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第26日目 休暇日くらい、休ませて下さい ④(残り時間56日)
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『エルム・ワンダーランド』内を無茶苦茶に走って、気付けば園内にある公園に来ていた。この公園は芝生が敷き詰められ、大きな木が沢山植えられている。木の下にはベンチが置かれ、小さな子供を連れた家族や、若いカップルが座っている姿も見られた。
「ハー、ハー。こ、ここまで逃げればもう大丈夫・・・だよね・・・?」
息せき切って走って来たので、呼吸を整えながら木の下のベンチに座り、先程の出来事を思い起こす。
「う~ん・・それにしても謎だ。どうしてオリビアとアンディが別行動していたんだろう?アンディは何かオリビアに買い物でも頼まれたのかな?それにエリオットとアドニスの姿も見かけなかったし・・・。」
恐らく、先程の一件でアンディの好感度は多分上がっている・・・と考えてよいだろう。何せアンディの私の名前の呼び方がベネットからエリスに変化したものね。
だけど・・・。
「困ったなあ・・・エリオットとアドニスは何処へ行ってしまったんだろう?それにコンピューターウィルスが何処で発生しているかも分からないしなあ・・・。」
液晶画面をピッピッと操作しながら、思わずため息をついてしまった。駄目だ・・・今は何も役立つ情報が表示されない・・・。
「どうしようかなあ・・・・この広い園内で偶然エリオットとアドニスに会えるとも思えないし・・・いっその事、案内放送で呼び出しちゃう?」
そこまで考えて、はたと思った。そうだ・・・。あの2人は今好感度を下げられていたんだっけな・・・呼び出しでもしようものなら余計に好感度が下がってしまう可能性があるし・・・。
「はあ~・・・偶然の出会いがあるといいのにな・・・。」
頬杖をついてベンチに座っていると、何やら男性同士の話声が聞こえてきた。
「いって~・・・くそっ!あの女・・・。今度見つけたらただじゃすまないからな!」
「おい、大丈夫かよ?紫色に腫れて少し血も滲んでるぞ・・・?」
「ああ、あの女・・可愛い顔して凶暴だぜ。普通人の手って噛んだりするかよ・・・!」
げげっ!あ、の2人は・・。
さっとベンチの背もたれから声の聞こえて来る方向を振り向くと、私をナンパして来た2人の野蛮人がこちらに向かって歩いて来るでは無いかっ!
ば、馬鹿ッ!な・・・何でこっちに向かって来るのよっ!まずい・・・このままでは見つかる・・。かと言って、今更逃げてもきっと見つかる!
かくなる上は・・・。
ベンチの真後ろに立っている木にしがみ付くと、必死になって私は木登りを始めた。
ウウ・・・スカートが邪魔で登りにくい・・・。それでも必死になって木の上に登ると茂みの中で息を潜める。
そして彼らは・・・無事にこの木の下を通り抜けてくれた。
「ふう・・・危ないところだった・・・・。」
一息ついて、下に降りようとして・・・私は気が付いた。
知らなかった・・・・木登りって・・・登るよりも降りる方が怖いんだっ!!
下を見下ろすと、自分でも驚く程高い場所まで登っていた事に気が付いた。
「ど、どうしよう・・・怖くて降りられない・・・。」
誰かに梯子でも持って来てもらおうか?いや、誰かってそもそも誰によっ!
「ああ・・・こんな時、この液晶パネルに通信機器が付いていれば・・・。あ、でも何か使えるアイテムがあるかも・・・。」
私は必死で液晶パネルを操作したが・・便利そうなアイテムは見つからなかった。
「ふう・・・これからどうしよう・・。」
木に登って何度目かのため息をついた時、この木の真下で何やら会話が聞こえ始めてきた。
「全く・・・結局オリビアの一番ってやっぱりアンディなんだよね。」
「フン・・・仕方ないだろう?だが、こうして俺とお前を誘ってくれるだけありがたいと思わなければ。」
「エリオットはそれでいいわけ?ふ~ん・・・納得してるんだ・・・。」
「な・・・納得なんかしてるわけ無いだろう?!だが、下手に意見して嫌われる位なら黙っている方がましだっ!それにお昼は一緒に食べるのだから・・・別に不満はない。だから俺達はオリビアとアンディをここで待っていればいいんだよ!」
「!」
間違いない・・・・!この木の下で会話をしているのは・・・エリオットとアドニスだ!何という偶然・・ゲームの神様、ありがとうございますっ!
