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第22日目 リアル・悪役令嬢の脱出ゲーム ーその後の話ー
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今、私は自室のベッドの上に寝転がってぼんやりと天井を眺めていた。
何処をどうやってこの部屋へ帰って来たのか記憶は曖昧だ。
あの忌々しい『大理石の部屋からの脱出』をクリアして、やっと部屋から抜け出せたと思ったのに、出てきた場所がまさかの男性用更衣室。
挙句の果てにその場にいたのは『白銀のナイト』の全メンバーだったなんて・・・。
「終わった・・・。もうこれで私の運命は終わったわ・・・。」
この先、私は『白銀のナイト』攻略対象全員から「痴女」のレッテルを張られ、今まで頑張って上げてきた好感度はだだ下がり。メイドの仕事は奪われ、この学園を追い出され、永久に終わる事の無い、このゲームの世界で生涯を閉じていくんだ・・。
だけど・・・・。
いや・・・待てよ。今『白銀のナイト』以外でエリスの攻略対象になっている男性は果たして何人いるんだっけ?
え~と・・、まずは・・
トビー
ダン
ニコル
ジョージ
オリバー(但し最近姿を見ていない)
ガクッ!!
「だ・・・駄目だわ・・・。人数が足りない・・・あと2人。誰か攻略対象を増やさなくちゃ・・・。」
コンコン
背後でノックの音がしているようだが、今の私はそれどころでは無い。
「そうよ、他に私の相手になってくれそうな人を見つけないと・・。」
ブツブツ言いながら顎に手をやる。
ガチャリ。
ドアが開く気配を感じたが・・・今の私は新しい攻略対象を探す事で頭が一杯で、構っていられない。
「誰か・・・誰かに私は好きになって貰わなくちゃ、このままじゃ・・・私は破滅よ・・・もう終わりだわ・・・。」
頭を抱えて、そこまで言いかけた時、
「エリスッ!!」
突然背後から何者かに肩を掴まれた。
「キャアアッ!!」
驚いて振り向くと、そこに立っていたのは、まさかのアンディ。しかも何故か背後にはズラリと『白銀のナイト』が全員集合していた!
「おい!エリスッ!今の台詞は何だ?誰かに好きになって貰わなくちゃ破滅って・・どういう意味なんだ?!」
鼻が触れ合う位、顔を近づけて迫って来るアンディにフレッドが引き剥がす。
「やめろっ!それ以上エリスに接近するなっ!」
その隙?を狙ってか、今度はアベルが私の両肩を掴むと言った。
「エリスッ!大丈夫だっ!お前は破滅なんかしないぞっ?!何故なら俺は・・!」
「うるさいっ!それ以上お前に言わせるかよっ!」
ジェフリーがアベルに掴みかかる。
「全く、乱暴な奴らばかりだな・・・エリス。私なら冷静にお前の相談に乗れるぞ?」
エディがいつの間にかすぐそばに立っている。
「いや、お前のような堅物男に女性の気持ちが理解出来るとは思えないな。」
エリオットが冷たい視線でエディを見る。
「ふ~ん・・・ならどうして婚約者を捨てて、よりにもよってオリビアを選んだんだろうね~。そう思わないかい。エリス。」
アドニスがエリオットを睨み付けている・・・。
え?え?何、これ・・・一体今どうなってるのよ?何故この狭い私の部屋に『白銀のナイト』全員が集まっているの??
今や彼らは完全に私の存在を無視して7人が入り混じって激しい口論を繰り広げてる。しかも・・彼らは徐々にヒートアップしていき、バチバチと魔力がはじける音がし始めた。
ま、まずい・・・このままでは・・・再び魔力のぶつかり合いが起こって・・・巻き添えを食ってしまうっ!!
幸い?彼らは私には見向きもせずに口論をしている。よ・・・よし、今のうちに逃げよう・・・。その前に・・彼らのステータスを確認しておこうかな・・。
腕時計にそっと触れて、液晶画面を表示させ・・・・私は仰天してしまった。
そ・・・そんな・・・っ!
