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第15日目 コンピューターウィルスを駆除せよ! ②
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「「「エリスッ!!!」」」
フレッド、ジェフリー、アベルは私を見て一斉に振り返った。
彼等はいつもの学生服では無く、白銀の騎士の格好をしていた。真っ白なロングジャケットに青い襟元と袖に、白い手袋をはめている。
うわあ・・・・素敵だ・・・。感動。ゲームのスチルで見た立ち絵さながらの美しい姿に思わず見惚れてしまう。
3人は私に駆け寄って来たので、思わず口が勝手に動いてしまった。
「皆さん・・・そのお姿・・とてもお似合いです。格好いい・・・。」
途端に顔を真っ赤にする3人、そして俯くトビー。
その途端、ハッと我に返る私。ま・・・まずい・・!無意識にとんでも無いことを言ってしまった・・・!
見ると、彼等の好感度は・・・フレッドが160、アベルが70、ジェフリーは90になっている。フレッドの数値が・・・か、かなりまずい事になってしまった・・・。
チラリとフレッドを見れば、彼は熱を込めた瞳で私を見つめているでは無いかっ!
一方、それに気づいたのかトビーが私を彼等から隠す様に白銀のナイト達の前に立ち塞がる。
ヒエエエッ!トビー!貴方・・・仮にもこの学園の従業員で、しかも白銀のナイト達の前に立ち塞がるなんて・・無礼にほどがあるでしょう?!
しかし、私のハラハラしている気持ちを他所にトビーは言った。
「どういう経緯かは分かりませんが・・・エリスは僕たちの大切な仲間です。・・・本当は僕だって彼女について行きたいくらいですが・・生憎許可はとれていません。いいですか?もしエリスに傷一つでも作ろうものなら・・僕は貴方達を決して許しませんからね?!」
何とトビーは白銀の騎士達に向かってビシイッと指を差したのだ。
な、何て恐ろしい事を・・っ!
「ト・・トビーッ!」
私は慌てて背後からトビーの服を掴んだ。
「何?どうしたんだい、エリス?」
甘ったるい声と笑顔で私の方を振り返るトビー。
「し、心配してくれるのはとても嬉しいのですが、私の事よりも、白銀のナイト様達の命の方が大事ですよ。もし私が危険な目に遭い、そんな私を助ける為にこの方達に危険が及ぶ方が大ごとです。そんな事になったら私はもうこの学園にいられなくなります。私は嫌われ者のエリスです。いざとなったら私を囮にして下さい。」
大丈夫、私にはレベルの上がった必殺技『害虫駆除』のスキルがあるのだ。この杖を使えば・・・きっとウィルスは駆除できるはず!
そうすれば、私の株も少しは上がり、嫌われ者のエリスの汚名を返上出来るかもしれない。
すると私の話を聞いた4人の男性が一斉に声を揃えて言った。
「「「「俺は別にエリスを嫌って等いないっ!」」」」
そして何故か彼等は互いをけん制し合うように睨み合う。その時・・・。
「皆様、お集まりいただきありがとうございます。」
奇妙な覆面を被り、背広を着た2名の男性が現れた。いかにも怪しすぎるこの2人が運営局の人間・・・つまりは・・・私をこのゲームの世界に引き込んだ・・・ゲーム制作会社のスタッフだなっ?!
思わずキッと彼等を睨み付けるとビクリとなる2人の男性。
私はつかつかと2人の男性に近付くと彼等の腕を左右の手で捕まえた。
「「ヒッ!」」
同時に肩を震わせる運営局の男達。
「「「「エリスッ?!」」」」
それを見て声を合わせる4人の男性達。
「すみません、私こちらの2名の男性にお話があるんです。少しだけ皆さんはお待ち頂けますか?」
ニッコリ彼等を見て笑い、私は運営局の男達の顔をグイッと自分の方に引き寄せると小声で囁いた。
「まずは私だけに詳しく事情を話すべきではないでしょうか?何故彼等を同席させてしまうのでしょうかねえ?」
そして笑みを浮かべて彼等を見つめる。更に私は2人に話をしようとした時に・・・。
「エリス、彼等から離れろ。」
突然背後から声を掛けられ、私はグイッと腕を引かれて運営局員達から引き離された。え?だ、誰?