「それにしても・・・ここからじゃ木の茂みで2人の姿が見えないな・・・。よし、もう少し前進してみよう・・・。」
私の重みでしなる枝に気を付けながら、そろりそろりと全身すると・・・・。
おお~確かに真下にいるのはエリオットとアドニスだ。
もうちょっと観察してみよう・・・そう思って、後一歩前進した時・・・。
ボキボキボキッ!!
突然私が乗っている枝が折れはじめ・・・。
「キャアアアアアアアンッ!!」
「え?!」
「な、何だっ?!」
下でアドニスとエリオットの声が聞こえた。
大きな枝と葉っぱと、ついでに枝に咲いていた花びらと共にエリオットとアドニスの下へと落ちてゆく・・・。
ドサッ!!
有ろう事か、ワンピースの裾をバサアッと広げ、大量の葉っぱと花びらまみれになったまま私はエリオットとアンディの膝の上に落っこちてしまった。
「う・・・・いたたた・・・。」
寝そべった状態で痛みに顔をしかめながら、ぱちりと目を開ける。
「え・・・?」
するとそこには私の顔を真上から見下ろす、アドニスとエリオットがいた。
「「ベネット・・・・?」」
困惑した顔で私を覗き込む2人の『白銀の騎士』
わ、私としたことが・・・なんたる失態をっ!
「キャアアアッ!す、すみませんすみませんすみまん!!」
慌ててガバッと2人の膝から飛び降りると、何故かアドニスとエリオットが顔を真っ赤にして私を見ている。
「あの・・・?どうかしましたか・・?」
何だろう・・・。何故この2人は顔が赤くなっているのだ・・・?
「エ、エリス・・・」
「その恰好・・・。」
アドニスとエリオットが私を指さしながら言う。
うん?恰好・・・?恰好がどうしたと言うのだろう・・・?
そして改めて自分の姿を確認し・・・。
「イヤアアアアンッ!!」」
何と、私のスカートは木の枝に引っ掛けたのか、ビリビリに破け、今にも下着が見えそうなくらいまで切り裂かれていた。
そしてタイミング悪く、そこへオリビアを伴ったアンディがやって来たのだ。
「エ・・・エリス・・・お、お前・・・何て恰好してるんだ・・・?」
アンディも私の姿を見ると、顔を真っ赤に染めてしまった。
「くっ!」
すると何故か私の姿を見たオリビアは一瞬顔を歪めて走り去って行くが、誰もが私の格好に気を取られて気付かない。
さらにそこを突然強風が吹き、空へ舞い上がる私のスカート・・・。
ま、まずい・・・!下着が見えてしまうっ!
「イヤアアアアアンッ!み、見ないで下さいよーっ!!」
気付けばまたしても色気?を含んだ声でスカートを押さえる私・・・。
そしてその時、園内の中央パークで悲鳴が沸き起こった。
「た・・・大変だ・・・・!モ、モンスターが現れたぞーっ!」
男性の声が響き渡る。え?モンスター・・・?
いや、きっとコンピューターウィルスに違いない。
だから私は叫んだ。
「ウィルス駆除っ!」
途端に、右手にハートの飾りがついたステッキが握られ、私の身体が突然光り輝き出す・・・・って。えっ?!嘘ッ!何で光り輝くのよっ!
そして私はフリルたっぷりの膝上の黒いワンピースにフリフリのエプロンドレス姿、足もとは黒のロングブーツで耳には星のイヤリング。そして頭にはカチューシャを装着た魔女っ子メイドエリスの姿へと変身した。
「「「エ・・・エリス・・・その姿は・・・・?」」」
アンディ、アドニス、エリオットは呆然とした顔で私を見る。
「は・・・恥ずかしいからこっち見ないで下さいよっ!」
顔を真っ赤に染めて3人に訴える私。
ウウ・・・何が悲しくてこんな姿を・・・!
