100 / 100
第100話 またいつか会えるまで <完>
しおりを挟む
「え?」
目が覚めると私の目に蛍光灯が飛び込んできた。
「え…?蛍光灯…?」
そんな馬鹿な。この世界に蛍光灯があるはずは…。すると、白衣を来た見知らぬ中年男性が私を覗き込んできた。でも…その面影には見覚えがある。そう…ジョシュアさんを何となく連想させた。
「目が覚めましたか?小林美穂さん」
「え…?小林美穂って…前世の私の記憶…?」
すると、背後から声を掛けられた。
「良かった…元に戻ったのですね?」
「え?」
その声に驚いて振り向くと、そこには白衣を着たケンがいたのだ。
「えっ?!ケ、ケンッ?!」
「ああ…良かった、小林さん。成功したみたいですね」
ケンは嬉しそうに言う。
「え?成功…?一体どういう…」
身体を起こすと、そこは応接室のような場所だった。部屋の至る所に観葉植物が置かれ、大きな水槽には熱帯魚が優雅に泳いでいる。
「まずは…そうですね。自分の顔を確認してみましょうか?」
ジョシュアさん?もどきの男性は手鏡を渡してきた。
「さ、どうぞ覗いてみて下さい」
「は、はい…」
クルリと鏡を自分の方に向けて…驚いた。そこに映っているのは長年見慣れていた私…「小林美穂」が映し出されている。
「え…?こ、これは一体…?」
何?一体私に身に何が起こったというのだろう?私はゲルダだったはず…。ついさっきまでシェアハウスの皆と楽しくパーティーをしていたはずでは?
何が何やら分からずに呆然としていると、ケンが言った。
「まずは外で待っている息子さんを呼びましょうか?」
「え…?息子…?」
ケンは扉へ向かうと、ガチャリと開け…何やら誰かと話している。次の瞬間―。
「母さんっ?!」
突如として部屋に飛び込んできたのは…私の息子の俊也だった。
「えっ?!俊也っ?!」
すると俊也は周りの目があるというのに、私に抱きついてくると涙混じりに言った。
「良かった…母さんが…戻ってきてくれた…」
そして肩を震わせて泣いた―。
****
あの後、私は先生と心理学を専攻している学生、そして俊也から話を聞かされた。私がゲルダとして目覚めたあの日…実際の私は脳梗塞で死にかけていたらしい。前日に頭が痛むと俊也に電話をしていた私を心配になって様子を見に来ると、布団の中で意識を失っている私を俊也が発見。そして救急車を呼んですぐに病院へ搬送され、応急処置が施された私は目覚めた。まるきりの…別人格に変わっていた状態で…。
「別人格…?」
首を傾げると俊也が言った。
「母さんは自分の事を『ゲルダ・ノイマン』だと言って聞かなかったんだよ。そして鏡を見せたらショックで気を失ってしまったんだよ」
「え…?」
何も気を失うって…。
「それですぐに意識を取り戻したんだけど、その後が大変だったんだよ。錯乱状態で…私はこんなに年取っていないとか言い出して…家に連れ帰ればこんな狭い部屋に住めないとか泣いてさ…おまけに家電製品を見せたら悲鳴を上げるしで…」
俊也の話で徐々に私は状況を理解した。恐らく…私とゲルダはお互い、入れ替わった前世を持って生まれてきたのではないだろうかと…。そしてお互いが何らかのはずみで(恐らく私が脳梗塞で死にかけて)入れ替わってしまったのだろう。
私の状況に困り果てた俊也は私を自分たち夫婦のマンションに招き、そこで暮らし始めたらしいが一向に私が元に戻らず、何とか私を元に戻す為に色々な精神科を探し歩き…ついにここに辿り着いたらしい。
「週に3回小林さんはここに通って、カンセリングと治療を受けてきたんですよ。そして彼が僕の助手として来てくれて…状況が変化していったんです」
彼…それはまさにケンの事だった。
「催眠療法で貴女を眠らせ、色々な質問をしていくに連れ…貴女がゲルダ・ノイマンという21歳の女性であることが分かったのです。自分の前世を覚えている人がいる…と言う話は聞いたことがありましたが、恐らく小林さんがそうではないかと思ったのです。そこで色々な催眠暗示を掛けて…ようやく元の小林さんに戻すことに成功しました。ゲルダ・ノイマンという女性は…どうやら不満だらけの境遇に置かれていたようですからね。私は前世と言うものを信じていますから…ひょっとして貴女がゲルダさんと入れ替わって彼女の不満を解消してあげたのではないですか?そして小林さん自身が抱えている不満もゲルダさんが解消して…元に戻るきっかけが生まれたと私は思っているんですよ?」
