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1章12 『ロコス』の花
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「何だか不思議な味がするな……でも、とても美味しいよ」
リオンはハーブティーが気に入ったのか笑顔で飲んでいる。
「ありがとう、リオン」
私も一緒に飲みながら、そっと夫人の様子を伺った。
「……」
夫人は黙って『ロコス』のハーブティーを飲んでいるものの、徐々に目が見開かれていく。
そろそろ、効果が現れてきたのかもしれない。
「……そ、そんな……」
夫人が震えながらハーブティーを見つめる。
「母様? どうかしましたか?」
何も事情が分からないリオン。
「なんてことなの……味がするわ。 それに、匂いも感じる……一体これはどういうことなの……?」
そして驚いた様子で、私を見つめてきた。やはり、ゲームで書かれたいたとおりだ。
「それは良かったです」
私は笑顔で返事をした。
『ロコス』の毒は、乾燥させた『ロコス』の花で解毒される。
けれど、これはほんの一過性のものだ。すぐに効果は無くなってしまう。
長年体内に溜まった毒はそう簡単には解毒できない。これから先も続けて摂取する必要があるのだ。
「母様。 味や匂いを感じるって……もしかして、今まで何も感じなかったのですか?」
リオンの言葉に、夫人はため息をついた。
「ごめんなさい、リオン。今まで黙っていたけれど私は味も匂いも分からなくなっていたのよ。もう何年も前からね」
「え……?」
その話にリオンの顔が青ざめる。
「そうだったのですか? どうして話してくれなかったのですか!?」
「それはあなたを心配させたくなかったからよ。だから黙っていたの。でも、お父様は知っているわ」
「そんな……それじゃ、あまり食事をしなかったのは、そのせいだったのですか?」
「ええ、そうよ。でも何故かしら。このお茶だけは、はっきりと味も匂いも分かるの。不思議だわ……ユニス。これは何のハーブティーなのかしら?」
いよいよ、説明するときがやってきたのだ。
「はい、このハーブティーには『ロコス』と言う花を乾燥させた粉末が入っています」
「何ですって? 『ロコス』の花が入っているの!?」
夫人が驚きの表情を浮かべる。
「『ロコス』の花を御存知なのですか?」
「ええ、当然よ。私の故郷では『ロコス』の花が沢山生えているのだから。でもお茶にして飲んだことは無かったわ。あの花は至る場所で自生していたけれど、誰も気に留める人はいなかったもの」
「そうだったのですか? 実は私、少しだけハーブの勉強をしているんです。そこで『ロコス』を乾燥させてお茶にすると健康に良いことを知りました。お身体があまり丈夫ではないとリオンから聞いていたので、今回用意させていただきました。それでお茶はどうでしたか?」
乾燥させた『ロコス』の花が健康に良いとされているのは事実だ。
ただ、リオンの母親が侵されている風土病の解毒作用がある……ということはまだ誰にも知られていないけれども。
「素晴らしいわ……このお茶を飲んだ時、何年も感じられなかった味や匂いが分かったのよ。こんなにうれしいことは無かったわ。ありがとう、ユニス。あなたのおかげよ」
余程嬉しかったのか、夫人は目をうるませている。
「本当ですか? それは良かったです。でしたら、この先も是非続けて飲んでみて下さい」
「ええ、勿論そうさせてもらうわ」
「お役に立てて嬉しいです」
私と夫人は笑顔で見つめあった。
良かった……きっと、これでリオンの母親の病気は治るはず。
――その後。
『ロコス』のお茶の存在によって、すっかり私と夫人は仲良くなれた。
3人で楽しい時間を過ごし……夕方にお茶会はお開きになったのだった――
リオンはハーブティーが気に入ったのか笑顔で飲んでいる。
「ありがとう、リオン」
私も一緒に飲みながら、そっと夫人の様子を伺った。
「……」
夫人は黙って『ロコス』のハーブティーを飲んでいるものの、徐々に目が見開かれていく。
そろそろ、効果が現れてきたのかもしれない。
「……そ、そんな……」
夫人が震えながらハーブティーを見つめる。
「母様? どうかしましたか?」
何も事情が分からないリオン。
「なんてことなの……味がするわ。 それに、匂いも感じる……一体これはどういうことなの……?」
そして驚いた様子で、私を見つめてきた。やはり、ゲームで書かれたいたとおりだ。
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私は笑顔で返事をした。
『ロコス』の毒は、乾燥させた『ロコス』の花で解毒される。
けれど、これはほんの一過性のものだ。すぐに効果は無くなってしまう。
長年体内に溜まった毒はそう簡単には解毒できない。これから先も続けて摂取する必要があるのだ。
「母様。 味や匂いを感じるって……もしかして、今まで何も感じなかったのですか?」
リオンの言葉に、夫人はため息をついた。
「ごめんなさい、リオン。今まで黙っていたけれど私は味も匂いも分からなくなっていたのよ。もう何年も前からね」
「え……?」
その話にリオンの顔が青ざめる。
「そうだったのですか? どうして話してくれなかったのですか!?」
「それはあなたを心配させたくなかったからよ。だから黙っていたの。でも、お父様は知っているわ」
「そんな……それじゃ、あまり食事をしなかったのは、そのせいだったのですか?」
「ええ、そうよ。でも何故かしら。このお茶だけは、はっきりと味も匂いも分かるの。不思議だわ……ユニス。これは何のハーブティーなのかしら?」
いよいよ、説明するときがやってきたのだ。
「はい、このハーブティーには『ロコス』と言う花を乾燥させた粉末が入っています」
「何ですって? 『ロコス』の花が入っているの!?」
夫人が驚きの表情を浮かべる。
「『ロコス』の花を御存知なのですか?」
「ええ、当然よ。私の故郷では『ロコス』の花が沢山生えているのだから。でもお茶にして飲んだことは無かったわ。あの花は至る場所で自生していたけれど、誰も気に留める人はいなかったもの」
「そうだったのですか? 実は私、少しだけハーブの勉強をしているんです。そこで『ロコス』を乾燥させてお茶にすると健康に良いことを知りました。お身体があまり丈夫ではないとリオンから聞いていたので、今回用意させていただきました。それでお茶はどうでしたか?」
乾燥させた『ロコス』の花が健康に良いとされているのは事実だ。
ただ、リオンの母親が侵されている風土病の解毒作用がある……ということはまだ誰にも知られていないけれども。
「素晴らしいわ……このお茶を飲んだ時、何年も感じられなかった味や匂いが分かったのよ。こんなにうれしいことは無かったわ。ありがとう、ユニス。あなたのおかげよ」
余程嬉しかったのか、夫人は目をうるませている。
「本当ですか? それは良かったです。でしたら、この先も是非続けて飲んでみて下さい」
「ええ、勿論そうさせてもらうわ」
「お役に立てて嬉しいです」
私と夫人は笑顔で見つめあった。
良かった……きっと、これでリオンの母親の病気は治るはず。
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『ロコス』のお茶の存在によって、すっかり私と夫人は仲良くなれた。
3人で楽しい時間を過ごし……夕方にお茶会はお開きになったのだった――
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