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エピソード21 2人で選んだ水着
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「おいおい・・・リア。お前・・本当にそんな水着を買うつもか?」
私が選んだ水着を見てアレクは顔をしかめた。
「え?何かおかしいかな?」
ハンガーに吊り下げられた水着を見て私は首を傾げる。
「当り前だ。どこからどうみても水着には見えない。これではまるでジョギングをする為のウェアと変わらないじゃないか。」
「ええ~そうかなぁ・・・?」
黒のラッシュガードにブルーのハイビスカス柄のショートパンツ、そして黒のレギンス・・。
「・・確かに・・言われてみればそんな気がしないでもないか・・な?」
なるべく意識しして露出が少ない水着を選んでいたら、この水着になってしまった。
「こんな格好で海に出てみろ・・・逆に目立ちまくるぞ?それでもいいのか?」
「う~ん・・・それはそれで嫌かなぁ・・?」
困った、どうしよう。どんな水着がいいんだろう・・?考えあぐねているとアレクが言った。
「なぁリア。お前さえよければ・・・俺がお前の水着選んでやろうか?」
「え?本当?!」
私はアレクを振り返った。しかし、何故か驚いているアレク。
「おい・・お前、本気で言ってるのか?」
「え?何を?」
「だから・・俺に水着を選んでもらうって話だよ・・。」
「うん、そうだよ?何で驚いているの?」
変なアレクだ。自分から言い出してきたくせに。
「い、いや・・さっきのはほんの軽い冗談で言ったつもりだったんだ。まさか真に受けるとは・・・。」
そして顔を赤らめるアレク。そうか・・・アレクも女性用の水着選ぶの恥ずかしいのか。だけど・・・。
「ねえ、私一人じゃ選べないから・・・お願いっ!どうか一緒に選んで下さいっ!」
頭を下げて頼みこむと、アレクは不承不承、承諾してくれた。
****
2人で帰りの車の中―。
「ありがとう、アレク。お陰で良い感じの水着を買うことが出来たよ。」
私は水着が入った紙袋を大事そうに抱えるとアレクに礼を言った。アレクが選んでくれた水着はワンピース水着だった。肩紐から胸元部分にかけてはフリルの布が付いていて、丈は太ももが隠れるほどの長さ。白地に大胆なハイビスカス柄のワンピース水着はこのままの格好で街を歩けそうな・・・可愛らしいデザインだった。
「そうか。まぁ・・気にいって貰えて良かった。リアの要望を色々取り入れたからな。」
ハンドルを握りながらアレクは言う。
「そんなの当り前じゃない、だって着るのは私なんだから。」
「う~ん・・でもリアはスタイルがいいからビキニも似合うと思うんだけどな・・・。」
「嫌よ、ビキニなんて・・は、恥ずかしい・・。」
そう、はじめアレクが選んでくれた水着はビキニスタイルばかりだったのだから。それを私が断固拒否して・・・行きついたのがワンピース型水着と言うわけ。
「でもその水着で良かったかもな・・・。リアの水着姿を他の男たちの目にさらされるのも嫌だしな~・・・。」
アレクの冗談めかした言葉に私は言った。
「またまた・・・。そんな言い方したら、まるでアレクだけが私の水着姿を独占して見たいって言ってるように聞こえるよ?」
「・・別にそう捕らえて貰っても構わないんだけどな・・・。」
アレクは小声で呟いたが、その言葉はばっちり私の耳に聞こえていた。でも・・・私は聞こえないふりをした。何故ならそれはアレクとの今の関係を壊したくなかったから。だから私は代わりに違う話をした。
「そろそろ12時になるね。どんな食事か楽しみだね?」
「そうか・・リアは知らないのか?このサマースクールの開催期間中の食事はずっとビュッフェ形式だから、いろいろな料理が並べられるぞ?楽しみにしてろよ?」
「うん、そうだね。」