ジョシュアさん似の先生はそう言って笑った―。
****
「さぁ、母さん。遠慮せずに上がってよ」
結局、私は俊也夫婦が暮らすマンションへと連れてこられた。
「おかえりさない、お義母さん」
俊也のお嫁さんの瑠美さんが招いていてれた。…瑠美さんを見た時、非常に懐かしい感情が込み上げてきた。何故なら…雰囲気がアネットに何となく似ていたからだ。
「だけど…本当にいいの?新婚夫婦の家に私なんかがお邪魔して…」
すると瑠美さんが笑いながら言った。
「何を言ってるんですか?ゲルダさんとしてお義母さんと話をするのは楽しかったですよ」
「え?!そ、それは…聞きたいような聞きたくないような…」
「ああ、本当に大変だったよ。母さんが『私はゲルダ・ノイマンよーっ』って叫んだあの時は…」
俊也が笑いながら言う。
「何言ってるのよ、貴方が一番パニックを起こしたくせに。母さんがおかしくなってしまったーって!」
瑠美さんも笑っている。
うん…。本当は私は寂しかったんだ。俊也が結婚して家を出て…あの団地に1人で暮らすことが寂しかった。仕事にうちこんでいたものの、心の何処かでは寂しさを抱えていた。そんな時、私とゲルダの前世が入れ替わり…ゲルダはラファエルと離婚でき、私は俊也と瑠美さんと暮らせるようになった。そして…私達は元に戻ったのだろう―と。
****
私が元の小林美穂に戻り、あれから1ヶ月が経過した―。
「こんにちは、小林さん」
「はい、宜しくお願いします。真鍋先生」
ジョシュア先生に似た雰囲気の心療内科医の真鍋先生に挨拶する。
「どうですか?その後は…」
「はい。今はもうすっかり元の自分を取り戻しました。パン屋も無事オープン出来たし…順調です」
「そうですか…ではもう小林さんを診察するのも…本日で終わりですか…」
真鍋先生は寂しそうに笑った。
「そうかもしれませんね」
ポツリと言うと、真鍋先生が言った。
「実は…本当はもっと小林さんから「ゲルダ・ノイマン」として暮らしていた頃の話を聞きたいのですよね…出来れば今度は診察室の外で」
「え…?」
私は顔を上げた。
「今度は…患者と医師ではなく、まずは友達として会えるでしょうか?」
そして真鍋先生は笑って私を見る。その笑い顔は…ジョシュアさんによく似ていた。
勿論…私の答えは決まっていた―。
****
「ふぅ~…今日も良い天気ね…」
私は空を見上げて…シェアハウスの住人達に想いをはせた。きっと皆は私が突然元の人格のゲルダに戻って驚いたに違いない。だけど、恐らくゲルダはうまくやっていけるだろう。だって私の記憶を引き継いでくれているだろうから。私があの世界でやれなかった事業を彼女ならやり遂げてくれるだろうと信じている。
もう二度と皆と会うことは無いだろうけど…きっとこの世界でまた皆に会えるだろう。ブランカやジャン、ジェフにウィンター。
だって彼らもこの世界の何処かで生きているに違いないから。
ルイスや、アネット、そしてジョシュアさん…。
さよなら、皆。またいつか会えるその日まで…どうか元気で―。
<完>
目が覚めると私の目に蛍光灯が飛び込んできた。
「え…?蛍光灯…?」
そんな馬鹿な。この世界に蛍光灯があるはずは…。すると、白衣を来た見知らぬ中年男性が私を覗き込んできた。でも…その面影には見覚えがある。そう…ジョシュアさんを何となく連想させた。
「目が覚めましたか?小林美穂さん」
「え…?小林美穂って…前世の私の記憶…?」
すると、背後から声を掛けられた。
「良かった…元に戻ったのですね?」
「え?」
その声に驚いて振り向くと、そこには白衣を着たケンがいたのだ。
「えっ?!ケ、ケンッ?!」
「ああ…良かった、小林さん。成功したみたいですね」
ケンは嬉しそうに言う。
「え?成功…?一体どういう…」
身体を起こすと、そこは応接室のような場所だった。部屋の至る所に観葉植物が置かれ、大きな水槽には熱帯魚が優雅に泳いでいる。
「まずは…そうですね。自分の顔を確認してみましょうか?」
ジョシュアさん?もどきの男性は手鏡を渡してきた。
「さ、どうぞ覗いてみて下さい」
「は、はい…」
クルリと鏡を自分の方に向けて…驚いた。そこに映っているのは長年見慣れていた私…「小林美穂」が映し出されている。
「え…?こ、これは一体…?」
何?一体私に身に何が起こったというのだろう?私はゲルダだったはず…。ついさっきまでシェアハウスの皆と楽しくパーティーをしていたはずでは?
