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第35話 私の脅迫
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コネリーファミリーが食事をしているダイニングルームに到着すると観葉植物の影からチラリと覗き見してみた。そこで食事をしているのは寝坊助デニムと寝坊助義母の2人だった。
「フフフ…いるわ。何も知らずに呑気に食事しているわ。やっぱりお義父様はいないわね。仕事で領地に出かけたのね」
それにしても本当にデニムは情けない男だ。25歳の成人男性でありながら、一度も仕事をしたことが無いのだから。そんなクズ男に育てたのは他でも無い義母である。義父はもともとコネリー家の執事を努めており、大旦那様の命令でいやいや義母と結婚させられた気の毒な婿旦那である。だからこの屋敷の当主でありながら、義父は何の権限も無いのである。本当に気の毒な人物だ。
その時、給仕をしているメイドと目が合った。するとメイドはデニム達に気付かれないようにそそくさとやってくると言った。
「奥様、後は最後にデザートをお出しするだけです。デザートはプディングでワゴンの上に乗っております。後はよろしくお願いしますね。私は厨房に戻ります」
「ええ、大丈夫よ。任せて頂戴!」
そして私はメイドとチェンジすると、何食わぬ顔でテーブル近くにあるワゴンの側によると、その前で待機した。デニムは背中を向けて座っているからまだ私の存在に気づいていない。
それにしても…私は遠目からデニムの食している料理を覗き見してみた。相変わらず一切の野菜が乗っていない。彼が唯一食べられる野菜といえば、かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、ミニトマトのみなのだ。おまけに魚は大嫌い。全く偏食にもほどがある。
すると義母と目が合ってしまった。
「さあ、そろそろ食事が終わるからデザートを出して頂戴」
「はい、かしこまりました」
ワゴンの上からプディングを出すと、トレーにのせて2人の前に静かに置く。
「どうぞ、大奥様、デニム様」
するとデニムが私の声に気づき、顔を上げた。
「あ!お、お前今度はここで給仕をしているのかっ?!」
「はい、作用でございます。デニム様」
すると義母が言った。
「おや?デニム。お前が使用人の顔を覚えるなんて珍しいわね」
「ああ、当然だ!このメイドは兎に角失礼な奴なんだ!」
忌々しげに私に言う。
「まあ?メイドのくせに貴方に失礼な事をしたというのね?一体どんな無礼を働いたのかしら?」
義母はギロリと私を睨む。卑怯者デニムは義母にチクるつもりだな?ならば私にも考えがある。
「あら?デニム様。肩に糸くずが付いていますよ?お取りしますね」
そして肩についたゴミ糸くずを取るフリをしながら耳元で囁いた。
「いいんですか?掛け賭博の事をバラしても」
「ヒッ!!」
途端にデニムの顔が青ざめる。
「あら?デニム。一体どうしたの?」
義母が怪訝そうな顔でプディングを食べながら尋ねてきた。
「 な、なんでも無い!」
「それでデニム。一体どんな失礼な事をこのメイドはしたのかしら?」
するとデニムは激しく首を振りながら言う。
「え?あ、いや。こ、このメイドは失礼な事を何一つしでかさない素晴らしいメイドだって言いたかったんだ!」
おおっ!あの阿呆デニムがとっさに言い訳を考えついた!余程掛け賭博のことをバラされたくないのだろう。
「あら、そういう事だったのね?」
義母が納得した。
「でもそんなに有能なメイドならお前の専属メイドにすればいいじゃないの」
「「えっ?!」」
義母のとんでもない提案に私とデニムの声がハモってしまった。
「い、いや!俺はフレディさえそばにいてくれればいい!」
デニムは余程私を側に置いておきたくないのか、はたから聞けば誤解されそうな台詞を口にする。
「あら、そうなのね?まあ別に構わないけど…それより早く食事をすませなさい。今日はこの後、あの忌々しい嫁のところに行くんでしょう?」
義母の言葉に私はピクリと反応する。ほほう…私の事を忌々しいと思っていた訳だな?
