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第33日目 塩対応の彼等
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「ど、ど、どうするんですか?エリスさんっ!」
ベソがガタガタ震えながら尋ねて来る。
「ま・ま・まさか・・・『アルハール』へ・・・?」
ノッポが情けない声を出す。
「その『まさか』よ。当然モンスター討伐に行くしかないでしょう?勿論貴方達も一緒にね!」
「「あああっ!やっぱりぃぃぃっ!」」
声を揃えて怯える2人。何よ・・・こっちだって怖いんだからね?確かにメイドスキルレベルは上がったし、『神の怒り』を使えるようにはなったけど、この攻撃はあくまで対コンピューターウィルス用。これが果たして普通のモンスターに効力を発揮するかどうかは全く分からないのだから。
「ねえ、ベソ。ノッポ。あの杖の攻撃って・・・モンスターには効果があるの?」
「そ、そんなのし、知りませんよっ!」
「だ、だったら実際にモンスター討伐の時にた、試してみればいいじゃないですかっ!」
半ばやけくそのように喚くベソとノッポ。
「はあ・・・貴方達・・・本気でそんな事言ってるの?言っておくけどモンスター討伐には私達だけで行くのよ?実際に私の攻撃がモンスターに効かなければ・・。」
「「効かなければ?」」
ベソとノッポが声を揃えて尋ねて来る。
「私達は・・・恐らくゲーム内で死亡するわ・・・。」
「「そ、そんなっ!」」
ベソとノッポはより一層身体を震わせ、怯えまくっている。
それは確かにわざと凄みを効かせた声で話したけれども、本当は私だって怖くて仕方が無いのだ。けれどもどのみち1週間以内に『白銀のナイト』全員の好感度を上げなければ・・・私達は永遠にこのバーチャルゲームの世界から抜け出す事が出来ないのだから。
「と言う訳でベソ、ノッポ。私は・・・トビーにモンスター討伐の為に『アルハール』へ行くので休暇願いを出して来るから、貴方達は何か素人でも扱えそうな強力な武器と、絶対何があってもどんな攻撃からも身を守れるアイテムを作りだして頂戴。」
「そんなの無理に決まってるじゃないですかぁっ!」
ノッポが大声で喚いているようだが・・・うん!聞こえなかった事にしようっ!
そして私は嫌々トビーの元へと向かった―。
「うわああああああん・・っ!エリスゥッ!!な、何故?!何故只のメイドの君が『アルハール』へモンスター討伐に行くんだいっ?!そんなに魔鉱石が欲しいのかい?!だ、第達魔鉱石を欲しいと思ってるのは『白銀のナイト』達だけだろうっ?!お願いだぁっ!頼むからそんな危険な場所へ行かないでおくれっ!!」
涙でぐちゃぐちゃな顔になったトビーはこれでもかと言わんばかりにギュウギュウに抱きしめて来る。
「く・・・苦しいですってば・・・!」
あ・・・今にも意識が無くなって昇天しそうだ・・・。ベソ・・・ノッポ・・・私はここで・・・。
ってそんなわけあるかっ!!
ドスッ!!
思い切りトビーの足を踏みつける私・
「ウウウッ!!」
トビーは痛みの余り、手を離して踏まれた右足に手を添える。そこへすかさず私は言った。
「トビーッ!な、何するんですかっ!私を・・し、絞め殺すつもりですかっ?!」
「絞め殺す?誤解だよぅっ!愛しい君にそんな事するはず無いだろう?!」
ウウウッ!相変わらず気色の悪い男だ・・・黙っていればイケメンなのに、この性格のせいでマイナス点だ。
「と、とに角私は何と言われようとも『アルハール』へ向かいますっ!これだけは絶対に譲れませんっ!」
そうよっ!魔鉱石を手に入れる為ならモンスターがいる巣窟の中でも・・っ!
