旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売

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第51話 交換条件の内容は?

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「それではこれから方法を教えてさしあげますが…2つ条件があります」

私は指を2本立てた。

「何っ?!2つだと?1つじゃないのか?!」

ラファエルの言葉に言う。

「いいんですか…それでは彼等に叩かれてあんなに価値のある美術品や骨董品を二束三文の値段で買い取られてしまっても。…尤も私にとっては関係ない話なのでどうでも良いですけどね」

どうでも良い…そこを強調する。

「い、いや。二束三文で買い取られるわけにはいかない!何しろ、あの芸術品の数々がいくらで売れるかによって、我々の明日が決まってしまうからな!全く…それもこれも全てあの疫病神のゲルダのせいだ…!」

ラファエルはそのゲルダが目の前にいることも気付かずに、忌々しげに言う。
全く…どの口が物申すのだろう。余程自分たちの方がブルーム家の疫病神だということに気付いていないのだろうか?

「それで、どうするのですか?私の条件を飲んでくれるのですか?くれないのですか?」

「ああ、分かった。言うとおりにしよう。それで条件というのは何だ?言ってみろ」

「はい、まずあれらの美術品が私の言う方法で高値で売れた場合は売上の5%を頂きます」

「何だってっ?!5%もかっ?!」

「嫌ならいいですけどね。でもその代わり私の方法で売れば、絶対、必ず高値でうれますよ?さて、どうしますか?」

「ぐぬぬぬ…わ、分かった…やむを得まい…言うとおりにしよう」

「はい、必ず約束は守っていただきますからね。では2つ目です。愛人の女性とは今どのような関係になっていますか?まだ夜中にこの屋敷を訪れて深い関係を続けていらっしゃいますか?」

「わーっ!ば、馬鹿っ!お、お前…何って事を口走るんだよっ!」

ラファエルが青ざめて、突如私の口を塞ぐと言った。

「お前、場所をわきまえて話せよっ!いいか、あそこにいる客人達はな…大勢貴族が混ざっているんだよっ!もし彼等に今の話がバレたらどうするんだっ!俺はもう終わりだっ!」

もうとっくに自分たちが終わっていることに気付いていないのだろうか?
しかしラファエルのあの慌てよう…ひょっとするとこれはひょっとするかもしれない。

「分かりましたから、とりあえず離して下さいよっ!」

無理やりラファエルの腕を引き剥がすと私は言った。

「つまり、その反応ですと…まだ愛人のベロニカ様とは続いている訳ですね?」

「あ、ああ…そうなんだ…」

ラファエルは顔を赤らめながら、何故か嬉しそうに語り始めた。

「彼女は、俺たちが財産を失いそうになっているのに…それでもいいから俺と愛人関係を続けたいって言うんだよ。俺たち…どうやらベッドの相性が最高にいいみたいなんだ…」

「…」

恥ずかしげもなく堂々と昼間っから愛人との情事を語るラファエルに、私は開いた口が塞がらなかった。この男…やはり顔だけで頭が空っぽだったようだ。しかし、ベロニカとは未だに別れていない。しかも2人の仲が続いている理由が、そっちの理由ともなると…恐らく2人は当分別れることは無いだろう。

ベロニカの夫にバレるまでは―。





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