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第28日目 死の砂漠から呼ぶ者は ⑤
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『アルハール』
そこは広大な砂漠のある国。
エタニティス学園前の駅から終点『ロメリア』迄電車に乗り、そこからさらに電車を乗り換え、『ナディル』という水の都と呼ばれる国を経由して、2時間電車に揺られると、ようやく砂漠の国『アルハール』に辿り着く。
私達が到着した時には既に夕方の6時になっていた。
「つ、疲れた・・・・。」
駅のホームにフラフラと降り立って最初に言葉を突いて出たのがこの言葉。
「大丈夫か?エリス。」
肩に手を置き、心配そうに尋ねてきたのはアンディだ。
「は、はい・・。流石に6時間も電車に乗ってると・・疲れますね・・・。で、でも皆さんは・・よく平気でいられますね・・?」
「ああ、俺達モンスター討伐の依頼が学園から入ってくれば、どんなに遠い場所だって行くからな。それにしてもエリス。顔色が悪い・・・真っ青な色をしているぞ?おんぶしてやろうか?」
アベルが隣に来ると声を掛けてきた。
「フン。お前がおんぶだって?無理無理、よし、エリス。俺がおんぶしてやるよ?俺はアベルと違って力も強いしな?」
ジェフリーはアベルを押しのけ、にやりと笑うと私の前に腰を落した。
「え、いえいえ・・・。1人で歩けますから大丈夫ですよ。」
苦笑いしながら遠慮する。冗談じゃないっ!アベルが敵意を込めた目で睨んでいるのにジェフリーにおんぶして貰った日には命が幾つあっても足りそうにない・・・かもしれない。
「おい・・・!ジェフリー・・。それは一体どういう意味だ・・・?」
身体から何やら黒いオーラ?の様な物を放出しながらアベルはジェフリーを睨み付けている。
するとその様子に気付いたジェフリーは立ち上がり、アベルに対峙すると言った。
「別に・・・言葉通りの意味だけど?お前はチビなんだからエリスをおんぶするのは無理だって言う事だ。」
「ちょ、ちょっとジェフリー様!」
慌てて2人の間に割って入ろうとすると、何故かエリオットに引き寄せられる。
「よせ、エリス。また巻き込まれるぞ?」
「また?またって・・?な、何言ってるんですか!喧嘩は止めないと!」
「ああ。別にいいんだってば。ほら、僕達って普通の人達よりも魔力が強いでしょう?放っておくと体内に魔力が溜ってしまうんだ。あまり溜まり過ぎると体内で魔力が暴走してしまうから、たまにああやって魔力を放出させるガス抜きが必要なんだよ。」
アドニスがニコニコしながら言う。
「え・・?そうなんですか?!」
知らなかった・・・。この乙女ゲーマーの私でも知らない事実があったなんて・・・!
「まあ、黙って見ているといいさ。多分あの2人・・そうとう魔力が溜っていたんだと思うよ?」
アドニスが教えてくれるのはいいのだが・・・お願いですから耳元で囁くように言わないで下さい。
「アドニス、少しエリスから離れろ。ほら見ろ、震えてるじゃ無いか。」
おおっ!流石はアンディ。よく見てくれている。しかし・・・。
未だにジェフリーとアベルは激しく睨み合いを続けている。
「おい。ジェフリー。お前・・・さっき俺の事をチビと言ったが、俺はエリスよりも13㎝背が高いんだからな?」
おおっ!こ、細かい・・・。
「ふん?たかが13㎝だろう?俺はエリスより28㎝背が高いぞ?」
咄嗟に計算したのだろうか?!驚きだっ!
腕組みをしながらわざと見下ろす様に?ジェフリーが言う。
「くっ・・・あ、あのなあ・・・エリスは言ってくれたんだよ!まだその気になれば身長なんて幾らだって伸びる事が出来るってな?!」
ん?そんな事言ったっけ・・?まあ・・確か似たような台詞を言ったかもしれなが・・細かい事なんて、いちいち覚えていられなし。
尚も激しく口喧嘩を続ける2人の身体から黒いオーラ?が徐々に増え始め・・それはやがて上空へと舞い上がり、激しくぶつかり合った。
ドーンッ!!
