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第3章 4 オスカーの心変わり
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「遅いですね。オスカー様・・・。」
リリーが門の前で待ちぼうけをされている私に言った。
「ええ、そうね・・・。」
平静を装いながらリリーに返事を返すが、内心私の心は焦っていた。一体オスカーはどうしてしまったのだろう?まさか遅刻でもしているのだろうか?それとも事故にでもあったのか?もしくは・・・あまり考えたくは無かったけれども、実は軟禁状態にされ、影武者のオスカーがもう学校に行っているのでは・・?
腕時計を見ると、すでに時刻は30分を過ぎている。これ以上待っていては遅刻は確実だ。
「仕方が無いわ・・。リリー、お願いがあるの。至急御者を呼んで貰えるかしら?」
「はい、かしこまりましたっ!」
リリーはスカートを翻し、厩舎へ向かって駆けだして行った。
それから約5分後―
「アイリス様っ!お待たせいたしました!」
大きな音を立てて馬車が近づいてくる音と共に、リリーの声が聞こえてきた。
「お待たせいたしました、アイリス様。さあ、すぐに馬車にお乗り下さい。」
御者台に座っていたのはこの道30年のベテランの御者だった。
「ありがとう、無理を言ってごめんなさい。至急アカデミーへ向かってくれる?」
「はい、かしこまりました。」
「アイリス様、お気をつけて。」
リリーの言葉を合図に、馬車はものすごい速さで駆けだした―
「ふう・・・何とか・・・間に合った・・わ・・・。」
馬車がアカデミーに着くと、私は急いで降りて駆けだした。そしてギリギリ予鈴5分前に教室の入り口に辿り着いたのだ。
荒い呼吸を整え、深呼吸すると私はそっと教室を覗き込み・・・目を見張った。何と教室の一番奥の窓際の席にオスカーは座っているではないか。そしてその隣の席にはタバサが座り、2人で仲良さげに話をしていたのだ。
そんな彼らの様子をクラスメイト達は引いた目で見ている。それは無理も無い事だろう・・・。何せクラスメイト達は昨日のオスカーとタバサの険悪な雰囲気をこの目で見ていたのだから。
教室へ入るかどうか迷っていた時、ふいに椅子に座り友人たちと話をしていたレイフと視線が合った。彼は笑みを浮かべると席を立ち、私に近づいて来た。
「おはよう、アイリス。今朝は遅かったんだな。なかなか来ないから心配していたんだ。」
「え、ええ・・・ちょっと・・ね・・。」
言いながら私はチラリとオスカーを見ると、レイフが尋ねてきた。
「アイリス・・・やはりオスカー様と約束していたのか?」
「・・・。」
私は黙って頷くと、レイフがため息をついた。
「今朝のオスカー様は・・・まるで昨日とは違って見える。実は・・・今朝オスカー様はタバサと一緒に教室へ仲良さげに入って来たんだよ。」
「えっ?!タバサと・・・!」
私は驚いて顔を上げた。それと同時に授業開始のチャイムが鳴る。
「悪い、アイリス。チャイムが鳴ったからまた後でな。」
「え、ええ・・。」
レイフはフッと笑みを浮かべ、私の頭を軽く撫でると自分の席へと戻って行った。
「ふう・・・。」
私は溜息をつき、カバンを持って着席すると、隣の茶髪の巻き毛を持つ女生徒が挨拶をしてきた。
「おはようございます。イリヤ様。」
「あ、おはようございます。」
私もぺこりと頭を下げると彼女は言った。
「私はミレディ・ブルーノと申します。どうぞ、ミレディと呼んでください。」
「それではどうぞ私の事もアイリスと呼んで下さい。」
「本当ですか?嬉しいです。これからどうぞ仲良くして下さい。」
ミレディは嬉しそうに笑った。
私も彼女を見て笑みを浮かべた。70年前、私には女友達が一人もいなかった。でも今世では友人が出来そうな予感がする。
そんな様子の私とミレディをオスカーが険しい目で見ているとは、この時の私は思いもしなかった―。
リリーが門の前で待ちぼうけをされている私に言った。
「ええ、そうね・・・。」
平静を装いながらリリーに返事を返すが、内心私の心は焦っていた。一体オスカーはどうしてしまったのだろう?まさか遅刻でもしているのだろうか?それとも事故にでもあったのか?もしくは・・・あまり考えたくは無かったけれども、実は軟禁状態にされ、影武者のオスカーがもう学校に行っているのでは・・?