彼らの私に対する好感度は全員200になっていたのだった―。
ハアハアハアハア・・・。
こ、こまでくれば、へ・平気だろう・・・。
白銀のナイト達から逃げて、今私は女子寮の裏庭にやってきていた。ここにいれば…彼らから見つかることは無いだろう。彼らとは・・言うまでもなく『白銀のナイト』達の事だけど。
「それにしても・・・一体どういう事なの?全員の好感度がマックスになったら、私はゲームクリアして現実世界へ帰れるんじゃなかったの?」
頭を抱えて空を仰ぎ見る。
ひょっとして・・・私は勘違いしていた?ステータスは200がマックスじゃなかったのだろうか・・?
恐る恐る再度ステータス画面を表示させてみる。すると・・・・。
「エエエエエエッ!そ、そんな・・・・っ」
ステータス表示画面が最大値500を示していたのであった―。
「嘘でしょう・・?だって、初めに確認したときは・・・最大値が200だったと思ったけど・・・?」
するとその時、突然音楽がピロリンと鳴り響き液晶画面が目の前に表示された。
『緊急事態が発生致しました。ワーム型ウィルスにゲームシステムの最深部まで侵入を許してしまい、システムエラーが起こってしまいました。我々は新たにこのワーム型ウィルスに<オリビア>の名前を命名しました。新たなミッションとして60日以内に<オリビア>の排除が加わりました。彼女から『白銀のナイト』の好感度を全て奪い、このバーチャル世界から追い払って下さい。尚<オリビア>により、好感度の最高値を変更され、修正されないようにブロックされてしまいました。頑張って『白銀のナイト』全員の好感度を60日以内にマックスにする事がゲームクリアの条件へと変更されました。最大好感度は500となっております。引き続き、頑張って下さい。』
え・・・?何、それ・・・。
ひょっとすると・・・私がこのバーチャルゲームの世界へ送られたのって、本当の目的は・・・?
その時、突然背後で何者かの気配を感じ、振り向いた私は悲鳴を上げてしまった。な、なんとそこにいたの私と背丈が変わらない大きさの蜘蛛がこちらを見つめて?いるではないか。
ま・・・まずい・・・っ!
『が・・・害虫駆除っ!』
叫ぶと同時に蜘蛛がお腹から私に向かって糸を吐き出した!
「イヤアアアアッ!」
杖を握りしめたまま、私は蜘蛛の糸にぐるぐる巻きにされ、宙づりにされてしまった。
見下ろすと気味の悪い蜘蛛が大きく口を開けていた。
「キャアアアアアッ!た、食べられるーっ!!」
大きな声で叫んだとき・・・!
「「エリスさんっ!!」」
あ・・・あの声はっ!!
声の方向を振り向くと、巨大な筒に太いホースが付いた奇妙なアイテムを背負った「ベソ」と「ノッポ」がこちらへ向かって走って来る。
「ベソッ!ノッポッ!」
「エリスさんっ!今助けますよっ!」
ベソが巨大なホースを蜘蛛に向けてスイッチオンッ!続けてノッポもスイッチを入れてホースを蜘蛛に向ける。
すると・・・ホースから眩しい光が放たれ、その光をあてられた蜘蛛が灰のように姿が掻き消え・・・。
「キャアアアアッ!!」
糸が消えた私の身体は地面に向かって落下してゆき・・・そこをノッポがキャッチする。
「だ・・・大丈夫でしたか?エリスさん。」
覆面の下でノッポが安堵のため息をつきながら私を地面に下す。
「すみません、助けに来るのが遅くなりました。」
ベソが頭を下げる。
「でも・・・間に合って良かったです。」
ノッポが言う。
「お・・・遅いよッ!2人ともっ!!」
私はベソとノッポに抱きつくと言った。
「ちゃんと・・・説明してくれるんでしょうね・・・?」
「はい、初めから説明しますが・・・。その前に・・・。」
ベソが言う。
「その前に?」
「上に報告しないといけないので、明日またお会いしましょう。」
ノッポが言うや否や、2人はその場で消えてしまった。
「こら~っ!!逃げるな~っ!!」
私の叫び声が夕暮れの空に響き渡った―。
『お疲れさまでした。第22日目が終了致しました。明日は特別休暇を取れるように致しました。どうぞゆっくりお休み下さい。』
何処をどうやってこの部屋へ帰って来たのか記憶は曖昧だ。
あの忌々しい『大理石の部屋からの脱出』をクリアして、やっと部屋から抜け出せたと思ったのに、出てきた場所がまさかの男性用更衣室。
挙句の果てにその場にいたのは『白銀のナイト』の全メンバーだったなんて・・・。
「終わった・・・。もうこれで私の運命は終わったわ・・・。」
この先、私は『白銀のナイト』攻略対象全員から「痴女」のレッテルを張られ、今まで頑張って上げてきた好感度はだだ下がり。メイドの仕事は奪われ、この学園を追い出され、永久に終わる事の無い、このゲームの世界で生涯を閉じていくんだ・・。
だけど・・・・。
いや・・・待てよ。今『白銀のナイト』以外でエリスの攻略対象になっている男性は果たして何人いるんだっけ?
