2 / 24
プロローグ 2
しおりを挟む
先代が偉大な魔導士であった為、代々この国の王族にはその魔力が引き継がれている。
レイリアの父も魔力保持者であるが、どのような魔力を持っているのかは側近のみしか知られていない。
王族は10歳頃までに魔力に目覚めると言われている。
レイリアの父であり、現国王――ジークベルトは5歳で魔力を手に入れていたのだ。
「私もお父様のように魔力に目覚めていれば、もっとお父様のお役に立てるし、国の人達のお仕事の手伝いをする事が出来たのに」
10歳になっても一向に魔力に目覚めない自分が歯がゆくて口を尖らせた。
「大丈夫ですよ。婆やは信じております。姫もいつかきっと魔力に目覚めて皆さんのお役に立てる日が参りますよ」
「ありがとう、婆や。それじゃ、お父様に朝のご挨拶に行って来るわ」
レイリアが部屋の扉を開けると、ブラウンの髪の若い護衛の兵士――ミハエルが待機しており、レイリアを見ると敬礼した。
「お早うございます。レイリア様。本日も大変可愛らしゅうございますね。それでは陛下の元へ参りましょうか?」
「ミハエルさん、私なら一人でお父様の元へ行けるから大丈夫ですよ。それにこの国は魔導士様が守って下さってるので危険な事は何一つありませんから。毎朝待たせてしまうとミハエルさんだって大変でしょう?」
「レイリア様からそのようなお言葉を貰えるなんて、感動致しました。ですがどうかお気になさらないで下さい。護衛騎士に名乗りを上げたのは他でもない、自分なのですから。レイリア様の元で働けるなんて光栄至極です」
「そこまでミハエルさんが言うのなら……ではこれからもよろしくお願いします」
「はい、姫様。それでは参りましょうか?」
ミハエルは深々と頭を下げた――
――その頃
国王のジークベルトは執務室で仕事をしていた。
まだ28歳という若さのジークベルトは父親と言うよりはまだ青年のようにしか見えない。
レイリアと同じ金の髪で、エメラルド・グリーンの瞳は淡い光を帯びているようにも見える。そしてこの光は魔力を持つ人間の証でもあった。
国王の側には側近ヨハネスが控えていた。この二人は幼馴染で、お互い固い信頼関係で結ばれている。
「お父様!」
レイリアは執務室に入ると父親に駆け寄り、その膝に飛び乗った。
「おはよう、私の可愛い姫君」
ジークベルトはレイリアを抱きしめると、額にキスをした。
「ねえねえ、お父様。私また教会に行って神様にお祈りをしたいの。お母様が元気になって無事に赤ちゃんを産むことが出来ますようにって。ね? いいでしょう?」
レイリアは瞳を輝かせながら懇願した。
「そうかい、レイリアは本当に優しい子だね。でも今は仕事が立て込んでいて私は教会に連れて行ってあげる事が出来ないんだ。それに城の者達も皆今は忙しくてね。すまないがもう少しだけ待っていてくれるかい?」
申し訳なさそうにジークベルトはレイリアの頭を撫でる。
「そうなの……。それなら仕方ないわ。ごめんなさい、お父様」
「すまない、レイリア。実は近いうちにお母さんの国へ行く事になっているんだ。代わりにそこでお土産を買ってきてあげるよ」
「え? お父様、それ本当?」
「本当だよ。レイリアは貝が好きだったね。何か可愛らしい貝のアクセサリーでも買って来てあげよう」
「ありがとう、お父様。大好き!」
レイリアはジークベルトの頬にキスすると膝から飛び降りてヨハネスに挨拶した。
「ご挨拶が遅れてすみませんでした。おはようございます」
「おはようございます。レイリア様」
ヨハネスは笑顔で挨拶する。
「またね、お父様」
レイリアはスキップしながら部屋を後にしたのだった—―
レイリアの父も魔力保持者であるが、どのような魔力を持っているのかは側近のみしか知られていない。
王族は10歳頃までに魔力に目覚めると言われている。
レイリアの父であり、現国王――ジークベルトは5歳で魔力を手に入れていたのだ。
「私もお父様のように魔力に目覚めていれば、もっとお父様のお役に立てるし、国の人達のお仕事の手伝いをする事が出来たのに」
10歳になっても一向に魔力に目覚めない自分が歯がゆくて口を尖らせた。
「大丈夫ですよ。婆やは信じております。姫もいつかきっと魔力に目覚めて皆さんのお役に立てる日が参りますよ」
