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第15話 面倒な相手
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翌日―
今日も私は昼休みをシーラとサブリナの2人で過ごしていた。食後の紅茶を飲みながら私は2人に言った。
「ねぇ、聞いて頂戴。今年はついにクリスマスパーティーのパートナーが決まったのよ」
「まぁ。一体誰になったの?」
「興味が沸くわね」
シーラもサブリナも目を輝かせながら私を見た。
「フフフ…それはね、レオン様よ。ローレンス様のお兄様でこの国の第一王子様」
「そうだったのね?でもレオン様ならパートナーとして最高じゃない!」
サブリナが身を乗り出して来た。
「ええ、そうよ。何しろローレンス様よりも各上の方なのだから。ミシェルのパートナーが自分よりも身分の低い相手ならローレンス様は文句を言ってくるかもしれないけれど、相手がレオン様なら文句を言えるわけないものね」
シーラが目を輝かせる。
「それで?ローレンス様はミシェルの今回のパートナーは誰か知ってるのかしら?」
サブリナが尋ねて来た。
「いいえ、知らないわ。知らせるつもりもないし、レオン様にも内緒にして貰うようにお願いしたの。だってもし事前に知られたらローレンス様に妨害されてしまうかもしれないでしょう?」
「そうね…あの王子様ならやりかねないわ」
「そうよ、何しろ性格がひねくれているのだから」
シーラとサブリナが楽しそうに話している時、そこへタイミングよくローレンス様とナタリーが学生食堂に入って来た。2人はまるで見せつけるかのように仲睦まじげに腕を組んでいる。それをみた周囲の学生達はざわめいた。当然だろう。この学校に通う学生たちの中で私とローレンス王子が婚約者同士という事実を知らない者は誰もいないのだから。
しかし、学生達はざわめくだけで何も言わない。何しろ相手はこの国の王子だからである。私に同情の目を向けるものの、ローレンス様を咎めるような人物は誰もいない。2人はキョロキョロと辺りを見渡している。
…何だか嫌な予感がする。2人の友人もその事に気付いたのだろう。
「ねぇ、あの2人…ひょっとするとミシェルを探しているのじゃないかしら?」
サブリナが耳打ちして来る。
「ええ、私もそう思うわ。きっと自分たちの仲を見せつけたいのね。どうする?」
シーラが尋ねて来た。
「そうね…はっきり言えば面倒だわ。折角の休み時間をあの2人の為に費やしたくないもの」
恐らくローレンス王子もナタリーもシーラの言う通り、私に2人の仲良い所を見せつけて嫉妬させたいだけなのだろう。だが私はあの2人の関係が羨ましいとは少しも思わない。
「私…逃げるわ」
カタンと静かに椅子から立ち上がった。
「ええ、そうね。それがいいわ。私達も行きましょう。馬鹿らしくて相手にしたくないしね」
「そうよ。あの2人の姿を見ているだけで気分が悪いもの」
シーラもサブリナも相手は一応王子様であり、しかも婚約者の私の前でもお構いなしに物を言う。尤も私はそれについて思う処は何も無いし、むしろ2人の言う通りだと思っているのだけども。
「それじゃ、私達の姿が見つかる前に早々に退散しましょう」
私の言葉に2人の友人は頷き、学生食堂の反対側の出入り口から私達はこっそり逃げ出した―。
****
その日の夕方―
「ただいま帰りました」
扉を開けて屋敷の中へ入ると、この屋敷のメイド長が駆けつけて来た。
「お嬢様!お帰りをお待ちしておりました!」
現在46歳で、いつも冷静沈着なメイド長が珍しく慌てた様子で私に言った。
「た、大変でございます!ミシェル様!」
「何?どうかしたのかしら?」
「は、はい!そ、それがローレンス王子様がいらしているのです!今奥様が応接室でお相手をなさっています!大至急いらしていただけますかっ?!」
「ええっ?!お母様が掴まっているのねっ?!わ、分ったわ!すぐに行きます!」
