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第7章 13 追放された王宮騎士
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倉庫を通り抜けると奥に扉があった。
「この奥に私たちの仲間がいます。」
ユリアナはドアをノックすると、中から声が聞こえた。
「誰だ?」
「私です、ユリアナです。アイリス様をお連れしました。」
「何っ?!アイリス様だって?!」
直後。
ガチャリ
ドアが開けられ、そこには金色に輝く髪に真っ白い鎧を身に着けた背の高い若者が立っていた。その顔はとても美しく、まるで彫刻で掘られたような美貌の持ち主であった。
「アイリス様、お初にお目にかかります。私は元王宮騎士団に所属する騎士でアドニスと申します。どうぞよろしくお願い致します。」
「ええ・・こちらこそよろしくお願い致します。」
頭を下げると、アドニスの背後にはさらに3人の騎士が立っていた。驚いたことに彼らはアドニスの部下だと言う。フリードリッヒ3世に歯向かったと言う罪で王宮騎士を追放され、オスカーの配下に加わったらしい。
「アイリス様、立ち話もなんですからどうぞ中へお入りください。」
アドニスに促され、私は部屋の中へと足を踏み入れた。この隠れ家は最初に案内された隠れ家よりは随分と立派なつくりだった。部屋の中は広く、天井に窓がある為、外の明かりを取り入れる事が出来る。木で作られた大きなテーブルの下には赤いカーペットが敷かれ、青いビロード生地の豪華な足つき長ソファが4台、それぞれテーブルを挟んで向かい合うように並べられている。
「アイリス様、喉が渇いたのではありませんか?今ハーブティーをお持ちしますのでお待ちください。」
ソファに座るとユリアナが言った。
「ありがとう、ユリアナ。」
「いいえ、それでは少々お待ち下さい。」
そしてユリアナは扉を開けて出て行った。
「この隠れ家にいる仲間の方は・・・ここにいる方で全員ですか?」
ユリアナが部屋を出て行った後、私はアドニスに尋ねた。
「いえ。まだ10数名の仲間がいますが・・・全員偵察隊として王宮に忍び込んでいます。実は陛下の傍に妙な女が仕え始めたのです。どうやらその人物が現れてから・・ますます国王陛下の様子がおかしくなったと噂されています。今まで・・・陛下はオスカー様を地下牢に閉じ込めたり・・拷問等一切したことが無かったのに・・それが突然あのような真似を・・。」
アドニスは左手で額を抑えると言った。
「拷問・・・。」
その言葉を口にした私はぞっとした。
オスカーが私の元へ会いに来て救護室へ運ばれたとき・・意識を取り戻したオスカーが私に言った。
地下牢へ閉じ込められて、精神的拷問を受けたと・・。オスカーが私に酷い暴力を何度も振るっていた幻覚を見させられたと。
ひょっとすると・・・拷問をするように命じたのはタバサなのではないだろうか?彼女は入学当時からオスカーに異様に執着心を持っていた。そして前世ではオスカーは全く興味を示す事は無かったのに、何故か今世ではオスカーはタバサには見向きもせず、私の事を・・・愛していた・・・。
「今、王宮に忍び込んだ仲間たちが必死になってオスカー様が囚われている場所を探しているはずです。幸いな事に・・彼らはまだ王宮からは面が割れていません。きっと朗報をもたらしてくれるはずです。だからどうかアイリス様。彼らを信じて待っていましょう。」
アドニスはそう言うが・・・彼らはフリードリッヒ3世の本当の恐ろしさをまだ知らないだろう。闇があれば・・影さえあればどこからでも私の元へ現れると言っていた話を。彼らにフリードリッヒ3世の力の秘密を伝えなければ・・!
私は顔を上げてアドニスを見た―。
「この奥に私たちの仲間がいます。」
ユリアナはドアをノックすると、中から声が聞こえた。
「誰だ?」
「私です、ユリアナです。アイリス様をお連れしました。」
「何っ?!アイリス様だって?!」
直後。
ガチャリ
ドアが開けられ、そこには金色に輝く髪に真っ白い鎧を身に着けた背の高い若者が立っていた。その顔はとても美しく、まるで彫刻で掘られたような美貌の持ち主であった。
「アイリス様、お初にお目にかかります。私は元王宮騎士団に所属する騎士でアドニスと申します。どうぞよろしくお願い致します。」
「ええ・・こちらこそよろしくお願い致します。」
頭を下げると、アドニスの背後にはさらに3人の騎士が立っていた。驚いたことに彼らはアドニスの部下だと言う。フリードリッヒ3世に歯向かったと言う罪で王宮騎士を追放され、オスカーの配下に加わったらしい。
「アイリス様、立ち話もなんですからどうぞ中へお入りください。」
アドニスに促され、私は部屋の中へと足を踏み入れた。この隠れ家は最初に案内された隠れ家よりは随分と立派なつくりだった。部屋の中は広く、天井に窓がある為、外の明かりを取り入れる事が出来る。木で作られた大きなテーブルの下には赤いカーペットが敷かれ、青いビロード生地の豪華な足つき長ソファが4台、それぞれテーブルを挟んで向かい合うように並べられている。
「アイリス様、喉が渇いたのではありませんか?今ハーブティーをお持ちしますのでお待ちください。」
ソファに座るとユリアナが言った。
「ありがとう、ユリアナ。」
「いいえ、それでは少々お待ち下さい。」
そしてユリアナは扉を開けて出て行った。
「この隠れ家にいる仲間の方は・・・ここにいる方で全員ですか?」
ユリアナが部屋を出て行った後、私はアドニスに尋ねた。
「いえ。まだ10数名の仲間がいますが・・・全員偵察隊として王宮に忍び込んでいます。実は陛下の傍に妙な女が仕え始めたのです。どうやらその人物が現れてから・・ますます国王陛下の様子がおかしくなったと噂されています。今まで・・・陛下はオスカー様を地下牢に閉じ込めたり・・拷問等一切したことが無かったのに・・それが突然あのような真似を・・。」
アドニスは左手で額を抑えると言った。
「拷問・・・。」
その言葉を口にした私はぞっとした。
オスカーが私の元へ会いに来て救護室へ運ばれたとき・・意識を取り戻したオスカーが私に言った。
地下牢へ閉じ込められて、精神的拷問を受けたと・・。オスカーが私に酷い暴力を何度も振るっていた幻覚を見させられたと。
ひょっとすると・・・拷問をするように命じたのはタバサなのではないだろうか?彼女は入学当時からオスカーに異様に執着心を持っていた。そして前世ではオスカーは全く興味を示す事は無かったのに、何故か今世ではオスカーはタバサには見向きもせず、私の事を・・・愛していた・・・。
「今、王宮に忍び込んだ仲間たちが必死になってオスカー様が囚われている場所を探しているはずです。幸いな事に・・彼らはまだ王宮からは面が割れていません。きっと朗報をもたらしてくれるはずです。だからどうかアイリス様。彼らを信じて待っていましょう。」
アドニスはそう言うが・・・彼らはフリードリッヒ3世の本当の恐ろしさをまだ知らないだろう。闇があれば・・影さえあればどこからでも私の元へ現れると言っていた話を。彼らにフリードリッヒ3世の力の秘密を伝えなければ・・!
私は顔を上げてアドニスを見た―。
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