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第32日目 私のお願い その1
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普段の私なら『神の裁きっ!』と叫んで杖を振りかざすところを、今回は台詞を変えて『メイドのお仕置きっ!』と叫びつつ杖を振るった私。
すると、途端激しい電・・・ではなく、何故か杖から放たれたのはピンク色の光の洪水。
そしてそれらが身構えていたフレッドとエディに降り注ぐ・・・。
「ウワアアアッ?!」
「グウッ!」
エディとフレッドが溜まらず悲鳴を上げ・・・何故か突如としてうっとりとした顔つき?に変化し、そのまま2人はバタリと地面に倒れ込んでしまった。
「あの・・フレッド様?エディ様・・?」
ユサユサ揺すぶってみても二人は一向に起きる気配が無い。う~ん・・。これは・・・。
「あの~・・・エリスさん。」
「さっきのは一体・・・?」
見ると柱の陰から顔を覗かせたベソとノッポが私をじっと見つめている。
「あれ?ベソにノッポ。一体そんな所に隠れてどうしたのよ?今2人は目を回して伸びてるからもう出て来ても大丈夫だよ。」
戦闘メイド服の衣装のまま私は2人を見て、手招きした。
「本当に大丈夫でしょうね・・・・。」
「嘘ついたら嫌ですよ。」
恐る恐る近付いてくるベソとノッポは床の上で目を回しているフレッドとエディを見ると言った。
「うん。確かに伸びてる。」
ベソが言う。
「本当だ・・。」
ノッポは何処から持って来たのか、長い枝であろう事かフレッドの身体を突いている。
「ねえ。ベソ、ノッポ。悪いけどこの2人をそれぞれの寮へ運んでもらえる?」
「ええええっ?!そ、そんな・・・嫌ですよっ!」
ノッポが大袈裟に首を振る。
「そうですよっ!も、もし運んでいる最中に・・め、目が覚めたら一体どうしてくれるんですかっ?!」
ベソは涙目になって訴える。
「ふ~ん・・・。それじゃいいんだ・・・。いつまでもこのままの状態でこの2人を置いておいても・・・。」
私は腕組みしながらジロリと2人を見る。
「え・・?」
「そ、それは・・・。」
途端に言い淀むノッポとベソ。
「そうよ、ここにいる貴方達2人以外・・・誰が彼等を運べると言うの?」
交互に2人を見渡しながら言う私。そしてついに観念したのか、やけくそのように2人は喚いた。
「わ・・・分かりましたよっ!」
ノッポが腕まくりをした。
「運べばいいんでしょう?!運べばっ!」
ベソは床に転がっている二人を見下ろした。
だけど・・・。
「「「どうやって運ぶ?」」」
私達3人は顔を見合わせながら腕組みをした。
そして、考え抜いた挙句・・私達が取った方法は手押し一輪車に乗せてエディとフレッドを乗せて運ぶ方法を考えた。
「でもエリスさん。手押し一輪車って何処に行けば借りる事が出来るんですか?」
ベソが尋ねて来た。
「う~ん・・・。そのアイテムの在処を知っていそうなのは多分トビーかダンなんだよね・・。」
だが、絶対にトビーにだけはお願いしたくないっ!大体最近のトビーは気持ちが悪いのだ。何かというとエリスゥッ!と叫んですぐ泣きべそをかくし・・・。
と思いつつ、隣に立っているベソをチラリと盗み見る。
「エリスさん・・・今、絶対に妙な事考えていましたよね・・・?」
ベソがジト目でこちらを見る。
「うーうん。べっつにー。ねえねえ。そう言えば・・・さっき2人のPCがウィルスにやられてしまったようだけど・・・あれからどうなったの?」
先程の件を思い出した私は2人に尋ねてみた。
「ああっ!そうだったっ!」
ノッポが頭を抱えた。
「大変だっ!すっかり忘れていたっ!」
ベソが叫び、PCの前に駆け寄る。
そしてノッポもベソもPCの前に座り込むと、2人は目にも止まらぬような速さで
キーを叩き始めた。
「ねえ?ちょっと・・・2人とも!フレッドとエディはどうするのよっ?!」
2人に声を掛けるとベソもノッポも顔をあげもせずに答えた。
「そんなのエリスさんの方で何とかして下さいよっ!」
ベソがPC画面を見ながら叫ぶ。
「そうですっ!俺達にはそんな暇は無いんですからっ!おりゃーっ!」
ノッポは妙な雄叫びをあげながらキーボードを叩く!
