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3−17 キリアンの申し出
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「それはユベール様がアンリ王子の専属騎士に選ばれるほどお強いからです」
「だが、途中でユベールがアンリ王子に専属騎士に戻るように言われて君のそばからいなくなったらどうする?1人で魔石を集めて、尚且奪いに来る者から自分の身を守れるのか?」
「はい、ですから自分の身を守る為のアイテムを見に来たんです」
「脅すわけなじゃないが…アイテムだけで身を守れるとは思えない。それに防御用のアイテムはすごく高価なんだぞ?」
「あの…自分の買える範囲内でのアイテムを買えればと思っています」
私だって今回はもう死にたくはない。今回も仮に殺されてしまったとして、次のループが発生するか等分からないし、もう同じ時を何度も何度もやり直したくない。私はなんとしても7月7日を超えて生きていきたい。
「おい、キリアン。もういいだろう?俺たちはこれからアイテムを探しに行かなければならないんだ。行こう、シルビア」
ユベールが背を向けたので、私はキリアンに挨拶をした。
「はい、失礼致します。キリアン様」
頭を下げて立ち去ろうとした時、キリアンに声をかけられた。
「待って、シルビア」
「はい?」
振り向くとキリアンが笑みを浮かべて私を見ると言った。
「シルビア。どうだろう?ユベールはやめにして俺を専属騎士にしてみないか?」
「キリアンッ?!」
ユベールが驚きの声を上げる。
「え?それは…」
戸惑っているとキリアンが続けた。
「俺ならいつでも君の護衛騎士になってあげるよ。君が望むならそれこそ24時間つきっきりで護衛してあげたって構わないよ。ユベール程じゃないけど、俺もそこそこ強いからね。」
「キリアンッ!お前、一体何を言い出すんだっ?!」
ユベールが険しい顔でキリアンを見た。
「うるさいな、お前には関係ないだろう?俺は今シルビアに話しかけているんだ」
そして一歩私に近づいた。
「それに俺は君が気に入ったよ。ユベールはどうせアンリ王子とジュリエッタ至上主義なんだから」
「黙れ、キリアン。ジュリエッタの事は口にするな」
ユベールがキリアンの襟首を掴んだ。
「何言ってるんだ?事実だろう?それじゃお前、仮にジュリエッタとシルビアが同時に危機に陥ったら、どちらを先に助けるんだ?」
「それは…!」
ユベールはそこで言葉を切った。
「ほら、見ろ。答えられないんだろう?つまりお前はシルビアの護衛騎士にも関わらず、いざジュリエッタの身に危険が迫った時はシルビアを切り捨てるって事なんだよ。そんな不誠実な男が護衛騎士なんて彼女が気の毒だ。俺なら当然シルビアを助けるがな」
キリアンは一気にまくしたてるように言うが、ユベールは一言も言い返せないでいた。これ以上キリアンがユベールを責め立てて、私の護衛騎士を降りると言い出されてはたまらない。
私はキリアンとユベールの間に割って入った。
「待って下さい!キリアン様!」
「シルビア…」
キリアンは私を見た。
「別にそれでも構いません。全て分かっているうえで私はユベール様に仲間になってもらうように頼んだのですから。やはりどうせ仲間にするなら一番強い方になってもらいたいです」
「シルビア…」
ユベールが私を見た。私はユベールを見て笑みを浮かべると言った。
「さあ、行きましょう。ユベール様。どんなアイテムがあるか楽しみです」
「あ、ああ。行くか…」
私は改めてキリアンを見ると言った。
「キリアン様」
「シルビア…」
「心配して頂きまして、ありがとうございます。お気持ち、嬉しかったです。では失礼致します」
頭を下げてユベールとその場を立ち去ろうとした時、キリアンに呼びかけられた。
「シルビア」
振り向くとキリアンが言った。
「護衛騎士の件…いつでも言ってくれよ」