そして辺り一帯を爆風が舞い上がり、風に煽られるメイド服!
「イヤアアアアアンッ!!な・・何なのよおおおっ!!」」
必死でスカートを押さえ、まくれるのを防ぐ私。そんな私を真っ赤な顔で見つめるのはアドニスとアンディ、そしてエリオット。
やがて爆風が完全に収まると、そこには見事に地面に伸びたジェフリーとアベルの姿が転がっていた。
「よし、終わったな。それじゃ回収して先へ進むか。」
か、回収って・・・・。
エリオットの言葉に無言で頷くアンディとアドニス。そしてジェフリーはアンディに、アベルはアドニスに担ぎ上げられ、彼等の荷物を持ったのがエリオット。
おおっ!何と見事な連携プレー。
「よし、少し無駄な時間を取ってしまったけれど・・・そろそろ行こうか?エリス。砂漠の夜は冷えるからな?」
ニッコリと笑顔でエリオットは私に左手を差し出してきた。
「は、はあ・・。」
そして私はエリオットに手を引かれ?白銀のナイト達と共に、町の中へと足を踏み入れるのだった—。
そこは『アルハール』で一番豪華なホテルだった。
「ああ、お待ちしておりましたよ?勇者の御一行様!」
揉み手をしながら私達を出迎えたのはU字型の口髭に整えた支配人だった。
うん?勇者の御一行・・?何やら勘違いされているような・・・・?
「学園から連絡が来ていると思うが、本日この宿に予約は入れられているか?」
エリオットが尋ねる。
「ええ、勿論でございますとも!最高級のスイートルームをご用意しておりまよ。おや?メイドを連れていらしたのですか?」
支配人は私を見るなり言った。
ガーンッ!た、確かに・・・私は学園のしがないメイドだ・・・。しかし学園の外まで出て「メイド」呼ばわりされるとは・・。
「いや?彼女は・・・。」
エリオットが言いかけた所へ支配人が言葉を被せてきた。
「宜しいでしょう!メイド用の部屋も用意致しましょう。丁度エコノミータイプの・・・まあ必要最低限のお部屋が1つ空いておりますのでメイドにはそちらの部屋を・・・ヒッ!」
支配人は突然悲鳴を上げた。
何故かと言うと、それはアンディ、アドニス、エリオットが支配人を恐ろしい目つきで睨んでいたからだ。
「おい、貴様・・・今エリスの事を何と言った?」
グイッと襟首を捕まえてエリオットが支配人にドスの効いた声で言う。
「僕の耳にはメイドって聞こえたけど・・・?」
アドニスも珍しく怒りを露わにしている。
「ああ・・・俺も確かに聞いた。俺達のエリスをこの男はメイドと呼んだな・・・。」
いつの間に私は俺達のエリスになっていたのだろう?
アンディは腕組みをしながら支配人を睨み付けている。
「あ、あの・・・皆さん。落ち着いて下さい。確かに私はメイドですから・・。」
冗談じゃないっ!こんなホテルの中でまた魔力でも放出された日にはどんな目に遭うか分かったものでは無い!
「あ・・・・・す・す・すみませんっ!こ、このように美しいお嬢様をメイド呼ばわりしてしまいして・・ど、どうかお許し下さいッ!!」
支配人は涙目になって訴えている。
「なら、彼女・・・エリスにもっと素晴らしい部屋を用意してやれ。」
アンディは支配人の耳元で囁くように言う。ねえ、仮にも正義の味方?である白銀のナイトがそんな態度を取って良いの?
「ああ・・・そうだ。彼女の為に最高級の部屋を用意しなれば我々はこのまま帰るぞ?」
エリオットッ!!それじゃあまるで脅迫だからっ!!
