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第29日目 『アルハール砂漠』での戦闘 ④ 残り時間43日
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「あ・・・・・。」
で・・・でかい。体長10mはあろうかと思われる大きさのアリジゴクが私をじっと見降ろしている。
あまりの恐怖に足がすくんで動けない・・・。その時、アリジゴクが私目掛けて2本の牙を振り下ろしてきた。
「危ないっ!エリスっ!」
背後にいたタリク王子が私を抱きかかえると、アリジゴクの攻撃を避けた。
そして肩から下げていた剣をスラリと引き抜くと同時に跳躍し、アリジゴクの右足目掛けて剣を振り下ろす。
カキイーンッ!!
しかし、アリジゴクの足はまるで鋼鉄のように固いのか、タリク王子の剣が逆に弾き返されてしまう。
「しまったっ!!」
タリク王子の焦る声が聞こえる。そしてアリジゴクは王子に向かって突進して行く—
「タリク王子ッ!」
思わず叫ぶと、何故かピタリとアリジゴクが動きを止め・・・今度は突然方向転換すると、私に向かって猛スピードで突進してくるでは無いかっ!
「エリスッ!!くそっ!」
タリク王子は叫ぶと足元にあった石を掴み、アリジゴクに向かって投付け、アリジゴクの頭に激しくヒットする!
アリジゴクは今度は私からタリク王子にターゲットを絞り・・じりじりとタリク王子に近付いて行く。
ま・・まずいっ!このままでは・・タリク王子がアリジゴクの餌食に・・そ、そして私はタリク王子を見殺しにした罪で・・・しょ、処刑されてしまうかも・・・っ!!
『アルハール』の民は狂暴だとゲーム中で語られていた。じょ、冗談じゃないっ!!
「タリク王子ッ!!逃げてくださいッ!!」
恐怖を押し殺し、巨大アリジゴクを目指して私は走った。何としてもタリク王子を助けなければ・・・わ、私の命が・・・ッ!!
「馬・・馬鹿ッ!エリスッ!俺にかまわず逃げろっ!!」
岩肌に追い詰められながら、タリク王子は私に叫ぶ。
だけど・・・!
「いいえっ!逃げませんっ!何故なら・・・このアリジゴクを倒す為に私はここにやってきたのですからっ!!」
まるで映画の決め台詞?のような台詞を言いつつ、私は叫んだ。
「ウィルス駆除っ!!」
すると・・・眩しい光が私を包み込み、見る見るうちに私の来ている服が戦闘モード用のメイド服にチェンジッ!!そして右手には魔女っ子?の杖がしっかり握りしめられている。
私を包む眩しい光に一瞬怯む?巨大アリジゴク。
「タリク王子ッ!今の内に逃げて下さいッ!」
呆然としているタリク王子に声を掛けると、王子は一瞬ハッとなり、咄嗟にアリジゴクの隙を狙って逃げ出した。
するとタリク王子に逃げられた為か?激しく怒り狂う巨大アリジゴク。
そして・・・今度は猛スピードで私目掛けて突進してくる。
だけど不思議だ・・・。
このメイド服を着ていると、ちっとも恐怖心が湧いてこない。それどころか・・・どんな敵にも絶対負ける気がしないっ!
私は猛スピードで向かって来る巨大アリジゴクに杖をかかげ、叫んだ。
「神の怒りッ!!」
すると杖から眩しいほどの電がほとばしり、巨大アリジゴクに向かって激しい雷鳴と共に電が巨大アリジゴクに向かって落とされる。
ドーンッ!!!!
そして・・・雷に焼かれたアリジゴクは黒焦げになって地面に倒れ込む。
ズシーンッ!!
当たりに土ぼこりがまう。
そんなアリジゴクを見て私は笑みを浮かべて言う。
「正義は勝つ」
と—。
やがて・・・土ぼこりがおさまると、そこには地面にへたり込み、私をじっと見つめるタリク王子の姿があった。
「ご無事でしたか?タリク王子。」
王子に近付き、声を掛ける。
「エ・・・エリスなのか・・・?一体・・・その姿は・・・?」
タリク王子は呆然と私を見上げて尋ねて来た。
「ふ・・・これは・・私の仮の姿。どうか今見た事は忘れて下さい。」
キザな台詞?を言って胡麻化そうとした私を次の瞬間・・・・。
「エリスッ!!」
突然タリク王子が強く抱きしめてきた。え?え?一体どう言う事よっ?!