何が何やら分からずに呆然としていると、ケンが言った。
「まずは外で待っている息子さんを呼びましょうか?」
「え…?息子…?」
ケンは扉へ向かうと、ガチャリと開け…何やら誰かと話している。次の瞬間―。
「母さんっ?!」
突如として部屋に飛び込んできたのは…私の息子の俊也だった。
「えっ?!俊也っ?!」
すると俊也は周りの目があるというのに、私に抱きついてくると涙混じりに言った。
「良かった…母さんが…戻ってきてくれた…」
そして肩を震わせて泣いた―。
****
あの後、私は先生と心理学を専攻している学生、そして俊也から話を聞かされた。私がゲルダとして目覚めたあの日…実際の私は脳梗塞で死にかけていたらしい。前日に頭が痛むと俊也に電話をしていた私を心配になって様子を見に来ると、布団の中で意識を失っている私を俊也が発見。そして救急車を呼んですぐに病院へ搬送され、応急処置が施された私は目覚めた。まるきりの…別人格に変わっていた状態で…。
「別人格…?」
首を傾げると俊也が言った。
「母さんは自分の事を『ゲルダ・ノイマン』だと言って聞かなかったんだよ。そして鏡を見せたらショックで気を失ってしまったんだよ」
「え…?」
何も気を失うって…。
「それですぐに意識を取り戻したんだけど、その後が大変だったんだよ。錯乱状態で…私はこんなに年取っていないとか言い出して…家に連れ帰ればこんな狭い部屋に住めないとか泣いてさ…おまけに家電製品を見せたら悲鳴を上げるしで…」
俊也の話で徐々に私は状況を理解した。恐らく…私とゲルダはお互い、入れ替わった前世を持って生まれてきたのではないだろうかと…。そしてお互いが何らかのはずみで(恐らく私が脳梗塞で死にかけて)入れ替わってしまったのだろう。
私の状況に困り果てた俊也は私を自分たち夫婦のマンションに招き、そこで暮らし始めたらしいが一向に私が元に戻らず、何とか私を元に戻す為に色々な精神科を探し歩き…ついにここに辿り着いたらしい。
「週に3回小林さんはここに通って、カンセリングと治療を受けてきたんですよ。そして彼が僕の助手として来てくれて…状況が変化していったんです」
彼…それはまさにケンの事だった。
「催眠療法で貴女を眠らせ、色々な質問をしていくに連れ…貴女がゲルダ・ノイマンという21歳の女性であることが分かったのです。自分の前世を覚えている人がいる…と言う話は聞いたことがありましたが、恐らく小林さんがそうではないかと思ったのです。そこで色々な催眠暗示を掛けて…ようやく元の小林さんに戻すことに成功しました。ゲルダ・ノイマンという女性は…どうやら不満だらけの境遇に置かれていたようですからね。私は前世と言うものを信じていますから…ひょっとして貴女がゲルダさんと入れ替わって彼女の不満を解消してあげたのではないですか?そして小林さん自身が抱えている不満もゲルダさんが解消して…元に戻るきっかけが生まれたと私は思っているんですよ?」
ジョシュアさん似の先生はそう言って笑った―。
****
「さぁ、母さん。遠慮せずに上がってよ」
結局、私は俊也夫婦が暮らすマンションへと連れてこられた。
「おかえりさない、お義母さん」
俊也のお嫁さんの瑠美さんが招いていてれた。…瑠美さんを見た時、非常に懐かしい感情が込み上げてきた。何故なら…雰囲気がアネットに何となく似ていたからだ。
「だけど…本当にいいの?新婚夫婦の家に私なんかがお邪魔して…」
すると瑠美さんが笑いながら言った。
「何を言ってるんですか?ゲルダさんとしてお義母さんと話をするのは楽しかったですよ」
「え?!そ、それは…聞きたいような聞きたくないような…」
「ああ、本当に大変だったよ。母さんが『私はゲルダ・ノイマンよーっ』って叫んだあの時は…」
俊也が笑いながら言う。
「何言ってるのよ、貴方が一番パニックを起こしたくせに。母さんがおかしくなってしまったーって!」
瑠美さんも笑っている。
うん…。本当は私は寂しかったんだ。俊也が結婚して家を出て…あの団地に1人で暮らすことが寂しかった。仕事にうちこんでいたものの、心の何処かでは寂しさを抱えていた。そんな時、私とゲルダの前世が入れ替わり…ゲルダはラファエルと離婚でき、私は俊也と瑠美さんと暮らせるようになった。そして…私達は元に戻ったのだろう―と。
****
私が元の小林美穂に戻り、あれから1ヶ月が経過した―。
「こんにちは、小林さん」
「はい、宜しくお願いします。真鍋先生」
ジョシュア先生に似た雰囲気の心療内科医の真鍋先生に挨拶する。
「どうですか?その後は…」
「はい。今はもうすっかり元の自分を取り戻しました。パン屋も無事オープン出来たし…順調です」
「そうですか…ではもう小林さんを診察するのも…本日で終わりですか…」
真鍋先生は寂しそうに笑った。
「そうかもしれませんね」
ポツリと言うと、真鍋先生が言った。
「実は…本当はもっと小林さんから「ゲルダ・ノイマン」として暮らしていた頃の話を聞きたいのですよね…出来れば今度は診察室の外で」
「え…?」
私は顔を上げた。
「今度は…患者と医師ではなく、まずは友達として会えるでしょうか?」
そして真鍋先生は笑って私を見る。その笑い顔は…ジョシュアさんによく似ていた。
勿論…私の答えは決まっていた―。
****
「ふぅ~…今日も良い天気ね…」
私は空を見上げて…シェアハウスの住人達に想いをはせた。きっと皆は私が突然元の人格のゲルダに戻って驚いたに違いない。だけど、恐らくゲルダはうまくやっていけるだろう。だって私の記憶を引き継いでくれているだろうから。私があの世界でやれなかった事業を彼女ならやり遂げてくれるだろうと信じている。