「はい、ありがとうございます」
するとキリアンは手を振って、その場を去って行った―。
「だが、途中でユベールがアンリ王子に専属騎士に戻るように言われて君のそばからいなくなったらどうする?1人で魔石を集めて、尚且奪いに来る者から自分の身を守れるのか?」
「はい、ですから自分の身を守る為のアイテムを見に来たんです」
「脅すわけなじゃないが…アイテムだけで身を守れるとは思えない。それに防御用のアイテムはすごく高価なんだぞ?」
「あの…自分の買える範囲内でのアイテムを買えればと思っています」
私だって今回はもう死にたくはない。今回も仮に殺されてしまったとして、次のループが発生するか等分からないし、もう同じ時を何度も何度もやり直したくない。私はなんとしても7月7日を超えて生きていきたい。
「おい、キリアン。もういいだろう?俺たちはこれからアイテムを探しに行かなければならないんだ。行こう、シルビア」
ユベールが背を向けたので、私はキリアンに挨拶をした。
「はい、失礼致します。キリアン様」
頭を下げて立ち去ろうとした時、キリアンに声をかけられた。
「待って、シルビア」
「はい?」
振り向くとキリアンが笑みを浮かべて私を見ると言った。
「シルビア。どうだろう?ユベールはやめにして俺を専属騎士にしてみないか?」
「キリアンッ?!」
ユベールが驚きの声を上げる。
「え?それは…」
戸惑っているとキリアンが続けた。
「俺ならいつでも君の護衛騎士になってあげるよ。君が望むならそれこそ24時間つきっきりで護衛してあげたって構わないよ。ユベール程じゃないけど、俺もそこそこ強いからね。」
「キリアンッ!お前、一体何を言い出すんだっ?!」
ユベールが険しい顔でキリアンを見た。
「うるさいな、お前には関係ないだろう?俺は今シルビアに話しかけているんだ」
そして一歩私に近づいた。
「それに俺は君が気に入ったよ。ユベールはどうせアンリ王子とジュリエッタ至上主義なんだから」
「黙れ、キリアン。ジュリエッタの事は口にするな」
ユベールがキリアンの襟首を掴んだ。
「何言ってるんだ?事実だろう?それじゃお前、仮にジュリエッタとシルビアが同時に危機に陥ったら、どちらを先に助けるんだ?」
「それは…!」
ユベールはそこで言葉を切った。
「ほら、見ろ。答えられないんだろう?つまりお前はシルビアの護衛騎士にも関わらず、いざジュリエッタの身に危険が迫った時はシルビアを切り捨てるって事なんだよ。そんな不誠実な男が護衛騎士なんて彼女が気の毒だ。俺なら当然シルビアを助けるがな」
キリアンは一気にまくしたてるように言うが、ユベールは一言も言い返せないでいた。これ以上キリアンがユベールを責め立てて、私の護衛騎士を降りると言い出されてはたまらない。
私はキリアンとユベールの間に割って入った。
「待って下さい!キリアン様!」
「シルビア…」
キリアンは私を見た。
「別にそれでも構いません。全て分かっているうえで私はユベール様に仲間になってもらうように頼んだのですから。やはりどうせ仲間にするなら一番強い方になってもらいたいです」
「シルビア…」
ユベールが私を見た。私はユベールを見て笑みを浮かべると言った。
「さあ、行きましょう。ユベール様。どんなアイテムがあるか楽しみです」
「あ、ああ。行くか…」
私は改めてキリアンを見ると言った。
「キリアン様」
「シルビア…」
「心配して頂きまして、ありがとうございます。お気持ち、嬉しかったです。では失礼致します」
頭を下げてユベールとその場を立ち去ろうとした時、キリアンに呼びかけられた。
「シルビア」
振り向くとキリアンが言った。
「護衛騎士の件…いつでも言ってくれよ」
「はい、ありがとうございます」
するとキリアンは手を振って、その場を去って行った―。
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