こうして私とアレクはホテルまでの海岸線の道のりをドライブをして楽しんだ―。
私が選んだ水着を見てアレクは顔をしかめた。
「え?何かおかしいかな?」
ハンガーに吊り下げられた水着を見て私は首を傾げる。
「当り前だ。どこからどうみても水着には見えない。これではまるでジョギングをする為のウェアと変わらないじゃないか。」
「ええ~そうかなぁ・・・?」
黒のラッシュガードにブルーのハイビスカス柄のショートパンツ、そして黒のレギンス・・。
「・・確かに・・言われてみればそんな気がしないでもないか・・な?」
なるべく意識しして露出が少ない水着を選んでいたら、この水着になってしまった。
「こんな格好で海に出てみろ・・・逆に目立ちまくるぞ?それでもいいのか?」
「う~ん・・・それはそれで嫌かなぁ・・?」
困った、どうしよう。どんな水着がいいんだろう・・?考えあぐねているとアレクが言った。
「なぁリア。お前さえよければ・・・俺がお前の水着選んでやろうか?」
「え?本当?!」
私はアレクを振り返った。しかし、何故か驚いているアレク。
「おい・・お前、本気で言ってるのか?」
「え?何を?」
「だから・・俺に水着を選んでもらうって話だよ・・。」
「うん、そうだよ?何で驚いているの?」
変なアレクだ。自分から言い出してきたくせに。
「い、いや・・さっきのはほんの軽い冗談で言ったつもりだったんだ。まさか真に受けるとは・・・。」
そして顔を赤らめるアレク。そうか・・・アレクも女性用の水着選ぶの恥ずかしいのか。だけど・・・。
「ねえ、私一人じゃ選べないから・・・お願いっ!どうか一緒に選んで下さいっ!」
頭を下げて頼みこむと、アレクは不承不承、承諾してくれた。
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2人で帰りの車の中―。
「ありがとう、アレク。お陰で良い感じの水着を買うことが出来たよ。」
私は水着が入った紙袋を大事そうに抱えるとアレクに礼を言った。アレクが選んでくれた水着はワンピース水着だった。肩紐から胸元部分にかけてはフリルの布が付いていて、丈は太ももが隠れるほどの長さ。白地に大胆なハイビスカス柄のワンピース水着はこのままの格好で街を歩けそうな・・・可愛らしいデザインだった。
「そうか。まぁ・・気にいって貰えて良かった。リアの要望を色々取り入れたからな。」
ハンドルを握りながらアレクは言う。
「そんなの当り前じゃない、だって着るのは私なんだから。」
「う~ん・・でもリアはスタイルがいいからビキニも似合うと思うんだけどな・・・。」
「嫌よ、ビキニなんて・・は、恥ずかしい・・。」
そう、はじめアレクが選んでくれた水着はビキニスタイルばかりだったのだから。それを私が断固拒否して・・・行きついたのがワンピース型水着と言うわけ。
「でもその水着で良かったかもな・・・。リアの水着姿を他の男たちの目にさらされるのも嫌だしな~・・・。」
アレクの冗談めかした言葉に私は言った。
「またまた・・・。そんな言い方したら、まるでアレクだけが私の水着姿を独占して見たいって言ってるように聞こえるよ?」
「・・別にそう捕らえて貰っても構わないんだけどな・・・。」
アレクは小声で呟いたが、その言葉はばっちり私の耳に聞こえていた。でも・・・私は聞こえないふりをした。何故ならそれはアレクとの今の関係を壊したくなかったから。だから私は代わりに違う話をした。
「そろそろ12時になるね。どんな食事か楽しみだね?」
「そうか・・リアは知らないのか?このサマースクールの開催期間中の食事はずっとビュッフェ形式だから、いろいろな料理が並べられるぞ?楽しみにしてろよ?」
「うん、そうだね。」
こうして私とアレクはホテルまでの海岸線の道のりをドライブをして楽しんだ―。
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