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3章12 内密な話
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新入生ガイダンスが終わり、昼休みに入った。
「皆で食事に行かないか?」
セシルが声をかけてくると、アンディがそれを断った。
「ごめん。悪いけど2人で行ってくれないか? クラリスと2人きりで大事な話があるから」
「大事な話だって? 俺達は魔術師教会からクラリスの監視を命じられているんだぞ?」
フレッドが睨みつけてくるも、全くアンディは動じない。
「それを言うなら僕だって似たような立場にあるよ。それとも僕一人にクラリスを任せるのは心配なのかな?」
するとセシルが割り込んできた。
「心配なんか、少しもしていないさ。ただ、こちらとしても常にクラリスからは目を離さないようにって言われているからね。悪いけど2人だけにさせるわけにはいかないんだ」
「う~ん……だけど彼女は6年前に何が起こったか、詳しく話を聞きたいって言ってるんだよ。出来れば誰にも邪魔されずに2人だけで」
「え?」
その言葉に驚いて私はアンディを見つめた。
確かに話は聞きたいと返事をしたけれども、邪魔されずに2人だけでなんて言った覚えはない。
「そうなのか? クラリス」
セシルが尋ねてきた。
「あの、それは……」
その時、アンディが素早く私に目配せしてきた。……ひょっとしてアンディは2人がいると話しにくいことでもあるのだろうか?
「どうなんだよ」
フレッドまで詰め寄ってくる。3人の男性に囲まれる私を周囲の学生たちは遠巻きに見ている有り様だ。
「あの、それならセシルとフレッドは私達の近くのテーブルに座るということでどうかしら? 要は私の姿が視界にあればいいことなのよね?」
「そうだな、それがいい」
アンディは当然のように私の提案に同意している。
「どうするんだ? セシル」
フレッドがセシルに尋ねた。
「……仕方ない……。2人は6年前からの知りあいだからな……。ただし、すぐ隣のテーブルに着かせてもらう。いいよね?」
「それでいいさ」
アンディは笑顔でセシルの言葉に頷いた――
****
私達は学生用のカフェテリアに来ていた。
テラス席に置かれた丸テーブルにアンディと2人で向かい合わせに座り、その隣のテーブル席にセシルとフレッドが着いていた。
2人はじっとこちらを注視しながら食事をしていた。
「ユニス。あの2人には今日初めて会ったのかい?」
食事をしながらアンディが尋ねてきた。
「ええ。アンディは違うの?」
彼は私と2人きりのときだけユニスと呼んでくれる。それが有り難かった。
「僕は君が目覚めた日に、魔術協会から連絡を受けて病院に行ったんだよ。てっきりユニスに会わせてもらえるかと思ったんだけどね。でもそれは叶わなかった。代わりにあの2人に会ったのさ」
アンディはセシル達に視線を移すこと無く語る。
「以前からの知りあいでは無かったのね?」
「そうだよ、これから2人はユニスと一緒に『ニルヴァーナ』大学に入学することになるからということで顔合わせをしたんだよ。君の兄を名乗る人の立会のもとでね。でもまさか、別人として生きるようになるとは思わなかったよ。……本当に気の毒に」
アンディは同情の表情を浮かべる。
「その理由をアンディは知っているの?」
セシル達に聞かれないために、小声で尋ねた。
「もちろん知ってるよ。何しろあの時、それまで誰もいなかった場所に突然姿が変わったユニスと気を失ったリオンが現れたんだからね。てっきり僕のように空間移動が出来るかと思ったよ。でも、それが禁忌の魔法だったと聞かされて……すごく驚いた」
「……突然現れた?」
私はリオンを担いで歩いてきたのに……止まっていた時が動き出せば、そういう風に見えるのか。
「禁忌の魔法を使い、刻印も刻まれてしまった。だから監視下に置かれることになってしまったのだろう?」
その言葉に黙って頷く。
「実は、あの2人に席を外してもらったのはリオンの話だけじゃない。ザカリーのことを話しておきたかったからなんだ。どうしても彼らには聞かれたくはなくてね」
