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4-13 大衆食堂でキリアンと
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今私はキリアンと一緒に城下町の大衆食堂に来ていた。このお店は人気店らしく、店内はほぼ満席状態だった。しかも珍しい事に来店客の半数以上は女性でしめていたのだ。
「どうしたんだい?シルビア。さっきから何だか元気が無いようだけど?」
ざわつく店内でキリアンが声を掛けて来た。
「え?そんな事無いですよ?」
慌てて笑顔で答えると、目の前のシーフード料理にフォークを刺して口にいれる。
「どうだい?ここの食堂はこの地域では珍しくシーフード料理が食べられる店なんだ。やっぱり女の子なら、こういうあっさりした料理の方がいいかなと思って誘ってみたんだよ」
キリアンがニコニコしながら言う。
「そうなんですね?お気遣いありがとうございます。嬉しいです。こんな素敵な店に連れて来て下さって。感謝致します」
すると何故かキリアンがじ~っと私を見つめている。
「あ、あの…何か?」
「いや、さっき随分落ち込んでいるように見えたから…何かあったのかと思って少し心配してたんだ」
「そうですか?私はいつもと変わりないですよ」
カニクリームコロッケを口にすると答えた。
「でも少なくとも待ち合わせ場所に現れた君は随分落ち込んでいるように見えたよ。ひょっとして…ユベールと何かあった?」
ユベールの名前が出てくるとは思わなかった。
「いえ、何もありませんよ?何故そう思ったのですか?」
そう、むしろ私とユベールの間で何かが起こるはずは無いのだ。元々私とユベールはこの魔石探しの間、パートナになってもらった。それだけの希薄な関係なのだから。
「シルビア、君はユベールの事どう思ってるの?」
キリアンの突然の質問に驚いた。
「とても強い方だと思います。今までユベール様がついていて下さらなかったら、魔石集めはとても無理だったと思います」
「へぇ~そうなのか。でもユベールはそれ程頼りになったのか。これは俺もユベールに負けないように頑張らないとな」
キリアンは大まじめで言う。
「でもキリアン様も十分お強いですよ。剣術の訓練見ていましたから。4人がかりでかかって来た相手をたやすく倒されていましたよね?」
「ああ。シルビアが見ていたことが分ったから、いつも以上に頑張ったんだよ」
「またまたお上手な事を言いますね?」
私はクスクス笑いながら言う。
「良かった」
キリアンがポツリと言った。
「え?何がですか?」
「ようやく、少しは笑って話してくれるようになったみたいだね」
「そうでしょう…か…」
自分では少しも意識していなかったけれども。
「ああ、そうさ。だからユベールと何かあったのではないかと思ったんだ」
「別に…何もありませんでしたよ?」
だって私とユベールは魔石探しの為だけのパートナーだったのだから。
「本当に?」
なのにキリアンはじっと私の目を見て尋ねている。何かユベールの事を話さなくてはこの話を終わりにしてくれそうになかった。そこで私はアンリ王子の言っていた言葉を思い出した。
「あの…」
「何だい?」
キリアンがジョッキでアルコールを飲みながら返事をした。
「キリアン様は…アンリ王子とユベール様の関係を…何かご存知ですか?」
ゴトン
キリアンがジョッキを木製のテーブルの上に置いた。
「何故、そんな事を聞くんだい?」
「アンリ王子がユベール様に意味深な事を仰られたからです。ユベール様はアンリ王子に歯向かえない立場に置かれていると…」
「っ!」
キリアンが一瞬、不意を突かれたかのような顔つきをしたが、すぐに普段通りの顔に戻ると言った。
「それはそうさ、俺達騎士は絶対アンリ王子に歯向かえない立場に置かれているんだから何もユベールが特別ってわけじゃないのさ」
「そ、そうですよね?変な事聞いて申し訳ございませんでした」
この時、私は思った。
キリアンは…私には言えないアンリ王子とユベールの関係を知っているのだと―。
「どうしたんだい?シルビア。さっきから何だか元気が無いようだけど?」
ざわつく店内でキリアンが声を掛けて来た。
「え?そんな事無いですよ?」
慌てて笑顔で答えると、目の前のシーフード料理にフォークを刺して口にいれる。
「どうだい?ここの食堂はこの地域では珍しくシーフード料理が食べられる店なんだ。やっぱり女の子なら、こういうあっさりした料理の方がいいかなと思って誘ってみたんだよ」
キリアンがニコニコしながら言う。
「そうなんですね?お気遣いありがとうございます。嬉しいです。こんな素敵な店に連れて来て下さって。感謝致します」
すると何故かキリアンがじ~っと私を見つめている。
「あ、あの…何か?」
「いや、さっき随分落ち込んでいるように見えたから…何かあったのかと思って少し心配してたんだ」
「そうですか?私はいつもと変わりないですよ」
カニクリームコロッケを口にすると答えた。
「でも少なくとも待ち合わせ場所に現れた君は随分落ち込んでいるように見えたよ。ひょっとして…ユベールと何かあった?」
ユベールの名前が出てくるとは思わなかった。
「いえ、何もありませんよ?何故そう思ったのですか?」
そう、むしろ私とユベールの間で何かが起こるはずは無いのだ。元々私とユベールはこの魔石探しの間、パートナになってもらった。それだけの希薄な関係なのだから。
「シルビア、君はユベールの事どう思ってるの?」
キリアンの突然の質問に驚いた。
「とても強い方だと思います。今までユベール様がついていて下さらなかったら、魔石集めはとても無理だったと思います」
「へぇ~そうなのか。でもユベールはそれ程頼りになったのか。これは俺もユベールに負けないように頑張らないとな」
キリアンは大まじめで言う。
「でもキリアン様も十分お強いですよ。剣術の訓練見ていましたから。4人がかりでかかって来た相手をたやすく倒されていましたよね?」
「ああ。シルビアが見ていたことが分ったから、いつも以上に頑張ったんだよ」
「またまたお上手な事を言いますね?」
私はクスクス笑いながら言う。
「良かった」
キリアンがポツリと言った。
「え?何がですか?」
「ようやく、少しは笑って話してくれるようになったみたいだね」
「そうでしょう…か…」
自分では少しも意識していなかったけれども。
「ああ、そうさ。だからユベールと何かあったのではないかと思ったんだ」
「別に…何もありませんでしたよ?」
だって私とユベールは魔石探しの為だけのパートナーだったのだから。
「本当に?」
なのにキリアンはじっと私の目を見て尋ねている。何かユベールの事を話さなくてはこの話を終わりにしてくれそうになかった。そこで私はアンリ王子の言っていた言葉を思い出した。
「あの…」
「何だい?」
キリアンがジョッキでアルコールを飲みながら返事をした。
「キリアン様は…アンリ王子とユベール様の関係を…何かご存知ですか?」
ゴトン
キリアンがジョッキを木製のテーブルの上に置いた。
「何故、そんな事を聞くんだい?」
「アンリ王子がユベール様に意味深な事を仰られたからです。ユベール様はアンリ王子に歯向かえない立場に置かれていると…」
「っ!」
キリアンが一瞬、不意を突かれたかのような顔つきをしたが、すぐに普段通りの顔に戻ると言った。
「それはそうさ、俺達騎士は絶対アンリ王子に歯向かえない立場に置かれているんだから何もユベールが特別ってわけじゃないのさ」
「そ、そうですよね?変な事聞いて申し訳ございませんでした」
この時、私は思った。
キリアンは…私には言えないアンリ王子とユベールの関係を知っているのだと―。
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