああ、俺も嬉しいよ。何せ将来の花嫁がまた俺の元へ戻って来てくれたのだからな。それに正直な所、1人だけで『マターファ』へ行かなくてはならないから心細かったのだ。だが、エリス。お前が一緒ならこれ程心強い事は無い。共に戦い、無事に生還して来た暁には、結婚式を挙げよう!」
ガシッ!と両手を握りしめて来るタリク王子の足を素早く踏みつける。
ドスッ!ドスッ!
「うっ・・・!エ、エリス・・お、お、お、お前・・・王子である俺に・・一体何て事を・・・。」
目に涙を浮かべながらしゃがみ込んで両足の甲を押さえるタリク王子を眺めつつ私は言った。
「あら、失礼致しました。タリク王子。そんな所にタリク王子の足があるとは思えず・・・。」
ホホホと笑いながら胡麻化す私。何せ、タリク王子の私に対する好感度は500のマックス状態なのだ。今更どれだけ彼に酷い対応を取っても、惚れた弱み?でタリク王子は私に一切文句を言えないのは分かり切っている。いや・・それよりも肝心な事がある。
「ところでタリク王子・・・。先程気になる事を言っておられましたよね・・?」
「気になる事・・?」
未だに涙目のタリク王子は私をしゃがんだまま見上げた。
「ええ、そうですよ。『マターファ』には1人で行かなくてはならないとか何とか・・・。」
「ああ、その通りだ。」
「嘘ですよね?」
「いや、嘘ではない。本当に1人で行かされることになっているのだ。」
「ええっ?!だ、だってタリク王子はこの国の王子様ですよね?!その王子様を護衛の騎士の1人もつけないで、どんなモンスターがいるかも分からないような迷宮へ討伐に行かせるつもりなんですか?!この国はっ!」
気付けばタリク王子の襟首を掴み、私はガクガクとタリク王子を揺すぶっていた。
「そ、そうだっ!父上が決めた事だから仕方が無いんだっ!父の言葉は絶対なのだからっ!」
私に揺さぶられながら必死で喚くタリク王子。
くう・・・な、何てこと。これでは全く意味が無い。いや、失礼な話かもしれないが前回、ウィルス駆除で『アルハール』へやって来た時、アリジゴクを前にタリク王子は全く持って役立たずだった。彼の戦闘能力はスライムを倒す位のレベルしか無いのだろう。これでは完全にタリク王子は足手まといだ。
あ・・・何だか頭が痛くなってきた。
「あの・・・タリク王子。」
私は痛むこめかみを押さえながら言った。
「うん?何だ?エリス。」
私に呼びかけられて嬉しそうに返事をするタリク王子。きっと彼に尻尾がついてたら、嬉しそうにブンブン尻尾を振っているだろう。
「『マターファ』には私達だけで行きますから、タリク王子は迷宮の入口で待機していてください。」
「何故だっ?!俺では足手まといとでも言いたいのか?!」
「はい、その通りです。悪いですが・・タリク王子のレベルはスライムを倒すくらいしかありませんから。」
「ガーンッ!!」
タリク王子は相当ショックを受けたようだ。何せ自分でガーンッ!!なんていう位だから・・・。あんな台詞を実際に言う人間を私は生まれて初めて見てしまった。
「し、しかし俺だって何か役に立つかもしれないぞっ?!例えば荷物持ちとか・・。」
何やらタリク王子が情けない事を言い出した。
う~ん・・・ひょっとしてこの間のアリジゴクとの戦いで相当自信を失ってしまったのだろうか?
「タリク王子には迷宮『マターファ』に入って貰う事は遠慮しますが・・・その代わり別の事で協力して頂けますか?」
するとタリク王子は笑顔で言った。
「ああ。外ならぬエリスの頼みだ。何だって言ってくれ。」
「それなら私にお金を下さい。」
「え?何だって?」
「どうしてもお金がいるんですよ・・・・。それが無いと本当に困るんです。ねえ、タリク王子。人助けと思ってお金を出して下さいよ。」
傍から見れば、王子にお金をねだるとんでも無い悪女に見えているのかもしれないが、今は緊急事態なのだ。なりふり構っていられない。
「い、一体何に金を使うというのだ・・・?」
タリク王子も何やら勘違いしているのだろうか?若干引いた状態で質問して来た。
「何にお金を使うか?そんなのは決まってるじゃないですか。軍資金ですよ。何せこれから私たちはモンスター討伐へ行かなくてはならないのです。その為には戦闘準備をしていかなくてはならないじゃないですか。その為にはまずはお金です。取りあえず人数分の火炎放射器が欲しいのです・・・ここ『アルハール』では売っていますか?」
「あ、ああ・・・。多分売ってるとは思うが・・?」
なら決定だっ!
タリク王子というスポンサーがバックについたのだ。お金に糸目をつけずに強そうな武器や防具をこれで買う事が出来る。
私は心の中でほくそ笑んだ―。
0
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ど天然で超ドジなドアマットヒロインが斜め上の行動をしまくった結果
蓮
ファンタジー
アリスはルシヨン伯爵家の長女で両親から愛されて育った。しかし両親が事故で亡くなり叔父一家がルシヨン伯爵家にやって来た。叔父デュドネ、義叔母ジスレーヌ、義妹ユゲットから使用人のように扱われるようになったアリス。しかし彼女は何かと斜め上の行動をするので、逆に叔父達の方が疲れ切ってしまうのである。そしてその結果は……?
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
表紙に素敵なFAいただきました!
ありがとうございます!
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる