挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売

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第174話 セシルからの話

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その後、私達は世間話をしながら食事を進めた。

私は途中、席でルークが目を覚ましてぐずったので途中退席をさせてもらった。

おむつ交換と授乳を済ませてダイニングルームに戻ると、義父母の姿が見えない。

「あら?お義父様とお義母様はどうされたの?」

1人、ダイニングルームに残ったセシルに尋ねた。

「父も母も食事が終わったから部屋に戻ったよ、俺はエルザに話があったからここに残っていたんだ」

「まぁ、そうだったのね」

時計を見ると席を外してから30分以上が経過していた。

「こんなに時間が経過していたのね…気付かなかったわ。ごめんなさいセシル。貴方の事待たせてしまって」

「気にすること無いって。赤ん坊の世話は手がかかるからな。それでルークは眠ったのか?」

セシルが腕の中のルークに視線を送る。

「ええ。よく眠っているわ」

「そうか……寝顔見せてもらえるか?」

「いいわよ」

ルークを抱いたままセシルの側によると、眠っているルークを見せて上げた。

「うん……。可愛いな。腕がこんなんじゃなければ抱いてみたかったな」

セシルは包帯で巻かれた両手を私に見せると苦笑いしてきた。

「……腕が治れば抱くことが出来るわよ」

そう、ルークは貴方の子供では無いけれども血は繋がっているのだから……。

「うん、そうだよな。それで、実はそのことについてなんだけど…」

「何?」

するとセシルは一瞬躊躇ったように俯き……顔を上げた。

「やっぱり、食事は毎回エルザとルークの顔を見ながら一緒に取りたいんだ。だから俺も離れに移ることにしたよ。離れの使用人の人数が足りないのは分かってる。そこで本館の使用人を何人か移動させることに決めたんだ。部屋もエルザの隣の部屋に住むことにした。もう今夜からそこで暮らそうと思ってね。実は以前から考えていて…既に部屋の用意は出来ているんだ」

「え……?」

部屋の準備は出来ている?
以前から用意してあった?

それらの話は私に取っては全く寝耳に水だった。

「え…?そ、そうだったのね?」

戸惑う私の姿が気になったのか、セシルが悲しげな顔で尋ねてきた。

「エルザ……。ひょっとして迷惑だったか?ルークの世話で大変なのは知っている。だからお前に迷惑を掛ける気は一切無いよ。ただ…少しでも長く一緒にいたいんだ。
今の俺はこんな身体だし……本当に元通りの身体に戻るのかも…不安なんだよ。記憶のこともそうだし」

「セシル……」

セシルは真剣な表情で私を見つめてくる。
彼は私を妻だと思っているのだから、彼にしてみればこの訴えは当然のものなのだろう。

記憶を失う前のセシルは私に色々良くしてくれていた。
そのことを考えると無下にすることは出来なかった。

「ええ、分かったわ。セシル」

「本当か?ありがとう。それじゃ、早速離れに戻ろう」

セシルの顔には安堵の笑みが浮かんでいた――。
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