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第115話 お言葉を返すようだけど…
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「け、警察…?!」
「な、何で警察が…?アンジェラッ!お前の仕業かっ?!」
パメラは顔面蒼白になり、ニコラスは怒りを込めた表情で私を睨みつけてきた。
「ええ、当然じゃない?だって明日、オープンする私の店から…あなた達は商品を全て盗んだだけでなく、勝手に売っているのだから。これはもう犯罪意外の何物でも無いでしょう?」
私の言葉にその場にいた全員がざわめいた。
そして2人の警察官がパメラとニコラスの前に来ると声を掛けた。
「君たち2人がこの女性の店から商品を盗み出して売りさばいていたのだな?」
「パメラ・カストロフ・ウッド。お前はこの間…出所してきたばかりだと言うのに、もう犯罪を犯したのか?」
その言葉にさらにお客達はざわめく。
「嘘っ!前にも刑務所に入っていたの?!」
「私達…犯罪者から商品を買おうとしていたのね…?」
「ありえないわ…」
等など様々なざわめきが起こり、気位の高いパメラは怒りの為か、はたまた羞恥の為か顔を真っ赤にして震えている。
「とにかく、お前たちからじっくり話を聞く必要がありそうだ。」
「話は署で詳しく聞かせてもらおうか?」
2人の警察官は威圧するような態度でパメラとニコラスを見ている。
「あ…」
弱者には強く、強者には弱腰なニコラスは青ざめた顔で震えている。
しかし、気が強いパメラは突然私を物凄い目で睨みつけてきた。
「アンジェラッ!!あんた…この私を…ハメたわねっ!」
「おい!やめろっ!」
警察官がパメラを止めた。
「あら?何の事かしら?」
腕組みをして私は答える。
「しらばっくれんじゃないわよっ!店の品物を全て不出来な品に入れ替えて、戸締まりをし忘れたと見せかけて窓の鍵を開けて…わざと…わざと私達に商品を盗ませたわねっ!!」
「こらっ!いい加減にしろっ!!」
ついにパメラは警察官に後手に腕を掴まれてしまった。その横ではとっくに反論する気力も無くしたニコラスが警察官に連行されていく。
「な、何よっ!離してよっ!アンジェラッ!こ、この…卑怯者っ!」
パメラは怒りの形相を向け、ヒステリックに喚く。
「静かにしろっ!これ以上暴れると余計罪を重くするぞっ!」
「…!」
この言葉にさすがのパメラはついに黙る。
周囲にいる人々は、今や水を打ったかのように静まり返っていた。
「よし、行くか」
警察官がパメラを連れて行こうとした時、私は声を掛けた。
「待って下さい。少しだけパメラに話したい事があるのですが…いいですか?」
「ああ、手短にならいいだろう」
警察官は頷く。
「何よっ!私はあんたと話すことなんか何も無いわよっ!」
しかし、私は構わずに言った。
「パメラ…。貴女はさっき、ここで売っていた私の作品を不出来と言ったけど…」
そこで一度、深呼吸すると続けた。
「お言葉を返すようだけど…雑巾1枚、縫うことが出来ない貴女に何一つ言われたくないわ」
「!」
パメラはその言葉に顔を真っ赤にさせ…そしてあれ程再び静かだった人々のざわめきが大きくなった。
「嘘…雑巾1枚縫えないって…」
「それじゃ、刺繍も出来ないって事よね?」
「良く、手作り品だと言って売れるもんだ」
「やっぱり、あの女…図々しい奴だ」
「…は、早く…警察署へ連れて行ってよ!」
パメラは余程屈辱的だったのか、自暴自棄のように警察官に訴え…大勢の人々に見守られながら?警察の黒塗り馬車にニコラスと共に乗せられ…連行されて行った―。
「な、何で警察が…?アンジェラッ!お前の仕業かっ?!」
パメラは顔面蒼白になり、ニコラスは怒りを込めた表情で私を睨みつけてきた。
「ええ、当然じゃない?だって明日、オープンする私の店から…あなた達は商品を全て盗んだだけでなく、勝手に売っているのだから。これはもう犯罪意外の何物でも無いでしょう?」
私の言葉にその場にいた全員がざわめいた。
そして2人の警察官がパメラとニコラスの前に来ると声を掛けた。
「君たち2人がこの女性の店から商品を盗み出して売りさばいていたのだな?」
「パメラ・カストロフ・ウッド。お前はこの間…出所してきたばかりだと言うのに、もう犯罪を犯したのか?」
その言葉にさらにお客達はざわめく。
「嘘っ!前にも刑務所に入っていたの?!」
「私達…犯罪者から商品を買おうとしていたのね…?」
「ありえないわ…」
等など様々なざわめきが起こり、気位の高いパメラは怒りの為か、はたまた羞恥の為か顔を真っ赤にして震えている。
「とにかく、お前たちからじっくり話を聞く必要がありそうだ。」
「話は署で詳しく聞かせてもらおうか?」
2人の警察官は威圧するような態度でパメラとニコラスを見ている。
「あ…」
弱者には強く、強者には弱腰なニコラスは青ざめた顔で震えている。
しかし、気が強いパメラは突然私を物凄い目で睨みつけてきた。
「アンジェラッ!!あんた…この私を…ハメたわねっ!」
「おい!やめろっ!」
警察官がパメラを止めた。
「あら?何の事かしら?」
腕組みをして私は答える。
「しらばっくれんじゃないわよっ!店の品物を全て不出来な品に入れ替えて、戸締まりをし忘れたと見せかけて窓の鍵を開けて…わざと…わざと私達に商品を盗ませたわねっ!!」
「こらっ!いい加減にしろっ!!」
ついにパメラは警察官に後手に腕を掴まれてしまった。その横ではとっくに反論する気力も無くしたニコラスが警察官に連行されていく。
「な、何よっ!離してよっ!アンジェラッ!こ、この…卑怯者っ!」
パメラは怒りの形相を向け、ヒステリックに喚く。
「静かにしろっ!これ以上暴れると余計罪を重くするぞっ!」
「…!」
この言葉にさすがのパメラはついに黙る。
周囲にいる人々は、今や水を打ったかのように静まり返っていた。
「よし、行くか」
警察官がパメラを連れて行こうとした時、私は声を掛けた。
「待って下さい。少しだけパメラに話したい事があるのですが…いいですか?」
「ああ、手短にならいいだろう」
警察官は頷く。
「何よっ!私はあんたと話すことなんか何も無いわよっ!」
しかし、私は構わずに言った。
「パメラ…。貴女はさっき、ここで売っていた私の作品を不出来と言ったけど…」
そこで一度、深呼吸すると続けた。
「お言葉を返すようだけど…雑巾1枚、縫うことが出来ない貴女に何一つ言われたくないわ」
「!」
パメラはその言葉に顔を真っ赤にさせ…そしてあれ程再び静かだった人々のざわめきが大きくなった。
「嘘…雑巾1枚縫えないって…」
「それじゃ、刺繍も出来ないって事よね?」
「良く、手作り品だと言って売れるもんだ」
「やっぱり、あの女…図々しい奴だ」
「…は、早く…警察署へ連れて行ってよ!」
パメラは余程屈辱的だったのか、自暴自棄のように警察官に訴え…大勢の人々に見守られながら?警察の黒塗り馬車にニコラスと共に乗せられ…連行されて行った―。
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