そして、抱きしめられたままタリク王子を見上げると、いつの間にか彼の頭上には好感度を示すハートのゲージが出現し・・・数値は400になっていた。
ヒイイッ!!い・一体・・何なのよっ!!
「エリスッ!何てお前は強いんだ!しかも強いだけじゃない!まるで雌豹のようなしなやかな身体付きなのに、何処か神々しさも感じる!正に戦闘民族『アルハール』の王の妻にぴったりだっ!!」
な・・・何いっ?!今・・・何と言った・・?雌豹・・?妻・・?じょ・・冗談じゃないっ!
「タ・・・タリク王子ッ!離して下さいッ!!」
必死にもがくも王子の腕が強すぎて振り払えない。その時・・・
「エリスっ!大丈夫かっ?!」
高さ20mはあろうかと思われる天井の穴から飛び降りてきたのは他でも無い、アンディだ・・・って嘘っ!!あの高さから平気で飛び降りて来るなんて・・・!
しかし、飛び降りてきたのはアンディだけではない。次にエリオット、ジェフリー、アベルにアドニスが次々と飛び降りてきて・・・魔女っ子メイド服に身を包んだ私を抱きしめているタリク王子を見ると全員が声を揃えて叫んだ。
「「「「「エリスから離れろっ!!」」」」」
するとタリク王子は不敵に笑う。
「ほーう・・。お前達・・・この俺にそのような口を利くとは・・・まさかこの俺が誰か分からないと見えるな?」
しかし、アンディがいとも簡単に言う。
「いや、知ってるぞ。お前はこの国の王子タリクだろう?」
「な?!き、貴様・・・王子の俺に向かってそのような口を効いていいと思っているのかっ?!」
タリク王子は怒りで身体を震わせながらアンディを睨み付ける。しかも未だに私を抱きしめた状態でっ!
「そんなのは俺達には関係ないね。」
そこへ口を挟んできたのはアドニスだ。
「な・・・き、きさま・・・っ!!」
タリク王子がアドニスを睨む。
「エリス、無事で良かった。」
気付けばいつの間にか私はタリク王子の腕から解放され、エリオットに肩を抱かれていた。え?う・・・嘘ッ!いつの間に・・・?!
「な・・・何?一体どういう事だっ?!」
一方のタリク王子も私が一瞬で自分の腕から消えた事が信じられないのか、何度も目を擦っている。
「しかし、エリスは凄いな~。またしてもモンスターを1人で倒してしまうんだから。」
アベルは感心したように言う。
「よし、それじゃ・・・目的も果たした事だし・・・学園に帰るか?」
ジェフリーが笑顔で言う。
「そうですね・・・流石に疲れました。帰りましょう。皆さん。」
私の言葉に全員が頷き・・・歩き始めると背後でタリク王子の怒り狂った喚き声が聞こえてきた。
「こらっ!!俺はこの国の王子だぞっ?!俺の存在を無視するなっ!」
するとアドニスがくるりとタリク王子を振り返りながら言った。
「ああ、君の事なら大丈夫だよ。ちゃんと王宮の騎士団に伝えておいたから・・じきに君を助けにやって来ると思うよ?それじゃあね。」
そして白銀のナイト達はふわりと浮き上がると・・・って空を飛べたの?!
天井に空いている穴を目指して飛んで行く。
「エリス、しっかり俺に掴まっていろよ?」
「はいっ!」
そして落ちてなるものかとしっかりエリオットの首に腕を回してしがみ付く。
「エ、エリス・・・。中々・・・その、積極的だな・・?」
エリオットに軽い誤解を与えつつ・・私はアリジゴクの巣から無事に生還を果たしたのであった—。
それにしても・・・今回活躍したの私だけじじゃないの?!