え~と・・、まずは・・
トビー
ダン
ニコル
ジョージ
オリバー(但し最近姿を見ていない)
ガクッ!!
「だ・・・駄目だわ・・・。人数が足りない・・・あと2人。誰か攻略対象を増やさなくちゃ・・・。」
コンコン
背後でノックの音がしているようだが、今の私はそれどころでは無い。
「そうよ、他に私の相手になってくれそうな人を見つけないと・・。」
ブツブツ言いながら顎に手をやる。
ガチャリ。
ドアが開く気配を感じたが・・・今の私は新しい攻略対象を探す事で頭が一杯で、構っていられない。
「誰か・・・誰かに私は好きになって貰わなくちゃ、このままじゃ・・・私は破滅よ・・・もう終わりだわ・・・。」
頭を抱えて、そこまで言いかけた時、
「エリスッ!!」
突然背後から何者かに肩を掴まれた。
「キャアアッ!!」
驚いて振り向くと、そこに立っていたのは、まさかのアンディ。しかも何故か背後にはズラリと『白銀のナイト』が全員集合していた!
「おい!エリスッ!今の台詞は何だ?誰かに好きになって貰わなくちゃ破滅って・・どういう意味なんだ?!」
鼻が触れ合う位、顔を近づけて迫って来るアンディにフレッドが引き剥がす。
「やめろっ!それ以上エリスに接近するなっ!」
その隙?を狙ってか、今度はアベルが私の両肩を掴むと言った。
「エリスッ!大丈夫だっ!お前は破滅なんかしないぞっ?!何故なら俺は・・!」
「うるさいっ!それ以上お前に言わせるかよっ!」
ジェフリーがアベルに掴みかかる。
「全く、乱暴な奴らばかりだな・・・エリス。私なら冷静にお前の相談に乗れるぞ?」
エディがいつの間にかすぐそばに立っている。
「いや、お前のような堅物男に女性の気持ちが理解出来るとは思えないな。」
エリオットが冷たい視線でエディを見る。
「ふ~ん・・・ならどうして婚約者を捨てて、よりにもよってオリビアを選んだんだろうね~。そう思わないかい。エリス。」
アドニスがエリオットを睨み付けている・・・。
え?え?何、これ・・・一体今どうなってるのよ?何故この狭い私の部屋に『白銀のナイト』全員が集まっているの??
今や彼らは完全に私の存在を無視して7人が入り混じって激しい口論を繰り広げてる。しかも・・彼らは徐々にヒートアップしていき、バチバチと魔力がはじける音がし始めた。
ま、まずい・・・このままでは・・・再び魔力のぶつかり合いが起こって・・・巻き添えを食ってしまうっ!!
幸い?彼らは私には見向きもせずに口論をしている。よ・・・よし、今のうちに逃げよう・・・。その前に・・彼らのステータスを確認しておこうかな・・。
腕時計にそっと触れて、液晶画面を表示させ・・・・私は仰天してしまった。
そ・・・そんな・・・っ!
