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1-20 コーネリアの本性
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ゴーン
ゴーン
ゴーン・・・
夢の中で私の死を告げる鐘の音が聞こえてくる・・・。
いや・・やめて・・・。
その音は・・聞きたくない・・・聞かせないで・・・・。
「ハッ!」
突如、私は目が覚めて気付いた。服のままブランケットもかけずに私は眠ってしまっていたのだ。
「まさか・・あのまま眠ってしまうなんて・・・」
頭を押さえながらムクリと起き上がり、室内履きを履くと鏡を覗いてみた。
「うわ・・・酷いありさま・・」
髪の毛はボサボサだし、化粧も落とさないで眠ってしまったからお肌の調子も悪い気がする。
「シャワーを浴びたいわ・・・」
ポツリと呟き、クローゼットから着がえを出すとバスルームへ向かった―。
キュッキュッ
コックをひねり、熱いお湯を頭から被って先程頭の中で鳴っていた鐘の音を必死で頭から振り払う。
「駄目よ・・もうこれ以上死にたくないわ・・・。」
気付けばブツブツ呟いていた。それにしても我ながらよく12回も死を迎えておきながら冷静でいられていると思う。ほとんどの死は・・・苦しみを伴っていたと言うのに、今こうしてここにいると夢の世界で起こった出来事の様に感じてしまうから不思議だ。
「でも・・・後期試験までは私はテストを受けられないから最低でも5月まではここに残らないといけないのよね・・・?それまで私達は何をして過ごせばいいのかしら・・?」
しかし、後に私の疑問もすぐに解決する事になる―。
****
7時半―
食事の為にダイニングルームへ向かうと、過去12回のループとは明らかに様子が違っていた。食事の席が2ヵ所に分かれていたのだ。VIP ルームと称された部屋で食事が出来るのはいわゆる『魔力持ちグループ』。そして別の部屋は『魔力無しグループ』に分かれていたのだった。
「え・・・・?一体どういう事・・・?」
入口で戸惑っていると背後から声を掛けられた。
「おはよう、シルビア」
振り向くとそこに立っていたのはコーネリアだった。
「あ、お早う。コーネリア」
するとコーネリアは意地悪そうな顔をすると言った。
「シルビア・・・貴女、昨夜アンリ王子に呼ばれたんでしょう?」
「え?ええ・・・」
「フウン・・・うまいことやったわね」
「え・・?」
「あの魔力テストの事よ。どうせわざとあの場で気を失って、自分が魔力を持っていると見せかけて、このグループに入ったんでしょう?」
「ええ?!」
「全く・・卑怯な手を使ってくれるじゃない」
コーネリアは腕組みすると私を睨み付けた。
「ちょ、ちょっと待ってよ!それを言うなら貴女だって・・!」
そう、コーネリアは鐘の音が聞こえていなかった。だけど、私が鐘の音が聞こえると言ったから、その言葉を真似して・・・こちらのグループに入ることが出来たのだ。それなのに・・
「何よ?私が何をしたって言うの?」
その時・・・。
「ちょっと、貴女達邪魔よ。中に入れないでしょう?」
私達の背後から声が聞こえた。振り向くとそこに立っていたのはいつも最終試験に勝ち残っていたイメルダ、マグダレナ、ロシータの3人組だった。・・この頃から3人は親しかったのだろうか・・?