なんだか割りに合わないモヤモヤした気持ちを抱え・・・ラクダに揺られて満月の砂漠を進む私達。
そして私の頭の中には名曲『月の砂漠』の歌が流れ・・・・疲れ切った私はいつしかエリオットに支えられながらラクダの上で眠りに就いてしまった—。
『お疲れさまでした。第29日目が終了致しました。攻略対象が1人増えました。
ボーナスとして10000ポイント差し上げます。必殺技『神の怒り』がレベルアップしました。残り時間は43日となります。』
で・・・でかい。体長10mはあろうかと思われる大きさのアリジゴクが私をじっと見降ろしている。
あまりの恐怖に足がすくんで動けない・・・。その時、アリジゴクが私目掛けて2本の牙を振り下ろしてきた。
「危ないっ!エリスっ!」
背後にいたタリク王子が私を抱きかかえると、アリジゴクの攻撃を避けた。
そして肩から下げていた剣をスラリと引き抜くと同時に跳躍し、アリジゴクの右足目掛けて剣を振り下ろす。
カキイーンッ!!
しかし、アリジゴクの足はまるで鋼鉄のように固いのか、タリク王子の剣が逆に弾き返されてしまう。
「しまったっ!!」
タリク王子の焦る声が聞こえる。そしてアリジゴクは王子に向かって突進して行く—
「タリク王子ッ!」
思わず叫ぶと、何故かピタリとアリジゴクが動きを止め・・・今度は突然方向転換すると、私に向かって猛スピードで突進してくるでは無いかっ!
「エリスッ!!くそっ!」
タリク王子は叫ぶと足元にあった石を掴み、アリジゴクに向かって投付け、アリジゴクの頭に激しくヒットする!
アリジゴクは今度は私からタリク王子にターゲットを絞り・・じりじりとタリク王子に近付いて行く。
ま・・まずいっ!このままでは・・タリク王子がアリジゴクの餌食に・・そ、そして私はタリク王子を見殺しにした罪で・・・しょ、処刑されてしまうかも・・・っ!!
『アルハール』の民は狂暴だとゲーム中で語られていた。じょ、冗談じゃないっ!!
「タリク王子ッ!!逃げてくださいッ!!」
恐怖を押し殺し、巨大アリジゴクを目指して私は走った。何としてもタリク王子を助けなければ・・・わ、私の命が・・・ッ!!
「馬・・馬鹿ッ!エリスッ!俺にかまわず逃げろっ!!」
岩肌に追い詰められながら、タリク王子は私に叫ぶ。
だけど・・・!
「いいえっ!逃げませんっ!何故なら・・・このアリジゴクを倒す為に私はここにやってきたのですからっ!!」
まるで映画の決め台詞?のような台詞を言いつつ、私は叫んだ。
「ウィルス駆除っ!!」
すると・・・眩しい光が私を包み込み、見る見るうちに私の来ている服が戦闘モード用のメイド服にチェンジッ!!そして右手には魔女っ子?の杖がしっかり握りしめられている。
私を包む眩しい光に一瞬怯む?巨大アリジゴク。
「タリク王子ッ!今の内に逃げて下さいッ!」
呆然としているタリク王子に声を掛けると、王子は一瞬ハッとなり、咄嗟にアリジゴクの隙を狙って逃げ出した。
するとタリク王子に逃げられた為か?激しく怒り狂う巨大アリジゴク。
そして・・・今度は猛スピードで私目掛けて突進してくる。
だけど不思議だ・・・。
このメイド服を着ていると、ちっとも恐怖心が湧いてこない。それどころか・・・どんな敵にも絶対負ける気がしないっ!
私は猛スピードで向かって来る巨大アリジゴクに杖をかかげ、叫んだ。
「神の怒りッ!!」
すると杖から眩しいほどの電がほとばしり、巨大アリジゴクに向かって激しい雷鳴と共に電が巨大アリジゴクに向かって落とされる。
ドーンッ!!!!
そして・・・雷に焼かれたアリジゴクは黒焦げになって地面に倒れ込む。
ズシーンッ!!
当たりに土ぼこりがまう。
そんなアリジゴクを見て私は笑みを浮かべて言う。
「正義は勝つ」
と—。
やがて・・・土ぼこりがおさまると、そこには地面にへたり込み、私をじっと見つめるタリク王子の姿があった。
「ご無事でしたか?タリク王子。」
王子に近付き、声を掛ける。
「エ・・・エリスなのか・・・?一体・・・その姿は・・・?」
タリク王子は呆然と私を見上げて尋ねて来た。
「ふ・・・これは・・私の仮の姿。どうか今見た事は忘れて下さい。」
キザな台詞?を言って胡麻化そうとした私を次の瞬間・・・・。
「エリスッ!!」
突然タリク王子が強く抱きしめてきた。え?え?一体どう言う事よっ?!