「ヒイイッ!わ、分かりました!た・直ちにお部屋をご用意させて頂きますっ!」
最早支配人は涙目だ。
「言っておくけど・・・待たされるのは嫌だからね?」
アドニスのとどめの一言はホテルの従業員達を恐れさせるには十分過ぎるものだった。
こうして私も最高級の御1人様用?スイートルームに泊る事が決定した—。
そこは広大な砂漠のある国。
エタニティス学園前の駅から終点『ロメリア』迄電車に乗り、そこからさらに電車を乗り換え、『ナディル』という水の都と呼ばれる国を経由して、2時間電車に揺られると、ようやく砂漠の国『アルハール』に辿り着く。
私達が到着した時には既に夕方の6時になっていた。
「つ、疲れた・・・・。」
駅のホームにフラフラと降り立って最初に言葉を突いて出たのがこの言葉。
「大丈夫か?エリス。」
肩に手を置き、心配そうに尋ねてきたのはアンディだ。
「は、はい・・。流石に6時間も電車に乗ってると・・疲れますね・・・。で、でも皆さんは・・よく平気でいられますね・・?」
「ああ、俺達モンスター討伐の依頼が学園から入ってくれば、どんなに遠い場所だって行くからな。それにしてもエリス。顔色が悪い・・・真っ青な色をしているぞ?おんぶしてやろうか?」
アベルが隣に来ると声を掛けてきた。
「フン。お前がおんぶだって?無理無理、よし、エリス。俺がおんぶしてやるよ?俺はアベルと違って力も強いしな?」
ジェフリーはアベルを押しのけ、にやりと笑うと私の前に腰を落した。
「え、いえいえ・・・。1人で歩けますから大丈夫ですよ。」
苦笑いしながら遠慮する。冗談じゃないっ!アベルが敵意を込めた目で睨んでいるのにジェフリーにおんぶして貰った日には命が幾つあっても足りそうにない・・・かもしれない。
「おい・・・!ジェフリー・・。それは一体どういう意味だ・・・?」
身体から何やら黒いオーラ?の様な物を放出しながらアベルはジェフリーを睨み付けている。
するとその様子に気付いたジェフリーは立ち上がり、アベルに対峙すると言った。
「別に・・・言葉通りの意味だけど?お前はチビなんだからエリスをおんぶするのは無理だって言う事だ。」
「ちょ、ちょっとジェフリー様!」
慌てて2人の間に割って入ろうとすると、何故かエリオットに引き寄せられる。
「よせ、エリス。また巻き込まれるぞ?」
「また?またって・・?な、何言ってるんですか!喧嘩は止めないと!」
「ああ。別にいいんだってば。ほら、僕達って普通の人達よりも魔力が強いでしょう?放っておくと体内に魔力が溜ってしまうんだ。あまり溜まり過ぎると体内で魔力が暴走してしまうから、たまにああやって魔力を放出させるガス抜きが必要なんだよ。」
アドニスがニコニコしながら言う。
「え・・?そうなんですか?!」
知らなかった・・・。この乙女ゲーマーの私でも知らない事実があったなんて・・・!
「まあ、黙って見ているといいさ。多分あの2人・・そうとう魔力が溜っていたんだと思うよ?」
アドニスが教えてくれるのはいいのだが・・・お願いですから耳元で囁くように言わないで下さい。
「アドニス、少しエリスから離れろ。ほら見ろ、震えてるじゃ無いか。」
おおっ!流石はアンディ。よく見てくれている。しかし・・・。
未だにジェフリーとアベルは激しく睨み合いを続けている。
「おい。ジェフリー。お前・・・さっき俺の事をチビと言ったが、俺はエリスよりも13㎝背が高いんだからな?」
おおっ!こ、細かい・・・。
「ふん?たかが13㎝だろう?俺はエリスより28㎝背が高いぞ?」
咄嗟に計算したのだろうか?!驚きだっ!
腕組みをしながらわざと見下ろす様に?ジェフリーが言う。
「くっ・・・あ、あのなあ・・・エリスは言ってくれたんだよ!まだその気になれば身長なんて幾らだって伸びる事が出来るってな?!」
ん?そんな事言ったっけ・・?まあ・・確か似たような台詞を言ったかもしれなが・・細かい事なんて、いちいち覚えていられなし。
尚も激しく口喧嘩を続ける2人の身体から黒いオーラ?が徐々に増え始め・・それはやがて上空へと舞い上がり、激しくぶつかり合った。
ドーンッ!!
