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4-14 キリアンとの初めての魔石探し
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「今夜は御馳走に預かりまして、ありがとうございました」
部屋の前まで送ってくれたキリアンに頭を下げて礼を述べた。
「本当に一晩中、付き添わなくていいのかい?」
キリアンは冗談とも本気とも取れかねない事を言って来た。
「はい、ご心配には及びません。魔石探しの時間は午前9時から午後5時までと決められているので、時間外は魔石を奪う行為も禁止されているのです。それに第一今日は魔石探しは無い日だったので、襲われる心配はありません」
「そうか、分ったよ。それじゃ、俺は朝8時半に迎えにくればいいんだね?」
「別に迎えに来て頂かなくても大丈夫ですよ。魔石探しを始める場所で待ち合わせでもいいのですから」
「そうなのかい?それで明日の魔石探しは何所でやるのか分かっているのかな?」
「はい、私は明日からは東塔の2階をくまなく探す様にアンリ王子に言われています」
昨日、私達の自室に手紙が届けられており、それぞれの探し場所を支持されていたのだ。
「分った。それじゃ明日、東塔で9時に会おう。お休み、シルビア」
「はい、おやすみなさい、キリアン様」
キリアンは手を振ると、去って行った。私は彼が見えなくなるまで見送ると扉を開けて自室へと入った―。
****
翌朝9時―
「おはようございます。キリアン様」
東塔の2階へ行くと、すでにそこにはキリアンが待っていた。彼はユベールと同様、騎士の恰好をしている。
「ああ、おはよう。シルビア。よく眠れたかい?」
「え?あ、はい。眠れました」
「そうか、それは良かった」
「ありがとうございます」
「実は俺は緊張して一睡も出来なかったんだ」
「え?!冗談ですよね?!」
そんな、騎士であるキリアンがたかだか魔石探しで緊張するなんてあり得ない。
「いや、本当さ。今日から魔石探しの期間、ずっとシルビアと一緒だと思うと緊張して仕方が無いんだ」
キリアンの言葉に一瞬固まりかけたが、すぐに理解した。
「ありがとうございます、ひょっとして私が緊張していると思って、場を和ませるために言った言葉ですよね?」
するとキリアンが笑いながら言った。
「う~ん…別にそんな意味で言ったわけじゃないけど…でも、まぁいいか」
その時―
ボーン
ボーン
ボーン
城の振り子時計が鳴り響き、9時を告げた。
「時間だな、シルビア」
「はい、キリアン様」
「では魔石探しを始めるか?」
キリアンは笑みを浮かべた―。
****
「ハアハアハア…」
荒い息を吐いて、床に座り込んでいると魔石を袋にしまったキリアンが部屋の隅に座り込んでいる私の元へ駆け寄って来た。
「シルビア!」
「あ…キリアン様…」
青ざめた顔でキリアンを見上げる。
「大丈夫か?シルビア」
「は、はい…大丈夫です。ここには魔石はもうありませんから、次の場所へ移動しましょう」
立ち上がろうとするとキリアンに止められた。
「駄目だ、シルビア。少し休んだ方がいい」
「私ならもう大丈夫ですよ?行きましょう」
立ち上がろうとしてキリアンに肩を抑え込まれた。
「無理をしてはいけない。俺には魔石を探す事はできないのだから」
「はい…すみません…」
「シルビア…魔石探しの時はいつもそうなってしまうのか?」
キリアンが神妙な顔で尋ねて来た。
「はい、そうです。魔石の力にあてられてしまうみたいで…具合が悪くなってしまうんです」
「そうなのか?大変なんだな…色々と」
「まぁ、仕方ありません。体質なので」
「…少し部屋の外を見て来る。ここで待っていてくれ」
不意にキリアンが言った。
「え?]
そして立ち上がると部屋の外に出て行ってしまった。何故キリアンは不意に出て行ってしまったのだろう?
