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1章 18 演奏できる楽器は?
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その後――
マジックの練習をしているとジャンに続き、ニーナも目を覚ました。
そこで早速作ってもらったマジックを披露して見せると2人はとても感動し、これなら人々に受けるに違いないとお墨付きを貰えたのだった。
「リアンナ様。ところで何処でマジックを披露するつもりですか?」
宿屋の食堂で食事をしていると、ジャンが尋ねてきた。
「そうね、とりあえず人がたくさん集まりそうな場所……広場か、公園がいいかな」
「でもどうやって、人を集めるつもりですか? いきなりマジックを始めても誰も足を止めてはくれないと思いますけど?」
「うん、ニーナの言うことも尤もよね? まずマジックを見て貰うには人を呼び寄せないと」
「え? まさか露天商みたいに呼び込みでもするつもりですか!?」
ジャンが心底嫌そうな顔をする。
もしかして、自分たちに呼び込みをさせるつもりでは……? なんて考えているのだろか?
けれど、私はそんなマネはしない。もっと着実に人を集める方法があるからだ。
「そのことなんだけど、食事が終わったら町に行きましょう。楽器屋さんを探したいのよ」
「楽器ですか? まさかピアノでも買うつもりですか?」
私の言葉にニーナが反応する。
「まさか、ピアノは買わないわよ。第一あんな大きいもの持ち運べるはずないじゃない。どんな楽器があるのか見てみたくてね」
この世界にもピアノがあるということは、あの楽器もあるかもしれない。
「でも楽器屋さんに行くのは楽しそうですね。俺もどんな楽器が売られているのか興味がありますよ」
「ジャンは何か演奏できる楽器はあるの?」
「いや~お恥ずかしながら……あ、でもハーモニカぐらいは吹けますよ」
「ハーモニカか……ニーナは何かある?」
「え? 私ですか? すみません。タンバリンくらいなら叩けますけど……」
ニーナが顔を赤らめる。
「タンバリンねぇ……」
ハーモニカにタンバリン……駄目だ。演奏して人を呼ぶにはあまりにインパクトがなさすぎる。
そうなると私があの楽器があるか探してみるしかないか……。
考え込んでいると、ジャンが声をかけてきた。
「お役に立てず、すみません」
「申し訳ございません、リアンナ様。メイドの仕事は得意なのですが……」
「いいんだってば! 2人には本当に感謝しているんだよ? 家を追い出された私についてきてくれたし、マジックの道具だって作ってくれたじゃない。だからそんなに真剣に謝らないで。ほんと、全然気にしていないからね?」
「「本当ですか……?」」
さすがは双子、息ぴったりで謝ってくる。
「うん、ほんと、ほんと。大丈夫、私に任せて! それじゃ、食事が終わったら楽器屋を探しに行ってみましょう」
「はい、そうですね」
「分かりました」
ニーナとジャンは笑顔で返事をし、食事を終えると早速私達は楽器屋へと向かった。
****
「う~ん……中々、楽器屋が見つからないわねぇ……」
人通りの多い町中を私達はかれこれ30分近く歩き回っていた。
「すみません、リアンナ様。この町にはわりと何度も足を運んではいるのですが、楽器屋には目もくれたことがなくて」
ジャンが申し訳無さそうに謝ってくる。
「そんなこと気にしなくていいってば。誰だって自分に関係ないお店なんて注意深くみたりしないものだし」
「それにしても、本当にリアンナ様は変わられましたね。以前はそのようなこと口にされたことなど無かったのに。まるで別人のようです」
ニーナの言葉にドキリとする。
私が本物のリアンナではないとバレてしまったら、右も左もわからないこの世界で見捨てられてしまうかも……それは絶対に困る!!
