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3章18 消された私
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「その話……いつしたの?」
尋ねる声が、つい震えてしまう。
「……3ヶ月前。ユニスの目が覚めてからのことだよ。君の外見が変わってしまったことと、今はクラリス・レナーと名乗っていることをね。魔術師協会には絶対に口外しないように口止めされていたけどね。ユニスの事情を知っているのは、僕だけだったから」
「でも、火事があった時ザカリーもいたわよ?」
「大分火事が沈静化してきた時、君の姿が見えないことに気づいたんだ。ザカリーは水魔法が得意だから、後は任せて捜すことにしたんだ。そして林の入口で倒れている2人を見つけた。その時にはもう今の外見になっていたけどね。リオンと一緒にいた事と、同じ服だったからユニスだと分かったんだよ」
「そうだったの……」
アンディに気づいてもらえたから、わたしはユニスだと認識されたのだ。
「あの時は大変だった。大勢の怪我人が沢山出て、病院に運ばれたんだよ。リオンの両親は意識の戻らない彼につきっきりだったから、僕が君の家に連絡を入れてくださいと頼んだんだよ。僕も少しだけ火傷をして同じ病院に運ばれていたからね」
アンディが火傷を……?
「え!? それで、火傷の具合は大丈夫だったの!」
「大丈夫だよ。大した火傷じゃ無かったから跡も残らなかったし。治療が終わった後に魔術協会の人たちがやってきて、色々尋ねられたよ。それで誰にもユニスのことは話さないようにと口止めされたんだよ。だからザカリーにも話せなかった……それで……そのままユニスは……亡くなってしまったことにされてしまったんだ」
「え!?」
その話は衝撃だった。
兄も両親も、それにセシルやフレッドも誰一人そのことを教えてくれる人はいなかった。
ただ、クラリス・レナーとして生きるように……それだけしか告げられなかった。
ゲームの世界ではリオンの父親が彼を助けるために死んでしまった。まさか、この世界ではリオンの命を助けたわたしが死んだことに……?
「そ、そんな……」
自分の顔から血の気が引いていくのが分かった。ショックが強すぎて、その場に座っているのがやっとだ。
「その様子だと……やっぱり何も聞かされていなかったんだね?」
アンディが静かに尋ねてきた。
「……知らない、初耳よ……まさか、私が死んだことにされていたなん……て」
思わず胸に熱い物がこみ上げてきて、涙が浮かびそうになってくる。
「可哀想に……。だけど、きっとそうせざるを得なかったのだと思う。君の両親にしたって、多分ユニスが気の毒で言えなかったんだよ……」
私は涙を堪えながらアンディの話を聞いていた。
でも、何故こんなに私が厳重に監視されているのか理解した。ユニス・ウェルナーは世間では死んだことになっているからだ。
だから、セシルもフレッドも私が余計なことを口にしないように監視している。
「ザカリーはユニスが死んだという話をずっと信じようとしていなかった。絶対にそんなはずはない、嘘に決まっていると言ってね。魔術師協会に口止めされていたから本当のことを言えなかった。だけど今回6年ぶりにユニスの目が覚めて……これ以上黙っていられなくて本当の事を話したんだ」
「ザカリーは何て言ったの?」
「何故今まで嘘をついていたのだと、ものすごく激怒されたよ」
アンディが苦笑したその時。
「話が長いな。いつまで待たせる気だよ」
突然声が聞こえ、私は驚いて振り返った――
尋ねる声が、つい震えてしまう。
「……3ヶ月前。ユニスの目が覚めてからのことだよ。君の外見が変わってしまったことと、今はクラリス・レナーと名乗っていることをね。魔術師協会には絶対に口外しないように口止めされていたけどね。ユニスの事情を知っているのは、僕だけだったから」
「でも、火事があった時ザカリーもいたわよ?」
「大分火事が沈静化してきた時、君の姿が見えないことに気づいたんだ。ザカリーは水魔法が得意だから、後は任せて捜すことにしたんだ。そして林の入口で倒れている2人を見つけた。その時にはもう今の外見になっていたけどね。リオンと一緒にいた事と、同じ服だったからユニスだと分かったんだよ」
「そうだったの……」
アンディに気づいてもらえたから、わたしはユニスだと認識されたのだ。
「あの時は大変だった。大勢の怪我人が沢山出て、病院に運ばれたんだよ。リオンの両親は意識の戻らない彼につきっきりだったから、僕が君の家に連絡を入れてくださいと頼んだんだよ。僕も少しだけ火傷をして同じ病院に運ばれていたからね」
アンディが火傷を……?
「え!? それで、火傷の具合は大丈夫だったの!」
「大丈夫だよ。大した火傷じゃ無かったから跡も残らなかったし。治療が終わった後に魔術協会の人たちがやってきて、色々尋ねられたよ。それで誰にもユニスのことは話さないようにと口止めされたんだよ。だからザカリーにも話せなかった……それで……そのままユニスは……亡くなってしまったことにされてしまったんだ」
「え!?」
その話は衝撃だった。
兄も両親も、それにセシルやフレッドも誰一人そのことを教えてくれる人はいなかった。
ただ、クラリス・レナーとして生きるように……それだけしか告げられなかった。
ゲームの世界ではリオンの父親が彼を助けるために死んでしまった。まさか、この世界ではリオンの命を助けたわたしが死んだことに……?
「そ、そんな……」
自分の顔から血の気が引いていくのが分かった。ショックが強すぎて、その場に座っているのがやっとだ。
「その様子だと……やっぱり何も聞かされていなかったんだね?」
アンディが静かに尋ねてきた。
「……知らない、初耳よ……まさか、私が死んだことにされていたなん……て」
思わず胸に熱い物がこみ上げてきて、涙が浮かびそうになってくる。
「可哀想に……。だけど、きっとそうせざるを得なかったのだと思う。君の両親にしたって、多分ユニスが気の毒で言えなかったんだよ……」
私は涙を堪えながらアンディの話を聞いていた。
でも、何故こんなに私が厳重に監視されているのか理解した。ユニス・ウェルナーは世間では死んだことになっているからだ。
だから、セシルもフレッドも私が余計なことを口にしないように監視している。
「ザカリーはユニスが死んだという話をずっと信じようとしていなかった。絶対にそんなはずはない、嘘に決まっていると言ってね。魔術師協会に口止めされていたから本当のことを言えなかった。だけど今回6年ぶりにユニスの目が覚めて……これ以上黙っていられなくて本当の事を話したんだ」
「ザカリーは何て言ったの?」
「何故今まで嘘をついていたのだと、ものすごく激怒されたよ」
アンディが苦笑したその時。
「話が長いな。いつまで待たせる気だよ」
突然声が聞こえ、私は驚いて振り返った――
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