まさかの丸投げっ!こ、この2人は・・・・・!
「お・・・覚えていなさいよっ!」
私は捨て台詞を吐き・・・・猛ダッシュでダンの元へ・・・・って。
「あれ・・・?そう言えばダンは何処にいるんだろう・・?男性用従業員の宿舎に行けば会えるのかなあ・・?いいや、取り合えず行ってみよっ!」
そして私は宿舎へと向かった―。
「愛しいエリスゥッ!!お休みの日なのに僕の元へ会いに来てくれたんだねっ?!」
宿舎から出てきたのはやはり気色の悪いリーダーのトビーッ!そして私をこれでもかと羽交い絞めにしてくる。
ギャ~ッ!!く、苦しい・・・・。そして締め上げられながら恐る恐るトビーの好感度を見てみればなんとまさかの400を差しているっ!
嘘ッ?!一体何でよっ?!
トビーの好感度なんて、たったの1でも欲しく無いのにっ!
「ト、トビーッ!は、離して下さいっ!く・苦しい・・・。」
私の喘ぎ声?でようやく我に返ったのか、慌ててトビーは私から身体を離した。
「ああ・・・ごめんよ?エリス・・・。苦しかったかい?つい僕の君に対する愛が強すぎて・・・思い切り締めあげてしまったよ。大丈夫だったかい?」
トビーが心配そうに覗き込んでくる。顔を青ざめさせ、ゼーゼー喘ぎながら、つい恨めしそうな顔でトビーに文句を言ってしまった。
「し・・・絞殺されるかと思いましたよ・・・。」
「ご・・・ごめんよ~っ!エリスゥ~ッ!!そ、そうだ・・・!お詫びに今日は僕とデートをしようっ!さあ、何処に遊びに行きたい?」
トビーは私の肩にするりと腕をまわした途端・・・。
「何だか騒がしいと思ったらトビーとエリスじゃ無いか。おい!トビーッ!!
エリスから手を離せっ!」
何と現れたのはまさかのダンッ!
「ああ良かったっ!ダンに会えて。実はダンに用事があって尋ねてきたんですよ。」
私が笑顔で言うと、途端に顔が真っ赤に染まるダン。ん・・・?まさか・・何気なく目を凝らしてみると、やはりダンの真上に浮かんでいる好感度は400を差している。
ま・・まさか・・・今私の攻略対象は全員好感度が400になっているのだろうか?
<どうです?エリスさん?>
<俺達のサポートはバッチリでしょう?>
何故かここにいないはずのベソとノッポのドヤ顔が頭に浮かんできた。
ま、まさか・・・あの2人が攻略対象の好感度を上げたのだろうか・・?
な・・・何て厄介な真似を・・・!
トビーも危険な男だが・・・ダンもある意味危険な男なのだ。こんな大男に仮に迫れらたら・・・に、逃げられないっ!
「エ・・エリス・・・。今の言葉は本当か?俺に会いたかったって・・・。」
ダンは顔を真っ赤に染めながら私を熱のこもった目で見つめて来る。
「エ・・エリス・・・う、嘘だよね・・・今の台詞・・・。」
一方のトビーは涙で潤んだ目でこちらとじっと見つめて来るし・・・。
あ~っ!鬱陶しい事この上ないっ!こうなったらさっさと用件だけ伝えて・・・って待てよ・・・。私一人ではフレッドもエディも運べっこない・・・だけど、この2人を利用すれば・・・?
そこで私は2人に言った。
「すみません。お2人に頼みがあるのですが・・・・私のお願い、聞いて頂けないでしょうか・・・?」
両手を組んで、2人をじっと見上げる私。どうだっ?!この演技力は?!
