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第83話 一抹の不安
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シビル達とお昼ご飯を一緒に食べた後もラッピングの練習を続けた。その特訓の成果もあって彼女たちが大小様々な組み合わせのラッピングまで包めるようになったところでお開きとなった。
「アンジェラさん、家に帰ってもラッピングの練習しますね」
シビルはすっかりラッピング作業が好きになったようだ。
「私も新聞紙を使って練習するわ」
グレタが言った。
「私は筒状の物を包むのが苦手だから特訓しなくちゃ」
イレーヌはため息をついて、肩をすくめた。
「大丈夫よ、今の所は売り物で筒状の物はほとんど無いから。やっぱりサイズの違う商品をラッピングする練習が一番だと思うわ」
私のアドバイスにイレーヌは頷いた。
「確かにそうですよね」
他の2人も納得したように頷く。
「それじゃ、もう皆帰っても大丈夫よ。今日は付き合ってくれてありがとう。また来週手伝いに来てくれる?」
「「「はい」」」
3人は笑顔で挨拶をすると帰って行った―。
「さて…と」
時計を見ると午後3時になろうとしている。そこでテーブルに出ていたラッピングの材料をしまった。
「さてと、それじゃ…次は店内の飾り付けをしようかしら」
リュックの中からブリキの箱をとりだして蓋を開けるとカラフルな装飾品が入っている。これは店内の飾り付け様に作ったフラッグガーランドなのだ。
「これを壁に飾るだけで部屋の雰囲気が変わるのよね~」
麻紐に通した三角形の飾り布が沢山ついた麻紐を早速お店の窓枠に吊り下げると
店の外に出て店内の様子を見てみる。
「うん、お店の窓がカラフルになって目立つわね。これなら人目を引くからお客さんも来てくれそうだわ」
独り言を言いながら満足気に頷く私。
こんな飾り付けをしているお店は恐らく私のお店だけだろう。
「さて、他のフラッグガーランドも飾り付けしましょう」
私は店内に入ると、飾り付けの続きを始めた―。
****
ゴーンゴーンゴーン…
気付けば店内の振り子時計が鳴り響き、時刻は午後5時になっていた。
「あ、いけない!もうこんな時間だわ」
ついうっかりお店の飾りつけに夢中になっていて時間が経過していることにも気付かなかった。
急いでリュックの中に持参してきた道具をしまい、店内を片付けて店の外に出ると既にそこにはジムさんが御者台から降りて私を待っていた。
「ごめんなさい、お待たせして」
戸締りをしてジムさんに手を振ると、慌てた様子で私の所に駆けつけて来た。
「アンジェラ様、何ともありませんでしたか?」
「え?何ともって…?」
「いえ…実はこの店に到着した直後の事なのですが、フード付きのロングコートを羽織った妙な人物がこの店の窓を覗いていたのです。この馬車が近付いてきている音に気付いたのか、慌てた様に走り去って行きました。…遠目からだったので、男か女かは区別がつかなかったのですよ」
「え…?」
そう言えば、確か今日グレタが誰かが店の中を覗いていたような気がすると言っていたけれども…まさか…?
私にはその人物に2人の心当たりがある。まさか、あの2人の内のどちらかがこの店を覗いていたのだろうか?
だとしたら一体何の為に…?
オープンまで後2週間だと言うのに、一抹の不安が私の頭をよぎった―
「アンジェラさん、家に帰ってもラッピングの練習しますね」
シビルはすっかりラッピング作業が好きになったようだ。
「私も新聞紙を使って練習するわ」
グレタが言った。
「私は筒状の物を包むのが苦手だから特訓しなくちゃ」
イレーヌはため息をついて、肩をすくめた。
「大丈夫よ、今の所は売り物で筒状の物はほとんど無いから。やっぱりサイズの違う商品をラッピングする練習が一番だと思うわ」
私のアドバイスにイレーヌは頷いた。
「確かにそうですよね」
他の2人も納得したように頷く。
「それじゃ、もう皆帰っても大丈夫よ。今日は付き合ってくれてありがとう。また来週手伝いに来てくれる?」
「「「はい」」」
3人は笑顔で挨拶をすると帰って行った―。
「さて…と」
時計を見ると午後3時になろうとしている。そこでテーブルに出ていたラッピングの材料をしまった。
「さてと、それじゃ…次は店内の飾り付けをしようかしら」
リュックの中からブリキの箱をとりだして蓋を開けるとカラフルな装飾品が入っている。これは店内の飾り付け様に作ったフラッグガーランドなのだ。
「これを壁に飾るだけで部屋の雰囲気が変わるのよね~」
麻紐に通した三角形の飾り布が沢山ついた麻紐を早速お店の窓枠に吊り下げると
店の外に出て店内の様子を見てみる。
「うん、お店の窓がカラフルになって目立つわね。これなら人目を引くからお客さんも来てくれそうだわ」
独り言を言いながら満足気に頷く私。
こんな飾り付けをしているお店は恐らく私のお店だけだろう。
「さて、他のフラッグガーランドも飾り付けしましょう」
私は店内に入ると、飾り付けの続きを始めた―。
****
ゴーンゴーンゴーン…
気付けば店内の振り子時計が鳴り響き、時刻は午後5時になっていた。
「あ、いけない!もうこんな時間だわ」
ついうっかりお店の飾りつけに夢中になっていて時間が経過していることにも気付かなかった。
急いでリュックの中に持参してきた道具をしまい、店内を片付けて店の外に出ると既にそこにはジムさんが御者台から降りて私を待っていた。
「ごめんなさい、お待たせして」
戸締りをしてジムさんに手を振ると、慌てた様子で私の所に駆けつけて来た。
「アンジェラ様、何ともありませんでしたか?」
「え?何ともって…?」
「いえ…実はこの店に到着した直後の事なのですが、フード付きのロングコートを羽織った妙な人物がこの店の窓を覗いていたのです。この馬車が近付いてきている音に気付いたのか、慌てた様に走り去って行きました。…遠目からだったので、男か女かは区別がつかなかったのですよ」
「え…?」
そう言えば、確か今日グレタが誰かが店の中を覗いていたような気がすると言っていたけれども…まさか…?
私にはその人物に2人の心当たりがある。まさか、あの2人の内のどちらかがこの店を覗いていたのだろうか?
だとしたら一体何の為に…?
オープンまで後2週間だと言うのに、一抹の不安が私の頭をよぎった―
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