そしてステッキを握りしめると、叫び声が響き渡る中央パークへと走り出す。
「え・・?な、何よ。これは・・!」
中央パークに到着し、そのウィルス?を見て私は絶句した。何故ならそこに立っていたのは体長5mはあろうかと思われる、可愛らしい熊の着ぐるみだったからである。
「う・・・嘘・・・。この熊は・・『エルム・ワンダーランド』のマスコットキャラじゃないの・・・!」
しかし、熊の着ぐるみは私を見ると、突然両手を前に付き出し、襲い掛かって来たのだ!
フッ・・・しかし相手が悪かったわね。
「神の裁きっ!!」
持っている杖を熊の着ぐるみに向けて叫ぶ私。
そしてその瞬間・・・・!
激しい稲妻が杖から放たれるっ!
ドーンッ!!!
園内を揺るがすくらいの激しい衝撃が起こり・・そこには黒焦げになった熊の着ぐるみが倒れていた。
勝負は一瞬でついてしまったのだ―。
その時、ふと背後で視線を感じて振り向き・・・自分の顔色が一瞬で青ざめるのが分かった。
「「「エリス・・・。」」」
アンディ、エリオット、アドニスが頬を赤く染め、熱を込めた視線で私を見つめているではないか。
み・・・見られている。この恥ずかしい姿を・・・・。
「お・・・おさらばっ!」
呆気にとられる3人を残して一目散に逃げだした。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいっ!そして逃げながら思った。
大丈夫、きっと彼等の好感度はオリビアから奪い返せたはずっ!
そして私は恥ずかしい衣装のまま、電車に乗り、恥ずかしい衣装のまま自室へと戻って来た。
疲れた・・・・。もう、今日は何もしたくない・・・。
『おめでとうございます。ウィルス駆除及び、オリビアからの好感度奪取、無事成功致しました。臨時ボーナスとして20000ポイントをプレゼントさせて頂きます。明日も休暇になります。お疲れさまでした。残り時間は56日となります。
「ハー、ハー。こ、ここまで逃げればもう大丈夫・・・だよね・・・?」
息せき切って走って来たので、呼吸を整えながら木の下のベンチに座り、先程の出来事を思い起こす。
「う~ん・・それにしても謎だ。どうしてオリビアとアンディが別行動していたんだろう?アンディは何かオリビアに買い物でも頼まれたのかな?それにエリオットとアドニスの姿も見かけなかったし・・・。」
恐らく、先程の一件でアンディの好感度は多分上がっている・・・と考えてよいだろう。何せアンディの私の名前の呼び方がベネットからエリスに変化したものね。
だけど・・・。
「困ったなあ・・・エリオットとアドニスは何処へ行ってしまったんだろう?それにコンピューターウィルスが何処で発生しているかも分からないしなあ・・・。」
液晶画面をピッピッと操作しながら、思わずため息をついてしまった。駄目だ・・・今は何も役立つ情報が表示されない・・・。
「どうしようかなあ・・・・この広い園内で偶然エリオットとアドニスに会えるとも思えないし・・・いっその事、案内放送で呼び出しちゃう?」
そこまで考えて、はたと思った。そうだ・・・。あの2人は今好感度を下げられていたんだっけな・・・呼び出しでもしようものなら余計に好感度が下がってしまう可能性があるし・・・。
「はあ~・・・偶然の出会いがあるといいのにな・・・。」
頬杖をついてベンチに座っていると、何やら男性同士の話声が聞こえてきた。
「いって~・・・くそっ!あの女・・・。今度見つけたらただじゃすまないからな!」
「おい、大丈夫かよ?紫色に腫れて少し血も滲んでるぞ・・・?」
「ああ、あの女・・可愛い顔して凶暴だぜ。普通人の手って噛んだりするかよ・・・!」
げげっ!あ、の2人は・・。
さっとベンチの背もたれから声の聞こえて来る方向を振り向くと、私をナンパして来た2人の野蛮人がこちらに向かって歩いて来るでは無いかっ!
