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5-18 ユベールと私
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え…?一体どういう事?私は夢を見ているのだろうか…?
私には今の状況がさっぱり理解出来なかった。けれど眼前には目を閉じ、私に口づけている美しいユベールの顔がある。彼の心臓の鼓動が、押しあてられた唇の柔らかさが、そして彼の匂いが、これは現実だと私に教えてくれている。
すると…パチリと目を開けたユベールが私から唇を離し、私の鼻に自分の鼻を擦りつけると言った。
「シルビア…」
「は、はいっ!」
どうしよう…!ドキドキし過ぎて心臓が持たない…っ!
「普通、キスする時は目を閉じるものだ」
「え?あ、あ、あの…っ!」
頭の中がパニックで何も考えつかなかった。するとユベールがフッと笑って言った。
「シルビア、目を閉じてみろ」
「は、はい…」
言われた通り、目を閉じた。
「んっ!」
するとすぐにまたユベールの唇が重なって来た。ユ、ユベール様…。
ユベールは私を力強く抱きしめ、口付けを続ける。私もいつしか彼の背中に手を回していた。次第に甘い口付けに頭の芯が痺れかけて来た頃、ユベールがそっと唇を離した。
「シルビア…」
私の名を呼ぶその声は今まで聞いた事が無い程に、甘い声だった。
「俺達は…悪い人間だな?」
「え…?」
ユベールは何を言おうとしているのだろう。私は次の言葉を待った。
「お前は…アンリ王子の婚約者候補としてこの城に来ているのに‥そして俺はアンリ王子の専属護衛騎士なのに…こんな事してるんだから」
「ユ、ユベール様…」
ユベールは私の頬に両手を添えると、瞳を覗き込むように言った。
「シルビア…俺の勘違いでなければ…お前は俺の事を思ってくれている…そう
捉えても構わないか?」
私はもう思考力が無くなっていた。ユベールの言葉はまるで甘い恋の呪文のように染み渡って来る。
「は、はい…」
気付けば私は頷いていた。するとユベールはより一層優しい笑みを浮かべ、そっと喉にまかれた包帯に触れると尋ねて来た。
「喉の怪我の具合は‥どうだ?」
「もう…平気です。ほんの少し切れただけなので‥」
「そうか…なら腕の怪我はどうだ?」
スルリとユベールの手が私の傷を負った左腕に触れる。
「腕の傷も…平気です。とても傷に良く効く薬を塗ってもらったので」
「それは良かった…」
ユベール言うと、再び顔が近付いて来た。そして今度こそ私は目を閉じると、すぐに唇が重なって来る。
ユベール様…。そしてユベールは唇を重ねながら言った。
「シルビア…俺達はもう‥こんな事をしてるんだ…どうせなら堕ちるところまで堕ちてみないか…?」
その言葉の意味は酷く曖昧だったけれども、私には何となくその意味が分かった。
私はユベールの事が好きだ。だから気持ちは固まっている。
「はい…お願いします‥」
するとユベールは私から唇を離した。そして次の瞬間、フワリと身体が持ち上がる。ユベールに抱き上げられたのだ。そのままユベールは自分のベッドまで私を運び、スプリングの効いたベッドの上に寝かされた。
「シルビア…」
ユベールはベッドの上に横たわった私の頬にそっと手を触れると言った。
「お前が好きだ。だから…お前が欲しい」
「!」
私は耳を疑った。ユベールが私の事を…?なら私の答えは決まっている。
「ユベール様…私も貴方がずっと前から好きでした…」
そう、恐らく今の人生を生きる前から…過去のループに置いて、私は彼に惹かれていたんだ。どこか寂し気な、冷たい瞳の彼を‥ジュリエッタとアンリ王子の恋仲を見せつけられて心を痛めるユベールを…私がすくってあげられたらと…。
「そうか…気持ちが通じたな?」
ユベールは優しい声で言うと、そのまま私の身体の上にゆっくり覆いかぶさり、彼の大きな手がそっと私に触れて来る。
ユベール様…。私は彼の首に腕を回し、身を委ねる。
そしてこの日、私は初めてユベールと結ばれた―。
私には今の状況がさっぱり理解出来なかった。けれど眼前には目を閉じ、私に口づけている美しいユベールの顔がある。彼の心臓の鼓動が、押しあてられた唇の柔らかさが、そして彼の匂いが、これは現実だと私に教えてくれている。
すると…パチリと目を開けたユベールが私から唇を離し、私の鼻に自分の鼻を擦りつけると言った。
「シルビア…」
「は、はいっ!」
どうしよう…!ドキドキし過ぎて心臓が持たない…っ!
