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アゼリア&カイの章 ② また…会えたね(カイside)
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僕には生まれた時から前世の記憶があった―。
愛するアゼリアを失った後、僕は医者になることを決意した。王位にはもう何の未練も無かったし、僕以外にも後継者はいたので父は案外簡単に医者の道を目指す事を承諾してくれた。今から医者を目指す事に少し不安はあったものの、僕には心強い仲間がいた。
その存在がマルセル。
彼もまた、医者を目指すべく、僕と一緒に『キーナ』へ行く決意をしてくれた。
尤も…イングリットさんを連れて『キーナ』へ駆け落ち同然でやってきた時には流石の僕も驚いた。けれど2人はとても幸せそうで僕も嬉しかった。
マルセルは医学部合格後にイングリットさんと学生結婚し、僕達の『キーナ』での暮らしが始まった―。
僕とマルセルは『キーナ』の大学で6年間医学部で学び、さらに2年間大学病院でインターンとして働き終えると、マルセルはイングリットさんと2人の子供を連れて『リンデン』へと戻って行った。そこで白血病の研究をしながら開業医として働き、ゆくゆくは大学病院を建てるのが目標なのだと、去り際に僕に笑顔で教えてくれた。
僕はその後も『キーナ』へ残り、大学病院で白血病の治療と研究に明け暮れた。
そして70歳をとうに超え、自分の余命が残りわずかであることを知った時に、アゼリアの眠る『リンデン』へ戻る事にした。
そして城に戻った僕は王宮で親族に見守られながら眠る様に最期を迎えた。
それが僕の前世の記憶だった―。
****
「カイ。少し、休憩しないか?」
教室に置かれたPCに向かって作業をしていると不意に声を掛けられた。顔を上げるとそこに立っていたのは同級生のラルフだった。彼と僕は同じ大学でデザイン科を専攻している。今は課題のグラフィックデザインを製作中だった。
「うん、そうだね」
PCの前から立ち上がると、ラルフが画面を覗き込んできた。
「ふ~ん…カイは女性の絵をデザインにする事にしたのか…。それにしても…美人だな。モデルはいるのか?」
「モデル…勿論いるよ」
「へぇ~…誰なんだ?」
ラルフが興味深げに尋ねて来る。
「アゼリアだよ」
「アゼリア…?」
ラルフが首を傾げる。
そして彼の背後のモニター画面には…僕が描いた、緑の瞳の美しい女性、アゼリアが描かれていた。
「アゼリアって一体誰なんだ?」
ラルフが尋ねて来た。
「彼女はね…僕の運命の人さ。ずっと…探しているんだ…」
僕はデスクトップに映し出されたアゼリアにそっと触れた。
「へぇ?お前って意外とロマンチストなんだな?それじゃ行こうぜ」
「うん、行こう」
僕とラルフは連れ立って教室を後にした―。
そう、僕はこうやって前世の記憶を持ってこの世に生まれて来た。きっとアゼリアもこの世界に生まれ変わって何処かで暮らしているはずだ。
僕の耳にはまだあの時のアゼリアの言葉がはっきりと残されている。
『カイ…もし、もしも…来世があったとして、生まれ変わった時には…また貴方と出会って…貴方に恋したいわ…』
アゼリア、僕もそうだよ。この世で恋をする女性は君だけなのだから。
だから僕はアゼリアの手がかりを探し続ける為に、彼女の絵を描き続ける。
必ず見つけ出す為に―。
愛するアゼリアを失った後、僕は医者になることを決意した。王位にはもう何の未練も無かったし、僕以外にも後継者はいたので父は案外簡単に医者の道を目指す事を承諾してくれた。今から医者を目指す事に少し不安はあったものの、僕には心強い仲間がいた。
その存在がマルセル。
彼もまた、医者を目指すべく、僕と一緒に『キーナ』へ行く決意をしてくれた。
尤も…イングリットさんを連れて『キーナ』へ駆け落ち同然でやってきた時には流石の僕も驚いた。けれど2人はとても幸せそうで僕も嬉しかった。
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僕はその後も『キーナ』へ残り、大学病院で白血病の治療と研究に明け暮れた。
そして70歳をとうに超え、自分の余命が残りわずかであることを知った時に、アゼリアの眠る『リンデン』へ戻る事にした。
そして城に戻った僕は王宮で親族に見守られながら眠る様に最期を迎えた。
それが僕の前世の記憶だった―。
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「カイ。少し、休憩しないか?」
教室に置かれたPCに向かって作業をしていると不意に声を掛けられた。顔を上げるとそこに立っていたのは同級生のラルフだった。彼と僕は同じ大学でデザイン科を専攻している。今は課題のグラフィックデザインを製作中だった。
「うん、そうだね」
PCの前から立ち上がると、ラルフが画面を覗き込んできた。
「ふ~ん…カイは女性の絵をデザインにする事にしたのか…。それにしても…美人だな。モデルはいるのか?」
「モデル…勿論いるよ」
「へぇ~…誰なんだ?」
ラルフが興味深げに尋ねて来る。
「アゼリアだよ」
「アゼリア…?」
ラルフが首を傾げる。
そして彼の背後のモニター画面には…僕が描いた、緑の瞳の美しい女性、アゼリアが描かれていた。
「アゼリアって一体誰なんだ?」
ラルフが尋ねて来た。
「彼女はね…僕の運命の人さ。ずっと…探しているんだ…」
僕はデスクトップに映し出されたアゼリアにそっと触れた。
「へぇ?お前って意外とロマンチストなんだな?それじゃ行こうぜ」
「うん、行こう」
僕とラルフは連れ立って教室を後にした―。
そう、僕はこうやって前世の記憶を持ってこの世に生まれて来た。きっとアゼリアもこの世界に生まれ変わって何処かで暮らしているはずだ。
僕の耳にはまだあの時のアゼリアの言葉がはっきりと残されている。
『カイ…もし、もしも…来世があったとして、生まれ変わった時には…また貴方と出会って…貴方に恋したいわ…』
アゼリア、僕もそうだよ。この世で恋をする女性は君だけなのだから。
だから僕はアゼリアの手がかりを探し続ける為に、彼女の絵を描き続ける。
必ず見つけ出す為に―。
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