「ああ、きっと何も言って来ないのは余程離婚届がショックだったんだろう。何しろあの女は俺にベタぼれだからな。泣いてすがりついてくるだろうが、知った事か。子供がいないことを理由に強引に離婚届にサインさせてやる」
デニムの言葉を聞いた途端、思わず手にしていたトレーで頭をぶん殴ってやりたい衝動に駆られてしまったが、必死で理性を押し殺す。
どうせ、デニムは私の実家に行くことが出来ないのだから。
この後、馬車が1台も無い事を知った時…デニムがどんな反応を示すのか。
今から楽しみで仕方ない。
私はトレーを握りしめながら心のなかでほくそ笑んだ―。
「フフフ…いるわ。何も知らずに呑気に食事しているわ。やっぱりお義父様はいないわね。仕事で領地に出かけたのね」
それにしても本当にデニムは情けない男だ。25歳の成人男性でありながら、一度も仕事をしたことが無いのだから。そんなクズ男に育てたのは他でも無い義母である。義父はもともとコネリー家の執事を努めており、大旦那様の命令でいやいや義母と結婚させられた気の毒な婿旦那である。だからこの屋敷の当主でありながら、義父は何の権限も無いのである。本当に気の毒な人物だ。
その時、給仕をしているメイドと目が合った。するとメイドはデニム達に気付かれないようにそそくさとやってくると言った。
「奥様、後は最後にデザートをお出しするだけです。デザートはプディングでワゴンの上に乗っております。後はよろしくお願いしますね。私は厨房に戻ります」
「ええ、大丈夫よ。任せて頂戴!」
そして私はメイドとチェンジすると、何食わぬ顔でテーブル近くにあるワゴンの側によると、その前で待機した。デニムは背中を向けて座っているからまだ私の存在に気づいていない。
それにしても…私は遠目からデニムの食している料理を覗き見してみた。相変わらず一切の野菜が乗っていない。彼が唯一食べられる野菜といえば、かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、ミニトマトのみなのだ。おまけに魚は大嫌い。全く偏食にもほどがある。
すると義母と目が合ってしまった。
「さあ、そろそろ食事が終わるからデザートを出して頂戴」
「はい、かしこまりました」
ワゴンの上からプディングを出すと、トレーにのせて2人の前に静かに置く。
「どうぞ、大奥様、デニム様」
するとデニムが私の声に気づき、顔を上げた。
「あ!お、お前今度はここで給仕をしているのかっ?!」
「はい、作用でございます。デニム様」
すると義母が言った。
「おや?デニム。お前が使用人の顔を覚えるなんて珍しいわね」
「ああ、当然だ!このメイドは兎に角失礼な奴なんだ!」
忌々しげに私に言う。
「まあ?メイドのくせに貴方に失礼な事をしたというのね?一体どんな無礼を働いたのかしら?」
義母はギロリと私を睨む。卑怯者デニムは義母にチクるつもりだな?ならば私にも考えがある。
「あら?デニム様。肩に糸くずが付いていますよ?お取りしますね」
そして肩についたゴミ糸くずを取るフリをしながら耳元で囁いた。
「いいんですか?掛け賭博の事をバラしても」
「ヒッ!!」
途端にデニムの顔が青ざめる。
「あら?デニム。一体どうしたの?」
義母が怪訝そうな顔でプディングを食べながら尋ねてきた。
「 な、なんでも無い!」
「それでデニム。一体どんな失礼な事をこのメイドはしたのかしら?」
するとデニムは激しく首を振りながら言う。
「え?あ、いや。こ、このメイドは失礼な事を何一つしでかさない素晴らしいメイドだって言いたかったんだ!」
おおっ!あの阿呆デニムがとっさに言い訳を考えついた!余程掛け賭博のことをバラされたくないのだろう。
「あら、そういう事だったのね?」
義母が納得した。
「でもそんなに有能なメイドならお前の専属メイドにすればいいじゃないの」
「「えっ?!」」
義母のとんでもない提案に私とデニムの声がハモってしまった。
「い、いや!俺はフレディさえそばにいてくれればいい!」
デニムは余程私を側に置いておきたくないのか、はたから聞けば誤解されそうな台詞を口にする。
「あら、そうなのね?まあ別に構わないけど…それより早く食事をすませなさい。今日はこの後、あの忌々しい嫁のところに行くんでしょう?」
義母の言葉に私はピクリと反応する。ほほう…私の事を忌々しいと思っていた訳だな?
「ああ、きっと何も言って来ないのは余程離婚届がショックだったんだろう。何しろあの女は俺にベタぼれだからな。泣いてすがりついてくるだろうが、知った事か。子供がいないことを理由に強引に離婚届にサインさせてやる」
デニムの言葉を聞いた途端、思わず手にしていたトレーで頭をぶん殴ってやりたい衝動に駆られてしまったが、必死で理性を押し殺す。
どうせ、デニムは私の実家に行くことが出来ないのだから。
この後、馬車が1台も無い事を知った時…デニムがどんな反応を示すのか。
今から楽しみで仕方ない。
私はトレーを握りしめながら心のなかでほくそ笑んだ―。
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