君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ連載中

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第24話 ドレス選び

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「まぁ! お嬢様はスタイルがよろしいので、どのウェディングドレスもお似合いですわ!」

来店して5着目のウェディングドレスを試着したソフィアに、この店のオーナーであり、一流デザイナーのローラが手を叩く。
今ソフィアが着ているウェディングドレスは美しいAラインのドレスだった。白糸でバラ模様が刺繍され、裾と袖にはふんだんにレースが施されている。

「そ、そうでしょうか……? アダムさん、どうでしょう?」

ソフィアは顔を赤らめながら、アダムに尋ねる。

「……」

しかし、アダムは無言でソフィアをじっと見つめているだけだ。

「あの、アダムさん? どうかしましたか?」

ソフィアの呼びかけで、アダムは我に返ったのだろう。

「あ、これは失礼いたしました。ソフィアさん、どれも全てお似合いです。さすがは……」

そこでアダムは何故か言葉を切る。

「アダムさん?」

「いえ、さすがはムーア氏とアメリ様のお嬢様です。大変お美しいですよ?」

アダムは美しい笑みを向けた。

「そ、そんな……ありがとうございます」

赤くなりながらソフィアは礼を述べると、ローラが提案してきた。

「それでいかがでしょうか? 今迄着たドレスの中でお気に入りがあれば、お直しいたします。ご希望があれば一からデザインして、お仕立ていたしますよ?」

「どうします? ソフィアさん。私は貴女の意見を尊重しますよ?」

相変わらず笑顔で尋ねてくるアダム。けれど、ソフィアは空しかった。

(アダムさん……指輪の話や、結婚式の話は強引に決めるのに……こういう時は、私に意見を求めてくるのね)

我儘と思われてしまうが、ソフィアとしては指輪やドレスはアダムに選んでほしかった。どのデザインが自分に合いそうなのか、アダムの目で見て貰いたかったのだ。

返事をしないソフィアにアダムは首を傾げる。

「ソフィアさん? どうなさったのですか?」

「い、いえ。何でもありません。どのウェディングドレスも素晴らしかったですが、今着ているドレスが一番気に入りました。このドレスを着たいと思います」

ニコリと笑顔で答えるソフィア。

(だって、どうせ結婚式には両親とオーナーしか来ないのだから)

ソフィアの諦めの境地を知ることもなく、アダムは頷いた。

「そうですね。ソフィアさんが気に入ったのであれば、私は貴女の意見を尊重しますよ」

「では、こちらのドレスで決まりですね。ソフィアさんはスタイルがよろしいですから、殆どお直しするところはありませんね。採寸し直しますので、奥の部屋に参りましょう。アダム様。2時間程、ソフィアさんのお時間いただけますか?」

ローラがアダムに尋ねた。

「ええ、私は大丈夫です。その間、少し席を外しますから」

「え!? 席を外すって……一体、どちらに行かれるのですか!?」

ソフィアは驚きで目を見張る。

「仕事があるのです。この近くに取引先があるので少し出掛けてきます。大丈夫です、必ず戻ってまいりますので。ミス・ローラ。彼女をよろしくお願いします」

「ええ。お任せ下さい」

2人の会話をソフィアは、ぼんやりと聞いていた。

「それではまた後程会いましょう、ソフィアさん」

「はい、アダムさん」

ソフィアの返事を聞いたアダムは帽子をかぶり直すと、店を出て行った――


****

「……さて」

店を出たアダムは真剣な眼差しになると、ある場所へ向かって歩き始めた――
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