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4-18 言い知れぬ不安
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車椅子を押してもらいながら私はキリアンに尋ねた。
「キリアン様、魔石は今日何個集まったのでしょうか?」
私は魔石を見つけるのだけが精いっぱいで、数まで数える余裕は無かった。
「君は今日だけで魔石を15個集めているよ」
「15個ですか…」
来月までにアンリ王子に魔石を70個集めるように言われているけれども‥‥果たして私は無事集める事が出来るのだろうか?
「どうかしたのか?シルビア。何だか声に元気が無いように感じるけど?あ、ごめん。元気が無くて当然だったな。何しろ君は毒蛇に噛まれて大変だったんだからね」
「は、はい…そうですね」
何だろう…今のキリアンの話し方…正直に言うと、一瞬ゾッとした。言いようの無い不安感が足元から這い上がって来るような、そんな感覚だ。ひょっとして私は…選択を誤ってしまったのだろうか…?
「シルビア」
「は、はいっ!」
突然耳元で名前を呼ばれて心臓が止まりそうになった。
「部屋に着いたよ」
見るとそこは私の部屋の前だった。
「あ、ありがとうございます。キリアン様」
「今日はあんな事があったから君の部屋で俺が寝ずの番をしようか?」
「えっ?!」
何所まで冗談で何所までが本気なのかは分らないが、はっきり言って今の状況は笑えない。今のキリアンには何か言い知れぬ恐ろしさを感じるからだ。
「い、いえ。大丈夫です、魔石集めのゲームの時間はもう終わっているので」
焦りながら、キリアンを見た。
「ふ~ん…でもその身体じゃダイニングルームへ食事に行くのは難しいんじゃないかな?俺が付き添ってあげるよ?」
やたらと私と離れたがらないキリアンに言った。
「それならご心配いりません。ユベール様が食事は自室で取れるように手配して下さったので。」
「そうなのかい?でも1人では不安じゃないか?」
「大丈夫です。ユベール様は専属メイドも付けてくれましたから」
「え?」
その時、キリアンは怪訝そうな顔をした。
「専属メイド?あいつが君に付けたのか?」
「ええ。そうです」
「おかしいな…?そんなはずは…」
「キリアン様?」
今の台詞は一体…・?
「あ、何でもない。そうか、専属メイドを付けていたのか。なら大丈夫だな?それじゃまたな。今夜はゆっくり休んだ方がいい。明日も今日と同じ場所と時間でいいのかな?」
「はい、それで大丈夫です」
「分った、お休み。あ、扉は開けてあげるよ」
キリアンは私の代わりに部屋の扉を開けてくれた。そして車椅子を押して部屋の中まで連れて来て暮れると言った。
「それじゃ、今度こそ退散するよ、また明日」
「はい、明日よろしくお願いします」
するとキリアンは笑みを浮かべ、手を振ると去って行った。
「ふう…やっと1人になれた…。」
溜息をついて、試しにうでを動かしてみると、いつの間にか私は自分の身体が動かせるようになっていた。
「良かった…身体が動かせるようになってる」
ベッドに向かい、ゴロリと横になると天井を見つめながら思った。あの時、何故キリアンは部屋を出て行ったのだろう?そしてその直後私は毒蛇に噛まれて死にそうな目目に遭った。今までユベールと魔石探しをしていて、今日ほど命の危機にさらされた事は無かった。あれは…偶然だったのだろうか?ユベールは今何をして過ごしているのだろうか?
「ユベール様…」
気付けば、私はユベールの名を呟いていた―。
「キリアン様、魔石は今日何個集まったのでしょうか?」
私は魔石を見つけるのだけが精いっぱいで、数まで数える余裕は無かった。
「君は今日だけで魔石を15個集めているよ」
「15個ですか…」
来月までにアンリ王子に魔石を70個集めるように言われているけれども‥‥果たして私は無事集める事が出来るのだろうか?
「どうかしたのか?シルビア。何だか声に元気が無いように感じるけど?あ、ごめん。元気が無くて当然だったな。何しろ君は毒蛇に噛まれて大変だったんだからね」
「は、はい…そうですね」
何だろう…今のキリアンの話し方…正直に言うと、一瞬ゾッとした。言いようの無い不安感が足元から這い上がって来るような、そんな感覚だ。ひょっとして私は…選択を誤ってしまったのだろうか…?
「シルビア」
「は、はいっ!」
突然耳元で名前を呼ばれて心臓が止まりそうになった。
「部屋に着いたよ」
見るとそこは私の部屋の前だった。
「あ、ありがとうございます。キリアン様」
「今日はあんな事があったから君の部屋で俺が寝ずの番をしようか?」
「えっ?!」
何所まで冗談で何所までが本気なのかは分らないが、はっきり言って今の状況は笑えない。今のキリアンには何か言い知れぬ恐ろしさを感じるからだ。
「い、いえ。大丈夫です、魔石集めのゲームの時間はもう終わっているので」
焦りながら、キリアンを見た。
「ふ~ん…でもその身体じゃダイニングルームへ食事に行くのは難しいんじゃないかな?俺が付き添ってあげるよ?」
やたらと私と離れたがらないキリアンに言った。
「それならご心配いりません。ユベール様が食事は自室で取れるように手配して下さったので。」
「そうなのかい?でも1人では不安じゃないか?」
「大丈夫です。ユベール様は専属メイドも付けてくれましたから」
「え?」
その時、キリアンは怪訝そうな顔をした。
「専属メイド?あいつが君に付けたのか?」
「ええ。そうです」
「おかしいな…?そんなはずは…」
「キリアン様?」
今の台詞は一体…・?
「あ、何でもない。そうか、専属メイドを付けていたのか。なら大丈夫だな?それじゃまたな。今夜はゆっくり休んだ方がいい。明日も今日と同じ場所と時間でいいのかな?」
「はい、それで大丈夫です」
「分った、お休み。あ、扉は開けてあげるよ」
キリアンは私の代わりに部屋の扉を開けてくれた。そして車椅子を押して部屋の中まで連れて来て暮れると言った。
「それじゃ、今度こそ退散するよ、また明日」
「はい、明日よろしくお願いします」
するとキリアンは笑みを浮かべ、手を振ると去って行った。
「ふう…やっと1人になれた…。」
溜息をついて、試しにうでを動かしてみると、いつの間にか私は自分の身体が動かせるようになっていた。
「良かった…身体が動かせるようになってる」
ベッドに向かい、ゴロリと横になると天井を見つめながら思った。あの時、何故キリアンは部屋を出て行ったのだろう?そしてその直後私は毒蛇に噛まれて死にそうな目目に遭った。今までユベールと魔石探しをしていて、今日ほど命の危機にさらされた事は無かった。あれは…偶然だったのだろうか?ユベールは今何をして過ごしているのだろうか?
「ユベール様…」
気付けば、私はユベールの名を呟いていた―。
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