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4-17 不仲?
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私はあえてその話には触れずにキリアンに尋ねた。
「今は何時でしょうか?」
「ああ、もうすぐ17時になる。魔石探しも終わりかな?」
「キリアンは壁に掛けられた時計を見ながら答える。
「えっ?!も、もうそんな時間なのですかっ?!」
私が蛇に噛まれたのはまだお昼にもなっていなかった。正確な時間は分らないが、恐らく11時頃だったと思う。そうなると私は6時間以上気を失っていたことになる。
「すみませんでした!キリアン様の大切な時間を奪ってしまって…!」
何て事をしてしまったのだろう。私は深々と頭を下げると、キリアンの戸惑った声が聞こえて来た。
「シルビア…何故謝るんだ?」
「え…?」
顔を上げると、いつの間にか至近距離でキリアンが見つめていた。
「キ、キリアン様…?」
少しだけキリアンの瞳に危険な光を感じ、私は勤務医の姿を視線だけで探したが、どこにも見当たらない。
「あの、先生は…?」
「ああ、あの医者は今帰り支度をしているよ。もうこの医務室も閉める時間だから。それよりも今は君の話が先だ」
「わ、私の話…ですか?」
「ああ。そうだよ。いいかい?君は今日死にかけたんだよ?俺が見つけるのが遅かったら…下手したら命を落としていたかもしれないんだ」
「はい、分っています」
だって…過去、私は同じ蛇に噛まれて一度命を落としているから…。
「だったら何故謝るんだ?考えてみれば君は今日1日、ずっと俺に気を使いっぱなしだった。ユベールと魔石探しをしていた頃からそんな調子だったのかい?」
「キリアン様…」
「ユベールは…相当酷い態度を君に取っていたんだろう?あいつにとって大切な人物はアンリ王子とジュリエッタだけだからな」
分らない、何故だろう?キリアンとユベールは同じ騎士同士で仲間なのではないだろうか?なのに何故キリアンはユベールの事を悪く言うのだろう?
「あの、キリアン様とユベール様は…友人なのでは?」
「友人?俺とあいつが?やめてくれよ。あいつはな、さっきも言ったようにアンリ王子とジュリエッタ以外の人間には興味がないのさ。あの2人の為なら他人の命だって踏みつけにするに決まっている。」
何故、キリアンはそこまでユベールの事を悪く言うのだろう?私は過去12回のデスループの世界で一度も彼に関わった事は無かったのでユベールとの関係が全く分からなかった。
「あんな…冷酷な人間はいないさ。アンリ王子やジュリエッタが人を殺せと命じれば迷わず実行するだろうさ」
キリアンは私から視線をそらせるように言う。だけど、キリアンの話は全て憶測に過ぎない。それに、私はもうユベールを好きになっていた。
最初の頃は彼に嫌われないように気を遣う事で精いっぱいだった。けれども…少しずつではあったけれどもユベールは私への態度を軟化して行き…気付けば私は彼を好きになっていたのだ。例え、決して報われる事の無い恋だとしても…。
「キリアン様。ユベール様はそんな残酷な方ではありません」
これ以上ユベールの悪口を聞きたくなかった私はキリアンに意見した。
「シルビア…君はユベールをかばうのか?あいつが冷たい男だって言うのは分っているだろう?現にあいつは君と魔石探しの真っ最中なのにアンリ王子に命じられて護衛騎士に戻ったのだから」
「でもそれは当然ではありませんか?アンリ王子はこの国の王子です。従うのは当然です」
するとキリアンは言った。
「シルビア…君は知らないだろうけど、アンリ王子は…」
え?アンリ王子がどうしたの?