「グスッ・・・わ、分かったよ・・・エリス・・・。そこまでしてもどうしてもモンスター討伐に行くと言うなら、僕から『白銀のナイト』達にエリスとモンスター討伐に行ってくれないか・・・グスッ、頼んでみるから・・・。きっと・・グスッ。彼等はエリスの為なら・・き、きっと・・力になってくれるはずだから・・・。」
トビーは泣きながら言う。
「え・・?」
今、トビーは何と言った?!『白銀のナイト』達に頼んでみると言わなかったか?!
「さあ、エリスッ!今から彼等の元へ行こうっ!」
そしてムンズと私の腕を掴むトビー。
「ちょ、ちょっと待って下さいッ!トビーッ!」
「大丈夫だよ、エリス。きっと全員が君に付いて行くって言うに決まってるさっ!」
トビーは自信ありげな口調で言うが、私はちっともそうは思えない。だって、全員の交換度が『オリビア』によって下げられてしまったのだから、きっと彼等の答えは全員一致で断るはずだ。
ここは『白銀のナイト』達だけが利用できる談話室である。
「「「「「「「断る。」」」」」」」
『白銀のナイト』達は全員一致で物の見事に断って来た。
ああ、やっぱりそうきたか・・・。まあ、私の中ではきっとこうなるだろうと思って想定内だったけどね・・・。だって彼等の好感度は・・・私は一人一人の好感度を目を凝らしてみた。うん、やはりそうだ・・・。全員ものの見事に数字は100になっている。多分オリビアが全員の好感度・・1人400ずつ持っているんだろうなあ・・・。
「え・・?な、何故ですか?あなた方は・・・ここにいるエリスの手助けをしようとは思わないのですか?」
トビーは目をぱちぱちさせながら彼等に問う。
「何故手助けをしなければならない?逆にそれを尋ねたいのだが。」
エリオットが何故が冷たい視線で私を睨む。
「そうだよね~大体僕たちが動くのは、学園を通してモンスター討伐の依頼がきたときだけなんだけどね~。『アルハール』から何も言って来ないって言うのは多分そのモンスターは洞窟の中から出てこないから誰もが困っていないんじゃないの?」
アドニスが気だるげに言う。
「そうだ、何故わざわざ依頼もされていないモンスターを討伐しに『アルハール』まで行かなければならないのだ?」
フレッドはこちらを見もしない。
「悪いけど・・・俺達はこの件には関与しない。行きたければ勝手に行くがいい。一応アドバイス的に言うが、やめておいた方がいいとは思うけどな。」
エディは本を読みながら言う。
「そうそう、別にベネットがどうなったって俺達には何の関係も無いからな。大体、何でそんなオリビアに嫌がらせをする性悪女を助けなくちゃならないんだ?」
しかし、流石にジェフリーの言葉は頂けない。私は全くオリビアに嫌がらせをしたことがない・・・と言うか、そもそも接触すらしていないのに言いがかりも甚だしい。
おそらく「コンピューターウィルス」で彼等の思考を操った可能性もある。
そして残りのメンバーはもはや、こちらを気にも留めていない。
ハハハ・・・。まあ期待はしていなかったけれども・・まさかここまでの塩対応されるとは思ってもいなかった。う~ん・・・やはり彼等の好感度を上げるには『魔鉱石』を手に入れるしかないだろう。
「そ、そんなっ!あなた方はエリスがどうなってもいいって言うのですかっ?!」
尚も食い下がろうとするトビーを私は止めた。
「もういいですってば、トビー。」
こんな所で無駄なお願いをしている位なら、さっさとベソとノッポの所へ戻って対策を練った方がずっとましだ。
「え・・?いいって・・・何がいいんだいっ?!エリスゥッ!」
青ざめた顔で私を見るトビー。
「モンスター討伐には他のメンバーで行きます。いきなり尋ねてしまい、どうも申し訳ございませんでした。」