そして辺り一帯を爆風が舞い上がり、風に煽られるメイド服!
「イヤアアアアアンッ!!な・・何なのよおおおっ!!」」
必死でスカートを押さえ、まくれるのを防ぐ私。そんな私を真っ赤な顔で見つめるのはアドニスとアンディ、そしてエリオット。
やがて爆風が完全に収まると、そこには見事に地面に伸びたジェフリーとアベルの姿が転がっていた。
「よし、終わったな。それじゃ回収して先へ進むか。」
か、回収って・・・・。
エリオットの言葉に無言で頷くアンディとアドニス。そしてジェフリーはアンディに、アベルはアドニスに担ぎ上げられ、彼等の荷物を持ったのがエリオット。
おおっ!何と見事な連携プレー。
「よし、少し無駄な時間を取ってしまったけれど・・・そろそろ行こうか?エリス。砂漠の夜は冷えるからな?」
ニッコリと笑顔でエリオットは私に左手を差し出してきた。
「は、はあ・・。」
そして私はエリオットに手を引かれ?白銀のナイト達と共に、町の中へと足を踏み入れるのだった—。
そこは『アルハール』で一番豪華なホテルだった。
「ああ、お待ちしておりましたよ?勇者の御一行様!」
揉み手をしながら私達を出迎えたのはU字型の口髭に整えた支配人だった。
うん?勇者の御一行・・?何やら勘違いされているような・・・・?
「学園から連絡が来ていると思うが、本日この宿に予約は入れられているか?」
エリオットが尋ねる。
「ええ、勿論でございますとも!最高級のスイートルームをご用意しておりまよ。おや?メイドを連れていらしたのですか?」
支配人は私を見るなり言った。
ガーンッ!た、確かに・・・私は学園のしがないメイドだ・・・。しかし学園の外まで出て「メイド」呼ばわりされるとは・・。
「いや?彼女は・・・。」
エリオットが言いかけた所へ支配人が言葉を被せてきた。
「宜しいでしょう!メイド用の部屋も用意致しましょう。丁度エコノミータイプの・・・まあ必要最低限のお部屋が1つ空いておりますのでメイドにはそちらの部屋を・・・ヒッ!」
支配人は突然悲鳴を上げた。
何故かと言うと、それはアンディ、アドニス、エリオットが支配人を恐ろしい目つきで睨んでいたからだ。
「おい、貴様・・・今エリスの事を何と言った?」
グイッと襟首を捕まえてエリオットが支配人にドスの効いた声で言う。
「僕の耳にはメイドって聞こえたけど・・・?」
アドニスも珍しく怒りを露わにしている。
「ああ・・・俺も確かに聞いた。俺達のエリスをこの男はメイドと呼んだな・・・。」
いつの間に私は俺達のエリスになっていたのだろう?
アンディは腕組みをしながら支配人を睨み付けている。
「あ、あの・・・皆さん。落ち着いて下さい。確かに私はメイドですから・・。」
冗談じゃないっ!こんなホテルの中でまた魔力でも放出された日にはどんな目に遭うか分かったものでは無い!
「あ・・・・・す・す・すみませんっ!こ、このように美しいお嬢様をメイド呼ばわりしてしまいして・・ど、どうかお許し下さいッ!!」
支配人は涙目になって訴えている。
「なら、彼女・・・エリスにもっと素晴らしい部屋を用意してやれ。」
アンディは支配人の耳元で囁くように言う。ねえ、仮にも正義の味方?である白銀のナイトがそんな態度を取って良いの?
「ああ・・・そうだ。彼女の為に最高級の部屋を用意しなれば我々はこのまま帰るぞ?」
エリオットッ!!それじゃあまるで脅迫だからっ!!
「ヒイイッ!わ、分かりました!た・直ちにお部屋をご用意させて頂きますっ!」
最早支配人は涙目だ。
「言っておくけど・・・待たされるのは嫌だからね?」
アドニスのとどめの一言はホテルの従業員達を恐れさせるには十分過ぎるものだった。
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