ば、馬鹿ッ!な・・・何でこっちに向かって来るのよっ!まずい・・・このままでは見つかる・・。かと言って、今更逃げてもきっと見つかる!
かくなる上は・・・。
ベンチの真後ろに立っている木にしがみ付くと、必死になって私は木登りを始めた。
ウウ・・・スカートが邪魔で登りにくい・・・。それでも必死になって木の上に登ると茂みの中で息を潜める。
そして彼らは・・・無事にこの木の下を通り抜けてくれた。
「ふう・・・危ないところだった・・・・。」
一息ついて、下に降りようとして・・・私は気が付いた。
知らなかった・・・・木登りって・・・登るよりも降りる方が怖いんだっ!!
下を見下ろすと、自分でも驚く程高い場所まで登っていた事に気が付いた。
「ど、どうしよう・・・怖くて降りられない・・・。」
誰かに梯子でも持って来てもらおうか?いや、誰かってそもそも誰によっ!
「ああ・・・こんな時、この液晶パネルに通信機器が付いていれば・・・。あ、でも何か使えるアイテムがあるかも・・・。」
私は必死で液晶パネルを操作したが・・便利そうなアイテムは見つからなかった。
「ふう・・・これからどうしよう・・。」
木に登って何度目かのため息をついた時、この木の真下で何やら会話が聞こえ始めてきた。
「全く・・・結局オリビアの一番ってやっぱりアンディなんだよね。」
「フン・・・仕方ないだろう?だが、こうして俺とお前を誘ってくれるだけありがたいと思わなければ。」
「エリオットはそれでいいわけ?ふ~ん・・・納得してるんだ・・・。」
「な・・・納得なんかしてるわけ無いだろう?!だが、下手に意見して嫌われる位なら黙っている方がましだっ!それにお昼は一緒に食べるのだから・・・別に不満はない。だから俺達はオリビアとアンディをここで待っていればいいんだよ!」
「!」
間違いない・・・・!この木の下で会話をしているのは・・・エリオットとアドニスだ!何という偶然・・ゲームの神様、ありがとうございますっ!
「それにしても・・・ここからじゃ木の茂みで2人の姿が見えないな・・・。よし、もう少し前進してみよう・・・。」
私の重みでしなる枝に気を付けながら、そろりそろりと全身すると・・・・。
おお~確かに真下にいるのはエリオットとアドニスだ。
もうちょっと観察してみよう・・・そう思って、後一歩前進した時・・・。
ボキボキボキッ!!
突然私が乗っている枝が折れはじめ・・・。
「キャアアアアアアアンッ!!」
「え?!」
「な、何だっ?!」
下でアドニスとエリオットの声が聞こえた。
大きな枝と葉っぱと、ついでに枝に咲いていた花びらと共にエリオットとアドニスの下へと落ちてゆく・・・。
ドサッ!!
有ろう事か、ワンピースの裾をバサアッと広げ、大量の葉っぱと花びらまみれになったまま私はエリオットとアンディの膝の上に落っこちてしまった。
「う・・・・いたたた・・・。」
寝そべった状態で痛みに顔をしかめながら、ぱちりと目を開ける。
「え・・・?」
するとそこには私の顔を真上から見下ろす、アドニスとエリオットがいた。
「「ベネット・・・・?」」
困惑した顔で私を覗き込む2人の『白銀の騎士』
わ、私としたことが・・・なんたる失態をっ!
「キャアアアッ!す、すみませんすみませんすみまん!!」
慌ててガバッと2人の膝から飛び降りると、何故かアドニスとエリオットが顔を真っ赤にして私を見ている。
「あの・・・?どうかしましたか・・?」
何だろう・・・。何故この2人は顔が赤くなっているのだ・・・?
「エ、エリス・・・」
「その恰好・・・。」
アドニスとエリオットが私を指さしながら言う。
うん?恰好・・・?恰好がどうしたと言うのだろう・・・?