「普通、キスする時は目を閉じるものだ」
「え?あ、あ、あの…っ!」
頭の中がパニックで何も考えつかなかった。するとユベールがフッと笑って言った。
「シルビア、目を閉じてみろ」
「は、はい…」
言われた通り、目を閉じた。
「んっ!」
するとすぐにまたユベールの唇が重なって来た。ユ、ユベール様…。
ユベールは私を力強く抱きしめ、口付けを続ける。私もいつしか彼の背中に手を回していた。次第に甘い口付けに頭の芯が痺れかけて来た頃、ユベールがそっと唇を離した。
「シルビア…」
私の名を呼ぶその声は今まで聞いた事が無い程に、甘い声だった。
「俺達は…悪い人間だな?」
「え…?」
ユベールは何を言おうとしているのだろう。私は次の言葉を待った。
「お前は…アンリ王子の婚約者候補としてこの城に来ているのに‥そして俺はアンリ王子の専属護衛騎士なのに…こんな事してるんだから」
「ユ、ユベール様…」
ユベールは私の頬に両手を添えると、瞳を覗き込むように言った。
「シルビア…俺の勘違いでなければ…お前は俺の事を思ってくれている…そう
捉えても構わないか?」
私はもう思考力が無くなっていた。ユベールの言葉はまるで甘い恋の呪文のように染み渡って来る。
「は、はい…」
気付けば私は頷いていた。するとユベールはより一層優しい笑みを浮かべ、そっと喉にまかれた包帯に触れると尋ねて来た。
「喉の怪我の具合は‥どうだ?」
「もう…平気です。ほんの少し切れただけなので‥」
「そうか…なら腕の怪我はどうだ?」
スルリとユベールの手が私の傷を負った左腕に触れる。
「腕の傷も…平気です。とても傷に良く効く薬を塗ってもらったので」
「それは良かった…」
ユベール言うと、再び顔が近付いて来た。そして今度こそ私は目を閉じると、すぐに唇が重なって来る。
ユベール様…。そしてユベールは唇を重ねながら言った。
「シルビア…俺達はもう‥こんな事をしてるんだ…どうせなら堕ちるところまで堕ちてみないか…?」
その言葉の意味は酷く曖昧だったけれども、私には何となくその意味が分かった。
私はユベールの事が好きだ。だから気持ちは固まっている。
「はい…お願いします‥」
するとユベールは私から唇を離した。そして次の瞬間、フワリと身体が持ち上がる。ユベールに抱き上げられたのだ。そのままユベールは自分のベッドまで私を運び、スプリングの効いたベッドの上に寝かされた。
「シルビア…」
ユベールはベッドの上に横たわった私の頬にそっと手を触れると言った。
「お前が好きだ。だから…お前が欲しい」
「!」
私は耳を疑った。ユベールが私の事を…?なら私の答えは決まっている。
「ユベール様…私も貴方がずっと前から好きでした…」
そう、恐らく今の人生を生きる前から…過去のループに置いて、私は彼に惹かれていたんだ。どこか寂し気な、冷たい瞳の彼を‥ジュリエッタとアンリ王子の恋仲を見せつけられて心を痛めるユベールを…私がすくってあげられたらと…。
「そうか…気持ちが通じたな?」
ユベールは優しい声で言うと、そのまま私の身体の上にゆっくり覆いかぶさり、彼の大きな手がそっと私に触れて来る。
ユベール様…。私は彼の首に腕を回し、身を委ねる。
そしてこの日、私は初めてユベールと結ばれた―。
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