振り向くと・・・。
「フ、フレッド様?」
私の腕を掴んでいたのはフレッド・モリスだったのだ。何故か彼は私ではなく運駅局員達を睨み付けている。
「さあ、俺達に詳しく事情を話せ。」
フレッドは凄みのある声で彼等に言った。
「は、はい・・・っ!」
「す、すぐにご説明致します・・・っ!」
2人の運営局員は肩をビクリと震わせた。それを見た私は即座に思った。アースプロダクツエンターテイメント会社め・・・。さては新人2名をこのゲームの世界へ寄こしたな?何やらブラック企業の匂いがする。
1人の覆面男が全員が席に着くのを見ると話し始めた。
「実は、この学園の北に位置します森の奥に巨大な岩山があります。数日前にこの岩山に大きな穴が空き、ここから未知の生命たちが現れたとの報告が上がって来たのです。我々が内部探査をしたところ、そこには無数のモンスターたちが蠢いていました。何とか倒しましたが、さらに奥の方に道が続いており、そこからは、モンスターの気配が漂っています。いま、何とか岩山の大穴を岩で防ぎましたが、それもいつまで持つか分かりません。そこであなた方にこのモンスター達を駆除・・・もとい、倒して頂きたいのです。」
「それは分かったが・・・何故か弱いメイドのエリスが討伐隊に選ばれるのだ?」
私の隣に座っているフレッドは足を組んで腕組みしながら運営局の人間を睨み付けた。
「ああ、そうだ。こんな小柄なエリスに戦えるはずが無いだろう?」
アベルは自分だって背が低いのに、何故か小柄を強調して運営局員に言う。
「俺も反対だ。エリスに戦えるはずが無い。」
ジェフリーも言う。
「エリス、僕と一緒に戻ろう。君はメイドなんだか、メイドの仕事をしていればいいだよ?」
フレッドとは反対側の私の隣に座ったトビーが肩に手を置くと言った。
「いえいえ、私の事はお構いなく。」
笑みを浮かべながらさり気なくトビーの腕を肩から外す。
するとそれまで黙っていたもう一人の管理局員が口を開いた。
「ええ、エリス様なら大丈夫です。彼女はモンスターを駆除する事が出来る特別な・・彼女だけが扱える『杖』があるのですから。」
ああ・・・成程、やはりそう言う事だったのね。私の杖からでて来るのは雷ではなく、恐らく電磁波だったのだろう。
この世界はバーチャルゲームの世界だ。当然あの巨大ダンゴムシもウィルスのバグによるものだっのかもしれない。
となると・・・勝機は私にある。
「いいでしょう・・・やりますよ。」
私はニヤリと不敵に笑うと運営局員達に言った。
「その代わり・・・モンスター達を退治した暁には・・・貴方達のお時間を私に下さいね・・・?」
そして微笑んだ。
この時の私は気が付いていなかった。
フレッド、アベル、ジェフリー、トビーが驚いた様に私を見つめていた事に―。
「あの・・・・結局、私はこのメイド服で行くのですか?」
馬車に乗りながら私は運営局員達を恨めしい顔で見る私。
「わ・・・分かりましたッ!こんど、貴女に相応しい衣装をご用意させて頂きます。」
「早急に・・何とかしますっ!」
う~ん・・少し彼等を脅しすぎたかな?
