挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

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第194話 フィリップからの手紙

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「フィリップからの手紙…‥?」

震える手で受け取ると、チャールズさんが教えてくれた。

「このお手紙はフィリップ様から託されました。自分がこの世を去った後、半年後に渡して欲しいと頼まれておりました」

「半年後……?」

でもまだそんなには経過していないのに……?

私はチャールズさんの顔を見つめた。

「実は、エルザ様に…迷いが生じられているなら早目に手紙を渡して欲しいと言われておりました。そこで早目にお渡ししようかと思ったのです。私がいると手紙を集中して読めないでしょうから、一度下がっております」

そしてチャールズさんは頭を下げると、部屋から去って行った。


パタン……


扉が閉じ、1人きりになった私はフィリップからの手紙をじっと見つめた。
一体、この手紙には何が書かれているのだろう……?

緊張しながら、手紙を開封した――。



****

 エルザへ


 この手紙を読んでいるという事は、もう僕がこの世に去った後のことなのだろうね?
元気にしているかい?
ルークは順調に成長しているかな?

 エルザ。結婚してまだ間もないのに…こんなにも君はまだ若くて子供も生まれたばかりなのに、先立って本当にごめん。

君と一緒にルークの成長を見守りたかった。
子供も後2人位は欲しかった。
家族で仲良く暮らし……共に老いるまで末永くエルザと一緒にいたかったよ。

それが無理なことくらい、自分でも分かりきってたけれども。
何より一番心残りだったのが、君とルークを残してしまうことだった。


 エルザ。君にお願いがある。
これは僕の遺言だと思って聞いてほしい。

僕の願いは唯一。
それはエルザとルークが幸せになってくれることだよ。

だから…もし、この先エルザに好きな男性が現れて再婚を考える時がやってくる時はどうか僕に遠慮しないで欲しい。

本音を言えば、君には再婚してもらって幸せになってもらいたいんだ。
僕にはそれが叶わなかったから、他の男性に任せたいと思っている。


 もしこの先エルザに好きな男性が現れることも再婚を考えることも無いのなら、その時はセシルを頼って欲しい。

 セシルは口に出していないけれども、エルザのことが好きなんだよ。
もし、この先ルークに父親が必要になった場合はセシルに代役を頼むといいよ。
もうセシルにはエルザとルークのことを頼んであるからね。

セシルだって、エルザから頼りにされるのを待っているはずだから。


これで最期になるけれど……エルザ。
僕と結婚してくれてありがとう。

愛しているよ。

だから幸せになって貰いたい


フィリップ


手紙はそこで終わっていた――。

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