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5-16 アンリ王子からの提案
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「ユ、ユベール様っ?!」
突然ユベールがアンリ王子に頭を下げたので私は驚いてしまった。
「へぇ…驚いたな。君がそんな態度を取るなんて…」
アンリ王子は面白そうにユベールを見つめている。
「…」
しかし、ユベールは無反応だ。
「ユベール、貴方…それほどシルビアさんの事を?」
ジュリエッタの言葉にユベールはピクリと反応した。
「それで?ユベール。君の望みはそれだけかい?」
アンリ王子は目の前の皿からクッキーを口に入れて、飲みこむとユベールに尋ねた。
「アンリ王子…」
「ほら、早く言いなよ」
「もう一度…俺を…いや、私をシルビアの魔石探しのパートナーにさせて下さい。お願いします」
そしてユベールは頭を下げた。
「ユ、ユベール様…っ!」
私は信じられない気持ちでユベールの後姿を見つめていた。ユベールにとって、この世で大切なものはアンリ王子とジュリエッタだけだったはず。それなのにアンリ王子の護衛騎士を一旦退いて、私のパートナーにさせて欲しいとお願いしてくれるなんて…。
「駄目だね。君がいなくなれば誰が僕の護衛騎士になるって言うんだい?」
「近衛騎士団がいるではありませんか。彼らは皆優秀です。そこから誰か人材を選べばいいのではありませんか?」
「そうかい、なら君が声を掛けて選んでくれよ。今日中にね。もし見つからなければ今まで通りに僕の護衛騎士を続けて貰い、シルビアには諦めて貰う。それでいいね?」
「ああ…それでいい。後は…」
ユベールはチラリと私を見た。
「シルビアの魔石の件だ。彼女は魔石を集めたんだ。免除してやってくれ」
「それには流石に無理だよ。だって僕はシルビアが集めた魔石を受け取っていないのだから。本当に80個集まったかどうかも分からない。証拠がないじゃないか?」
「そ、それは…っ!」
確かにアンリ王子の言うことは的を得ている。
「ねぇ、アンリ王子。流石にまた80個シルビアさんに集めさせるのは気の毒だわ。せめて半分の40個だけにしてあげたら?」
「ふむ…確かにジュリエッタの言うことは一理あるかもね?よし、いいだろう。それじゃシルビア。40個に免除してあげるから今月中に集めるんだよ?いいね?」
それは有無を言わさないものだった。
「は、はい…分かりました」
「よし、なら決まりだ。シルビア、君はもう今日は休んだほうがいいね。切られているんだろう?」
「はい、そうです…」
そして次にアンリ王子はユベールを見た。
「ユベール、君は今日中に自分の代わりに僕を護衛してくれる騎士を見つけて来るんだよ?まぁ…中々難しいとは思うけどね」
え…?それは一体どういう意味なのだろう?
「君たち、もう下がっていいよ」
アンリ王子が私とユベールに言った。
「ああ、分かった。行こう、シルビア」
「はい」
私は返事をするとアンリ王子に向き直った。
「失礼致します」
「ああ、またね」
アンリ王子に頭を下げると、私とユベールは部屋を後にした―。
突然ユベールがアンリ王子に頭を下げたので私は驚いてしまった。
「へぇ…驚いたな。君がそんな態度を取るなんて…」
アンリ王子は面白そうにユベールを見つめている。
「…」
しかし、ユベールは無反応だ。
「ユベール、貴方…それほどシルビアさんの事を?」
ジュリエッタの言葉にユベールはピクリと反応した。
「それで?ユベール。君の望みはそれだけかい?」
アンリ王子は目の前の皿からクッキーを口に入れて、飲みこむとユベールに尋ねた。
「アンリ王子…」
「ほら、早く言いなよ」
「もう一度…俺を…いや、私をシルビアの魔石探しのパートナーにさせて下さい。お願いします」
そしてユベールは頭を下げた。
「ユ、ユベール様…っ!」
私は信じられない気持ちでユベールの後姿を見つめていた。ユベールにとって、この世で大切なものはアンリ王子とジュリエッタだけだったはず。それなのにアンリ王子の護衛騎士を一旦退いて、私のパートナーにさせて欲しいとお願いしてくれるなんて…。
「駄目だね。君がいなくなれば誰が僕の護衛騎士になるって言うんだい?」
「近衛騎士団がいるではありませんか。彼らは皆優秀です。そこから誰か人材を選べばいいのではありませんか?」
「そうかい、なら君が声を掛けて選んでくれよ。今日中にね。もし見つからなければ今まで通りに僕の護衛騎士を続けて貰い、シルビアには諦めて貰う。それでいいね?」
「ああ…それでいい。後は…」
ユベールはチラリと私を見た。
「シルビアの魔石の件だ。彼女は魔石を集めたんだ。免除してやってくれ」
「それには流石に無理だよ。だって僕はシルビアが集めた魔石を受け取っていないのだから。本当に80個集まったかどうかも分からない。証拠がないじゃないか?」
「そ、それは…っ!」
確かにアンリ王子の言うことは的を得ている。
「ねぇ、アンリ王子。流石にまた80個シルビアさんに集めさせるのは気の毒だわ。せめて半分の40個だけにしてあげたら?」
「ふむ…確かにジュリエッタの言うことは一理あるかもね?よし、いいだろう。それじゃシルビア。40個に免除してあげるから今月中に集めるんだよ?いいね?」
それは有無を言わさないものだった。
「は、はい…分かりました」
「よし、なら決まりだ。シルビア、君はもう今日は休んだほうがいいね。切られているんだろう?」
「はい、そうです…」
そして次にアンリ王子はユベールを見た。
「ユベール、君は今日中に自分の代わりに僕を護衛してくれる騎士を見つけて来るんだよ?まぁ…中々難しいとは思うけどね」
え…?それは一体どういう意味なのだろう?
「君たち、もう下がっていいよ」
アンリ王子が私とユベールに言った。
「ああ、分かった。行こう、シルビア」
「はい」
私は返事をするとアンリ王子に向き直った。
「失礼致します」
「ああ、またね」
アンリ王子に頭を下げると、私とユベールは部屋を後にした―。
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