トビーは少し前に仕事に戻り、馬車の外には3人の白銀のナイト達が馬にまたがっている。
「それにしても、よくも私を騙すような真似をして、この世界に放り込んでくれましたよね?」
腕組みしたままジロリと睨むと、2人は肩をすぼめて言った。
「す、すみません・・・。実は俺達はこの会社の社員じゃ無いんですよ。臨時でアルバイトで雇われている学生なんですよ。」
「え?!そうなのッ?!」
何だ、年下か。なら敬語はやめよう。
「そうなんです・・・。高額バイトにつられて・・働いてみれば、こんな事に・・・。ううっ・・・。」
1人は覆面の下で泣いている様だった。はあ・・・。思わずため息をつく私。
もう、彼等を責めるのはやめよう・・・・。
私やさぐれた気持ちになり、黙って馬車の中から外の景色を見つめていた
やがて、森が現れて馬車は現場に到着した―。
フレッド、ジェフリー、アベルは私を見て一斉に振り返った。
彼等はいつもの学生服では無く、白銀の騎士の格好をしていた。真っ白なロングジャケットに青い襟元と袖に、白い手袋をはめている。
うわあ・・・・素敵だ・・・。感動。ゲームのスチルで見た立ち絵さながらの美しい姿に思わず見惚れてしまう。
3人は私に駆け寄って来たので、思わず口が勝手に動いてしまった。
「皆さん・・・そのお姿・・とてもお似合いです。格好いい・・・。」
途端に顔を真っ赤にする3人、そして俯くトビー。
その途端、ハッと我に返る私。ま・・・まずい・・!無意識にとんでも無いことを言ってしまった・・・!
見ると、彼等の好感度は・・・フレッドが160、アベルが70、ジェフリーは90になっている。フレッドの数値が・・・か、かなりまずい事になってしまった・・・。
チラリとフレッドを見れば、彼は熱を込めた瞳で私を見つめているでは無いかっ!
一方、それに気づいたのかトビーが私を彼等から隠す様に白銀のナイト達の前に立ち塞がる。
ヒエエエッ!トビー!貴方・・・仮にもこの学園の従業員で、しかも白銀のナイト達の前に立ち塞がるなんて・・無礼にほどがあるでしょう?!
しかし、私のハラハラしている気持ちを他所にトビーは言った。
「どういう経緯かは分かりませんが・・・エリスは僕たちの大切な仲間です。・・・本当は僕だって彼女について行きたいくらいですが・・生憎許可はとれていません。いいですか?もしエリスに傷一つでも作ろうものなら・・僕は貴方達を決して許しませんからね?!」
何とトビーは白銀の騎士達に向かってビシイッと指を差したのだ。
な、何て恐ろしい事を・・っ!
「ト・・トビーッ!」
私は慌てて背後からトビーの服を掴んだ。
「何?どうしたんだい、エリス?」
甘ったるい声と笑顔で私の方を振り返るトビー。
「し、心配してくれるのはとても嬉しいのですが、私の事よりも、白銀のナイト様達の命の方が大事ですよ。もし私が危険な目に遭い、そんな私を助ける為にこの方達に危険が及ぶ方が大ごとです。そんな事になったら私はもうこの学園にいられなくなります。私は嫌われ者のエリスです。いざとなったら私を囮にして下さい。」
大丈夫、私にはレベルの上がった必殺技『害虫駆除』のスキルがあるのだ。この杖を使えば・・・きっとウィルスは駆除できるはず!
そうすれば、私の株も少しは上がり、嫌われ者のエリスの汚名を返上出来るかもしれない。
すると私の話を聞いた4人の男性が一斉に声を揃えて言った。
「「「「俺は別にエリスを嫌って等いないっ!」」」」
そして何故か彼等は互いをけん制し合うように睨み合う。その時・・・。
「皆様、お集まりいただきありがとうございます。」
奇妙な覆面を被り、背広を着た2名の男性が現れた。いかにも怪しすぎるこの2人が運営局の人間・・・つまりは・・・私をこのゲームの世界に引き込んだ・・・ゲーム制作会社のスタッフだなっ?!
思わずキッと彼等を睨み付けるとビクリとなる2人の男性。
私はつかつかと2人の男性に近付くと彼等の腕を左右の手で捕まえた。
「「ヒッ!」」
同時に肩を震わせる運営局の男達。
「「「「エリスッ?!」」」」
それを見て声を合わせる4人の男性達。
「すみません、私こちらの2名の男性にお話があるんです。少しだけ皆さんはお待ち頂けますか?」
ニッコリ彼等を見て笑い、私は運営局の男達の顔をグイッと自分の方に引き寄せると小声で囁いた。
「まずは私だけに詳しく事情を話すべきではないでしょうか?何故彼等を同席させてしまうのでしょうかねえ?」
そして笑みを浮かべて彼等を見つめる。更に私は2人に話をしようとした時に・・・。
「エリス、彼等から離れろ。」
突然背後から声を掛けられ、私はグイッと腕を引かれて運営局員達から引き離された。え?だ、誰?