「ああ、勿論だっ!エリスッ!お前の頼みなら何だって聞いてやるぞっ?」
ダンの頼もしい返事。
「そ、それなら俺だって・・エリスッ!さあ!僕に叶えて貰いたいお願い事を言ってごらん?」
「本当ですかっ?!それではまず、私に付いてきて下さいっ!」
こうして私は理由を説明せずに、2人を『管理事務局』へ連れて行く事に成功したのであった。
すると、途端激しい電・・・ではなく、何故か杖から放たれたのはピンク色の光の洪水。
そしてそれらが身構えていたフレッドとエディに降り注ぐ・・・。
「ウワアアアッ?!」
「グウッ!」
エディとフレッドが溜まらず悲鳴を上げ・・・何故か突如としてうっとりとした顔つき?に変化し、そのまま2人はバタリと地面に倒れ込んでしまった。
「あの・・フレッド様?エディ様・・?」
ユサユサ揺すぶってみても二人は一向に起きる気配が無い。う~ん・・。これは・・・。
「あの~・・・エリスさん。」
「さっきのは一体・・・?」
見ると柱の陰から顔を覗かせたベソとノッポが私をじっと見つめている。
「あれ?ベソにノッポ。一体そんな所に隠れてどうしたのよ?今2人は目を回して伸びてるからもう出て来ても大丈夫だよ。」
戦闘メイド服の衣装のまま私は2人を見て、手招きした。
「本当に大丈夫でしょうね・・・・。」
「嘘ついたら嫌ですよ。」
恐る恐る近付いてくるベソとノッポは床の上で目を回しているフレッドとエディを見ると言った。
「うん。確かに伸びてる。」
ベソが言う。
「本当だ・・。」
ノッポは何処から持って来たのか、長い枝であろう事かフレッドの身体を突いている。
「ねえ。ベソ、ノッポ。悪いけどこの2人をそれぞれの寮へ運んでもらえる?」
「ええええっ?!そ、そんな・・・嫌ですよっ!」
ノッポが大袈裟に首を振る。
「そうですよっ!も、もし運んでいる最中に・・め、目が覚めたら一体どうしてくれるんですかっ?!」
ベソは涙目になって訴える。
「ふ~ん・・・。それじゃいいんだ・・・。いつまでもこのままの状態でこの2人を置いておいても・・・。」
私は腕組みしながらジロリと2人を見る。
「え・・?」
「そ、それは・・・。」
途端に言い淀むノッポとベソ。
「そうよ、ここにいる貴方達2人以外・・・誰が彼等を運べると言うの?」
交互に2人を見渡しながら言う私。そしてついに観念したのか、やけくそのように2人は喚いた。
「わ・・・分かりましたよっ!」
ノッポが腕まくりをした。
「運べばいいんでしょう?!運べばっ!」
ベソは床に転がっている二人を見下ろした。
だけど・・・。
「「「どうやって運ぶ?」」」
私達3人は顔を見合わせながら腕組みをした。
そして、考え抜いた挙句・・私達が取った方法は手押し一輪車に乗せてエディとフレッドを乗せて運ぶ方法を考えた。
「でもエリスさん。手押し一輪車って何処に行けば借りる事が出来るんですか?」
ベソが尋ねて来た。
「う~ん・・・。そのアイテムの在処を知っていそうなのは多分トビーかダンなんだよね・・。」
だが、絶対にトビーにだけはお願いしたくないっ!大体最近のトビーは気持ちが悪いのだ。何かというとエリスゥッ!と叫んですぐ泣きべそをかくし・・・。
と思いつつ、隣に立っているベソをチラリと盗み見る。
「エリスさん・・・今、絶対に妙な事考えていましたよね・・・?」
ベソがジト目でこちらを見る。
「うーうん。べっつにー。ねえねえ。そう言えば・・・さっき2人のPCがウィルスにやられてしまったようだけど・・・あれからどうなったの?」
先程の件を思い出した私は2人に尋ねてみた。
「ああっ!そうだったっ!」
ノッポが頭を抱えた。
「大変だっ!すっかり忘れていたっ!」
ベソが叫び、PCの前に駆け寄る。
そしてノッポもベソもPCの前に座り込むと、2人は目にも止まらぬような速さで
キーを叩き始めた。
「ねえ?ちょっと・・・2人とも!フレッドとエディはどうするのよっ?!」
2人に声を掛けるとベソもノッポも顔をあげもせずに答えた。
「そんなのエリスさんの方で何とかして下さいよっ!」
ベソがPC画面を見ながら叫ぶ。
「そうですっ!俺達にはそんな暇は無いんですからっ!おりゃーっ!」
ノッポは妙な雄叫びをあげながらキーボードを叩く!