そして頭を下げて出て行こうと背を向けてドアを開ける直前にトビーの声が背中から追いかけて来た。
「待ってくれッ、エリスッ!他のメンバーって一体誰と行くんだい?!」
「『管理事務局』の彼等と行きます。それでは失礼します。」
そして私はドアを閉めた—。
ベソがガタガタ震えながら尋ねて来る。
「ま・ま・まさか・・・『アルハール』へ・・・?」
ノッポが情けない声を出す。
「その『まさか』よ。当然モンスター討伐に行くしかないでしょう?勿論貴方達も一緒にね!」
「「あああっ!やっぱりぃぃぃっ!」」
声を揃えて怯える2人。何よ・・・こっちだって怖いんだからね?確かにメイドスキルレベルは上がったし、『神の怒り』を使えるようにはなったけど、この攻撃はあくまで対コンピューターウィルス用。これが果たして普通のモンスターに効力を発揮するかどうかは全く分からないのだから。
「ねえ、ベソ。ノッポ。あの杖の攻撃って・・・モンスターには効果があるの?」
「そ、そんなのし、知りませんよっ!」
「だ、だったら実際にモンスター討伐の時にた、試してみればいいじゃないですかっ!」
半ばやけくそのように喚くベソとノッポ。
「はあ・・・貴方達・・・本気でそんな事言ってるの?言っておくけどモンスター討伐には私達だけで行くのよ?実際に私の攻撃がモンスターに効かなければ・・。」
「「効かなければ?」」
ベソとノッポが声を揃えて尋ねて来る。
「私達は・・・恐らくゲーム内で死亡するわ・・・。」
「「そ、そんなっ!」」
ベソとノッポはより一層身体を震わせ、怯えまくっている。
それは確かにわざと凄みを効かせた声で話したけれども、本当は私だって怖くて仕方が無いのだ。けれどもどのみち1週間以内に『白銀のナイト』全員の好感度を上げなければ・・・私達は永遠にこのバーチャルゲームの世界から抜け出す事が出来ないのだから。
「と言う訳でベソ、ノッポ。私は・・・トビーにモンスター討伐の為に『アルハール』へ行くので休暇願いを出して来るから、貴方達は何か素人でも扱えそうな強力な武器と、絶対何があってもどんな攻撃からも身を守れるアイテムを作りだして頂戴。」
「そんなの無理に決まってるじゃないですかぁっ!」
ノッポが大声で喚いているようだが・・・うん!聞こえなかった事にしようっ!
そして私は嫌々トビーの元へと向かった―。
「うわああああああん・・っ!エリスゥッ!!な、何故?!何故只のメイドの君が『アルハール』へモンスター討伐に行くんだいっ?!そんなに魔鉱石が欲しいのかい?!だ、第達魔鉱石を欲しいと思ってるのは『白銀のナイト』達だけだろうっ?!お願いだぁっ!頼むからそんな危険な場所へ行かないでおくれっ!!」
涙でぐちゃぐちゃな顔になったトビーはこれでもかと言わんばかりにギュウギュウに抱きしめて来る。
「く・・・苦しいですってば・・・!」
あ・・・今にも意識が無くなって昇天しそうだ・・・。ベソ・・・ノッポ・・・私はここで・・・。
ってそんなわけあるかっ!!
ドスッ!!
思い切りトビーの足を踏みつける私・
「ウウウッ!!」
トビーは痛みの余り、手を離して踏まれた右足に手を添える。そこへすかさず私は言った。
「トビーッ!な、何するんですかっ!私を・・し、絞め殺すつもりですかっ?!」
「絞め殺す?誤解だよぅっ!愛しい君にそんな事するはず無いだろう?!」
ウウウッ!相変わらず気色の悪い男だ・・・黙っていればイケメンなのに、この性格のせいでマイナス点だ。
「と、とに角私は何と言われようとも『アルハール』へ向かいますっ!これだけは絶対に譲れませんっ!」
そうよっ!魔鉱石を手に入れる為ならモンスターがいる巣窟の中でも・・っ!