その時―
「ッ!」
次の激しい痛みを右足首に感じた。
「え…?」
私は目を疑った―。
部屋の前まで送ってくれたキリアンに頭を下げて礼を述べた。
「本当に一晩中、付き添わなくていいのかい?」
キリアンは冗談とも本気とも取れかねない事を言って来た。
「はい、ご心配には及びません。魔石探しの時間は午前9時から午後5時までと決められているので、時間外は魔石を奪う行為も禁止されているのです。それに第一今日は魔石探しは無い日だったので、襲われる心配はありません」
「そうか、分ったよ。それじゃ、俺は朝8時半に迎えにくればいいんだね?」
「別に迎えに来て頂かなくても大丈夫ですよ。魔石探しを始める場所で待ち合わせでもいいのですから」
「そうなのかい?それで明日の魔石探しは何所でやるのか分かっているのかな?」
「はい、私は明日からは東塔の2階をくまなく探す様にアンリ王子に言われています」
昨日、私達の自室に手紙が届けられており、それぞれの探し場所を支持されていたのだ。
「分った。それじゃ明日、東塔で9時に会おう。お休み、シルビア」
「はい、おやすみなさい、キリアン様」
キリアンは手を振ると、去って行った。私は彼が見えなくなるまで見送ると扉を開けて自室へと入った―。
****
翌朝9時―
「おはようございます。キリアン様」
東塔の2階へ行くと、すでにそこにはキリアンが待っていた。彼はユベールと同様、騎士の恰好をしている。
「ああ、おはよう。シルビア。よく眠れたかい?」
「え?あ、はい。眠れました」
「そうか、それは良かった」
「ありがとうございます」
「実は俺は緊張して一睡も出来なかったんだ」
「え?!冗談ですよね?!」
そんな、騎士であるキリアンがたかだか魔石探しで緊張するなんてあり得ない。
「いや、本当さ。今日から魔石探しの期間、ずっとシルビアと一緒だと思うと緊張して仕方が無いんだ」
キリアンの言葉に一瞬固まりかけたが、すぐに理解した。
「ありがとうございます、ひょっとして私が緊張していると思って、場を和ませるために言った言葉ですよね?」
するとキリアンが笑いながら言った。
「う~ん…別にそんな意味で言ったわけじゃないけど…でも、まぁいいか」
その時―
ボーン
ボーン
ボーン
城の振り子時計が鳴り響き、9時を告げた。
「時間だな、シルビア」
「はい、キリアン様」
「では魔石探しを始めるか?」
キリアンは笑みを浮かべた―。
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「ハアハアハア…」
荒い息を吐いて、床に座り込んでいると魔石を袋にしまったキリアンが部屋の隅に座り込んでいる私の元へ駆け寄って来た。
「シルビア!」
「あ…キリアン様…」
青ざめた顔でキリアンを見上げる。
「大丈夫か?シルビア」
「は、はい…大丈夫です。ここには魔石はもうありませんから、次の場所へ移動しましょう」
立ち上がろうとするとキリアンに止められた。
「駄目だ、シルビア。少し休んだ方がいい」
「私ならもう大丈夫ですよ?行きましょう」
立ち上がろうとしてキリアンに肩を抑え込まれた。
「無理をしてはいけない。俺には魔石を探す事はできないのだから」
「はい…すみません…」
「シルビア…魔石探しの時はいつもそうなってしまうのか?」
キリアンが神妙な顔で尋ねて来た。
「はい、そうです。魔石の力にあてられてしまうみたいで…具合が悪くなってしまうんです」
「そうなのか?大変なんだな…色々と」
「まぁ、仕方ありません。体質なので」
「…少し部屋の外を見て来る。ここで待っていてくれ」
不意にキリアンが言った。
「え?]
そして立ち上がると部屋の外に出て行ってしまった。何故キリアンは不意に出て行ってしまったのだろう?
その時―
「ッ!」
次の激しい痛みを右足首に感じた。
「え…?」
私は目を疑った―。
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