アンディが声のトーンを落とした――
「皆で食事に行かないか?」
セシルが声をかけてくると、アンディがそれを断った。
「ごめん。悪いけど2人で行ってくれないか? クラリスと2人きりで大事な話があるから」
「大事な話だって? 俺達は魔術師教会からクラリスの監視を命じられているんだぞ?」
フレッドが睨みつけてくるも、全くアンディは動じない。
「それを言うなら僕だって似たような立場にあるよ。それとも僕一人にクラリスを任せるのは心配なのかな?」
するとセシルが割り込んできた。
「心配なんか、少しもしていないさ。ただ、こちらとしても常にクラリスからは目を離さないようにって言われているからね。悪いけど2人だけにさせるわけにはいかないんだ」
「う~ん……だけど彼女は6年前に何が起こったか、詳しく話を聞きたいって言ってるんだよ。出来れば誰にも邪魔されずに2人だけで」
「え?」
その言葉に驚いて私はアンディを見つめた。
確かに話は聞きたいと返事をしたけれども、邪魔されずに2人だけでなんて言った覚えはない。
「そうなのか? クラリス」
セシルが尋ねてきた。
「あの、それは……」
その時、アンディが素早く私に目配せしてきた。……ひょっとしてアンディは2人がいると話しにくいことでもあるのだろうか?
「どうなんだよ」
フレッドまで詰め寄ってくる。3人の男性に囲まれる私を周囲の学生たちは遠巻きに見ている有り様だ。
「あの、それならセシルとフレッドは私達の近くのテーブルに座るということでどうかしら? 要は私の姿が視界にあればいいことなのよね?」
「そうだな、それがいい」
アンディは当然のように私の提案に同意している。
「どうするんだ? セシル」
フレッドがセシルに尋ねた。
「……仕方ない……。2人は6年前からの知りあいだからな……。ただし、すぐ隣のテーブルに着かせてもらう。いいよね?」
「それでいいさ」
アンディは笑顔でセシルの言葉に頷いた――
****
私達は学生用のカフェテリアに来ていた。
テラス席に置かれた丸テーブルにアンディと2人で向かい合わせに座り、その隣のテーブル席にセシルとフレッドが着いていた。
2人はじっとこちらを注視しながら食事をしていた。
「ユニス。あの2人には今日初めて会ったのかい?」
食事をしながらアンディが尋ねてきた。
「ええ。アンディは違うの?」
彼は私と2人きりのときだけユニスと呼んでくれる。それが有り難かった。
「僕は君が目覚めた日に、魔術協会から連絡を受けて病院に行ったんだよ。てっきりユニスに会わせてもらえるかと思ったんだけどね。でもそれは叶わなかった。代わりにあの2人に会ったのさ」
アンディはセシル達に視線を移すこと無く語る。
「以前からの知りあいでは無かったのね?」
「そうだよ、これから2人はユニスと一緒に『ニルヴァーナ』大学に入学することになるからということで顔合わせをしたんだよ。君の兄を名乗る人の立会のもとでね。でもまさか、別人として生きるようになるとは思わなかったよ。……本当に気の毒に」
アンディは同情の表情を浮かべる。
「その理由をアンディは知っているの?」
セシル達に聞かれないために、小声で尋ねた。
「もちろん知ってるよ。何しろあの時、それまで誰もいなかった場所に突然姿が変わったユニスと気を失ったリオンが現れたんだからね。てっきり僕のように空間移動が出来るかと思ったよ。でも、それが禁忌の魔法だったと聞かされて……すごく驚いた」
「……突然現れた?」
私はリオンを担いで歩いてきたのに……止まっていた時が動き出せば、そういう風に見えるのか。
「禁忌の魔法を使い、刻印も刻まれてしまった。だから監視下に置かれることになってしまったのだろう?」
その言葉に黙って頷く。
「実は、あの2人に席を外してもらったのはリオンの話だけじゃない。ザカリーのことを話しておきたかったからなんだ。どうしても彼らには聞かれたくはなくてね」
アンディが声のトーンを落とした――
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