「グスッ・・・わ、分かったよ・・・エリス・・・。そこまでしてもどうしてもモンスター討伐に行くと言うなら、僕から『白銀のナイト』達にエリスとモンスター討伐に行ってくれないか・・・グスッ、頼んでみるから・・・。きっと・・グスッ。彼等はエリスの為なら・・き、きっと・・力になってくれるはずだから・・・。」
トビーは泣きながら言う。
「え・・?」
今、トビーは何と言った?!『白銀のナイト』達に頼んでみると言わなかったか?!
「さあ、エリスッ!今から彼等の元へ行こうっ!」
そしてムンズと私の腕を掴むトビー。
「ちょ、ちょっと待って下さいッ!トビーッ!」
「大丈夫だよ、エリス。きっと全員が君に付いて行くって言うに決まってるさっ!」
トビーは自信ありげな口調で言うが、私はちっともそうは思えない。だって、全員の交換度が『オリビア』によって下げられてしまったのだから、きっと彼等の答えは全員一致で断るはずだ。
ここは『白銀のナイト』達だけが利用できる談話室である。
「「「「「「「断る。」」」」」」」
『白銀のナイト』達は全員一致で物の見事に断って来た。
ああ、やっぱりそうきたか・・・。まあ、私の中ではきっとこうなるだろうと思って想定内だったけどね・・・。だって彼等の好感度は・・・私は一人一人の好感度を目を凝らしてみた。うん、やはりそうだ・・・。全員ものの見事に数字は100になっている。多分オリビアが全員の好感度・・1人400ずつ持っているんだろうなあ・・・。
「え・・?な、何故ですか?あなた方は・・・ここにいるエリスの手助けをしようとは思わないのですか?」
トビーは目をぱちぱちさせながら彼等に問う。
「何故手助けをしなければならない?逆にそれを尋ねたいのだが。」
エリオットが何故が冷たい視線で私を睨む。
「そうだよね~大体僕たちが動くのは、学園を通してモンスター討伐の依頼がきたときだけなんだけどね~。『アルハール』から何も言って来ないって言うのは多分そのモンスターは洞窟の中から出てこないから誰もが困っていないんじゃないの?」
アドニスが気だるげに言う。
「そうだ、何故わざわざ依頼もされていないモンスターを討伐しに『アルハール』まで行かなければならないのだ?」
フレッドはこちらを見もしない。
「悪いけど・・・俺達はこの件には関与しない。行きたければ勝手に行くがいい。一応アドバイス的に言うが、やめておいた方がいいとは思うけどな。」
エディは本を読みながら言う。
「そうそう、別にベネットがどうなったって俺達には何の関係も無いからな。大体、何でそんなオリビアに嫌がらせをする性悪女を助けなくちゃならないんだ?」
しかし、流石にジェフリーの言葉は頂けない。私は全くオリビアに嫌がらせをしたことがない・・・と言うか、そもそも接触すらしていないのに言いがかりも甚だしい。
おそらく「コンピューターウィルス」で彼等の思考を操った可能性もある。
そして残りのメンバーはもはや、こちらを気にも留めていない。
ハハハ・・・。まあ期待はしていなかったけれども・・まさかここまでの塩対応されるとは思ってもいなかった。う~ん・・・やはり彼等の好感度を上げるには『魔鉱石』を手に入れるしかないだろう。
「そ、そんなっ!あなた方はエリスがどうなってもいいって言うのですかっ?!」
尚も食い下がろうとするトビーを私は止めた。
「もういいですってば、トビー。」
こんな所で無駄なお願いをしている位なら、さっさとベソとノッポの所へ戻って対策を練った方がずっとましだ。
「え・・?いいって・・・何がいいんだいっ?!エリスゥッ!」
青ざめた顔で私を見るトビー。
「モンスター討伐には他のメンバーで行きます。いきなり尋ねてしまい、どうも申し訳ございませんでした。」
そして頭を下げて出て行こうと背を向けてドアを開ける直前にトビーの声が背中から追いかけて来た。
「待ってくれッ、エリスッ!他のメンバーって一体誰と行くんだい?!」
「『管理事務局』の彼等と行きます。それでは失礼します。」
そして私はドアを閉めた—。
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