「それはすみませんでした!」
ツンとした顔でコーネリアは言うと、さっさとダイニングルームへと入って行った。それを見るとイメルダが呟いた。
「全く・・・偽物のくせに図々しい女ね・・・貴女の友達?」
「え?ま、まあ・・知り合いです」
いきなり話を振られて驚いたが、何とか愛想笑いをしながら答える。するとロシータが言った。
「あら、敬語なんて使わなくていいわよ?私達は同じ候補者なんだから?仲良くしましょう?」
「え・・?でも、候補者同士は仲良くしてはいけないと・・」
するとマグダレナが笑った。
「あら、いいのよ。方針が変わったのだから」
「方針?」
一体何の事だろう。するとイメルダが言った。
「その説明は朝食で教えてくれるわよ。さ、それじゃ2人共、行くわよ」
イメルダはマグダレナとロシータに声をかけるとダイニングルームに入って行った―
ゴーン
ゴーン・・・
夢の中で私の死を告げる鐘の音が聞こえてくる・・・。
いや・・やめて・・・。
その音は・・聞きたくない・・・聞かせないで・・・・。
「ハッ!」
突如、私は目が覚めて気付いた。服のままブランケットもかけずに私は眠ってしまっていたのだ。
「まさか・・あのまま眠ってしまうなんて・・・」
頭を押さえながらムクリと起き上がり、室内履きを履くと鏡を覗いてみた。
「うわ・・・酷いありさま・・」
髪の毛はボサボサだし、化粧も落とさないで眠ってしまったからお肌の調子も悪い気がする。
「シャワーを浴びたいわ・・・」
ポツリと呟き、クローゼットから着がえを出すとバスルームへ向かった―。
キュッキュッ
コックをひねり、熱いお湯を頭から被って先程頭の中で鳴っていた鐘の音を必死で頭から振り払う。
「駄目よ・・もうこれ以上死にたくないわ・・・。」
気付けばブツブツ呟いていた。それにしても我ながらよく12回も死を迎えておきながら冷静でいられていると思う。ほとんどの死は・・・苦しみを伴っていたと言うのに、今こうしてここにいると夢の世界で起こった出来事の様に感じてしまうから不思議だ。
「でも・・・後期試験までは私はテストを受けられないから最低でも5月まではここに残らないといけないのよね・・・?それまで私達は何をして過ごせばいいのかしら・・?」
しかし、後に私の疑問もすぐに解決する事になる―。
****
7時半―
食事の為にダイニングルームへ向かうと、過去12回のループとは明らかに様子が違っていた。食事の席が2ヵ所に分かれていたのだ。VIP ルームと称された部屋で食事が出来るのはいわゆる『魔力持ちグループ』。そして別の部屋は『魔力無しグループ』に分かれていたのだった。
「え・・・・?一体どういう事・・・?」
入口で戸惑っていると背後から声を掛けられた。
「おはよう、シルビア」
振り向くとそこに立っていたのはコーネリアだった。
「あ、お早う。コーネリア」
するとコーネリアは意地悪そうな顔をすると言った。
「シルビア・・・貴女、昨夜アンリ王子に呼ばれたんでしょう?」
「え?ええ・・・」
「フウン・・・うまいことやったわね」
「え・・?」
「あの魔力テストの事よ。どうせわざとあの場で気を失って、自分が魔力を持っていると見せかけて、このグループに入ったんでしょう?」
「ええ?!」
「全く・・卑怯な手を使ってくれるじゃない」
コーネリアは腕組みすると私を睨み付けた。
「ちょ、ちょっと待ってよ!それを言うなら貴女だって・・!」
そう、コーネリアは鐘の音が聞こえていなかった。だけど、私が鐘の音が聞こえると言ったから、その言葉を真似して・・・こちらのグループに入ることが出来たのだ。それなのに・・
「何よ?私が何をしたって言うの?」
その時・・・。
「ちょっと、貴女達邪魔よ。中に入れないでしょう?」
私達の背後から声が聞こえた。振り向くとそこに立っていたのはいつも最終試験に勝ち残っていたイメルダ、マグダレナ、ロシータの3人組だった。・・この頃から3人は親しかったのだろうか・・?
「それはすみませんでした!」
ツンとした顔でコーネリアは言うと、さっさとダイニングルームへと入って行った。それを見るとイメルダが呟いた。
「全く・・・偽物のくせに図々しい女ね・・・貴女の友達?」
「え?ま、まあ・・知り合いです」
いきなり話を振られて驚いたが、何とか愛想笑いをしながら答える。するとロシータが言った。
「あら、敬語なんて使わなくていいわよ?私達は同じ候補者なんだから?仲良くしましょう?」
「え・・?でも、候補者同士は仲良くしてはいけないと・・」
するとマグダレナが笑った。
「あら、いいのよ。方針が変わったのだから」
「方針?」
一体何の事だろう。するとイメルダが言った。
「その説明は朝食で教えてくれるわよ。さ、それじゃ2人共、行くわよ」
イメルダはマグダレナとロシータに声をかけるとダイニングルームに入って行った―
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