「ありがとう、婆や。それじゃ、お父様に朝のご挨拶に行って来るわ」
レイリアが部屋の扉を開けると、ブラウンの髪の若い護衛の兵士――ミハエルが待機しており、レイリアを見ると敬礼した。
「お早うございます。レイリア様。本日も大変可愛らしゅうございますね。それでは陛下の元へ参りましょうか?」
「ミハエルさん、私なら一人でお父様の元へ行けるから大丈夫ですよ。それにこの国は魔導士様が守って下さってるので危険な事は何一つありませんから。毎朝待たせてしまうとミハエルさんだって大変でしょう?」
「レイリア様からそのようなお言葉を貰えるなんて、感動致しました。ですがどうかお気になさらないで下さい。護衛騎士に名乗りを上げたのは他でもない、自分なのですから。レイリア様の元で働けるなんて光栄至極です」
「そこまでミハエルさんが言うのなら……ではこれからもよろしくお願いします」
「はい、姫様。それでは参りましょうか?」
ミハエルは深々と頭を下げた――
――その頃
国王のジークベルトは執務室で仕事をしていた。
まだ28歳という若さのジークベルトは父親と言うよりはまだ青年のようにしか見えない。
レイリアと同じ金の髪で、エメラルド・グリーンの瞳は淡い光を帯びているようにも見える。そしてこの光は魔力を持つ人間の証でもあった。
国王の側には側近ヨハネスが控えていた。この二人は幼馴染で、お互い固い信頼関係で結ばれている。
「お父様!」
レイリアは執務室に入ると父親に駆け寄り、その膝に飛び乗った。
「おはよう、私の可愛い姫君」
ジークベルトはレイリアを抱きしめると、額にキスをした。
「ねえねえ、お父様。私また教会に行って神様にお祈りをしたいの。お母様が元気になって無事に赤ちゃんを産むことが出来ますようにって。ね? いいでしょう?」
レイリアは瞳を輝かせながら懇願した。
「そうかい、レイリアは本当に優しい子だね。でも今は仕事が立て込んでいて私は教会に連れて行ってあげる事が出来ないんだ。それに城の者達も皆今は忙しくてね。すまないがもう少しだけ待っていてくれるかい?」
申し訳なさそうにジークベルトはレイリアの頭を撫でる。
「そうなの……。それなら仕方ないわ。ごめんなさい、お父様」
「すまない、レイリア。実は近いうちにお母さんの国へ行く事になっているんだ。代わりにそこでお土産を買ってきてあげるよ」
「え? お父様、それ本当?」
「本当だよ。レイリアは貝が好きだったね。何か可愛らしい貝のアクセサリーでも買って来てあげよう」
「ありがとう、お父様。大好き!」
レイリアはジークベルトの頬にキスすると膝から飛び降りてヨハネスに挨拶した。
「ご挨拶が遅れてすみませんでした。おはようございます」
「おはようございます。レイリア様」
ヨハネスは笑顔で挨拶する。
「またね、お父様」
レイリアはスキップしながら部屋を後にしたのだった—―
32
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚
きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」
新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。
それもそのはず。
2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。
でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。
美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。
だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。
どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったオノールに、やがてクラウディオの心は……。
すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?
焦ったい恋と陰謀+バトルのラブファンタジー。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる