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第8章 11 フリードリッヒ3世との対峙
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「いいえ、まだです・・・。オスカー様と・・・ユリアナを安全な場所に逃がしてもらえないのであれば、私は・・。」
さらに自分の喉を短剣で傷つける。鋭い痛みに歯を食いしばり、私はフリードリッヒ3世と対峙した。
首から流れ出る出血は思った以上に量が多いのか、首元から流れ出くる生温か血が私の着ているメイド服のエプロンを少しずつ赤く染めていく。
「わ・・分かった!この2人を逃がす!手出しはしないと約束するから・・・頼むからやめてくれっ!」
フリードリッヒ3世は顔を歪めながら私に必死で懇願してくる。
「ほら、これでよいだろう?」
フリードリッヒ3世は指をパチンと鳴らすと、途端にオスカーとユリアナの姿が消えてしまった。
「!」
目の前で突然2人が消えた事で私は焦ってしまった。
「陛下っ!一体・・・2人をどこへやったのですかっ?!」
「慌てるな・・・アイリス。あの2人ならこの王宮の外に移動させた。どうやらそこに仲間がいるらしいからな・・。」
言いながらフリードリッヒ3世は再び指を鳴らすと突然何もない空間に城の外の景色が浮かびあがった。
「!」
驚きのあまり身構えると、そこにアイリスとユリアナが倒れており、シモン達が駆け寄って行く姿が現れ・・そこで突然消えてしまった。
「・・・・。」
今のは・・一体何だったのだろう・・?あれは城の外で起きている出来事なのだろうか・・・?
未だに剣先を喉元につけながら私はフリードリッヒ3世を見つめた。
「・・・どうした?アイリス。今の映像は本物だぞ?あれは実際に城の外で起きている・・事実だ。」
「本当に・・・嘘ではありませんね・・・?」
「ああ・・・もちろんだ。この私が・・・大切なお前に嘘をつくはずがないだろう?さあ・・もう何も私たちを邪魔するものは無くなったよ・・。」
言いながらフリードリッヒ3世は一歩ずつ近づいて来る。
「・・・・。」
私はじりじり後ろに下がりながら恐怖と戦っていた。何故・・?何故フリードリッヒ3世はここまで私に執着するのだろう?しかも口ぶりに違和感を感じる。何故私を大切に思うのだろうか・・・・?
「あ!」
気付けば私は壁際に追い詰められていた。
「い、いや・・・やめて・・・来ないで・・・。」
青ざめ、震えながらフリードリッヒ3世を見ると彼は怪訝そうに立ち止まった。
「どうした・・?アイリス・・何故そこまで私を見て怯えるのだ?ああ・・・ひょっとするこの外見が嫌なのか?そうなのだろう?まあ・・私にとっては外見などどうでもよい話だが・・・そこまでアイリスが嫌がるのであれば姿を変える事にしよう・・。」
すると、途端にフリードリッヒ3世の体が靄に包まれ・・徐々に姿を変えていく。やがて靄が徐々に晴れていき・・・姿を現したのは・・・。
「!オ・・・オスカー様・・・?」
私は目を見張った。まただ・・・またしてもフリードリッヒ3世はオスカーの姿に身体を変えた。
「アイリス・・・お前の好みの外見は・・・この男なのだろう?」
そしてオスカーの姿で再び私に近付いて来る。それでも・・・。
「いや!やめてっ!貴方は・・貴方はオスカー様では無いわっ!来ないでっ!」
しかし・・・。
オスカーの姿になったフリードリッヒ3世は一瞬で私の目の前に立ち、短剣を奪い去ると、私の両手首を強く握りしめたまま壁に押し付けてきた。
「!」
途端にフリードリッヒ3世の思考が洪水のように流れ込んでくる。それは今まで感じた事のない膨大な量の思考だった。何世紀に渡る膨大な記憶と思考・・。