「え? そ、そうかな……? あ! あれってもしかして楽器屋さんじゃない!?」
突然眼前にレンガ造りの建物が何故か目に止まった。窓からは楽器のような物が売られているのが見える。
「え? どの店ですか?」
ジャンが背後から尋ねてきた。
「ほら! あの店よ。行ってみましょう!」
私は先頭切って、楽器屋目指して駆け出した――
マジックの練習をしているとジャンに続き、ニーナも目を覚ました。
そこで早速作ってもらったマジックを披露して見せると2人はとても感動し、これなら人々に受けるに違いないとお墨付きを貰えたのだった。
「リアンナ様。ところで何処でマジックを披露するつもりですか?」
宿屋の食堂で食事をしていると、ジャンが尋ねてきた。
「そうね、とりあえず人がたくさん集まりそうな場所……広場か、公園がいいかな」
「でもどうやって、人を集めるつもりですか? いきなりマジックを始めても誰も足を止めてはくれないと思いますけど?」
「うん、ニーナの言うことも尤もよね? まずマジックを見て貰うには人を呼び寄せないと」
「え? まさか露天商みたいに呼び込みでもするつもりですか!?」
ジャンが心底嫌そうな顔をする。
もしかして、自分たちに呼び込みをさせるつもりでは……? なんて考えているのだろか?
けれど、私はそんなマネはしない。もっと着実に人を集める方法があるからだ。
「そのことなんだけど、食事が終わったら町に行きましょう。楽器屋さんを探したいのよ」
「楽器ですか? まさかピアノでも買うつもりですか?」
私の言葉にニーナが反応する。
「まさか、ピアノは買わないわよ。第一あんな大きいもの持ち運べるはずないじゃない。どんな楽器があるのか見てみたくてね」
この世界にもピアノがあるということは、あの楽器もあるかもしれない。
「でも楽器屋さんに行くのは楽しそうですね。俺もどんな楽器が売られているのか興味がありますよ」
「ジャンは何か演奏できる楽器はあるの?」
「いや~お恥ずかしながら……あ、でもハーモニカぐらいは吹けますよ」
「ハーモニカか……ニーナは何かある?」
「え? 私ですか? すみません。タンバリンくらいなら叩けますけど……」
ニーナが顔を赤らめる。
「タンバリンねぇ……」
ハーモニカにタンバリン……駄目だ。演奏して人を呼ぶにはあまりにインパクトがなさすぎる。
そうなると私があの楽器があるか探してみるしかないか……。
考え込んでいると、ジャンが声をかけてきた。
「お役に立てず、すみません」
「申し訳ございません、リアンナ様。メイドの仕事は得意なのですが……」
「いいんだってば! 2人には本当に感謝しているんだよ? 家を追い出された私についてきてくれたし、マジックの道具だって作ってくれたじゃない。だからそんなに真剣に謝らないで。ほんと、全然気にしていないからね?」
「「本当ですか……?」」
さすがは双子、息ぴったりで謝ってくる。
「うん、ほんと、ほんと。大丈夫、私に任せて! それじゃ、食事が終わったら楽器屋を探しに行ってみましょう」
「はい、そうですね」
「分かりました」
ニーナとジャンは笑顔で返事をし、食事を終えると早速私達は楽器屋へと向かった。
****
「う~ん……中々、楽器屋が見つからないわねぇ……」
人通りの多い町中を私達はかれこれ30分近く歩き回っていた。
「すみません、リアンナ様。この町にはわりと何度も足を運んではいるのですが、楽器屋には目もくれたことがなくて」
ジャンが申し訳無さそうに謝ってくる。
「そんなこと気にしなくていいってば。誰だって自分に関係ないお店なんて注意深くみたりしないものだし」
「それにしても、本当にリアンナ様は変わられましたね。以前はそのようなこと口にされたことなど無かったのに。まるで別人のようです」
ニーナの言葉にドキリとする。
私が本物のリアンナではないとバレてしまったら、右も左もわからないこの世界で見捨てられてしまうかも……それは絶対に困る!!
「え? そ、そうかな……? あ! あれってもしかして楽器屋さんじゃない!?」
突然眼前にレンガ造りの建物が何故か目に止まった。窓からは楽器のような物が売られているのが見える。
「え? どの店ですか?」
ジャンが背後から尋ねてきた。
「ほら! あの店よ。行ってみましょう!」
私は先頭切って、楽器屋目指して駆け出した――
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