もう二度と皆と会うことは無いだろうけど…きっとこの世界でまた皆に会えるだろう。ブランカやジャン、ジェフにウィンター。
だって彼らもこの世界の何処かで生きているに違いないから。
ルイスや、アネット、そしてジョシュアさん…。
さよなら、皆。またいつか会えるその日まで…どうか元気で―。
<完>
56
お気に入りに追加
3,503
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(196件)
あなたにおすすめの小説
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
もう一度あなたと?
キムラましゅろう
恋愛
アデリオール王国魔法省で魔法書士として
働くわたしに、ある日王命が下った。
かつて魅了に囚われ、婚約破棄を言い渡してきた相手、
ワルター=ブライスと再び婚約を結ぶようにと。
「え?もう一度あなたと?」
国王は王太子に巻き込まれる形で魅了に掛けられた者達への
救済措置のつもりだろうけど、はっきり言って迷惑だ。
だって魅了に掛けられなくても、
あの人はわたしになんて興味はなかったもの。
しかもわたしは聞いてしまった。
とりあえずは王命に従って、頃合いを見て再び婚約解消をすればいいと、彼が仲間と話している所を……。
OK、そう言う事ならこちらにも考えがある。
どうせ再びフラれるとわかっているなら、この状況、利用させてもらいましょう。
完全ご都合主義、ノーリアリティ展開で進行します。
生暖かい目で見ていただけると幸いです。
小説家になろうさんの方でも投稿しています。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから
真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」
期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。
※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。
※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。
※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。
※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。
理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました
ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。
このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。
そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。
ーーーー
若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。
作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。
完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。
第一章 無計画な婚約破棄
第二章 無計画な白い結婚
第三章 無計画な告白
第四章 無計画なプロポーズ
第五章 無計画な真実の愛
エピローグ
ごめんなさい、お姉様の旦那様と結婚します
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
しがない伯爵令嬢のエーファには、三つ歳の離れた姉がいる。姉のブリュンヒルデは、女神と比喩される程美しく完璧な女性だった。端麗な顔立ちに陶器の様に白い肌。ミルクティー色のふわふわな長い髪。立ち居振る舞い、勉学、ダンスから演奏と全てが完璧で、非の打ち所がない。正に淑女の鑑と呼ぶに相応しく誰もが憧れ一目置くそんな人だ。
一方で妹のエーファは、一言で言えば普通。容姿も頭も、芸術的センスもなく秀でたものはない。無論両親は、エーファが物心ついた時から姉を溺愛しエーファには全く関心はなかった。周囲も姉とエーファを比較しては笑いの種にしていた。
そんな姉は公爵令息であるマンフレットと結婚をした。彼もまた姉と同様眉目秀麗、文武両道と完璧な人物だった。また周囲からは冷笑の貴公子などとも呼ばれているが、令嬢等からはかなり人気がある。かく言うエーファも彼が初恋の人だった。ただ姉と婚約し結婚した事で彼への想いは断念をした。だが、姉が結婚して二年後。姉が事故に遭い急死をした。社交界ではおしどり夫婦、愛妻家として有名だった夫のマンフレットは憔悴しているらしくーーその僅か半年後、何故か妹のエーファが後妻としてマンフレットに嫁ぐ事が決まってしまう。そして迎えた初夜、彼からは「私は君を愛さない」と冷たく突き放され、彼が家督を継ぐ一年後に離縁すると告げられた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
お読み頂き有難うございます。意外な結末となりましたが、楽しんで頂けて良かったです。番外編はおまけみたいなものなので、あっさり終わりますが、読んでいただけると嬉しいです★
題名も回収し、意表をついた終わりにしたつもりなのですが物足りなかったですか?一応、その後のゲルダの話を短編で考え中です。
以外な結末、いかがでしたか?番外編1話完結である…かもしれません