腕時計を見ると、すでに時刻は30分を過ぎている。これ以上待っていては遅刻は確実だ。
「仕方が無いわ・・。リリー、お願いがあるの。至急御者を呼んで貰えるかしら?」
「はい、かしこまりましたっ!」
リリーはスカートを翻し、厩舎へ向かって駆けだして行った。
それから約5分後―
「アイリス様っ!お待たせいたしました!」
大きな音を立てて馬車が近づいてくる音と共に、リリーの声が聞こえてきた。
「お待たせいたしました、アイリス様。さあ、すぐに馬車にお乗り下さい。」
御者台に座っていたのはこの道30年のベテランの御者だった。
「ありがとう、無理を言ってごめんなさい。至急アカデミーへ向かってくれる?」
「はい、かしこまりました。」
「アイリス様、お気をつけて。」
リリーの言葉を合図に、馬車はものすごい速さで駆けだした―
「ふう・・・何とか・・・間に合った・・わ・・・。」
馬車がアカデミーに着くと、私は急いで降りて駆けだした。そしてギリギリ予鈴5分前に教室の入り口に辿り着いたのだ。
荒い呼吸を整え、深呼吸すると私はそっと教室を覗き込み・・・目を見張った。何と教室の一番奥の窓際の席にオスカーは座っているではないか。そしてその隣の席にはタバサが座り、2人で仲良さげに話をしていたのだ。
そんな彼らの様子をクラスメイト達は引いた目で見ている。それは無理も無い事だろう・・・。何せクラスメイト達は昨日のオスカーとタバサの険悪な雰囲気をこの目で見ていたのだから。
教室へ入るかどうか迷っていた時、ふいに椅子に座り友人たちと話をしていたレイフと視線が合った。彼は笑みを浮かべると席を立ち、私に近づいて来た。
「おはよう、アイリス。今朝は遅かったんだな。なかなか来ないから心配していたんだ。」
「え、ええ・・・ちょっと・・ね・・。」
言いながら私はチラリとオスカーを見ると、レイフが尋ねてきた。
「アイリス・・・やはりオスカー様と約束していたのか?」
「・・・。」
私は黙って頷くと、レイフがため息をついた。
「今朝のオスカー様は・・・まるで昨日とは違って見える。実は・・・今朝オスカー様はタバサと一緒に教室へ仲良さげに入って来たんだよ。」
「えっ?!タバサと・・・!」
私は驚いて顔を上げた。それと同時に授業開始のチャイムが鳴る。
「悪い、アイリス。チャイムが鳴ったからまた後でな。」
「え、ええ・・。」
レイフはフッと笑みを浮かべ、私の頭を軽く撫でると自分の席へと戻って行った。
「ふう・・・。」
私は溜息をつき、カバンを持って着席すると、隣の茶髪の巻き毛を持つ女生徒が挨拶をしてきた。
「おはようございます。イリヤ様。」
「あ、おはようございます。」
私もぺこりと頭を下げると彼女は言った。
「私はミレディ・ブルーノと申します。どうぞ、ミレディと呼んでください。」
「それではどうぞ私の事もアイリスと呼んで下さい。」
「本当ですか?嬉しいです。これからどうぞ仲良くして下さい。」
ミレディは嬉しそうに笑った。
私も彼女を見て笑みを浮かべた。70年前、私には女友達が一人もいなかった。でも今世では友人が出来そうな予感がする。
そんな様子の私とミレディをオスカーが険しい目で見ているとは、この時の私は思いもしなかった―。
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