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1-4 13回目の旅立ち
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妹と別れて自室に戻った私は自分の部屋を見渡した。本日王宮へ行かなくてはならないというのに、ほとんど何も準備がされていない。それで父に見つかり激怒されてメイドたちと出かける寸前まで荷造りに追われた・・・。それを12回も繰り返してきたのだ。
「私って・・・本当に王宮へ行きたくなかったのね・・・。」
過去の自分を思いながらため息をついた。でも・・・それはもしかしたら本能的に城に行けば殺される運命に気づいていたのかもしれない。たとえ記憶が残っていなくても・・。
「とにかく・・こうしてはいられないわっ!」
私は急いで荷造りに準備を始めることにした。冬のドレスは先ほど用意したので問題は無い。今回のループではさっさと試験に脱落して屋敷に戻ってくるつもりだけども、人生何があるか分からない。なので春用、夏用のドレスも全て持って行くことにした。
時計をチラリと見ると今は朝の7時半になろうとしている。出発予定は午後1時。
前回までは何を用意すればいいのか、分からなかったのでメイク道具や入浴セット、果ては筆記用具まで用意してしまったけれども、今ではそんなものは必要ない事は分かり切っていた。王宮に入れば、自分の必要なものは全て最高級品を支給してくれるし、専属メイド迄つけてくれるのだ。それにリクエストに応じて自分の欲しいものは何でも用意してくれる。ただし、ドレスとアクセサリーは自分持ちとなっているけれども。
「さて・・それでは用意しなくちゃ。」
私は再び、クローゼットを開けた―。
****
午後1時―
間に朝食と昼食を挟み、何とか準備を終えた私は王宮の迎えの馬車の前に立っていた。そして父とデイジー、私の世話をしてくれていた使用人たちが見送りに来ていた。13回目のループでもこれは変わらない光景だった。
「それではお父様、デイジー、皆・・・行ってきます。」
私は頭を下げて別れの挨拶をした。
「ああ・・気をつけてな。決して途中で脱落して帰ってくるなよ?」
まるで心の内を見透かされたようなセリフを父に言われてしまった。
「ま、まさか・・・最善を尽くして頑張ってまいりますわ。」
引きつった笑みを浮かべながら返事をする。
「お姉さま・・・。」
デイジーは真剣な顔で私を見ると両手をギュッと握りしめてきた。
「お身体に・・・どうか気を付けてくださいね・・・。」
今回の妹のセリフは妙に意味深に聞こえる。不安そうに私を見つめる顔・・・。
「ええ。分かったわ。大丈夫よ、デイジー。」
だから私は空いている手でデイジーの頭を軽くなでてあげた。
使用人たちからも次々と激励?の言葉をもらい、いよいよ私は出発することにした。
馬車に乗り、窓を開けると私は父と妹、そして使用人たちの顔を見た。
「それでは・・行ってきます!」
そして私は皆に見送られながら・・・王宮へと旅だった―。
****
ガラガラガラガラ・・・
我が家から王宮までは馬車で片道2時間の場所にある。これは他の貴族令嬢たちに比べれば、かなり近い方だと言える。
「でもさすが王室が用意してくれた馬車だけあるわね・・・。乗り心地が良くて最高だわ。揺れも少ないし、内装も素晴らしいし・・。眠くなってしまうわ・・。」
今までの私は王宮に着くまでの道のりを馬車の中で居眠りをしてきたが、今回はそうはいかない。
「駄目だわ、眠っている暇なんかないのだから。まずは今まで過去に起きたことをまとめておかないと・・・。」
手元に置いておいたボストンバックに手を突っ込み、ごそごそ探して私は一冊の日記帳を取り出した。この日記帳は鍵付きで、数年前に買ったものだった。ズボラな私はたった数日で日記をつけるのを放置してしまっていたのだが・・。
「フフフ・・こんなところで日記帳が役立つとは思わなかったわ。しかもカギ付きだから誰かに勝手に中を読まれる心配もないし・・。」