まさかの丸投げっ!こ、この2人は・・・・・!
「お・・・覚えていなさいよっ!」
私は捨て台詞を吐き・・・・猛ダッシュでダンの元へ・・・・って。
「あれ・・・?そう言えばダンは何処にいるんだろう・・?男性用従業員の宿舎に行けば会えるのかなあ・・?いいや、取り合えず行ってみよっ!」
そして私は宿舎へと向かった―。
「愛しいエリスゥッ!!お休みの日なのに僕の元へ会いに来てくれたんだねっ?!」
宿舎から出てきたのはやはり気色の悪いリーダーのトビーッ!そして私をこれでもかと羽交い絞めにしてくる。
ギャ~ッ!!く、苦しい・・・・。そして締め上げられながら恐る恐るトビーの好感度を見てみればなんとまさかの400を差しているっ!
嘘ッ?!一体何でよっ?!
トビーの好感度なんて、たったの1でも欲しく無いのにっ!
「ト、トビーッ!は、離して下さいっ!く・苦しい・・・。」
私の喘ぎ声?でようやく我に返ったのか、慌ててトビーは私から身体を離した。
「ああ・・・ごめんよ?エリス・・・。苦しかったかい?つい僕の君に対する愛が強すぎて・・・思い切り締めあげてしまったよ。大丈夫だったかい?」
トビーが心配そうに覗き込んでくる。顔を青ざめさせ、ゼーゼー喘ぎながら、つい恨めしそうな顔でトビーに文句を言ってしまった。
「し・・・絞殺されるかと思いましたよ・・・。」
「ご・・・ごめんよ~っ!エリスゥ~ッ!!そ、そうだ・・・!お詫びに今日は僕とデートをしようっ!さあ、何処に遊びに行きたい?」
トビーは私の肩にするりと腕をまわした途端・・・。
「何だか騒がしいと思ったらトビーとエリスじゃ無いか。おい!トビーッ!!
エリスから手を離せっ!」
何と現れたのはまさかのダンッ!
「ああ良かったっ!ダンに会えて。実はダンに用事があって尋ねてきたんですよ。」
私が笑顔で言うと、途端に顔が真っ赤に染まるダン。ん・・・?まさか・・何気なく目を凝らしてみると、やはりダンの真上に浮かんでいる好感度は400を差している。
ま・・まさか・・・今私の攻略対象は全員好感度が400になっているのだろうか?
<どうです?エリスさん?>
<俺達のサポートはバッチリでしょう?>
何故かここにいないはずのベソとノッポのドヤ顔が頭に浮かんできた。
ま、まさか・・・あの2人が攻略対象の好感度を上げたのだろうか・・?
な・・・何て厄介な真似を・・・!
トビーも危険な男だが・・・ダンもある意味危険な男なのだ。こんな大男に仮に迫れらたら・・・に、逃げられないっ!
「エ・・エリス・・・。今の言葉は本当か?俺に会いたかったって・・・。」
ダンは顔を真っ赤に染めながら私を熱のこもった目で見つめて来る。
「エ・・エリス・・・う、嘘だよね・・・今の台詞・・・。」
一方のトビーは涙で潤んだ目でこちらとじっと見つめて来るし・・・。
あ~っ!鬱陶しい事この上ないっ!こうなったらさっさと用件だけ伝えて・・・って待てよ・・・。私一人ではフレッドもエディも運べっこない・・・だけど、この2人を利用すれば・・・?
そこで私は2人に言った。
「すみません。お2人に頼みがあるのですが・・・・私のお願い、聞いて頂けないでしょうか・・・?」
両手を組んで、2人をじっと見上げる私。どうだっ?!この演技力は?!
「ああ、勿論だっ!エリスッ!お前の頼みなら何だって聞いてやるぞっ?」
ダンの頼もしい返事。
「そ、それなら俺だって・・エリスッ!さあ!僕に叶えて貰いたいお願い事を言ってごらん?」
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