その時―
ゴーン
ゴーン
ゴーン
時計が17時を知らせる音を鳴らした。
「ああ、時間になったね。よし、シルビア。歩けるか?部屋まで送ろう」
「は、はい…ん…!」
起き上がろうと思い、身体を起こそうとしたがどうにも動かす事が出来なかった。
「ああ、やっぱりまだ無理だったかな?それなら俺が連れて行ってあげよう」
キリアンは一度カーテンの向こう側へ引っ込むと、車椅子を持って現れた。
「さあ、シルビア。これに乗ると良いよ」
「あ、ありがとうございます」
私はキリアンの手助けで車椅子に乗せてもらい、部屋まで戻る事になった―。
「今は何時でしょうか?」
「ああ、もうすぐ17時になる。魔石探しも終わりかな?」
「キリアンは壁に掛けられた時計を見ながら答える。
「えっ?!も、もうそんな時間なのですかっ?!」
私が蛇に噛まれたのはまだお昼にもなっていなかった。正確な時間は分らないが、恐らく11時頃だったと思う。そうなると私は6時間以上気を失っていたことになる。
「すみませんでした!キリアン様の大切な時間を奪ってしまって…!」
何て事をしてしまったのだろう。私は深々と頭を下げると、キリアンの戸惑った声が聞こえて来た。
「シルビア…何故謝るんだ?」
「え…?」
顔を上げると、いつの間にか至近距離でキリアンが見つめていた。
「キ、キリアン様…?」
少しだけキリアンの瞳に危険な光を感じ、私は勤務医の姿を視線だけで探したが、どこにも見当たらない。
「あの、先生は…?」
「ああ、あの医者は今帰り支度をしているよ。もうこの医務室も閉める時間だから。それよりも今は君の話が先だ」
「わ、私の話…ですか?」
「ああ。そうだよ。いいかい?君は今日死にかけたんだよ?俺が見つけるのが遅かったら…下手したら命を落としていたかもしれないんだ」
「はい、分っています」
だって…過去、私は同じ蛇に噛まれて一度命を落としているから…。
「だったら何故謝るんだ?考えてみれば君は今日1日、ずっと俺に気を使いっぱなしだった。ユベールと魔石探しをしていた頃からそんな調子だったのかい?」
「キリアン様…」
「ユベールは…相当酷い態度を君に取っていたんだろう?あいつにとって大切な人物はアンリ王子とジュリエッタだけだからな」
分らない、何故だろう?キリアンとユベールは同じ騎士同士で仲間なのではないだろうか?なのに何故キリアンはユベールの事を悪く言うのだろう?
「あの、キリアン様とユベール様は…友人なのでは?」
「友人?俺とあいつが?やめてくれよ。あいつはな、さっきも言ったようにアンリ王子とジュリエッタ以外の人間には興味がないのさ。あの2人の為なら他人の命だって踏みつけにするに決まっている。」
何故、キリアンはそこまでユベールの事を悪く言うのだろう?私は過去12回のデスループの世界で一度も彼に関わった事は無かったのでユベールとの関係が全く分からなかった。
「あんな…冷酷な人間はいないさ。アンリ王子やジュリエッタが人を殺せと命じれば迷わず実行するだろうさ」
キリアンは私から視線をそらせるように言う。だけど、キリアンの話は全て憶測に過ぎない。それに、私はもうユベールを好きになっていた。
最初の頃は彼に嫌われないように気を遣う事で精いっぱいだった。けれども…少しずつではあったけれどもユベールは私への態度を軟化して行き…気付けば私は彼を好きになっていたのだ。例え、決して報われる事の無い恋だとしても…。
「キリアン様。ユベール様はそんな残酷な方ではありません」
これ以上ユベールの悪口を聞きたくなかった私はキリアンに意見した。
「シルビア…君はユベールをかばうのか?あいつが冷たい男だって言うのは分っているだろう?現にあいつは君と魔石探しの真っ最中なのにアンリ王子に命じられて護衛騎士に戻ったのだから」
「でもそれは当然ではありませんか?アンリ王子はこの国の王子です。従うのは当然です」
するとキリアンは言った。
「シルビア…君は知らないだろうけど、アンリ王子は…」
え?アンリ王子がどうしたの?
その時―
ゴーン
ゴーン
ゴーン
時計が17時を知らせる音を鳴らした。
「ああ、時間になったね。よし、シルビア。歩けるか?部屋まで送ろう」
「は、はい…ん…!」
起き上がろうと思い、身体を起こそうとしたがどうにも動かす事が出来なかった。
「ああ、やっぱりまだ無理だったかな?それなら俺が連れて行ってあげよう」
キリアンは一度カーテンの向こう側へ引っ込むと、車椅子を持って現れた。
「さあ、シルビア。これに乗ると良いよ」
「あ、ありがとうございます」
私はキリアンの手助けで車椅子に乗せてもらい、部屋まで戻る事になった―。
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