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第60話 ジョシュア・メイソン
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「は、破滅って…ゲルダ様。貴女は一体何をする気なんですか?」
ウィンターが声を震わせながら尋ねてきた。
「説明は後でするわ。とりあえず今は先にラファエルを探さなくちゃ。どうしても伝えなくちゃならない事があるのよ」
「ラファエル様ならまだあの会場の中にいるはずですぜ?」
「ふ~ん、そう。それじゃラファエルを探してくるからウィンターは裏口から外へ出て待っていて頂戴。もうノイマン家の監視はしなくて大丈夫よ。その代わり、これから私とある場所へ行ってもらうから」
「え…?ある場所って一体…?」
「後で説明してあげるわよ。そんな事よりいつまでもここにウロウロしていたらノイマン家の使用人として掴まってしまうかもしれないわよ」
「げっ!冗談じゃありません!ここにいたら馬車馬のようにこき使われて今に過労死しかねませんよ!」
ウィンターは顔を青ざめさせると、一目散に走り去って行ってしまった。
「さて…と、それじゃラファエルを探しに行きますか」
私は会場内へ足を踏み入れた。
****
いつの間にかオークションは終わっており、大勢の参加者たちはそれぞれ自分たちが落札した商品を持って歓談していた。ラファエルはどこにいるのだろう…?
キョロキョロ探していると、ラファエルが先程オークションの進行を務めていた男性と話をしているのが目に入った。
ふ~ん…。ラファエルはあの男性とやはり知り合いだったのか。私は2人に元へ近付いていった。
「ラファエル様、お話中申し訳ございません」
ラファエルに声を掛けた。
「何だ。今迄何処へ行っていたんだ?」
「ええ、少し用事がありましたので」
すると一緒にいた男性が声を掛けてきた。
「おや、これは可愛らしい女性ですね。始めまして、私はジョシュア・メイソンと申します」
「始めまして。私はゲ…」
言いかけて、すぐ側にラファエルがいることを思い出し、慌てて言葉を飲み込んだ。
「「ゲ…?」」
ジョシュアさんとラファエルが首をかしげて私を見る。
「ゲ、ゲーテル・グリムと申します。よろしくお願い致します」
咄嗟に思いついたでまかせの名前を口にする。
「そうか、お前はゲーテルという名前だったのか?メイソンさん、今回の販売方法を提案したのが彼女なんですよ」
ラファエルがジョシュアさんに言った。
「なんと、貴女がこの『オークション』と言う販売方法を考案した方だったのですか?いや~。『オークション』と言うのは中々盛り上がりますね。しかも売上もアップするし…本当にまだお若いのにこのアイデアには脱帽です。実は私の本業は古美術商なのですが、これから貴女の考案した販売方法を私も活用させていただいて構いませんか?」
「え、ええ…それは少しも構いませんが…」
「本当ですか?!ありがとうございますっ!」
ジョシュアさんは嬉しそうに私にお礼を言った。まさかこんなに褒められるとは思いもしなかった。しかし…今はオークションの話をしている場合では無い。
「あ、あのラファエル様。少し場所を変えてお話したいことがあるのですが…」
「何だ?話なら今ここですればいいじゃないか?」
ラファエルはジョシュアさんに気を使っているのだろうか?
「はい、ではお話しましす。実はベロニカ様の事ですが…」
「うわああああっ!!」
その途端、ラファエルは大声を上げる。
「ど、どうしたのですか?ラファエル様?!」
ジョシュアさんが驚いてラファエルに声を掛けた。
「い、いえ。す、すみません。少しゲーテルと話があるので席を外しますね!」
「は、はぁ…分かりました」
ジョシュアさんは首をかしげながながら返事をする。
「さぁ、来るんだ!」
ラファエルは私の腕を掴むと会場の外へと連れ出した―。
ウィンターが声を震わせながら尋ねてきた。
「説明は後でするわ。とりあえず今は先にラファエルを探さなくちゃ。どうしても伝えなくちゃならない事があるのよ」
「ラファエル様ならまだあの会場の中にいるはずですぜ?」
「ふ~ん、そう。それじゃラファエルを探してくるからウィンターは裏口から外へ出て待っていて頂戴。もうノイマン家の監視はしなくて大丈夫よ。その代わり、これから私とある場所へ行ってもらうから」
「え…?ある場所って一体…?」
「後で説明してあげるわよ。そんな事よりいつまでもここにウロウロしていたらノイマン家の使用人として掴まってしまうかもしれないわよ」
「げっ!冗談じゃありません!ここにいたら馬車馬のようにこき使われて今に過労死しかねませんよ!」
ウィンターは顔を青ざめさせると、一目散に走り去って行ってしまった。
「さて…と、それじゃラファエルを探しに行きますか」
私は会場内へ足を踏み入れた。
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いつの間にかオークションは終わっており、大勢の参加者たちはそれぞれ自分たちが落札した商品を持って歓談していた。ラファエルはどこにいるのだろう…?
キョロキョロ探していると、ラファエルが先程オークションの進行を務めていた男性と話をしているのが目に入った。
ふ~ん…。ラファエルはあの男性とやはり知り合いだったのか。私は2人に元へ近付いていった。
「ラファエル様、お話中申し訳ございません」
ラファエルに声を掛けた。
「何だ。今迄何処へ行っていたんだ?」
「ええ、少し用事がありましたので」
すると一緒にいた男性が声を掛けてきた。
「おや、これは可愛らしい女性ですね。始めまして、私はジョシュア・メイソンと申します」
「始めまして。私はゲ…」
言いかけて、すぐ側にラファエルがいることを思い出し、慌てて言葉を飲み込んだ。
「「ゲ…?」」
ジョシュアさんとラファエルが首をかしげて私を見る。
「ゲ、ゲーテル・グリムと申します。よろしくお願い致します」
咄嗟に思いついたでまかせの名前を口にする。
「そうか、お前はゲーテルという名前だったのか?メイソンさん、今回の販売方法を提案したのが彼女なんですよ」
ラファエルがジョシュアさんに言った。
「なんと、貴女がこの『オークション』と言う販売方法を考案した方だったのですか?いや~。『オークション』と言うのは中々盛り上がりますね。しかも売上もアップするし…本当にまだお若いのにこのアイデアには脱帽です。実は私の本業は古美術商なのですが、これから貴女の考案した販売方法を私も活用させていただいて構いませんか?」
「え、ええ…それは少しも構いませんが…」
「本当ですか?!ありがとうございますっ!」
ジョシュアさんは嬉しそうに私にお礼を言った。まさかこんなに褒められるとは思いもしなかった。しかし…今はオークションの話をしている場合では無い。
「あ、あのラファエル様。少し場所を変えてお話したいことがあるのですが…」
「何だ?話なら今ここですればいいじゃないか?」
ラファエルはジョシュアさんに気を使っているのだろうか?
「はい、ではお話しましす。実はベロニカ様の事ですが…」
「うわああああっ!!」
その途端、ラファエルは大声を上げる。
「ど、どうしたのですか?ラファエル様?!」
ジョシュアさんが驚いてラファエルに声を掛けた。
「い、いえ。す、すみません。少しゲーテルと話があるので席を外しますね!」
「は、はぁ…分かりました」
ジョシュアさんは首をかしげながながら返事をする。
「さぁ、来るんだ!」
ラファエルは私の腕を掴むと会場の外へと連れ出した―。
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