私は急いでお母様が掴まっている応接室へと向かった。
心の中で舌打ちをしながら―。
今日も私は昼休みをシーラとサブリナの2人で過ごしていた。食後の紅茶を飲みながら私は2人に言った。
「ねぇ、聞いて頂戴。今年はついにクリスマスパーティーのパートナーが決まったのよ」
「まぁ。一体誰になったの?」
「興味が沸くわね」
シーラもサブリナも目を輝かせながら私を見た。
「フフフ…それはね、レオン様よ。ローレンス様のお兄様でこの国の第一王子様」
「そうだったのね?でもレオン様ならパートナーとして最高じゃない!」
サブリナが身を乗り出して来た。
「ええ、そうよ。何しろローレンス様よりも各上の方なのだから。ミシェルのパートナーが自分よりも身分の低い相手ならローレンス様は文句を言ってくるかもしれないけれど、相手がレオン様なら文句を言えるわけないものね」
シーラが目を輝かせる。
「それで?ローレンス様はミシェルの今回のパートナーは誰か知ってるのかしら?」
サブリナが尋ねて来た。
「いいえ、知らないわ。知らせるつもりもないし、レオン様にも内緒にして貰うようにお願いしたの。だってもし事前に知られたらローレンス様に妨害されてしまうかもしれないでしょう?」
「そうね…あの王子様ならやりかねないわ」
「そうよ、何しろ性格がひねくれているのだから」
シーラとサブリナが楽しそうに話している時、そこへタイミングよくローレンス様とナタリーが学生食堂に入って来た。2人はまるで見せつけるかのように仲睦まじげに腕を組んでいる。それをみた周囲の学生達はざわめいた。当然だろう。この学校に通う学生たちの中で私とローレンス王子が婚約者同士という事実を知らない者は誰もいないのだから。
しかし、学生達はざわめくだけで何も言わない。何しろ相手はこの国の王子だからである。私に同情の目を向けるものの、ローレンス様を咎めるような人物は誰もいない。2人はキョロキョロと辺りを見渡している。
…何だか嫌な予感がする。2人の友人もその事に気付いたのだろう。
「ねぇ、あの2人…ひょっとするとミシェルを探しているのじゃないかしら?」
サブリナが耳打ちして来る。
「ええ、私もそう思うわ。きっと自分たちの仲を見せつけたいのね。どうする?」
シーラが尋ねて来た。
「そうね…はっきり言えば面倒だわ。折角の休み時間をあの2人の為に費やしたくないもの」
恐らくローレンス王子もナタリーもシーラの言う通り、私に2人の仲良い所を見せつけて嫉妬させたいだけなのだろう。だが私はあの2人の関係が羨ましいとは少しも思わない。
「私…逃げるわ」
カタンと静かに椅子から立ち上がった。
「ええ、そうね。それがいいわ。私達も行きましょう。馬鹿らしくて相手にしたくないしね」
「そうよ。あの2人の姿を見ているだけで気分が悪いもの」
シーラもサブリナも相手は一応王子様であり、しかも婚約者の私の前でもお構いなしに物を言う。尤も私はそれについて思う処は何も無いし、むしろ2人の言う通りだと思っているのだけども。
「それじゃ、私達の姿が見つかる前に早々に退散しましょう」
私の言葉に2人の友人は頷き、学生食堂の反対側の出入り口から私達はこっそり逃げ出した―。
****
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「ただいま帰りました」
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「た、大変でございます!ミシェル様!」
「何?どうかしたのかしら?」
「は、はい!そ、それがローレンス王子様がいらしているのです!今奥様が応接室でお相手をなさっています!大至急いらしていただけますかっ?!」
「ええっ?!お母様が掴まっているのねっ?!わ、分ったわ!すぐに行きます!」
私は急いでお母様が掴まっている応接室へと向かった。
心の中で舌打ちをしながら―。
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