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第82話 歓迎会
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その夜の事―
新しいシェアハウスの住人になったジョシュアさんを交えて、今夜も沢山の料理が並べられた。何しろ、今夜は歓迎会なのだから当然だろう。
「これは美味しい料理ですね?一体何という料理なのですか?」
ジョシュアさんが唐揚げを口にしながら感動の笑み?を浮かべている。
「これですか?これは『鶏のから揚げ』という料理なのですよ?鶏の腿肉を色々な香辛料に付け込んで油で揚げた料理なんです。こちらが塩味で、こちらがカレー味です」
ジョシュアさんの皿にせっせと唐揚げ料理を取り分けてあげながら私は説明した。
「カレーですか?始めて聞く料理ですね?」
ジョシュアさんの目が丸くなる。
「ゲルダ様の作るカレーは最高なんですぜ。そうだ!今度またカレーを作って下さいよ!」
ウィンターは私が料理を作れば、自分は作らなくて済むと思って、あんな言い方をしたのだろうが…思惑通りになってなるものか。
「ええ。そうね。その時はウィンター。一緒に作りましょうね~?」
「は、は、はいっ!」
ウィンターがビクリと肩を跳ね上げさせながら返事をする。恐らく私が何を言いたいのか伝わったのだろう。
「ゲルダ様。この料理は何と言うのですか?」
ジェフがフォークでフライドポテトを刺しながら言う。
「それはね、フライドポテトって言うのよ。ジャガイモを油で揚げて塩を振っただけよ。どう?」
「凄く美味しいですね。発泡酒によく合いますよ」
ジャンがこの世界で言う「ビール」のような飲み物を飲みながら言う。
「確かにフライドポテトは美味しいですね。何本でもいけそうです」
ブランカが物凄い速さでフライドポテトを食している。余程気に入ったのかもしれない。
皆楽しそうにワイワイ騒いでいるのに、何故か俊也だけは無口だ。黙って料理を口に運び、時折ジョシュアさんを気にかけているようにも見える。
「ルイスさん?どうかしたのですか?」
俊也に恋しているアネットが話しかけて来た。
「い、いえ!何でもありません…」
しかし、何でもありませんと言いつつ、俊也の視線はジョシュアさんを捕らえている。
「あ、あの~…ルイスさん…でしたっけ?私に何か用でしょうか…?」
ついにジョシュアさんが俊也の視線に耐え切れず?声をかけた。
「ええ。用…と言いますか、お聞きしたい事があります」
「僕に…ですか?」
え?俊也…一体ジョシュアさんに何を聞くつもりなの?!
「ジョシュアさん…。貴方の好みの女性のタイプを聞かせて頂けますか?その年でずっと今まで独身だったと言う事は、余程理想が高いと言う事になりますよねっ?!それとも結婚の約束までしたのに、別れてしまった女性がいるとか?」
「ええええっ?!い、一体突然何ですか?!」
ジョシュアさんが目を丸くする。他のメンバー達も驚きの目を俊也に向けている。
「ちょ、ちょっと!俊…じゃ無かった、ルイスさん!いきなり何て事聞いて来るのっ?!」
「決まっているじゃないか!大事な事だからだよ!それで?どうなんですかっ!」
「そ、そうですね…結婚を約束したような女性はいませんし、好みの女性のタイプは気立てが良くて明るくて…出来れば料理が得意な女性がいいでね…」
「それでっ?!他にはっ?!」
俊也の質問攻めはとどまるところを知らなかった―。
新しいシェアハウスの住人になったジョシュアさんを交えて、今夜も沢山の料理が並べられた。何しろ、今夜は歓迎会なのだから当然だろう。
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「ゲルダ様。この料理は何と言うのですか?」
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「それはね、フライドポテトって言うのよ。ジャガイモを油で揚げて塩を振っただけよ。どう?」
「凄く美味しいですね。発泡酒によく合いますよ」
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「確かにフライドポテトは美味しいですね。何本でもいけそうです」
ブランカが物凄い速さでフライドポテトを食している。余程気に入ったのかもしれない。
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「ルイスさん?どうかしたのですか?」
俊也に恋しているアネットが話しかけて来た。
「い、いえ!何でもありません…」
しかし、何でもありませんと言いつつ、俊也の視線はジョシュアさんを捕らえている。
「あ、あの~…ルイスさん…でしたっけ?私に何か用でしょうか…?」
ついにジョシュアさんが俊也の視線に耐え切れず?声をかけた。
「ええ。用…と言いますか、お聞きしたい事があります」
「僕に…ですか?」
え?俊也…一体ジョシュアさんに何を聞くつもりなの?!
「ジョシュアさん…。貴方の好みの女性のタイプを聞かせて頂けますか?その年でずっと今まで独身だったと言う事は、余程理想が高いと言う事になりますよねっ?!それとも結婚の約束までしたのに、別れてしまった女性がいるとか?」
「ええええっ?!い、一体突然何ですか?!」
ジョシュアさんが目を丸くする。他のメンバー達も驚きの目を俊也に向けている。
「ちょ、ちょっと!俊…じゃ無かった、ルイスさん!いきなり何て事聞いて来るのっ?!」
「決まっているじゃないか!大事な事だからだよ!それで?どうなんですかっ!」
「そ、そうですね…結婚を約束したような女性はいませんし、好みの女性のタイプは気立てが良くて明るくて…出来れば料理が得意な女性がいいでね…」
「それでっ?!他にはっ?!」
俊也の質問攻めはとどまるところを知らなかった―。
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