そして、抱きしめられたままタリク王子を見上げると、いつの間にか彼の頭上には好感度を示すハートのゲージが出現し・・・数値は400になっていた。
ヒイイッ!!い・一体・・何なのよっ!!
「エリスッ!何てお前は強いんだ!しかも強いだけじゃない!まるで雌豹のようなしなやかな身体付きなのに、何処か神々しさも感じる!正に戦闘民族『アルハール』の王の妻にぴったりだっ!!」
な・・・何いっ?!今・・・何と言った・・?雌豹・・?妻・・?じょ・・冗談じゃないっ!
「タ・・・タリク王子ッ!離して下さいッ!!」
必死にもがくも王子の腕が強すぎて振り払えない。その時・・・
「エリスっ!大丈夫かっ?!」
高さ20mはあろうかと思われる天井の穴から飛び降りてきたのは他でも無い、アンディだ・・・って嘘っ!!あの高さから平気で飛び降りて来るなんて・・・!
しかし、飛び降りてきたのはアンディだけではない。次にエリオット、ジェフリー、アベルにアドニスが次々と飛び降りてきて・・・魔女っ子メイド服に身を包んだ私を抱きしめているタリク王子を見ると全員が声を揃えて叫んだ。
「「「「「エリスから離れろっ!!」」」」」
するとタリク王子は不敵に笑う。
「ほーう・・。お前達・・・この俺にそのような口を利くとは・・・まさかこの俺が誰か分からないと見えるな?」
しかし、アンディがいとも簡単に言う。
「いや、知ってるぞ。お前はこの国の王子タリクだろう?」
「な?!き、貴様・・・王子の俺に向かってそのような口を効いていいと思っているのかっ?!」
タリク王子は怒りで身体を震わせながらアンディを睨み付ける。しかも未だに私を抱きしめた状態でっ!
「そんなのは俺達には関係ないね。」
そこへ口を挟んできたのはアドニスだ。
「な・・・き、きさま・・・っ!!」
タリク王子がアドニスを睨む。
「エリス、無事で良かった。」
気付けばいつの間にか私はタリク王子の腕から解放され、エリオットに肩を抱かれていた。え?う・・・嘘ッ!いつの間に・・・?!
「な・・・何?一体どういう事だっ?!」
一方のタリク王子も私が一瞬で自分の腕から消えた事が信じられないのか、何度も目を擦っている。
「しかし、エリスは凄いな~。またしてもモンスターを1人で倒してしまうんだから。」
アベルは感心したように言う。
「よし、それじゃ・・・目的も果たした事だし・・・学園に帰るか?」
ジェフリーが笑顔で言う。
「そうですね・・・流石に疲れました。帰りましょう。皆さん。」
私の言葉に全員が頷き・・・歩き始めると背後でタリク王子の怒り狂った喚き声が聞こえてきた。
「こらっ!!俺はこの国の王子だぞっ?!俺の存在を無視するなっ!」
するとアドニスがくるりとタリク王子を振り返りながら言った。
「ああ、君の事なら大丈夫だよ。ちゃんと王宮の騎士団に伝えておいたから・・じきに君を助けにやって来ると思うよ?それじゃあね。」
そして白銀のナイト達はふわりと浮き上がると・・・って空を飛べたの?!
天井に空いている穴を目指して飛んで行く。
「エリス、しっかり俺に掴まっていろよ?」
「はいっ!」
そして落ちてなるものかとしっかりエリオットの首に腕を回してしがみ付く。
「エ、エリス・・・。中々・・・その、積極的だな・・?」
エリオットに軽い誤解を与えつつ・・私はアリジゴクの巣から無事に生還を果たしたのであった—。
それにしても・・・今回活躍したの私だけじじゃないの?!
なんだか割りに合わないモヤモヤした気持ちを抱え・・・ラクダに揺られて満月の砂漠を進む私達。
そして私の頭の中には名曲『月の砂漠』の歌が流れ・・・・疲れ切った私はいつしかエリオットに支えられながらラクダの上で眠りに就いてしまった—。
『お疲れさまでした。第29日目が終了致しました。攻略対象が1人増えました。
ボーナスとして10000ポイント差し上げます。必殺技『神の怒り』がレベルアップしました。残り時間は43日となります。』
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