振り向くと・・・。
「フ、フレッド様?」
私の腕を掴んでいたのはフレッド・モリスだったのだ。何故か彼は私ではなく運駅局員達を睨み付けている。
「さあ、俺達に詳しく事情を話せ。」
フレッドは凄みのある声で彼等に言った。
「は、はい・・・っ!」
「す、すぐにご説明致します・・・っ!」
2人の運営局員は肩をビクリと震わせた。それを見た私は即座に思った。アースプロダクツエンターテイメント会社め・・・。さては新人2名をこのゲームの世界へ寄こしたな?何やらブラック企業の匂いがする。
1人の覆面男が全員が席に着くのを見ると話し始めた。
「実は、この学園の北に位置します森の奥に巨大な岩山があります。数日前にこの岩山に大きな穴が空き、ここから未知の生命たちが現れたとの報告が上がって来たのです。我々が内部探査をしたところ、そこには無数のモンスターたちが蠢いていました。何とか倒しましたが、さらに奥の方に道が続いており、そこからは、モンスターの気配が漂っています。いま、何とか岩山の大穴を岩で防ぎましたが、それもいつまで持つか分かりません。そこであなた方にこのモンスター達を駆除・・・もとい、倒して頂きたいのです。」
「それは分かったが・・・何故か弱いメイドのエリスが討伐隊に選ばれるのだ?」
私の隣に座っているフレッドは足を組んで腕組みしながら運営局の人間を睨み付けた。
「ああ、そうだ。こんな小柄なエリスに戦えるはずが無いだろう?」
アベルは自分だって背が低いのに、何故か小柄を強調して運営局員に言う。
「俺も反対だ。エリスに戦えるはずが無い。」
ジェフリーも言う。
「エリス、僕と一緒に戻ろう。君はメイドなんだか、メイドの仕事をしていればいいだよ?」
フレッドとは反対側の私の隣に座ったトビーが肩に手を置くと言った。
「いえいえ、私の事はお構いなく。」
笑みを浮かべながらさり気なくトビーの腕を肩から外す。
するとそれまで黙っていたもう一人の管理局員が口を開いた。
「ええ、エリス様なら大丈夫です。彼女はモンスターを駆除する事が出来る特別な・・彼女だけが扱える『杖』があるのですから。」
ああ・・・成程、やはりそう言う事だったのね。私の杖からでて来るのは雷ではなく、恐らく電磁波だったのだろう。
この世界はバーチャルゲームの世界だ。当然あの巨大ダンゴムシもウィルスのバグによるものだっのかもしれない。
となると・・・勝機は私にある。
「いいでしょう・・・やりますよ。」
私はニヤリと不敵に笑うと運営局員達に言った。
「その代わり・・・モンスター達を退治した暁には・・・貴方達のお時間を私に下さいね・・・?」
そして微笑んだ。
この時の私は気が付いていなかった。
フレッド、アベル、ジェフリー、トビーが驚いた様に私を見つめていた事に―。
「あの・・・・結局、私はこのメイド服で行くのですか?」
馬車に乗りながら私は運営局員達を恨めしい顔で見る私。
「わ・・・分かりましたッ!こんど、貴女に相応しい衣装をご用意させて頂きます。」
「早急に・・何とかしますっ!」
う~ん・・少し彼等を脅しすぎたかな?
トビーは少し前に仕事に戻り、馬車の外には3人の白銀のナイト達が馬にまたがっている。
「それにしても、よくも私を騙すような真似をして、この世界に放り込んでくれましたよね?」
腕組みしたままジロリと睨むと、2人は肩をすぼめて言った。
「す、すみません・・・。実は俺達はこの会社の社員じゃ無いんですよ。臨時でアルバイトで雇われている学生なんですよ。」
「え?!そうなのッ?!」
何だ、年下か。なら敬語はやめよう。
「そうなんです・・・。高額バイトにつられて・・働いてみれば、こんな事に・・・。ううっ・・・。」
1人は覆面の下で泣いている様だった。はあ・・・。思わずため息をつく私。
もう、彼等を責めるのはやめよう・・・・。
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