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第30話 え?私なの?
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「アルトだわ…」
それにしても…何故彼はあの様な目で私を睨みつけているのだろう?
「あいつか?アルトってお前の婚約者…しっかし、すげー目で睨んできてるな。本当にあんなんで性格いいのかよ?」
トビーが尋ねてきた。
「…分かりません」
「は?」
「だから、アルトの性格の事なんて、分かりませんって言ってるんです!」
「一体何言ってるんだよ。お前の婚約者だろうが?」
トビーが呆れた目で私を見る。
「確かに婚約者ですけど…それはもう前の話です。私は昨日とうとうアルトに婚約破棄を告げられてしまいましたから!だからアルトに言いました。3ヶ月経ったら正式に婚約破棄に応じますって」
「は?何だって?お前…っ!そんな事初耳だぞ?それに本気で3ヶ月経ったら婚約破棄するって言ってしまったのかよっ!」
「ええ、言いましたっ!最初からそういう話でしたよねっ?!何ですか?今更、やっぱりビクトリアさんのハートを掴む自信を無くしたとでも言うんですかっ?!フンだっ!」
腕組みしてそっぽを向くと、再びトビーが笑いを噛み殺している。
「クククッ…ククッ…」
「何ですか?また笑ってるんですか?」
ジロリとトビーを見ると、彼は余程面白いのか目に涙を浮かべて笑いを堪えている。
「ちょっとぉっ!何がおかしいんですかっ?!」
「だ、だってお前…フンだって…ククク…ほんっとお子様だなぁ…お前といるとほんとに笑わせてくれるよ」
「…」
トビーは1人で笑っているけど、私は少しも面白くない。口をとがらせて教科書をカバンから出していく。
だから気が付かなかった。
アルトが凄い目でこちらを睨みつけている事に―。
****
1限目の講義終了後―
机の上の私物をカバンにしまっているとトビーが声を掛けてきた。
「エイミー。次の講義は何だ?」
「え?次は家政学ですけど?」
「そうか…家政学は確か女子学生だけが受ける講義だったよな?」
「はい…そうですけど…?」
「そうか、なら安心だな?」
「え?安心て…」
「俺は次の講義は休みなんだ。昼は一緒に食事に行こうぜ。待っててやるから。ついでに次の家政学の教室までついていってやるよ」
「え?え?」
さっきからトビーは一体何を言っているのだろう?その時、アルトが凄い目で睨みながらこちらに近付いてくる様子が目に入った。
え?な、何であんなに私を睨んでるの?あ、それともトビーを睨んでいるのかも…。うん、きっとそうだ。そうに違いない。だってトビーは目つきも悪いし、態度は大きいし…。それで私を心配してトビーに文句を言いに来たのかもしれない。
「来たか…」
トビーが小さく呟くのが耳に入った。
「来ましたね。トビーさんに文句を言いに」
私の言葉にトビーが振り向く。
「は?お前、一体何を言ってるんだ?」
その時、アルトが私達の直ぐ側まで近付いてくると、何故か私を睨みつけてきた。
「エイミー。これは一体どういう事なのかな?」
「え?わ、私…?」
まさかアルトが睨んでいたのは私…?
私は呆然と目の前に立つアルトを見つめた―。
それにしても…何故彼はあの様な目で私を睨みつけているのだろう?
「あいつか?アルトってお前の婚約者…しっかし、すげー目で睨んできてるな。本当にあんなんで性格いいのかよ?」
トビーが尋ねてきた。
「…分かりません」
「は?」
「だから、アルトの性格の事なんて、分かりませんって言ってるんです!」
「一体何言ってるんだよ。お前の婚約者だろうが?」
トビーが呆れた目で私を見る。
「確かに婚約者ですけど…それはもう前の話です。私は昨日とうとうアルトに婚約破棄を告げられてしまいましたから!だからアルトに言いました。3ヶ月経ったら正式に婚約破棄に応じますって」
「は?何だって?お前…っ!そんな事初耳だぞ?それに本気で3ヶ月経ったら婚約破棄するって言ってしまったのかよっ!」
「ええ、言いましたっ!最初からそういう話でしたよねっ?!何ですか?今更、やっぱりビクトリアさんのハートを掴む自信を無くしたとでも言うんですかっ?!フンだっ!」
腕組みしてそっぽを向くと、再びトビーが笑いを噛み殺している。
「クククッ…ククッ…」
「何ですか?また笑ってるんですか?」
ジロリとトビーを見ると、彼は余程面白いのか目に涙を浮かべて笑いを堪えている。
「ちょっとぉっ!何がおかしいんですかっ?!」
「だ、だってお前…フンだって…ククク…ほんっとお子様だなぁ…お前といるとほんとに笑わせてくれるよ」
「…」
トビーは1人で笑っているけど、私は少しも面白くない。口をとがらせて教科書をカバンから出していく。
だから気が付かなかった。
アルトが凄い目でこちらを睨みつけている事に―。
****
1限目の講義終了後―
机の上の私物をカバンにしまっているとトビーが声を掛けてきた。
「エイミー。次の講義は何だ?」
「え?次は家政学ですけど?」
「そうか…家政学は確か女子学生だけが受ける講義だったよな?」
「はい…そうですけど…?」
「そうか、なら安心だな?」
「え?安心て…」
「俺は次の講義は休みなんだ。昼は一緒に食事に行こうぜ。待っててやるから。ついでに次の家政学の教室までついていってやるよ」
「え?え?」
さっきからトビーは一体何を言っているのだろう?その時、アルトが凄い目で睨みながらこちらに近付いてくる様子が目に入った。
え?な、何であんなに私を睨んでるの?あ、それともトビーを睨んでいるのかも…。うん、きっとそうだ。そうに違いない。だってトビーは目つきも悪いし、態度は大きいし…。それで私を心配してトビーに文句を言いに来たのかもしれない。
「来たか…」
トビーが小さく呟くのが耳に入った。
「来ましたね。トビーさんに文句を言いに」
私の言葉にトビーが振り向く。
「は?お前、一体何を言ってるんだ?」
その時、アルトが私達の直ぐ側まで近付いてくると、何故か私を睨みつけてきた。
「エイミー。これは一体どういう事なのかな?」
「え?わ、私…?」
まさかアルトが睨んでいたのは私…?
私は呆然と目の前に立つアルトを見つめた―。
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