そして私はページをめくり、過去12回のループで私がどんな状況で殺されていったのかをまとめることにした―。
「私って・・・本当に王宮へ行きたくなかったのね・・・。」
過去の自分を思いながらため息をついた。でも・・・それはもしかしたら本能的に城に行けば殺される運命に気づいていたのかもしれない。たとえ記憶が残っていなくても・・。
「とにかく・・こうしてはいられないわっ!」
私は急いで荷造りに準備を始めることにした。冬のドレスは先ほど用意したので問題は無い。今回のループではさっさと試験に脱落して屋敷に戻ってくるつもりだけども、人生何があるか分からない。なので春用、夏用のドレスも全て持って行くことにした。
時計をチラリと見ると今は朝の7時半になろうとしている。出発予定は午後1時。
前回までは何を用意すればいいのか、分からなかったのでメイク道具や入浴セット、果ては筆記用具まで用意してしまったけれども、今ではそんなものは必要ない事は分かり切っていた。王宮に入れば、自分の必要なものは全て最高級品を支給してくれるし、専属メイド迄つけてくれるのだ。それにリクエストに応じて自分の欲しいものは何でも用意してくれる。ただし、ドレスとアクセサリーは自分持ちとなっているけれども。
「さて・・それでは用意しなくちゃ。」
私は再び、クローゼットを開けた―。
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午後1時―
間に朝食と昼食を挟み、何とか準備を終えた私は王宮の迎えの馬車の前に立っていた。そして父とデイジー、私の世話をしてくれていた使用人たちが見送りに来ていた。13回目のループでもこれは変わらない光景だった。
「それではお父様、デイジー、皆・・・行ってきます。」
私は頭を下げて別れの挨拶をした。
「ああ・・気をつけてな。決して途中で脱落して帰ってくるなよ?」
まるで心の内を見透かされたようなセリフを父に言われてしまった。
「ま、まさか・・・最善を尽くして頑張ってまいりますわ。」
引きつった笑みを浮かべながら返事をする。
「お姉さま・・・。」
デイジーは真剣な顔で私を見ると両手をギュッと握りしめてきた。
「お身体に・・・どうか気を付けてくださいね・・・。」
今回の妹のセリフは妙に意味深に聞こえる。不安そうに私を見つめる顔・・・。
「ええ。分かったわ。大丈夫よ、デイジー。」
だから私は空いている手でデイジーの頭を軽くなでてあげた。
使用人たちからも次々と激励?の言葉をもらい、いよいよ私は出発することにした。
馬車に乗り、窓を開けると私は父と妹、そして使用人たちの顔を見た。
「それでは・・行ってきます!」
そして私は皆に見送られながら・・・王宮へと旅だった―。
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ガラガラガラガラ・・・
我が家から王宮までは馬車で片道2時間の場所にある。これは他の貴族令嬢たちに比べれば、かなり近い方だと言える。
「でもさすが王室が用意してくれた馬車だけあるわね・・・。乗り心地が良くて最高だわ。揺れも少ないし、内装も素晴らしいし・・。眠くなってしまうわ・・。」
今までの私は王宮に着くまでの道のりを馬車の中で居眠りをしてきたが、今回はそうはいかない。
「駄目だわ、眠っている暇なんかないのだから。まずは今まで過去に起きたことをまとめておかないと・・・。」
手元に置いておいたボストンバックに手を突っ込み、ごそごそ探して私は一冊の日記帳を取り出した。この日記帳は鍵付きで、数年前に買ったものだった。ズボラな私はたった数日で日記をつけるのを放置してしまっていたのだが・・。
「フフフ・・こんなところで日記帳が役立つとは思わなかったわ。しかもカギ付きだから誰かに勝手に中を読まれる心配もないし・・。」
そして私はページをめくり、過去12回のループで私がどんな状況で殺されていったのかをまとめることにした―。
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