そして改めて自分の姿を確認し・・・。
「イヤアアアアンッ!!」」
何と、私のスカートは木の枝に引っ掛けたのか、ビリビリに破け、今にも下着が見えそうなくらいまで切り裂かれていた。
そしてタイミング悪く、そこへオリビアを伴ったアンディがやって来たのだ。
「エ・・・エリス・・・お、お前・・・何て恰好してるんだ・・・?」
アンディも私の姿を見ると、顔を真っ赤に染めてしまった。
「くっ!」
すると何故か私の姿を見たオリビアは一瞬顔を歪めて走り去って行くが、誰もが私の格好に気を取られて気付かない。
さらにそこを突然強風が吹き、空へ舞い上がる私のスカート・・・。
ま、まずい・・・!下着が見えてしまうっ!
「イヤアアアアアンッ!み、見ないで下さいよーっ!!」
気付けばまたしても色気?を含んだ声でスカートを押さえる私・・・。
そしてその時、園内の中央パークで悲鳴が沸き起こった。
「た・・・大変だ・・・・!モ、モンスターが現れたぞーっ!」
男性の声が響き渡る。え?モンスター・・・?
いや、きっとコンピューターウィルスに違いない。
だから私は叫んだ。
「ウィルス駆除っ!」
途端に、右手にハートの飾りがついたステッキが握られ、私の身体が突然光り輝き出す・・・・って。えっ?!嘘ッ!何で光り輝くのよっ!
そして私はフリルたっぷりの膝上の黒いワンピースにフリフリのエプロンドレス姿、足もとは黒のロングブーツで耳には星のイヤリング。そして頭にはカチューシャを装着た魔女っ子メイドエリスの姿へと変身した。
「「「エ・・・エリス・・・その姿は・・・・?」」」
アンディ、アドニス、エリオットは呆然とした顔で私を見る。
「は・・・恥ずかしいからこっち見ないで下さいよっ!」
顔を真っ赤に染めて3人に訴える私。
ウウ・・・何が悲しくてこんな姿を・・・!
そしてステッキを握りしめると、叫び声が響き渡る中央パークへと走り出す。
「え・・?な、何よ。これは・・!」
中央パークに到着し、そのウィルス?を見て私は絶句した。何故ならそこに立っていたのは体長5mはあろうかと思われる、可愛らしい熊の着ぐるみだったからである。
「う・・・嘘・・・。この熊は・・『エルム・ワンダーランド』のマスコットキャラじゃないの・・・!」
しかし、熊の着ぐるみは私を見ると、突然両手を前に付き出し、襲い掛かって来たのだ!
フッ・・・しかし相手が悪かったわね。
「神の裁きっ!!」
持っている杖を熊の着ぐるみに向けて叫ぶ私。
そしてその瞬間・・・・!
激しい稲妻が杖から放たれるっ!
ドーンッ!!!
園内を揺るがすくらいの激しい衝撃が起こり・・そこには黒焦げになった熊の着ぐるみが倒れていた。
勝負は一瞬でついてしまったのだ―。
その時、ふと背後で視線を感じて振り向き・・・自分の顔色が一瞬で青ざめるのが分かった。
「「「エリス・・・。」」」
アンディ、エリオット、アドニスが頬を赤く染め、熱を込めた視線で私を見つめているではないか。
み・・・見られている。この恥ずかしい姿を・・・・。
「お・・・おさらばっ!」
呆気にとられる3人を残して一目散に逃げだした。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいっ!そして逃げながら思った。
大丈夫、きっと彼等の好感度はオリビアから奪い返せたはずっ!
そして私は恥ずかしい衣装のまま、電車に乗り、恥ずかしい衣装のまま自室へと戻って来た。
疲れた・・・・。もう、今日は何もしたくない・・・。
『おめでとうございます。ウィルス駆除及び、オリビアからの好感度奪取、無事成功致しました。臨時ボーナスとして20000ポイントをプレゼントさせて頂きます。明日も休暇になります。お疲れさまでした。残り時間は56日となります。
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