「キャアアアッ!!」
私はその重みに耐えきれず・・・悲鳴を上げて気を失ってしまった―。
さらに自分の喉を短剣で傷つける。鋭い痛みに歯を食いしばり、私はフリードリッヒ3世と対峙した。
首から流れ出る出血は思った以上に量が多いのか、首元から流れ出くる生温か血が私の着ているメイド服のエプロンを少しずつ赤く染めていく。
「わ・・分かった!この2人を逃がす!手出しはしないと約束するから・・・頼むからやめてくれっ!」
フリードリッヒ3世は顔を歪めながら私に必死で懇願してくる。
「ほら、これでよいだろう?」
フリードリッヒ3世は指をパチンと鳴らすと、途端にオスカーとユリアナの姿が消えてしまった。
「!」
目の前で突然2人が消えた事で私は焦ってしまった。
「陛下っ!一体・・・2人をどこへやったのですかっ?!」
「慌てるな・・・アイリス。あの2人ならこの王宮の外に移動させた。どうやらそこに仲間がいるらしいからな・・。」
言いながらフリードリッヒ3世は再び指を鳴らすと突然何もない空間に城の外の景色が浮かびあがった。
「!」
驚きのあまり身構えると、そこにアイリスとユリアナが倒れており、シモン達が駆け寄って行く姿が現れ・・そこで突然消えてしまった。
「・・・・。」
今のは・・一体何だったのだろう・・?あれは城の外で起きている出来事なのだろうか・・・?
未だに剣先を喉元につけながら私はフリードリッヒ3世を見つめた。
「・・・どうした?アイリス。今の映像は本物だぞ?あれは実際に城の外で起きている・・事実だ。」
「本当に・・・嘘ではありませんね・・・?」
「ああ・・・もちろんだ。この私が・・・大切なお前に嘘をつくはずがないだろう?さあ・・もう何も私たちを邪魔するものは無くなったよ・・。」
言いながらフリードリッヒ3世は一歩ずつ近づいて来る。
「・・・・。」
私はじりじり後ろに下がりながら恐怖と戦っていた。何故・・?何故フリードリッヒ3世はここまで私に執着するのだろう?しかも口ぶりに違和感を感じる。何故私を大切に思うのだろうか・・・・?
「あ!」
気付けば私は壁際に追い詰められていた。
「い、いや・・・やめて・・・来ないで・・・。」
青ざめ、震えながらフリードリッヒ3世を見ると彼は怪訝そうに立ち止まった。
「どうした・・?アイリス・・何故そこまで私を見て怯えるのだ?ああ・・・ひょっとするこの外見が嫌なのか?そうなのだろう?まあ・・私にとっては外見などどうでもよい話だが・・・そこまでアイリスが嫌がるのであれば姿を変える事にしよう・・。」
すると、途端にフリードリッヒ3世の体が靄に包まれ・・徐々に姿を変えていく。やがて靄が徐々に晴れていき・・・姿を現したのは・・・。
「!オ・・・オスカー様・・・?」
私は目を見張った。まただ・・・またしてもフリードリッヒ3世はオスカーの姿に身体を変えた。
「アイリス・・・お前の好みの外見は・・・この男なのだろう?」
そしてオスカーの姿で再び私に近付いて来る。それでも・・・。
「いや!やめてっ!貴方は・・貴方はオスカー様では無いわっ!来ないでっ!」
しかし・・・。
オスカーの姿になったフリードリッヒ3世は一瞬で私の目の前に立ち、短剣を奪い去ると、私の両手首を強く握りしめたまま壁に押し付けてきた。
「!」
途端にフリードリッヒ3世の思考が洪水のように流れ込んでくる。それは今まで感じた事のない膨大な量の思考だった。何世紀に渡る膨大な記憶と思考・・。
「キャアアアッ!!」
私はその重みに耐えきれず・・・悲鳴を上げて気を失ってしまった―。
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