彼らの私に対する好感度は全員200になっていたのだった―。
ハアハアハアハア・・・。
こ、こまでくれば、へ・平気だろう・・・。
白銀のナイト達から逃げて、今私は女子寮の裏庭にやってきていた。ここにいれば…彼らから見つかることは無いだろう。彼らとは・・言うまでもなく『白銀のナイト』達の事だけど。
「それにしても・・・一体どういう事なの?全員の好感度がマックスになったら、私はゲームクリアして現実世界へ帰れるんじゃなかったの?」
頭を抱えて空を仰ぎ見る。
ひょっとして・・・私は勘違いしていた?ステータスは200がマックスじゃなかったのだろうか・・?
恐る恐る再度ステータス画面を表示させてみる。すると・・・・。
「エエエエエエッ!そ、そんな・・・・っ」
ステータス表示画面が最大値500を示していたのであった―。
「嘘でしょう・・?だって、初めに確認したときは・・・最大値が200だったと思ったけど・・・?」
するとその時、突然音楽がピロリンと鳴り響き液晶画面が目の前に表示された。
『緊急事態が発生致しました。ワーム型ウィルスにゲームシステムの最深部まで侵入を許してしまい、システムエラーが起こってしまいました。我々は新たにこのワーム型ウィルスに<オリビア>の名前を命名しました。新たなミッションとして60日以内に<オリビア>の排除が加わりました。彼女から『白銀のナイト』の好感度を全て奪い、このバーチャル世界から追い払って下さい。尚<オリビア>により、好感度の最高値を変更され、修正されないようにブロックされてしまいました。頑張って『白銀のナイト』全員の好感度を60日以内にマックスにする事がゲームクリアの条件へと変更されました。最大好感度は500となっております。引き続き、頑張って下さい。』
え・・・?何、それ・・・。
ひょっとすると・・・私がこのバーチャルゲームの世界へ送られたのって、本当の目的は・・・?
その時、突然背後で何者かの気配を感じ、振り向いた私は悲鳴を上げてしまった。な、なんとそこにいたの私と背丈が変わらない大きさの蜘蛛がこちらを見つめて?いるではないか。
ま・・・まずい・・・っ!
『が・・・害虫駆除っ!』
叫ぶと同時に蜘蛛がお腹から私に向かって糸を吐き出した!
「イヤアアアアッ!」
杖を握りしめたまま、私は蜘蛛の糸にぐるぐる巻きにされ、宙づりにされてしまった。
見下ろすと気味の悪い蜘蛛が大きく口を開けていた。
「キャアアアアアッ!た、食べられるーっ!!」
大きな声で叫んだとき・・・!
「「エリスさんっ!!」」
あ・・・あの声はっ!!
声の方向を振り向くと、巨大な筒に太いホースが付いた奇妙なアイテムを背負った「ベソ」と「ノッポ」がこちらへ向かって走って来る。
「ベソッ!ノッポッ!」
「エリスさんっ!今助けますよっ!」
ベソが巨大なホースを蜘蛛に向けてスイッチオンッ!続けてノッポもスイッチを入れてホースを蜘蛛に向ける。
すると・・・ホースから眩しい光が放たれ、その光をあてられた蜘蛛が灰のように姿が掻き消え・・・。
「キャアアアアッ!!」
糸が消えた私の身体は地面に向かって落下してゆき・・・そこをノッポがキャッチする。
「だ・・・大丈夫でしたか?エリスさん。」
覆面の下でノッポが安堵のため息をつきながら私を地面に下す。
「すみません、助けに来るのが遅くなりました。」
ベソが頭を下げる。
「でも・・・間に合って良かったです。」
ノッポが言う。
「お・・・遅いよッ!2人ともっ!!」
私はベソとノッポに抱きつくと言った。
「ちゃんと・・・説明してくれるんでしょうね・・・?」
「はい、初めから説明しますが・・・。その前に・・・。」
ベソが言う。
「その前に?」
「上に報告しないといけないので、明日またお会いしましょう。」
ノッポが言うや否や、2人はその場で消えてしまった。
「こら~っ!!逃げるな~っ!!」
私の叫び声が夕暮れの空に響き渡った―。
『お疲れさまでした。第22日目が終了致しました。明日は特別休暇を取れるように致しました。どうぞゆっくりお休み下さい。』
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